同軸ケーブル

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同軸ケーブルどうじくケーブル:Coaxial cable)は、不平衡な電気信号を伝送するための特性インピーダンスが規定された被覆電線の一種。用途は様々であり、主にテレビ受像機無線機アンテナとをつなぐ給電線として、計測機器の接続用として、旧来の規格のLANなどの構内回線網の伝送媒体として、音声信号映像信号の伝送用として、電子機器内部の配線用として(特に高周波)、用いられる。

外部への電磁波の漏れが少ないこと、ある程度の折り曲げが可能であるなどが特徴である。直流からミリ波まで幅広い周波数範囲の伝送ができる。

また、直流を伝送可能なことと、上記の電磁遮蔽の性質を利点として、ベースバンドパルスの伝送にも利用する事ができ、デジタル信号伝送用のケーブルとして、また、MAP,10BASE-2や10BASE-5といった規格のLAN等(主に旧来のもの)の伝送媒体としても利用されている。

同軸ケーブルの接続には専用のコネクタを用いる。使用する周波数帯やインピーダンス特性により、BNC型・N型・M型・F型などいくつかのタイプがある。(詳しくはコネクタの項目を参照)オーディオ機器など低周波用としてはRCAプラグ・ジャックも用いられる。

目次

[編集] 構造

同軸ケーブル RG-213 (50±2Ω。一般用)
1: 内部導体(銅線)
2: 誘導体(ポリエチレン)
3: 外部導体(網組み銅線)
4: 保護被覆(ビニル)

円形をした内部導体(写真の1)を、絶縁体(同2)、その周囲を外部導体(同3)、そして最後にシース(保護被覆、同4)で覆っている。ケーブルを切断した断面が、軸を同じくした円筒を入れ子にしたような形状に見えることから「同軸ケーブル」という名称がついた。 絶縁体にはポリエチレンを用いたものが最も一般的である。外部導体は、編組線(へんそせん)と呼ばれる細い銅線を編んだものが多い。精密測定や極超短波以上の周波数で減衰を少なくしたい場合には、外部導体に金属箔を用いたケーブルを使用する場合もある。

外部導体は基本的に0ボルト電位の基準(グラウンド、GNDと表記される)となり,一般的には上記に挙げられているコネクタの外部金属部分を通して、接続される回路ないし筐体アースに接続される仕組みとなっている。

[編集] 特性インピーダンス

同軸ケーブルの構造
同軸ケーブルの構造。D は外部導体の内径、d は内部導体の直径、ε は誘電体(絶縁体)の比誘電率。これらの値から特性インピーダンスを計算できる。

外部導体の内径を D [mm]、内部導体の直径を d [mm]、誘電体絶縁体)の比誘電率ε とすると、同軸ケーブルの特性インピーダンス Z0 [Ω] は次式で求められる。

Z_0 \approx \frac{138}{\sqrt{\epsilon}}\log_{10}{\frac{D}{d}}

特性インピーダンスは、50Ω(主に無線機等の電力の伝送用)と75Ω(主にテレビ受像機等の信号伝送用)が一般的である。

同軸ケーブルの絶縁体には当初空気が用いられた。この場合、最適な(損失が少ない)導体径比(外部導体内径/内部導体外径)にすると、特性インピーダンスが約75Ωとなる。近年では絶縁体にポリエチレンが主に用いられるが、この場合に導体径比を最適にすると約50Ωとなる。このことから、一般的なインピーダンスが75Ωおよび50Ωが主流となったと言われている(諸説あり、実際のところは不明である)。

[編集] 特殊な構造の同軸ケーブル

[編集] 漏洩同軸ケーブル

漏洩(ろうえい)同軸ケーブル〔LCX(Leaky Coaxial cable)〕は、上で述べたように電気信号を伝送するという目的に加えて、敷設したケーブルの周囲に電波を輻射する(アンテナとしての役割がある)という目的で使用される。代表的な例として、トンネル内のFM放送や列車無線、地下鉄坑内でのPHS基地局などのアンテナとして利用される。

[編集] セミリジッドケーブル

UHF帯やSHF帯では扱う波長が短く、また編組線では伝送損失が大きいため、機器内の接続には外部導体を小径のパイプとした「セミリジッドケーブル」と呼ばれる同軸線を用いる。使用時に自由に曲げることはできないが、特性は良好である。

[編集] 同軸管

高電力の通信用・放送送信機の出力用には、銅パイプやアルミパイプを用い、空気を絶縁体とした同軸管(直径数10mm~150mm)を使用する。

[編集] 代表的な同軸ケーブル

  • インピーダンス50Ω(D)
    • 3D-2V、5D-2V、8D-2V:無線機のアンテナ給電線に使われる。
    • 5D-FB、8D-FB、10D-FB:無線機のアンテナ給電線に使われる。絶縁体に発泡ポリエチレンを用い、外部導体はアルミ箔と編組線を重ねたものが使われており、低損失である。また、2Vケーブルに比べ高周波数帯域の伝送にも強い。
  • インピーダンス75Ω(C)
    • 3C-2V、5C-2V:テレビ受像機のアンテナ給電線及び、テレビ局やプロダクションのベースバンドに使われる最もオーソドックスなケーブル(主にBB、VBS、S-Bus信号に使用する)。
    • 3C-2VS、5C-2VS、1.5C-2VS:2Vケーブルとほぼ同スペックだが、芯線部分が銅線の単線ではなく、多数の銅線のスクエア構造になっているため、柔軟性が高く、屈曲の多い箇所の使用に使われる。また、移動仮設用(テレビ中継、イベント映像など)のケーブルとして優れている。
    • 3C-FB、5C-FB、7C-FB:テレビ受像機のアンテナ給電線に使われる。低損失タイプ。絶縁体に発泡ポリエチレンを用い、外部導体はアルミ箔と編組線を重ねたものが使われている。しかしタイラップ等で束線する際は、あまり強く締めてしまうと帯域が狭まってしまう可能性がある。また、外部導体に損傷を受けやすい欠点もあり、頻繁に屈曲や引っ張ったりする仮設移動用の結線には適していない(主にHDSDI、D1SDI、AES/EBU、RF信号に使われる)。
    • 6C-HD、7C-HD、8C-HD:HISDI伝送専用ケーブル。7CではFBケーブルの1.3倍の伝送距離を誇る。絶縁体が3層構造となっている。価格はかなり高価である。
    • 3C-FW、5C-FW:FBケーブルのスペックを持った移動仮設用(テレビ中継、イベント映像など)のケーブル。編組シールドが二重化してあるため、ケーブルストリッパーは使用不可。

[編集] メーカー

以下は、同軸ケーブルの主要な製造および販売会社である。記載されている販売会社の一部は他社からのOEM供給を受けているケースがある。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ