空気
空気(くうき)とは、地上で暮らす我々人類のまわりにある無色透明な気体のこと。つまり、地球大気の最下層を構成している気体のことである[1]。
目次 |
[編集] 概説
空気は複数の気体の混合物であり、その組成はほぼ一定であり、約8割が窒素、約2割が酸素である。密度としては、気象状況による変動もあるが、おおむね1cm²あたり約1kgの圧力を及ぼす空気が存在している。(→#自然科学(データ等))
西欧で18世紀までは4大元素のひとつと考えられており、つまり元素だと考えられていた。その後、酸素と窒素の混合物だと考えられるようになった。(→#空気の理解史)
日本人は、その場にいる人々の気分やその場の雰囲気なども「空気」と呼んでいる[2]。(→#比喩としての「空気」)
[編集] 空気の理解史
古代ギリシャではすでに、空気は4つの元素の1つとされた(四元素説)。この考え方は中世ヨーロッパにも継承された。近代的な元素の概念が生まれた後も、相当期間、空気は元素の1つと考えられていた。空気とは性質が異なるさまざまな気体が発見されたが、それらは空気の化合物か混合物だと考えられた。
18世紀になると、アントワーヌ・ラヴォアジエが空気が酸素と窒素の混合物であることを示し、空気を元素とは考えなくなった。
[編集] 自然科学(データ等)
[編集] 物性
乾燥した空気1リットルの重さは、セ氏0度、1気圧のときに1.293gである[1]。(この1リットルという単位で見るとこの重さは一見小さいようであるが、垂直に数十kmも積み重なることで大きな重さ(圧力)となる。また風速(空気の移動速度)が大きくなるにつれ衝突する空気の総量が増えることで、大きな風圧が生じることになる。帆船、ヨット、ウィンドサーフィンなどはこれを利用して大きな推力を得ているわけであるし、台風などでは巨大な破壊力となる。)
| 密度(0℃ 1atm) | 1.293 kg/m3 |
| 平均分子量 | 28.966 g/mol。 |
| 膨張率(100℃ 1atm) | 0.003671 /K |
t[℃]における空気の密度ρ[kg/m3]は大気圧をP[atm]とすると
と表せる。
[編集] 成分
地球の大気の成分で最も変動するのは水蒸気だが、それを除いた乾燥空気の成分は、場所・季節・時刻ではほとんど変化しない。ただし、(*)を付けた成分は、生物・産業活動・光化学による合成・分解により、多少変動する。
| 成分 | 化学式 | 体積比/% | 重量比/% |
|---|---|---|---|
| 窒素 | N2 | 78.084 | 75.51 |
| 酸素 | O2 | 20.946 | 23.01 |
| アルゴン | Ar | 0.934 | 1.286 |
| 二酸化炭素 | CO2 | 0.032* | 0.040* |
| 成分 | 化学式 | 体積比 /ppm |
|---|---|---|
| ネオン | Ne | 18.18 |
| ヘリウム | He | 5.24 |
| メタン | CH4 | 1.60* |
| クリプトン | Kr | 1.14 |
| 水素 | H2 | 0.50 |
| 一酸化二窒素 | N2O | 0.3* |
| 一酸化炭素 | CO | 0.1* |
| キセノン | Xe | 0.087 |
| オゾン | O3 | 0.03* |
| 二酸化窒素 | NO2 | 0.02* |
| アンモニア | NH3 | 0.01* |
| 二酸化硫黄 | SO2 | 0.002 |
なお、地球大気がこのような成分に至った経緯については、地球の大気を参照のこと。
[編集] 潜水で用いる空気
スキューバ・ダイビングで使用するタンクには空気が充填されているが、50m程度まで潜水する場合は窒素酔いを避けるため、窒素分をヘリウムと置換した空気を用いる。
[編集] 空気と知覚
我々は空気に依存し、空気の中で生活しているが、日常生活の中でそれを意識することはあまりない。同様に生活に欠かせない水がその手応えや感触から、普段からはっきり意識されるのとは好対照である。
ただし空気は、それに流れがある時には意識される傾向があり、「風」と呼ばれるようになる。[3] また、その成分については、閉め切った部屋、(洞窟の中など)換気が不十分な場所など(現在の観念で言えば、酸素が不十分だったり、余計なガスが混じった状態)では意識されていて、古くから「腐った空気」「空気が腐る」といった表現がされてきた。また、香りや臭いが漂ったり、化学物質により刺激を感じるような場合も意識されるようになる。
[編集] 比喩としての「空気」
- 場の雰囲気のことを「空気」(「場の空気」)ということがある。山本七平は『空気の研究』なる著書を出しているが、こちらの意味である。
- 空気は目に見えず、その他感覚にふれることもなく、普段はその存在を意識することもないが、常に身の回りにあり、無くてはならない存在であることから、ごく親しい仲のことを「空気のような」と表現することがある。
- 最近の若者の俗語では「あいつは空気だから」といった使い方もする。こちらのほうは、存在感のなさを揶揄した否定的な用法である。
[編集] 出典・脚注
[編集] 参考文献
- 広辞苑 第五版