重さ

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重さ(おもさ)とは、その物体に働く重力の大きさ、および、慣性力の大きさを言う。また、力から転じて(力とは次元が異なる)重量を表す意味でも用いられる。

概要[編集]

物を手に持った時に「重さ」を感じるのはその物が地球引力によってを及ぼすためである。また、吊るされた梵鐘などを手で揺らそうとする時に「重さ」を感じるのは慣性力が手に力を及ぼすためである。この場合どちも我々は「重い」と表現するが、これは古来から重力加速度による重力と加速による慣性力に密接な関係があることを経験上知っていたためである。地球上の場合、質量が1kgの物体にかかる重力は約9.8N(ニュートン)となり、この力を1kgw(キログラム重)または1kgfと表記する。

重力は重力加速度に比例して変化するため、同じ物体でも別の天体上では異なる重さ(重力)になり、また地球上でも場所によっては異なる重さ(重力)になる。そのため、重量を重力を使って量る簡便なばねばかりを使う場合は基準が設定されている。

なお、古代から使われてきた天秤ばかりで量った重量は重力加速度に依らず一定であり、この場合一般相対性理論等価原理によれば重量と質量は厳密に一致する。また、物質の慣性力を意味する「重さ」も重力加速度に依らず一定である。

重さ・重量・質量[編集]

上記のように、重さを重力と捉えた場合、重力は重力加速度によって異なるので、重さはそれぞれの物体に固有の性質ではない。しかし、古くから重さと重量が同一視されてきたのは、地球上で物体は質量にほとんど比例した大きさの力で下向きに引かれるため、この引くを物体の性質と見なしたのを重量(つまり質量)と呼んだためである。この捉え方は、人間が手に持って重力から重量を推測する場合や、重力で延びるばねの目盛で重量を量るばねばかりなどの計量器に当たる。これは地球上では重力加速度がほぼ一定であることを利用したもので、ばねばかりは小型で便利なため広く使われている。

一方、天秤ばかりによる計量や慣性力のように、重さを重力ではなく重量と捉えた場合、重量と質量が厳密に一致することは数々の実験で証明されている。重力加速度による重力と加速度による慣性力が比例することはニュートンの時代にかなり正確に測定されていたため、天秤ばかりによる重量と質量が同じであろうということはニュートンも熟知していたが、彼は慎重にも重量という言葉を使わず「密な物」という表現をしており、また質量という言葉も作らなかった。これはまだ重量と質量が厳密に一致するかどうかニュートン自身確信を持てなかったためである。その後の物理学者も同様に確信が持てなかったため重量に代わる言葉として「質量」を使い出したが、アインシュタインの時代になるとかなりの精度で重量と質量が一致することが実験で明らかになっていたため、アインシュタインが等価原理を考え出すことが出来たのは有名な話である。

このように現在では(天秤ばかりでの)重量と質量が厳密に同じであることがわかっているが、重量は重力で量るものという誤解から物理学等では曖昧さを排除するため「質量」という言葉を使う。

重さを量るときの注意[編集]

実際には、ばね秤が発明されると重力を元に物体の重量を扱うことが行われた来た。ニュートンらによる理論は、それが実用上は問題ないことを裏付け、同時にわずかながら違いがあること、普通の地上でない場合には様々な誤差が生じること等を示したとも言える。実際的には地上でも地域によって重力の大きさには違いがある。

上記のように、地球上において重力を質量のように見なしても普通には困難はないが、実際にはまずい場合もある。たとえば地球表面は真空ではないから、そこに存在する物体は必ず浮力を受けるため、発生した浮力で見かけの重力を補正する必要がある。人間の活動は普通は空気中で行われ、空気は人間の意識して扱う大抵の物体よりはるかに小さな密度を持つため、普段はこれに気づくことは少ない。しかし、このために空気の重さはないとの感覚が流通している。また、熱気球のように上昇するものに対して、重さと反対の「軽さ」という性質があるとの判断も過去には存在した。

拡張された意味[編集]

古来は重さと重量は同じ意味だったが、その意味では一般概念としての重さは質量に当たる。下に挙げる歴史的あるいは慣用的な重さの単位も、その意味するところは質量と見るべきである。また、一般的な用法としてはむしろ密度を念頭に使うことも多い。たとえば「綿より重い」というのはこの例である。 また上の意味から派生して、質量で量れない概念的な物事の重大さを表す。この場合は「重み」や「重き(を置く)」の語が使われることが多い。重みという場合に、「のしかかる」ものとの印象があるのは、重さの性質を如実に反映している。重点とも言う。

重さの単位[編集]