運動の第2法則

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古典力学
\boldsymbol{F} = \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}(m \boldsymbol{v})
運動の第2法則
歴史

運動の第2法則(うんどうのだい2ほうそく、: Newton's second law)は、ニュートン力学の基礎をなす三つの運動法則の一つで、運動の第1法則が成り立つ座標系の下で、物体の運動状態の時間変化を、物体に作用すると関係付ける法則である。単にニュートンの法則と呼ばれることもある。この法則から導かれる関係式は(ニュートンの)運動方程式、あるいはニュートン方程式と呼ばれる。アイザック・ニュートンによって発見され、1687年に出版した『自然哲学の数学的諸原理』において発表された。

概要[編集]

ニュートンの運動の第2法則は、物体の運動状態の時間変化が、物体に作用する力に等しいことを主張する。 時刻を t、物体に作用するF として、運動の状態を表す量として運動量 p を導入すれば

\frac{d\boldsymbol{p}}{dt} =\boldsymbol{F}(t)

と表すことが出来る。この方程式がニュートンの運動方程式である。 この方程式は時刻 t を変数とする微分方程式の形をしている。

初等的には運動量は速度 v=dr/dt に比例し

\boldsymbol{p} =m\boldsymbol{v}
 =m\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}

となる。ここで導入された比例係数 m は慣性質量と呼ばれる。 これを運動方程式に代入すれば

m\boldsymbol{a} =m\frac{d\boldsymbol{v}}{dt}
 =m\frac{d^2\boldsymbol{r}}{dt^2} =\boldsymbol{F}

となる。従って、物体が力を受けると加速度が生じ、生じる加速度は力の方向を向き、その大きさは力に比例する。比例係数は慣性質量となる。

この形の方程式を運動方程式と呼ぶこともある。 この方程式は、力と加速度の関係から慣性質量を定義しているが、慣性質量が決定された後は、力から加速度を、あるいは加速度から力を決定する方程式と見ることが出来る。

相対性理論による修正[編集]

ニュートン力学において、時間や空間は経験的に自明なものとして、深い考慮がなされずに扱われていた。 これらについて考察した理論が特殊相対性理論である。相対論においては時間は絶対的なものではなくなる。この為、時刻 t に関する微分方程式として記述する運動方程式では扱い辛く、適当なパラメータを導入して記述される。特に、質点の固有時 τ をパラメータとして用いられることが多く、このとき、運動方程式は

\frac{dp}{d\tau} =G(\tau)

となる。この運動量 p は速度(位置の時刻による微分)ではなく、位置の固有時による微分に比例して

p =m\frac{dx}{d\tau}

である。時刻 t は固有時 τ の関数として与えられ、運動量は連鎖律から

\boldsymbol{p} =m\frac{d\boldsymbol{x}}{dt} \frac{dt}{d\tau}
 =\gamma m\boldsymbol{v}

となる。ここで γ は

\gamma =\frac{dt}{d\tau} =\frac{1}{\sqrt{1-v^2/c^2}}

である。質点の速さが光速より十分小さければ γ→1 となり、ニュートン力学とほぼ同じ意味を持つ式となる。

脚注[編集]


参考文献[編集]

関連項目[編集]