運動量
| 運動量 momentum |
|
|---|---|
| 量記号 | p |
| 次元 | M L T −1 |
| 種類 | ベクトル |
| SI単位 | ニュートン秒 (N·s), グローバー (G) |
| CGS単位 | ダイン秒 (dyn·s) |
| プランク単位 | プランク運動量 |
| 古典力学 | ||||||||||
| 歴史 | ||||||||||
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運動量(うんどうりょう、英: momentum)とは、物体の運動の状態をあらわす物理的な指標で、一般には質量
と速度
の積として定義される。
物理学では位置の正準共役量であり、速度よりも基本的な量として用いられる。ニュートンはこの量の関係として物体の運動の仕組みを提示し、力は特に言及していないなど歴史的にも重要な指標として扱われている。日常生活においては、動いている物体の止めにくさとして体感される。つまり重くて速い(運動量が大きい)物体ほど静止させるのに大きな力積が必要になる。
目次 |
保存則 [編集]
詳細は「運動量保存の法則」を参照
外力が一切働いていない、
個の質点を持つ質点系において、次の事が成り立つ。
これは運動量保存の法則と呼ばれる。運動量保存の法則は次のように示される。 座標を
、質量を
とする
番目の質点の運動方程式は、
ここで、内力に関する和は、
の場合を除く他の質点からの寄与である。この場合の質量中心、すなわち重心座標
および全運動量
を定義すると、
(M = m1 + m2 + ・・・ + mN)

この重心の運動方程式は、作用・反作用の法則より
となる。外力が働いていない系、または外力の総和が
の系であれば、全運動量は保存し、重心座標は一定の速度で運動しているか、あるいは静止状態にある。
時間的な変化 [編集]
詳細は「力積」を参照
時間変化
の間の運動量の変化
(これを力積と呼ぶ)について、次の事が成り立つ。
すなわち、力積とは、力
にその作用を受けた時間
を掛けた量である。力を時刻
から
まで働かせて運動量が
から
まで変化したとき、
この式は、力を受けた時間にその力の大きさを掛けた量が運動量の差に等しいことを示しており、このことから、同じ力で運動量の変化を大きくするには、力が作用する時間を長くすればよいことがわかる。このことは、野球でバッターが飛距離を伸ばすための打法の工夫などに利用される。
モーメント [編集]
運動量のモーメントを角運動量と呼ばれ、次で定義される。

角運動量はニュートンの運動方程式と同様な

を満たす。ここで、
は物体に作用する力のモーメントである。
詳細は「角運動量」を参照
解析力学における運動量 [編集]
解析力学において、一般化座標
に対応する一般化運動量
は以下で定義される。

ここで、
はラグランジアンであり、運動エネルギー
、ポテンシャル
とすると、

である。 三次元デカルト座標
においては、ポテンシャルが速度(位置の微分)に依存しないときには



であり、質量と速度の積となっている。
一般化座標として二次元極座標
を選ぶと、ラグランジアン及び
に共役な運動量はそれぞれ



となる。ここで、
に共役な運動量は質量と速度の積の普通の運動量であるが、
に共役な運動量は角運動量となっている。
ポテンシャルが速度に依存するときもある。例えば電磁場が存在し、物体と相互作用がある場合である。 ラグランジアンは具体的に

である。ここで
は物体の持つ電荷、
はスカラーポテンシャル、
はベクトルポテンシャルである。このとき、共役運動量は

となる。 このときの共役運動量は質量と速度の積の普通の運動量に、電磁場との相互作用による
の項が加わる。
ルジャンドル変換によりハミルトン力学へ移ると、運動量は力学変数となる。ハミルトン力学では運動量は座標とともに正準変数として重要な働きをする。
「ハミルトン力学」も参照
相対性理論 [編集]
相対性理論において運動量とエネルギーはミンコフスキー空間における四元ベクトルを為し、
(
は質量、
は固有時間)である。これの空間成分は
となる。非相対論的極限(
)において前述の運動量(質量と速度の積)に一致する。
運動量とエネルギーは
の関係を満たしている。運動量が
の場合は有名な
の式になっている。
量子論 [編集]
光(あるいは電磁波)は波であるが、実験によりエネルギーと運動量を持つ粒子でもあると考えられている。 そのエネルギーと運動量は
である。(ここで
はプランク定数、
は振動数、
は角振動数、
は光速、
は波長、
は波数である)
前述のエネルギーと運動量の関係式にこの関係を入れると、
からこの粒子の質量は
であることが分かる。この質量
の粒子を光子という。
量子力学では、上記の古典論的運動量
は、波動関数
に対する、
という演算子であるとみなされる。ここに、
は虚数単位、
はナブラである。
或いはエネルギーとまとめて四元ベクトルで表すと、
である。これらは対応原理と呼ばれ、解析力学における作用積分
の汎関数微分が
であることなどから類推された。
また、正準量子化という方法によれば、位置と運動量は正準交換関係
対称性との関係 [編集]
運動量は空間の一様性(並進対称性)に対応する保存量である。 時間の一様性に対応するエネルギー、空間の等方性に対応する角運動量とともに、基本的な物理量である[1]。
脚注 [編集]
参考文献 [編集]
- L.D.ランダウ・E.M.リフシッツ 『力学・場の理論 : ランダウ=リフシッツ物理学小教程』 水戸巌・恒藤敏彦・廣重徹訳、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2008年。ISBN 978-4-480-09111-6。




(M = m1 + m2 + ・・・ + mN)












![[x^\mu,p_\nu]=i\hbar \delta^\mu_\nu](http://upload.wikimedia.org/math/4/0/f/40fc0dada1b3cba007819bf7413b83a7.png)
![[x^\mu,x^\nu]=0 \, ,\, [p_\mu,p_\nu]=0](http://upload.wikimedia.org/math/c/7/9/c79f099f1793f218e787882ad24f9553.png)