直交

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直交(ちょっこう、orthogonal)とは、「垂直に交わること」である。もっとも単純にはユークリッド空間内の交わる二つの直線平面のなす角が直角であることを意味する。たとえば、水平面上に鉛直に直線を下ろせば、この直線と平面は直交する。

このことは、直線と曲線または曲線同士、あるいは平面と曲面または曲面同士、もしくは曲線と曲面などの場合にも、交点において曲線の接線(または法線)あるいは曲面の接平面(または法線)などを考えることにより拡張できる。すなわち接線同士(または法線同士)の直交を以って二つの曲線の直交を定義するのである。

さらに概念を拡張し、交点における接線、接平面(または法線)を(幾何学的)ベクトルを導入して、交点における接ベクトル(または法ベクトル)の直交性として認識することが可能である。このとき、ユークリッド空間において標準的に定義される内積 · を用いることにより、ベクトル a, b が直交するということを、その内積 a · b が 0 であると言い換えることができる。より一般的には、(ベクトルのなす角という量的な評価を犠牲にするとしても、)内積を持つベクトル空間において直交の概念を拡張させる。

定義[編集]

内積 <, > を持つ、あるベクトル空間の 2 つの元 x, y に対して、

 \langle \mathbf{x} , \mathbf{y} \rangle = \langle \mathbf{y} , \mathbf{x} \rangle = 0

なる関係が成り立つ時、2 つのベクトル x, y直交していると言う。

たとえば、区間 (-π, π) で二乗可積分な実数値関数(f(x)2, g(x)2 を区間[0,2π]で積分した結果が有限値を持つ)について全体のなすベクトル空間 L2(-π, π) は f, g に対し、内積

\langle f, g \rangle = \int_{-\pi}^{\pi} f(x)g(x)\,dx

をもち、L2(-π, π) の二つの関数 sin x, cos x はこの内積に関して直交する。もっと一般に、集合 {1, sin nx, cos mx | n, mN} は L2(-π, π) の直交基底になる。

関連項目[編集]