ニュートン力学
ニュートン力学(ニュートンりきがく、英語:Newtonian mechanics)は、アイザック・ニュートンが彙集した一連の物理法則を指し、物体の運動と力の関係を明確に数学として表現する力学の一分野である。1687年に『自然哲学の数学的諸原理』(略称『プリンキピア』)で公表された。
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概要 [編集]
『自然哲学の数学的諸原理』(プリンキピア) [編集]
ニュートンによる力学の体系は『自然哲学の数学的諸原理』 (通称 Principiaプリンキピア) に記述されている。当時、数学といえばユークリッド幾何学であり、プリンキピアでは(現代において用いられている数式ではなく)すべて作図による説明がなされている。
通俗本や初学者向けの本では“ニュートンが運動を説明する哲学を発見した”といったように、ニュートンをことさら英雄視するように表現されていることもあるが、歴史研究者らの詳細な研究では、先人たち(ガリレオや、ティコ・ブラーエ、ケプラーなど)によりすでに定量的に発見・研究されてきた物理や、同時代の自然哲学者らが得ていた知識を、ニュートンが数学的記述を用いて体系的にまとめあげた面が大きい、と指摘されている。
運動の法則 [編集]
ニュートン力学では、物体は質点すなわち質量を伴った数学的な点の集まりとして扱われる。各質点は力の影響を受け、以下の3法則に従って運動する、とする( ニュートンの3法則 )[1]。
- 第1法則(慣性の法則)
- 外力が加わらなければ、質点はその運動(静止)状態を維持する(力を加えられない質点は等速度運動(等速直線運動)を行う)。
- 第2法則(ニュートンの運動方程式)
- 質点の運動(運動量)の時間的変化は、それにかかる力の大きさに比例し、力の方向に作用する。

- 第3法則(作用・反作用の法則)
- 二つの質点 1,2 の間に働く力には一方の質点に作用する力だけでなく、他方への反作用の力がある。これらの力は大きさが等しく、方向が逆である。
力学の法則は数多くあるが、基本的には上記から導出されるものである。
継承と発展 [編集]
| 古典力学 | ||||||||||
| 歴史 | ||||||||||
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ニュートン力学は、その後に進展した解析力学などと併せて古典力学と呼ばれる。20世紀以降に発展した現代物理学(相対性理論と量子力学)と対比した呼称である。
解析力学 [編集]
ニュートン力学はラグランジュ形式やハミルトン形式で再定式化された。これらは、ニュートンの運動法則を座標系の取り方によらずに一般的に成立するように構成されたもので、ラグランジュ形式では、最小作用の原理(変分原理)からニュートンの運動方程式を再現する。ハミルトン形式では、正準変数とポアソン括弧を用いることにより、ニュートンの運動方程式に対応する正準方程式を対称な形で表現することができる。
現代物理学での位置付け [編集]
現代の物理学の視点では、ニュートン力学は「われわれが日常扱うスケールでは有効な理論」あるいは「日常的なスケールでの近似理論」とも捉えられている。
「質点の運動を考えるとき、特殊相対性理論は速度が光速よりも十分遅いときニュートン力学で近似できる」と言われたり、「量子力学は運動量が(量子スケールでなくて)十分に大きい場合にニュートン力学で近似できる」などと言われたり、またニュートン力学に含まれることもある「ニュートンの万有引力理論は、重力が弱い場合の一般相対性理論の近似である」などと解説される。つまり、速度や重力の大きさが人々の日常的な範囲に収まる問題ならば、ニュートン力学を用いて十分な精度で説明できる、とされているのである。
出典 [編集]
- ^ 松田哲『パリティ物理学コース 力学』 pp19-23、丸善、2002年
関連項目 [編集]
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