天体力学

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古典力学
歴史

天体力学(てんたいりきがく、Celestial mechanics または Astrodynamics)は天文学の一分野であり、ニュートン運動の法則万有引力の法則に基づいて天体の運動と力学を研究する学問である。

概説[編集]

位置天文学と並び天文学の古典部門もしくは古典天文学と呼ばれ、「天文学の近代部門」あるいは「近代天文学」と呼ばれる天体物理学と対比されることが多いが、「古典部門」という意味は今日この分野がまったく意味を持たないというのではなく、むしろ現在においても欠くことのできない天文学研究の基礎であるといえる[1]。事実、今日の天文学者でも古在由秀堀源一郎長谷川一郎中野主一といった天体力学を専門とする研究者は多く存在する。

天体力学では従来、惑星といった太陽系内の天体を研究対象としてきたが、近年では星団銀河といった恒星系を質点系と捉えてその運動や力学を研究することも増えている[1]。このような研究分野を特に恒星系力学 (stellar dynamics) と呼ぶ。

天体力学の応用分野[編集]

天体力学分野は、特に惑星探査機の軌道設計(フライバイ)や新発見された天体の軌道の決定などでは欠かせない分野である。特に、近年心配されている小惑星の地球衝突を予測し回避するための研究などでも用いられている。また、シミュレーション天文学でもシミュレータの代表例として掲げたGRAPEなども、星団・銀河・銀河団の形成などを大規模質点系として捉えた、多体力学問題を高速で演算するための専用計算機でもある。

古典的な分野であるが、現在も位置天文学と並び暦の編纂や地球-月系の形成、太陽系の形成、銀河の形成-進化、銀河団の形成-進化などでも数多くの研究が行われている分野でもある。

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b ヨアヒム・ヘルマンドイツ語版 著、小平桂一 監修 『カラー天文百科』 平凡社1976年3月25日初版第1刷発行、18-19頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]