イオ (衛星)

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イオ
Io
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イオ(ガリレオ撮影)
仮符号・別名 Jupiter I, J 1
視等級 (V) 5.0(平均)
軌道の種類 ガリレオ衛星
発見
発見日 1610年1月7日
発見者 ガリレオ・ガリレイ
シモン・マリウス
軌道要素と性質
平均公転半径 421,700 km
近木点距離 (q) 420,000 km
遠木点距離 (Q) 423,400 km
離心率 (e) 0.0041
公転周期 (P) 1 日 18 時間 27.6 分
(1.769 日)
軌道傾斜角 (i) 0.040
木星の衛星
物理的性質
赤道面での直径 3,643.2 km
表面積 4.191 ×107 km2
質量 8.94 ×1022 kg
木星との相対質量 4.704 ×10−5
平均密度 3.528 g/cm3
表面重力 1.79 m/s2
(0.183 G)
脱出速度 2.6 km/s
自転周期 1 日 18 時間 27.6 分
(公転と同期)
アルベド(反射能) 0.63
赤道傾斜角 1.5424 度
表面温度
最低 平均 最高
90 K 130 K 2,000 K
大気の性質
大気圧 調査中
二酸化硫黄 90 %
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イオ(Jupiter I Io)は、木星の第1衛星。2007年までに発見された衛星の中で内側から5番目の軌道を回っている。地球以外で最初に活火山が観測された天体である。名はギリシア神話に登場する人物、イーオーにちなむ。なお、同名の小惑星 (85) イオも存在する。

この衛星はガリレオ・ガリレイによって発見されており、そのためエウロパガニメデカリストとあわせてガリレオ衛星と呼ばれている。

比較的明るい衛星で、双眼鏡でも観察できる。 宇宙探査機のパイオニアボイジャーなどによって、火星の衛星(フォボスダイモス)などと同様に接近写真が撮られ、観測された。

イオの火山[編集]

イオの火山活動
イオの内部構造

イオは火山活動を行っていることが確認された地球以外の最初の天体である。火山のひとつは噴煙を200 - 300 km上空へ秒速1 kmの速さで吹き上げていた(ボイジャー1号の撮影したイオの写真を解析していた際、NASAの科学者リンダ・モラビトが偶然に発見した)。その他にも数多くの噴火山があり、25 km以上のサイズを持つカルデラ地形は100個以上も見つかっている。火口から噴出しているのは硫黄ナトリウムなどを含む物質と考えられ、これらは宇宙空間まで到達していると考えられている。

イオが火山を持つ理由は、木星の強大な引力と他の衛星との軌道共鳴による潮汐力によるものとされている。木星の巨大な質量かつ木星から近い軌道を回るイオと、イオの2倍の公転周期を持つエウロパ、4倍の公転周期を持つガニメデとの位置関係によって、イオには強大な潮汐力が働いている。この結果、イオ自体に地表面が100 m程度も上下する[1]歪みが生じ、歪みが生じる際の摩擦によって内部で熱エネルギーが発生しているためだと考えられている。また、ガリレオによる磁力計データを再解析したところ、イオの地殻下に50 km以上のマグマの海があることがわかった[2]

イオの火山ガスは、宇宙空間に噴出され、イオの公転軌道上にプラズマ化したトーラスとして滞留している。イオプラズマトーラスは、木星オーロラの大きな発生要因の1つとなっている。

地形[編集]

イオの地形には「パテラ(噴火口)」、「フルクトゥス(溶岩流)」などのように、火山活動によるものが多い。一部はギリシア神話から、残りは世界各地の火山、および火山や太陽、などに関する神話から名付けられている。

日本と関連したものには、日本神話に由来するアマテラス・パテラ、ヒルコ・パテラ、スサノオ・パテラ、マスビ・フルクトゥス、不動明王(アチャラ・ナータ)に由来するアチャラ・フルクトゥス、アイヌの神話に由来するフチ・パテラ、およびカミナリ・パテラ、ライデン・パテラ、センゲン・パテラがある。

イオの表面にはクレーターがほとんど見られない。これは、上記の火山活動に見られるようにイオが地質学的に活発で、表面が常に更新されているからと考えられている。

脚注[編集]

  1. ^ 東京大学准教授 宮本 英昭 放送大学 太陽系の科学 第9回 「巨大惑星の衛星たち 驚くべき多様な世界」(2010年)
  2. ^ 「Newton 2011年9月号」ニュートンプレス 原典:Astrophysical Journal Letters

イオを扱った作品[編集]

関連事項[編集]