太陰暦

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太陰暦(たいいんれき、lunar calendar)は、朔望月の満ち欠けの周期)を1か月とする暦法である。「太陰」は「(天体の)」の意味。陰暦(いんれき)。「太陽暦」「陽暦」の対義語である。

概要[編集]

回帰年季節の周期で、太陽暦の1にほぼ等しい)は約365.2422である。太陰暦は朔望月を単位とするため1年は朔望月の整数倍となるが、回帰年は約12.37朔望月なので、太陰暦の1年は回帰年と大きく異なる。

狭義の太陰暦(純太陰暦純粋太陰暦)では原則として、比較的近い12朔望月(約354日)を1年とする。一方、広義の太陰暦に含まれる太陰太陽暦では、適宜閏月を加えた13か月からなる閏年を混ぜることで、平均した1年を1回帰年にほぼ一致させる。

東アジアで単に太陰暦・陰暦といった場合、太陰太陽暦である中国暦和暦など意味することが多い。これらが廃止された中国日本では、旧暦とほぼ同義である。現代の日付について述べる場合は、最後の公的な太陰太陽暦だった時憲暦天保暦をさす。

ただし以下では、特に断らない限り純太陰暦について述べる。

太陰暦と季節[編集]

太陰暦の1年は回帰年より約11日短い。したがって、ある年のある月日の季節は前年より11日早く、約8年で四季1つぶん早くなり、約33年で季節を一周する。

一例を挙げれば、ヒジュラ暦1428年のラマダーン(9月)は西暦2008年9月ごろで初秋だが、1410年のラマダーンは西暦1990年4月ごろで中春だった。

このように、十数年以上の時間スケールで見た場合、月日と季節はまったく無関係である。しかし短い時間スケールなら、たとえば去年と今年のラマダーンの季節はほぼ等しい。

これは、太陽暦で、長い時間スケールでは日と月相は無関係だが、先月と今月の同じ日の月相ならほぼ等しいことと対応している。

逆に、太陰暦では同じ日なら月相はほぼ同じである。太陽暦では、同じ月日なら季節はほぼ同じである。また太陰太陽暦は、月相の一致と季節の一致を両立させている(ただし季節の一致は精度が高くない)。

太陰暦は月の運行を元にはしているが、1年を1回帰年の長さに近い12か月としている点でわずかに太陽暦の性格を持つ。逆に、太陽暦で1か月を約30日としているのは太陰暦の名残りと考えられている。

太陰暦に基づく暦法[編集]

現在も使われている暦[編集]

過去に使われていた暦[編集]

(広義の)太陰暦の利用[編集]

太陰暦の利点は、基本的に純太陰暦と太陰太陽暦で共通である。

沿岸漁業では潮の満ち引きにより作業時間が大きく左右される。現在は潮汐表が書き込まれた太陽暦のカレンダーも存在するが、太陰暦を使った干潮・満潮時刻の算出や大潮(1日16日ごろ)、小潮(8日ごろと23日ごろ)の判断は漁師として基本的な素養の1つである。

外部リンク[編集]