宇宙
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宇宙(うちゅう)には、次のような意味がある。
- 広義には、森羅万象(あらゆる物事)を含む天地の全体、「世界」の意味。
- 哲学や宗教など、何らかの観点から見て、秩序をもつ完結した世界体系、「コスモス」の意味。
- 狭義には、天文学的・物理学的にみた「宇宙」と、地球の大気圏外の空間 「宇宙空間」の意味。
本項では主に、3. の天文学的・物理学的に見た宇宙について解説する。
目次 |
[編集] 意味
「宇宙」という言葉の確定した起源や意味は不明だが、次のような説がある。
- 「宇」は「天」、「宙」は「地」を意味し、「宇宙」で「天地」のことを表す。
また、それぞれの観点から見た場合の「宇宙」の定義には、以下のようなものがある。
哲学的・宗教的観点から見た場合、宇宙全体の一部でありながら全体と類似したものを「小宇宙」と呼ぶのに対して、宇宙全体のことを「大宇宙」と呼ぶ。
天文学的観点から見た場合、「宇宙」はすべての天体・空間を含む領域をいう。銀河のことを「小宇宙」と呼ぶのに対して「大宇宙」ともいう。
一説には観測できる領域は宇宙の地平線の内側に限定されるが、大宇宙はそれよりはるかに大きいと考えられている。
物理学的観点から見た場合、「宇宙」は物質・エネルギーを含む時空連続体のまとまりである。
現代物理学における「宇宙」は、物理学的な「世界」全体ではなく、生成・膨張・収縮・消滅する物理系の一つである。理論的には無数の宇宙が生成・消滅を繰り返しているとも考えられている。
「地球の大気圏外の空間」という意味では、国際航空連盟(FAI)の規定によると高度100km以上のことを指す。アメリカ軍では高度50ノーチカルマイル(92.6km)以上の高空を「宇宙」と定めている。
[編集] 宇宙の年齢
2003年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が発表した宇宙背景放射観測衛星・WMAP の観測結果では、宇宙は約137億年前に生まれたと推定されている。
[編集] 宇宙の大きさ
地球上から見た宇宙とは、人間が物理的に観測可能な最大範囲を指す言葉である。宇宙は膨張し続けているため、宇宙の大きさを表現するにはいくつかの単位がある。距離測度(en:distance measures (cosmology))を参照してください。
地球から、人類が観測可能な宇宙の果てまでの、いま現在の長さである共動距離(Comoving distance)は、地球を中心とする全方向に約470億光年と推定されている。[1]この最大範囲の境界面は粒子的地平面とよばれる。この場所は現在、光速の約3.5倍の速度で地球から遠ざかっている。[2]
光の旅した時間に光速をかけたものはLight travel distanceとよばれる。[3]Light travel distanceでは、電磁波により観測される宇宙[4]の大きさは半径137億光年と推定される。光が地球に届く間に宇宙が膨張し、そのため光の道程が延び、また光を放った空間が遠ざかる。このためLight travel distanceは、いま現在の長さである共動距離と値がずれる。また、現在地球がある場所からこの場所までの、137億年前(宇宙の晴れ上がり直後)の長さは約4000万光年と推定されている。Light travel distanceは、天文学において地球から天体までの距離を示す際、よく利用される。
観測可能な宇宙を含む宇宙の全体は、インフレーション理論に基づき、より広大であろうと予想されているが、いまだその大きさが有限なのか無限なのかはわかっていない。
[編集] 宇宙の膨張
宇宙は膨張を続けていることが分かっている。1929年にエドウィン・ハッブルが遠方の銀河の後退速度を観測し、距離が遠い銀河ほど大きな速度で地球から遠ざかっていることを発見した(ハッブルの法則)。
一方、これに先立つ1915年にアルベルト・アインシュタインによって一般相対性理論が発表され、エネルギーと時空の曲率の間の関係を記述する重力場方程式(アインシュタイン方程式)が見出された。
これを受けて、宇宙は一様・等方であるという宇宙原理を満たすようなアインシュタイン方程式の解が、アインシュタイン自身やウィレム・ド・ジッター、アレクサンドル・フリードマン、ジョルジュ・ルメートルらによって導かれたが、これらの解はいずれも時間とともに宇宙が膨張(または収縮)することを示していた。
当初、アインシュタインは宇宙は定常であると考えていたため、自分が見つけた解に定数(宇宙定数)を加えて宇宙が定常になるようにしたが、後にハッブルによって観測的に宇宙膨張が発見され、膨張宇宙という概念が定着した。
[編集] 宇宙の誕生
宇宙の始まりはビッグバンと呼ばれる大爆発であったとされている。
ハッブルの法則によると、地球から遠ざかる天体の速さは地球からの距離に比例するため、逆に時間を遡れば、過去のある時点ではすべての天体は1点に集まっていた、つまり宇宙全体が非常に小さく高温・高密度の状態にあったことが推定される。
このような初期宇宙のモデルは「ビッグバン・モデル」と呼ばれ、1940年代にジョージ・ガモフによって提唱された。
その後、1965年にアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによって、宇宙のあらゆる方角から絶対温度3度の黒体放射に相当するマイクロ波が放射されていることが発見された(宇宙背景放射)。これは、宇宙初期の高温な時代に放たれた熱放射の名残であると考えられ、ビッグバン・モデルの正しさを裏付ける証拠であるとされている。
しかしその後、宇宙の地平線問題や平坦性問題といった、初期の単純なビッグバン理論では説明できない問題が出てきたため、これらを解決する理論として1980年代にインフレーション理論が提唱されている。
また場の量子論によれば、発生初期の宇宙は真空のエネルギーに満ちており、それが斥力となり宇宙膨張の原動力になったとされる。
[編集] 宇宙の死
膨張する宇宙がこの先どのような運命をたどるかは、アインシュタイン方程式の解である宇宙モデルによって異なる。
一般に、一様等方という宇宙原理を満たすような宇宙の形には、空間の曲率が0の平坦な宇宙、曲率が正の閉じた宇宙、曲率が負の開いた宇宙の3通りが可能である。
平坦な宇宙か開いた宇宙であれば宇宙は永遠に膨張を続ける。閉じた宇宙であればある時点で膨張が収縮に転じ、やがて大きさ0につぶれる(ビッグクランチ)。
2005年時点での最新の観測結果によれば、宇宙は平坦な時空であり、このまま引き続き広がり続け、止まることはないと考えられている。
宇宙の年齢・大きさの項目とも関連するが、平坦な宇宙や開いた宇宙の体積は無限大であり、このような宇宙では宇宙誕生当初から体積は無限大である。これは、宇宙が素粒子よりも小さな大きさから膨張を始めたというビッグバン宇宙論やインフレーション宇宙論と相容れない点である。無限から無限への膨張は矛盾しないが有限から無限への膨張には少なくとも1度は無限大の膨張速度が必要でありインフレーション宇宙論においても説明できない。ただし「開いた宇宙」は現在有限(で閉じた)宇宙だが永久に膨張を続けるという意味で時空的に無限という意味合いで使われることもある。この場合は膨張速度無限大の問題は生じない。
宇宙が平坦であり永遠に膨張を続けるということは、最終的に宇宙は絶対零度に向かって永遠に冷却し続けることを意味する(現在は3K、約-270度だといわれている)。宇宙の終末に関するより詳細な議論については、宇宙の終焉を参照。
[編集] 宇宙の歴史
詳細は宇宙の年表を参照。
[編集] 宇宙の階層構造
地球は惑星のひとつであり、いくつかの惑星が太陽の周りを回っている。太陽とその周りを回る惑星、その周りを回る衛星、そして準惑星、小惑星や彗星が太陽系を構成している。
太陽のように自ら光っている星を恒星という。恒星が集まって星団を形成し、恒星や星団が集まって銀河を形成している。
銀河は単独で存在することもあるし、集団で存在することもある。銀河の集団を銀河団といい、銀河団や超銀河団の分布が網の目状の宇宙の大規模構造を形成している。網の目の間の空間には銀河はほとんど存在せず、超空洞(ボイド)と呼ばれている。
[編集] メガパーセク
天文的な距離を表すのには光年がよく用いられるが、銀河間の距離や宇宙の構造を取り扱う場合にはメガパーセク(Mpc)が使われることがある。
- 宇宙の最大観測可能距離:4200Mpc
- かみのけ座銀河団までの距離:90Mpc
- 超空洞ボイドの直径:30~10Mpc
- おとめ座銀河団までの平均距離:20Mpc
- アンドロメダ銀河までの距離:0.7Mpc
- 銀河系の直径:0.03Mpc
[編集] 人類の宇宙観
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プトレマイオスの説にもとづいて作られた宇宙モデル
1208年のアラビアのアストロラーベ
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以下の各項目を参照。
[編集] 宇宙の観測・開発
[編集] 脚注
- ^ 「宇宙図の見方」(国立天文台)
- ^ 宇宙の膨張は空間自体の膨張であるため、光速を超えることも可能である
- ^ 日本語ではまだLight travel distanceの定訳はないが、現代中国語では「光行距離」と訳す。なお中国語でもComoving distanceの訳語は「共動距離」である。
- ^ 電磁波による観測に制限されない、観測可能な宇宙との違いに注意。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 「Yuri's Night 08 @日本科学未来館 in Tokyo」人類初の宇宙飛行を記念して行われる宇宙イベントの1つ。
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