宇宙ステーション

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国際宇宙ステーション

宇宙ステーション(うちゅうステーション、英:Space station、露:Орбитальная станция)は、地球軌道上などの宇宙空間にあり、人間がそこで生活し続けられるように設計されている人工天体のことである。

概要[編集]

宇宙ステーションは、広義には宇宙船の形態の一種である。しかし単独で機能する有人宇宙船と違い、必ずしも宇宙飛行士を載せた状態で打ち上げられたり、推進・着陸のための設備を持つとは限らない。主として長期にわたる軌道上の生活に特化して設計されているものを指す。地球と宇宙ステーション間で人員や物資を輸送するには、そのための機能を持った有人宇宙船や補給船が別個に必要となる。

現実の宇宙ステーション[編集]

これまでに実現した以下の宇宙ステーションは全て地球の衛星軌道上に建設されており、科学研究、特に長期の宇宙滞在における人体への影響の研究などを目的としている(一部は軍事ミッションを行っていた)。

サリュート
ソビエト連邦が打ち上げた世界初の宇宙ステーション。1 - 7号が打ち上げられ、1971年から1985年まで運用。
スカイラブ
アメリカの宇宙ステーション。1973年 - 1974年。1 - 4号が打ち上げられたが、本体となるのは1号のみで、2-4号は宇宙ステーションへの往復に用いられた有人宇宙船である。
ミール
サリュートの後継として開発されたソビエト連邦の宇宙ステーション。1986年に打ち上げられ多数のモジュールが追加された。2001年に廃棄され大気圏に突入。
国際宇宙ステーション (ISS)
アメリカ航空宇宙局 (NASA)、ロシア連邦宇宙局 (RFSA)、日本の宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、カナダ宇宙庁 (CSA)、欧州宇宙機関 (ESA) が共同で建設中の宇宙ステーション。1998年建設開始。
天宮
中国独自の宇宙ステーション計画。2011年9月に試験機である天宮1号が打ち上げられ、2012年6月に有人運用が始まった。2020年を目処に本格的な宇宙ステーション建設を開始するとしている。

軌道上で無人試験段階の宇宙ステーション[編集]

ジェネシスI, ジェネシスII
ビゲロー・エアロスペース社により2006年7月/2007年6月に打ち上げられた、民間初となる宇宙ステーションの無人試験用モジュール[1]。同社はその後も開発を続けており、2014年~2015年にはBA 330という有人モジュールを打ち上げるとしている。また、複数のモジュールからなる商業用宇宙ステーションも計画されている。

建設予定の宇宙ステーション[編集]

未来の宇宙ステーション[編集]

20世紀中に運用された宇宙ステーションはいずれも剛体の外壁を持ったものだったが、2000年代以降は柔らかい素材で作られた膨張式の宇宙ステーションの開発が進められている。この型式のステーションには、重量や価格に対して大きな居住スペースを確保できるという利点がある。ビゲロー・エアロスペース社が打ち上げた試験用の宇宙ステーションが膨張式の構造を採っているほか、NASAといった公的な宇宙開発機関でも検討が行われている[1][3]

また、宇宙ステーションは自由落下中であるため、そのままでは内部は無重量状態(実際は微重力)である。そのため、長時間生活することによって筋肉が衰えたり、からカルシウムが溶け出したりするなどの悪影響が出る。また、無重量状態においては、気を付けていないとものが散乱してしまうため、ものの取り扱い、特に液体や粉末状の物などの取り扱いに十分な配慮が必要である。

そこで、遠心力を利用して、重力が発生しているのと同じような環境を作れるような宇宙ステーションが考案されている。SFにはそのような施設が数多くあり、回転軸を中心にした、車輪状の形状をした宇宙ステーションが考案されている。このタイプの宇宙ステーションは、スペースコロニーとも重なり、遠心力を擬似重力として利用した生活空間を内包する。SF映画「2001年宇宙の旅」に出てくる宇宙ステーションがその代表的な例である。

実験レベルでは国際宇宙ステーションでも遠心力で重力を生み出すモジュールセントリフュージが予定されていた。これは実際に日本で開発が進んでいたが、運用するアメリカ側が2005年に中止を決定したため実用には至っていない。

脚注[編集]

関連項目[編集]