山火事
山火事(やまかじ、英語:wildfire)とは、山や森林で広範囲にわたり発生する火災。森林火災(しんりんかさい)、山林火災(さんりんかさい)、林野火災(りんやかさい)ともいう。
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原因 [編集]
山火事の原因は主に2つに分かれる。1つが自然発火で、雷や火山の噴火などが原因となり発生する。まれにだが、枯れ葉同士が風で擦れあい、その摩擦で発生する場合もある。もう1つは人間によるもので、たき火やタバコの不始末、放火や焼畑農業などが主因である。前者は火事であり、後者は火災である[1]。
消火 [編集]
人の散水による消火は持ち運べる水量が限られており、ごく小規模な火災や火勢の弱い場合を除き行われない。地上からの消火作業は、土砂をかけることによる窒息消火が行われる。特に日本の山林火災では急傾斜地が多いため、航空機やヘリコプターによる散水が行われるが、樹木を帯状に伐採し形成する防火帯による自然鎮火を待つ場合も多い。水源が延焼域に近い場合は消防車による消火も行われる。
主な被害 [編集]
山火事は太古の昔から起こっていた現象で、成長しすぎた森林が焼け落ちることで新しい樹木の誕生を促していたと推測されている。しかし人類が火を使用し始めてから、人為的要因によって発生する山火事が増加し、被害を発生させるようになった。人間への被害としては、短期的には延焼により住居や財産、生命を失うこと、煙による健康被害。長期的には、森林の公益的機能や生物多様性が失われることにより、水源涵養機能の喪失や土砂流出による洪水被害の拡大、生態系のバランスが崩れ、特定の動物の大量発生が起こりやすくなることなど。
また、極度の乾燥や強風により火災の範囲が拡大することがある。強風の時には火災旋風が発生し、急速なスピードで移動してまれに住宅地を襲うこともある。
近年アメリカ合衆国やオーストラリアなどは、落雷などにより自然に発生した山火事は、自然のサイクルの一現象としてとらえ、人命に影響しない限り、むやみに消火しない方が主流となってきている。
各地域の概況 [編集]
- 総務省消防庁調べによれば、2008年の林野火災は283件。
- 自然発火によるものは少なく、自動車からのタバコのポイ捨てやたき火の不始末など人為的な原因により発生することが多い。ヘリコプターの出動による消火剤の散布も行われるが、地形が入り組んでいる状況などから、地上から水嚢(すいのう)を背負った消防団員を投入する人海戦術に頼る消火も行われる。
- 異常乾燥やフェーン現象が拡大を助長させることがある。瀬戸内海の各島では多かれ少なかれ被災経験を持つ。
- 優良な木材の生産地域で発生した場合、林業及び加工・流通などの関連産業に及ぶ被害額は甚大なものとなる。
- 対策として防火帯(防火保安林)の設置が行われるほか、道路の斜面緑化には枯れ草を出しにくい常緑性の牧草が採用されることがある。
- 1971年(昭和46年)、広島県呉市の灰ヶ峰で発生した山火事は、死者17名を出す大惨事となった。これは戦後の林野火災としては最も犠牲者が多く、かつ17名全員が消防署職員であり、最も殉職者を多く出した火事としても記録に残っている(参照:呉市山林火災)。
- 落雷などによる自然発火のほか、焼畑農業など人為的な原因により発生する。ヘリコプターや航空機による海水や湖水の汲みあげ散布も行われるものの、規模が極めて大きくなりがちであることから集落や道路などの拠点防御が目的となる場合も多い。基本的に自然鎮火を期待することとなる。
- ロッキー山脈周辺の山岳地で時に発生し、数週間にわたって続くこともある。
- シベリア地方のツンドラ地帯は、有機物を大量に含む土壌であるため、樹木が消失した後でも土壌中で種火となりくすぶり続ける。こうした傾向は、亜炭や褐炭など低質の石炭層が露出している地域ではしばしば見受けられる。
生育のサイクルに山火事が関与する樹種 [編集]
人工山火事 [編集]
北米やオーストラリアの森林では、コントロールされた小規模な火入れ(prescribed fire)を定期的に起こしている。これにより、山火事による自然のサイクルが滞らないようにすると共に、大規模な山火事による被害を防いでいる。
創作物における山火事 [編集]
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
参考文献 [編集]
- ^ 森 章 (2010) 撹乱生態学が繙く森林生態系の非平衡性. 日本生態学会誌 60:19-39.