簡易消火用具

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
消火バケツ

簡易消火用具かんいしょうかようぐ)とは、水バケツ、乾燥砂等の消火器ではないが、消防法及び関係政令上消火器の代替が可能なものである。

消防法に定める防火対象物に必要な消火器の能力単位数の1/3までは、これらの簡易消火用具で代替することが出来る。しかし、消防機関の指導により、義務設置の消火用具と取り扱ってもらえない場合もある。

エアゾール式簡易消火具はこの項目とは関係ない。

消防法施行令・消防法施行規則による簡易消火用具[編集]

水バケツ[編集]

8リットル入り水バケツは三個でA-1の火災模型を消火し得る事から定められている。かつてはバケツは金属製で朝顔形の物という規定があったが、今は無い。「消火バケツ」と表示する。

消火水槽[編集]

  • 80リットル以上の水槽に8リットル入り消火専用バケツ3個を併置したもの。普通火災1.5単位
  • 190リットル以上の水槽に8リットル入り消火専用バケツ6個を併置したもの。普通火災2.5単位

「消火水槽」と表示する。

乾燥砂[編集]

  • 50リットル以上の1塊りにスコップ1個を併置したもの。普通火災・電気火災以外の能力単位0.5単位

主にナトリウムアルミ粉マグネシウム等の金属火災、消火器では消火不可能な危険物に対して用いられる。危険物類の流出対策用ともなる。 「消火砂」と表示する。

膨張ひる石、膨張真珠岩[編集]

  • 160リットル以上の1塊にスコップ1個を併置したもの。普通火災・電気火災以外の能力単位1単位。

バーミキュライトの類である、乾燥砂と同等の目的に用いられる。「消火ひる石」と表示する。膨張真珠岩はパーライトの類で膨張ひる石と同様の方法で使用する。

特例として簡易消火用具と認められたもの[編集]

三角バケツ[編集]

内部に隔壁があり、一度に全量が出ず、数回にわたって散水可能なもの。7リットルのもの2個で消火バケツ3個と同等と看做される。

投てき式消火弾[編集]

消火弾は、塩化アンモニウム-炭酸ナトリウム等の水溶液をガラス製アンプルや割れ易い プラスチック容器に封入し、火災時に火元に投げ込み消火を図るもの。

1960年代まで消火器より安価で、詰替え等の手間が要らない事から普及した。毒性のある四塩化炭素を充填したものもあったが、能力単位は無い。

古くからあるガラス製のものは6個で消火専用のバケツ3個と同等と看做される。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]