バーミキュライト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
苗床

バーミキュライト(ヴァーミキュライト、expanded vermiculite)は、農業園芸に使われる土壌改良用の。また、建設資材としても使われている。 名前の由来は、ラテン語vermiculareから。

中国南アフリカオーストラリアジンバブエ米国などに産出する原鉱石蛭石(ひるいし、vermiculite)を800℃ほどで加熱風化処理し、10倍以上に膨張させたもの。

用途[編集]

土壌改良
多孔質で非常に軽く、保水性・通気性・保肥性がある。pHもほぼ中性である(アルカリ性のものもある)。ピートモス赤玉土などと混ぜて使用する。ほぼ無菌なので、ガーデニングにおける挿し木用土、種蒔き用土として使われる。
建設資材
非常に軽い(かさ比重は約0.1)ので、壁面用石膏ボードなどの骨材として使われる。
ガスケット・シール材
ジョイントシートやフィラー材、グランドパッキン等に使われる。
使い捨てカイロ
暖をとるための使い捨てカイロの主材料として使われる。
消火剤
金属ナトリウム、金属カリウムの火災時に、消火剤として用いられる。

石綿(アスベスト)との関係[編集]

バーミキュライトの原料の蛭石には、その産地によっては鉱脈が近いこともあり、石綿アスベスト)が含まれている可能性がある[1]。特に米モンタナ州リビー鉱山産の原石には毒性の高い角閃石系の石綿が含まれ、鉱山労働者や周辺住民に多くの健康被害をもたらしている。(2009年6月17日にリビー地区に対して「衛生に関する緊急事態」が宣言され、環境対策や疾患患者への医療支援が進められている。アスベスト問題で、米政府が緊急事態を宣言したのは初めての事である。)[2]

しかし日本においては産地表示の義務は無く、エックス線回折装置だけを使用するJIS法による検査は精度が低い[3]ため、過去にJIS法により石綿含有無しと判定されたバーミキュライトが、国際的に採用されている偏光顕微鏡、分析電子顕微鏡を利用した検査により、リビー鉱山産バーミキュライトの混入が判明する例が国内外で報告されている。これはJISの検査方法に0.5%未満の含有率のアスベスト繊維を見逃す事がある欠陥によるもので、国際標準化機構(ISO)のアスベスト専門機構を始め国内外のアスベスト専門家から批判されており、国内外から見直しを求める声が上がっている。

これらの問題に対し厚生労働省は、2009年11月に吹き付け石綿中にリビー産バーミキュライトが発見された事を受け、リビー産バーミキュライトに含まれていた角閃石系繊維であるウィンチャイトリヒテライトの二種類を、国内で規制されていた6種の石綿類と同等に扱うよう、各団体に通達を行っている。経済産業省は国際基準に合わせるのが望ましいとしており、見直しも検討する方針を示している。[4]

苦土蛭石[編集]

苦土蛭石 vermiculite
苦土蛭石
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Mg1-x(Mg,Fe,Fe3+,Al)3(Si,Al)4O10(OH)2・4H2O
結晶系 単斜晶系
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
テンプレートを表示

苦土蛭石(くどひるいし、vermiculite)は鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種。

化学組成は Mg1-x(Mg,Fe,Fe3+,Al)3(Si,Al)4O10(OH)2・4H2O。単斜晶系

脚注[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]