C-130 (航空機)
C-130 ハーキュリーズ
ロッキード C-130 ハーキュリーズ(Lockheed C-130 Hercules)はロッキード社が製造している輸送機。ハーキュリーズとは、ギリシア神話に登場する英雄、ヘラクレスの英語読みである。
戦術輸送機のベストセラーであり、アメリカ軍はもとより西側諸国を中心に69ヶ国で使用され、登場から半世紀近く経った現在も生産が続いている。
2012年現在の最新型はC-130J スーパーハーキュリーズ(Super Hercules, ハーキュリーズ IIと表記されることもある)である。
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概要 [編集]
高い短距離離着陸性能を持つが、補助ロケットを装備する事でより短い滑走距離での離陸も可能。その輸送力と運行性能の高さから「世界最高の輸送機」との呼び声も高い。また汎用性も高いため、特殊派生型も数多く存在する。
未整地運用を念頭に置いて設計され、砂漠での離着陸や車輪にソリをつけて南極への物資輸送など極めて幅広く用いられている。また、1963年には航空母艦「フォレスタル」において発着艦実験に用いられたことがある。大型すぎて実際に使用するのは困難とされ実験以上の段階には進まなかったものの、驚いたことにカタパルトやアレスティング・ワイヤー等を用いることなく(本来艦上機ではないので対応しておらず使うのは不可能であるにも関わらず)着艦、発艦ともに成功しており、空母に乗ることが前提になっている艦上機でさえその多くが不可能なことをやってのけたことは特筆に値する。
C-130から間を置かずしてロッキード社は、同じアリソンT56ターボプロップエンジンを搭載したL-188旅客輸送機を進空させる。ジェット推進かプロペラ推進かの選択で過渡期にあった当時の旅客輸送機において、C-130の開発経験はロッキード社にL-188へのターボプロップ採用を促す大きな要因の一つであったと考えられる。しかし旅客輸送機の将来を技術的にも商業的にも見誤ったことや、設計の不備に起因する墜落事故などでL-188の販売は低迷し、結果としてロッキード社の民間旅客輸送機部門はL-188の次に開発したL-1011の商業的な失敗を最後に撤退している。
一方のC-130は各国軍への売込みが進み、生産数は第二次世界大戦後の戦術輸送機において最多である。またL-188が世に出てから数年足らずのうちにライバルの登場により陳腐化したのに対し、C-130はその立場を決定的に脅かすような競合機が今日に到るまで現れていない。そればかりか過去にはアメリカ空軍が進めていたC-130の後継機計画すらも頓挫しており、その地位は今しばらくの間は揺らぐことがないであろう。
基本型 [編集]
- YC-130
- 試作型。三翅プロペラを使用し、短いノーズを持つ。エンジンは3750馬力。
- C-130A
- 初期型。当初はYC-130と同様ノーズが短かった。試作型と同じエンジンを搭載。翼下のエンジン外側に増槽を装備。
- C-130B
- 1959年開発。補助翼を追加し、プロペラブレードを四翅化。翼下に増槽がなく、その分高速で飛行できる。エンジンは4050馬力
- C-130D
- C-130Aを元に、ソリとJATO(短距離離陸用の補助ロケットエンジン)を装備。
- C-130E
- 1962年に配備開始。航続距離を増し、エンジンをアリソン T56-A-7Aに換装。構造や電子機器も改善された。外側・内側エンジンの間に増槽を装備し、この配置は以後のタイプの標準となった。
- C-130F
- アメリカ海兵隊向け。出し入れ可能な燃料タンクを貨物室に設置できる。
- C-130G
- アメリカ海軍向け。C-130Eを元に機体の構造を強化し、積載量を向上。
- C-130H
- 翼の設計を改め、電子機器を一新した。エンジンをアリソン T56-A-15に換装。当初は輸出向けとして1964年頃から採用され始め、1975年からアメリカ空軍への配備が始まった。生産は1996年まで続けられた。
- CC-130E/H
- カナダ空軍でのC-130E/Hの呼称。
- Tp84
- スウェーデン空軍でのC-130E/Hの呼称。
- C-130K(ハーキュリーズ C.1)
- C-130Hのイギリス空軍向け。後に空中給油プローブを追加した機体はハーキュリーズ C.1Pとも呼ばれる。
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- ハーキュリーズ C.3
- C-130H-30のイギリス空軍向け。後に全機に空中給油プローブが追加されハーキュリーズ C.3Pとも呼ばれる。
- C-130J
- 1999年に配備開始。現在も生産を行っている最新モデルで、エンジンをロールス・ロイス/アリソン AE2100に換装し、ブレードが三日月形状の六翅プロペラに変更、アビオニクスもコックピットのグラスコックピット化などの近代化を行った。詳細は項目を参照。
- C-130R
- 海上自衛隊が、東日本大震災対処などのために老朽化の進んだYS-11の後継として導入予定の中古機。アメリカ海兵隊向けのKC-130Rから空中給油機能を取り除いたもの[1]。
- C-130T
- アメリカ海軍向け。内1機は現在アクロバットチーム「ブルーエンジェルス」専用機「ファットアルバート」を務めており、前述したJATOを使用しての短距離離陸をデモンストレーションとして行う(現在はJATOの在庫がなくなったため行われていない)。
派生型 [編集]
- この他にも、供与国のいくつかに独自改造して作られたEC-130が存在する。
- GC-130
- 地上試験型。
- HC-130B/E/H
- 戦闘捜索救難機型。
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- HC-130N コンバット・キング
- 空中給油機としての能力を付加した型。
- MC-130P コンバット・シャドウ
- 救出作戦支援型。旧称HC-130P コンバット・キング。詳細は項目を参照。
- JC-130
- 暫定的な試験機型。
- KC-130F
- 空中給油/輸送機型。
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- KC-130R
- KC-130Fの燃料搭載量増大型。
- KC-130T
- KC-130Rのアビオニクス近代化型。
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- KC-130T-30
- KC-130Tの胴体延長型。
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- TK.10
- スペイン空軍でのKC-130Hの呼称。
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- ハーキュリーズ C.1K
- イギリス空軍独自の空中給油機型。
- LC-130
- 南極観測支援機型。詳細は項目を参照。
- MC-130
- 特殊部隊支援機型。詳細は項目を参照。
- NC-130
- 特殊試験機型。
- PC-130
- 洋上哨戒機型。マレーシアとインドネシアに少数機が輸出される。
- RC-130
- 偵察機型。
- SC-130
- 捜索救難機型。
- TC-130
- 訓練/汎用輸送機型。
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- TC-130G
- かつてブルーエンジェルス専用機「ファットアルバート」として、1機だけ運用されていた機体。
- VC-130
- VIP輸送機型。
- WC-130 ハリケーン・ハンター
- 気象観測機型。
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- ハーキュリーズ W.2
- イギリス空軍が1機だけ運用していた、ハーキュリーズ C.1の気象観測機型。
- L-100(L-382)
- C-130Eをベースにした民間型。
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- L-100-20
- L-100の胴体延長型。
- L-100-30
- L-100の完全胴体延長型。
運用国 [編集]
C-130Jの採用国については「C-130J (航空機)#運用国」を参照
1984年(昭和59年)から1998年(平成10年)までに航空自衛隊は、C-130H型を16機購入し(完成品の輸入でライセンス生産ではない)、2012年3月末時点の保有数はC-130Hが15機、KC-130Hが1機である。戦術輸送機として愛知県の小牧基地第1輸送航空隊第401飛行隊で運用し、陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練・作戦なども支援する。
防衛省・自衛隊の海外派遣でも運用されており、2004年3月3日から2008年12月まで実施された航空自衛隊のイラク派遣においては、地上からの視認性を低下させるために水色に塗装されたC-130Hがクウェートの飛行場とイラクの飛行場との間で輸送活動を行った。
2006年10月には航空自衛隊小牧基地に航空機動衛生隊が編制され、C-130H機内での医療行為を可能とする機動衛生ユニットが納入された。また、プローブ・アンド・ドローグ方式空中給油ポッドの増設と空中給油受油能力の付与が行われてKC-130Hとなった機体(シリアルナンバー:85-1080)が、2010年2月25日に第401飛行隊に配備された。[2] [3]
海上自衛隊でも、老朽化が進むYS-11Mの代換としてアメリカ海軍からKC-130Rの中古機を6機購入する予定である[4]。機体の空中給油装置は取り外され、C-130Rとして運用される。
仕様 (C-130H) [編集]
- 乗員:6名
- 全長:29.79m
- 全幅:40.41m
- 全高:11.66m
- 主翼面積:162.1m²
- 空虚重量:34.36t
- 滑走距離:約400~1,300m
- 最大離陸重量:79.36t
- 燃料容量:36,416L(機内+主翼下増槽)
- 動力:アリソン・エンジン社製T56-A-15 ターボプロップ ×4基
- 出力:4,910ehp(3,423kW)×4
- 最大積載量:19.050t
- 貨物室:1,219x302x274cm
- 最大速度:335knots(約620km/h)
- 巡航速度:550km/h
- 航続距離:最大約4,000km
- 実用上昇限度:8,000m
- 武装:なし
登場作品 [編集]
- 映画・テレビドラマ
- 『世界大戦争』
- 連邦国陣営の輸送機として登場。核ミサイル基地に大陸間弾道ミサイルを空輸する。
- 『超人機メタルダー』
- 第1話でストローブに撃墜される兵器製作会社の輸送機として登場。
- 主人公一行が逃走するのに使用。劇中ではフレアを利用したり大規模な空中戦闘が繰り広げられた
- ソビエト連邦の輸送機として登場
- ゲーム
- 『ARMA 2』
- プレイヤー、AIが操作し人員を輸送可能。
- 『大戦略シリーズ』
- 西側諸国の輸送機として登場。
- 漫画
- 『エリア88』
- 主要登場人物である兵器業者マッコイじいさん(マッコイ商会)の輸送機として登場。またTVアニメでは正規軍の輸送機としても登場。
- アニメ
- 『えびてん』
- 第6話の最終シーンで名前と機影が出ている。
脚注 [編集]
関連項目 [編集]
- C-1 (輸送機) / C-X (輸送機)
- C-5 (航空機) / C-17 (航空機)
- G.222 (航空機) / C-27J スパルタン
- C-160 (航空機)
- エアバス A400M
- An-70 (航空機)
- エンブラエル C-390
外部リンク [編集]
- 航空自衛隊 - C-130H(紹介)
- The Aviation Zone(英語)
- Hurricane Hunters(英語)