MiG-17 (航空機)

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Flag of the Soviet Union (1923-1955).svg MiG-17 / МиГ-17

MiG-17 landing by StuSeeger.jpeg

MiG-17(ミグ17;ロシア語:МиГ-17ミーク・スィムナーッツァチ)は、ソビエト連邦ミコヤーン・グリェーヴィチ設計局で開発されたジェット戦闘機DoDが割り当てたコードネームはType 38(Type 20とする説もある)。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームフレスコ (Fresco)。

概要[編集]

MiG-17は、朝鮮戦争で実戦には投入されたものの飛行機として未成熟だったMiG-15を改良した完成型である。当初MiG-15bis-45°として開発されたことからわかるように、MiG-15において35度であった主翼の後退角を45度に改め(厳密には前縁途中で角度が変わっている)、主翼上の境界層板の数も片側2枚から3枚へと変更した。

基本型のMiG-17及びMiG-17Fの武装は機関砲のみで、MiG-15bisと同じく37 mm機関砲N-37 1門と23mm機関砲NR-23 2門であった。その後、ロケット弾を搭載するよう改修された機体もあった。朝鮮戦争には間に合わなかったものの、東側諸国をはじめ多くの国に配備され、1990年代まで数多くの実戦に参加した。

特にベトナム戦争での活動は有名で、何度かアメリカ軍の航空機を撃墜した。またポーランド中華人民共和国殲撃五型、またはJ-5、F-5とも)でも製造された。現在も朝鮮民主主義人民共和国など一部の発展途上国では現役であると考えられている。

なお、MiG-17とMiG-15は見た目で専門家にもしばしば取り違えられているが、機首以外の形状は両者とも著しく異なっており、特に主翼の平面形からの区別は容易である。

生産型[編集]

MiG-17AS
MiG-17F
MiG-17PF
Lim-5
MiG-17
初期の生産型。細長い形状のエアブレーキが特徴。アフターバーナーなしのVK-1Aエンジンを搭載するが、推力不足によりMiG-15bisより若干性能が低下したとも言われる。なお、MiG-17AMiG-17ASは、基本的にはMiG-17と同型である。 БВВС МиГ-17 #62 ВВС СССР МиГ-17 #25, 2005
MiG-17P
イズムルド・レーダー搭載型。
MiG-17F
アフターバーナー搭載のVK-1Fエンジンの完成により完成した本格的な量産型。MiG-17で低下したとも言われた諸性能も、VK-1Fによって改善している。しかしながら、燃料消費の大きなアフターバーナーを使用することは小型の本機にとってしばしば命取りとなり、実戦においても燃料切れによる墜落が幾度となく発生している。なお、中華人民共和国でのコピー機は殲撃五型殲-5/J-5/F-5)であるAlbaniaAF F-5 #4-25。プロペラ機のA-1に2回撃墜されている。
MiG-17PF
MiG-17Fにイズムルート・レーダーを搭載した量産型。レーダーの搭載に伴い、37 mm機関砲は23 mm機関砲に換装されている。中華人民共和国でのコピー機は殲撃五甲型殲-5A/J-5A/F-5A)などと呼称される。なお、ソ連では生産されなかった複座練習機型として本型を元に開発された殲教五型 (JJ-5/FT-5) が大量生産されているFAR MiG-17PF #0904, 1999 AlbaniaAF FT-5 #8-09
MiG-17PFU
MiG-17PFを改修したRS-1U及びRS-2U空対空ミサイル搭載型で、固定武装は廃止されている。MiG-19PMSu-9迎撃戦闘機配備までのつなぎとして40機程度がソ連防空軍に配備された。
Lim-5
MiG-17Fのポーランド生産型がLim-5、MiG-17PFに準じたレーダー搭載型がLim-5Pであるが、Lim-5Pの方がMiG-17PFよりエア・インテイクの開口部が大きく、内部のドームも大型である。 PolandAF Lim-5P #521
Lim-6
Lim-5の大幅な改設計型で数種開発されたが、実用性の問題から結局はどれもLim-5同様の機体に改修された。なお、Lim-5に準じた型がLim-6bis、Lim-5Pに準じた型がLim-6M、Lim-6bisに準じた偵察型がLim-6R、またLim-6Mの偵察型がLim-6MRとされた。ポーランドでは1990年代前半まで使用された。

スペック (MiG-17F)[編集]

MiG-17 3-view drawing.svg
  • 全幅:9.63 m
  • 全長:11.36 m
  • 全高:3.80 m
  • 翼面積:22.60 m²
  • 翼面荷重量:237 kg/m²
  • 空虚重量:3,930 kg
  • 通常重量:5,354 kg
  • 最大離陸重量:6,286 kg
  • 発動機:TRD VK-1F 1基
  • 推力重量比:0.63
  • 最大速度(地表高度):1,144 km/h (3,000 m)
  • 航続距離:1,080 km
  • 上昇率:65 m/秒
  • 実用上昇限度:16,600 m
  • 武装
    • N-37 37mm機関砲(弾薬40発)、NR-23KM 23mm機関砲 2挺(弾薬各80発)
    • 増加タンク ×2、または100kg/250kg爆弾

採用国[編集]

アフガニスタンの旗 アフガニスタン
アルバニアの旗 アルバニア
アルジェリアの旗 アルジェリア
アンゴラの旗 アンゴラ
バングラデシュの旗 バングラデシュ
ブルガリアの旗 ブルガリア
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
カンボジアの旗 カンボジア
中華人民共和国の旗 中国
コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国
キューバの旗 キューバ
チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア
東ドイツの旗 東ドイツ
  • 東ドイツ空軍
エジプトの旗 エジプト
エチオピアの旗 エチオピア
ギニアの旗 ギニア
ギニアビサウの旗 ギニアビサウ
インドネシアの旗 インドネシア
イラクの旗 イラク
ハンガリーの旗 ハンガリー
リビアの旗 リビア
マダガスカルの旗 マダガスカル
マリ共和国の旗 マリ
モンゴルの旗 モンゴル
モロッコの旗 モロッコ
モザンビークの旗 モザンビーク
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
パキスタンの旗 パキスタン
ポーランドの旗 ポーランド
ルーマニアの旗 ルーマニア
ソマリアの旗 ソマリア
ソマリランドの旗 ソマリランド
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
スリランカの旗 スリランカ
シリアの旗 シリア
タンザニアの旗 タンザニア
ウガンダの旗 ウガンダ
ベトナムの旗 ベトナム
イエメンの旗 イエメン
ジンバブエの旗 ジンバブエ
MiG-17 採用国