ジョー90

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ジョー90(Joe 90)は、1968年イギリスジェリー・アンダーソンが作った特撮人形劇である。日本では「スーパー少年 ジョー90」というタイトルで、1968年10月2日 - 1969年3月26日に、毎日放送制作・NETテレビ(現:テレビ朝日)系列で水曜19:00 - 19:30(日本時間)に放送。スーパーチャンネル(現:スーパー!ドラマTV)でも2005年8月1日 - 2005年8月23日に全30話が放映され、その後も何度か再放送が行われている(#外部リンク参照)。日本国内では長い間映像ソフト化がされていなかったが、デアゴスティーニ・ジャパンから刊行された隔週刊『ジェリー・アンダーソンSF特撮DVDコレクション』の付録DVDで初めてソフト化が実現した。

ストーリー[編集]

マックレイン教授の自宅にある発明品ビッグラット(BIGRAT:Brain Impulse Galvanoscope Record And Transfer)。周りを囲む球形の枠が回転し、磁気テープに記録された各分野のプロフェッショナルの能力を、中央の椅子に座った別の人間の脳に外科的手段を経ずに転送する機能を持つ。人間をコンピューターに見立てて、場合に応じて能力(プログラム、ソフトウェア)を人に転移(インストール)するようなものである。教授の養子である9歳児・ジョーは、これと電子メガネを使って諜報機関WIN(World Intelligence Network)のスパイ90号になり、時には「子供だからノーパスで通れる所」「小さな子供だから入れる所」で活躍する。

作品史[編集]

前番組がシリアス過ぎて人気が落ちたので、原点回帰でエンターテインメント重視に戻したと言うパターンが、様々なアニメ・特撮に時々見られるが、アンダーソン作品では当作がそれに該当する。

前番組「キャプテン・スカーレット」に見られたシリアス等の要素を全て逆転し、主役を子供にしたほか、「サンダーバード」以降すっかりお馴染みになったスパイ戦を取り入れている。技術面は「スカーレット」とほぼ同じだが、マリオネットの皮膚の質感などでは更なる進化が見られる。また場面転換演出が「スカーレット」に続いて採用されており

  1. 映像の周りに色枠がつく
  2. 色枠が大きくなって映像が中央で小さくなる
  3. 映像が切り替わって大きくなって
  4. 色枠が消える

というもの。また漫画化を一峰大二が担当した点も「スカーレット」と同じである。

なお、時代設定は他のアンダーソン作品とほぼ同様の近未来であるが、放送当時(1968年)の世相を反映しているためか、劇中のスパイ戦は東西冷戦下で行われている。

キャスト[編集]

マックレイン教授の養子で9歳。好奇心旺盛な年頃ゆえ、WINの仕事を快く引き受ける。設定によれば、両親は事故で亡くなっている。
電子工学の博士でビッグラットの発明者。ジョーと二人暮らし。危険な任務に就くジョーを心配している。設定によれば、妻を事故で失っている。
マックレインの旧友でWINとの窓口役。ジョーにスパイの仕事を与えた張本人。『キャプテン・スカーレット』に登場したゲストキャラクターの人形を流用。本作では他にも『スカーレット』からの流用人形は多い。
WINの副局長で、ロンドンにいるアメリカ人。
  • アダ・ハリス夫人
マクレーン家の家政婦。マックレイン達の秘密に気付いていないのは、この手の作品のお約束。
  • オープニングナレーション大平透
後述の5話まで担当。作品がスパイ物なので『スパイ大作戦』のパロディ・オマージュと思われる。

メカニックなど[編集]

「スカーレット」との違いはレギュラーキャラ・メカにも現れている。「サンダーバード」並に数が多かった「スカーレット」と逆に、当作はレギュラーキャラ・メカがかなり少なく、基地も主人公達が住む民家が使われている。その分ゲストメカは毎回力が入っている。

  • ビッグ・ラット
磁気テープが高速で回転する機構のイメージは、当時イギリスのロックグループの間でもてはやされていたテープエコー装置から想起されたものであるとされる。
  • マックス・カー
マックレインが製作した高速車。(前述のビッグラットを別とすれば)本作の主役メカにあたる。最高速力365km/h。飛行能力も有し、その際は主翼・垂直尾翼を展開し、車輪を後方に引き込む。外観から察して、デザインのモチーフはバッタと思われる。乗員は最大3名。かつて田宮模型(現:タミヤ)からもプラモデルが発売されていた。
  • サムズ・カー
サム・ルーバーの自家用車。登場回数が多いため本項に挙げる。2ドアクーペボディで、マックス・カー等と比べれば放送当時でも現実味を帯びつつ、現代でも通じる洗練されたデザインである。但し、ステアリングは航空機の操縦桿の様な形状である。また、同型車が登場しないため、カスタムカーの可能性が高い。こちらも田宮模型からプラモデルが発売されていた。ちなみに、サンダーバード6号にも同車がクライマックスのみ一瞬、待機しているパトカーを横切る車として出ている。
  • MiG242戦闘機
第1話で登場。後年のムック本等で必ず取り上げられており、本作ゲストメカの中では最も知名度が高いと思われる。ロシアが開発した最大速力マッハ4の戦闘機で、主兵装は機首下部に2門あるロケット砲。専用の傾斜式カタパルトにより無滑走で発進出来る。これを奪取し西側に持ち去るのがジョーの初仕事で、劇中では本機同士の空中戦が行われた。プロップは前作「スカーレット」のエンジェル機を改造したものだが、双発・双垂直尾翼とされるなど変更部分が多く、イメージは寧ろ後年のMiG-25F-15辺りに近い。
  • U87 ストロンガー
『決死のスピードレース』に登場する「U87高速装甲車」。「SF装甲車シリーズ」として田宮模型からキットが発売されていた。ボックスアートにはキャラクターモデルであることを強調するかのようにレース場面を描写、マックス・カーやジョー、マックレイン教授が一緒に描かれている。
  • ワイルドキャット
『恐怖の爆薬トラック』に複数登場。そのうちの1台が『U59 ワイルドキャット』として、こちらも田宮模型からキットが発売されていた。

サブタイトルリスト[編集]

日本では1968年10月2日から1969年3月26日まで、NET(現:テレビ朝日)で放映され、6話からタイトルが「スーパー少年ジョー90」に変更、オープニングもハニー・ナイツの日本語版主題歌(作詞:星一白 作曲:司一郎)に変更されている。また再放送時に1話のサブタイトルが「頭脳変換機ビッグラット」に変更された。 また、1970年代前半の再放送時には『ウルトラ少年ジョー90』のタイトルで放映されていたこともあった。(1970年中部日本放送1971年読売テレビ



英語サブタイトル



日本語サブタイトル
1 THE MOST SPECIAL AGENT 1 1 小さな特別諜報員誕生
2 HI-JACKED 2 2 地底基地を爆破せよ
10 BUSINESS HOLIDAY 4 3 世界征服計画を破壊しろ
4 INTERNATIONAL CONCERTO 8 4 消えた天才ピアニスト
11 MOST SPECIAL ASTRONAUT 3 5 宇宙ステーション応答せず
15 THE FORTRESS 9 6 ジャングル死の脱出
13 DOUBLE AGENT 10 7 二重スパイは誰だ?
7 RELATIVE DANGER 11 8 地獄生き埋め
19 THE RACE 12 9 決死のスピードレース
8 THE UNORTHODOX SHEPHERD 13 10 幽霊教会の対決
20 THE PROFESSIONAL 14 11 世界一の金庫破り
16 PROJECT 90 15 12 ビッグラットの秘密を盗め
5 OPERATION McCLAINE 16 13 大手術作戦
9 KING FOR A DAY 17 14 身がわり王子
14 ARCTIC ADVENTURE 5 15 北極のミサイル回収
3 SPLASH DOWN 6 16 連続ジェット機墜落のなぞ
6 THE BIG FISH 7 17 恐怖の海底脱出
21 TALK DOWN 18 18 死のテストパイロット
18 LONE-HANDED 90 19 19 早撃ち保安官
22 BREAK OUT 20 20 戦りつの脱獄囚
24 TRIAL AT SEA 22 21 海上大爆発
26 ATTACK OF THE TIGER 23 22 タイガー作戦粉砕
17 COLONEL McCLAINE 24 23 恐怖の爆弾トラック
28 TEST FLIGHT 25 24 裏切りのテスト飛行
12 THREE'S A CROWD 26 25 危険な女スパイ
23 CHILD OF THE SUN-GOD 26 魔神ビラギラの呪い
25 VIVA CORDOVA 27 世界一のボディガード
30 THE BIRTHDAY 28 すばらしい誕生日
27 MISSION X-41 21 29 細菌爆弾X-41
29 SEE YOU DOWN THERE 30 愉快なまぼろし作戦

放送局[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

  • ジョー90 - スーパー!ドラマTVによる作品紹介。
毎日放送制作(本番組まで)・NETテレビ 水曜19:00前半枠
前番組 番組名 次番組
スーパー少年
ジョー90
佐武と市捕物控
(木曜21時より移動)