スペース1999

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スペース1999』(スペースいちきゅうきゅうきゅう、: SPACE:1999)は、1974年から1975年に『サンダーバード』で知られるイギリスジェリー・アンダーソンが製作した、SF特撮TVドラマシリーズである。2シーズン計48話が製作され、ITCにより配給された。なお、日本のTBS系で第1シーズンが放映された際には、実際の画面上の邦題は『スペース・1999』で、小説版の邦題もそれに倣っている。またテレビ朝日での第2シーズン放映時には『宇宙大冒険 スペース1999』の邦題が付けられた。

概要[編集]

ストーリー[編集]

1999年9月13日(月曜日)、月に貯蔵されていた核廃棄物が突然爆発を起こし、月は地球の周回軌道を外れて宇宙をさまよい始めた。月基地ムーンベース・アルファのクルーは放浪する月ごと外宇宙の様々な脅威にさらされるが、コーニッグ指揮官のリーダーシップとアルファ隊員の努力によりそれらを克服し、安住の地を求めて無限の宇宙を旅していく。

作品史[編集]

当初は同じITCの人気ドラマ『謎の円盤UFO』の第2シーズンとして企画されたが、その後、全く新規の作品として完成したSFテレビドラマである。

謎の円盤UFO』まで参加していた視覚効果監督のデレク・メディングスは、本作を含む以後のアンダーソン作品には参加していない。そのせいもあってか、従来のアンダーソン作品のミニチュア特撮と比較して雰囲気(爆発、操演)が若干異なり、加えて多くの電子音や飛行音、爆発音などの音響効果も違っていた。

しかしメイン・ミッションの背後に流れていたコンピュータ類の音響は『キャプテン・スカーレット』の1エピソードで確認することができる。第1シーズンのみだがバリー・グレイの手による音楽も、おなじみのフレーズに親しみが感じられる。過去作品のBGM頻出もご愛嬌だったが一方でグレイ作曲ではない既成曲(ホルストの『惑星』など)の使用も目立った。なお、本作品で造形を担当したブライアン・ジョンソン(『サンダーバード』の第2班担当時の名前はブライアン・ジョンコック)はこの後『スター・ウォーズ』に参加している。

第1シーズンと第2シーズン[編集]

両シーズンでは作品のカラーが大きく異なる。第1シーズンはミニチュア特撮のリアル感とストーリーの壮大さで骨太な作風だったが、視聴率の悪さから第2シーズンでは明朗快活なアクション重視の内容となってしまう。予算などのスケールダウンでセットや衣装などの設定変更も生じている。案の定、評価は第1シーズンに及ばなかったようで、第2シーズンの途中でITCが制作中止命令を出してしまった。海外ドラマでは珍しい事では無いが、アンダーソン作品では複数シーズン制が大変少なく、当作と前作の『プロテクター電光石火』以外では、『サンダーバード』が一応2シーズンになっているだけである。

制作に忙しく夫婦としての生活にすれ違いを生じてしまったジェリー・アンダーソンが、第1シーズン終了後の打ち上げパーティーで、シルヴィアとの離婚を公表した。このため第2シーズンはシルヴィアの他、一部の俳優が降板した。音楽もバリー・グレイからデレク・ワズワースに交代した。応援として『スタートレック(宇宙大作戦)』のプロデューサー、フレッド・フライバーガー(Fred Freiberger)が参加した。その為か、ミスター・スポックの様にまゆ毛の吊り上った異星人マヤがレギュラーになるなど、レギュラーの登場人物が説明なく一部入れ替っている。

主な登場人物、出演者[編集]

ジョン・ロバート・コーニッグ中佐(通称:ジョン・コーニッグ指揮官)(マーティン・ランドー/声:瑳川哲朗
ムーンベース・アルファの指揮官に就任した途端、月ごと外宇宙を放浪することになった。
吹替えた瑳川はSF好きで有名。吹き替え版では「指揮官」としているが、軍人であり本来は「中佐(Commander:海軍中佐)」とするのが妥当と思われる。(第1話)
ヘレナ・ラッセル博士(バーバラ・ベイン/声:此島愛子
医療担当で未亡人だがコーニッグに思いを寄せる。
マーティン・ランドーとバーバラ・ベインは『スパイ大作戦』に続いての夫婦共演(但し後年に離婚)。
アラン・カーター(ニック・テイト/声:金内吉男
偵察や探検を担当する宇宙船パイロットの隊長。
サンドラ・ベネス(ジーニア・マートン/声:種谷アツ子→第2シーズンは声:高島雅羅
女性主任データオペレーター。
ロバート・マシアス(アントン・フィリップス/声:小出和明
医師、ラッセル博士の助手。
タニア・アレキサンダー(スザンヌ・ロークエット/声:三枝みち子→第2シーズンは声:黄恵華
コンピュータの声(来宮良子

第1シーズンのみ[編集]

ビクター・バーグマン教授(バリー・モース/声:千葉耕市
地球一の科学者だが心臓に持病があり、人工心臓を使っている。
ポール・モロー(プレンティス・ハンコック/声:若本紀昭
メインコントロール(main mission)主任。サンドラに好意を持つ。
デビッド・カノ(クリフトン・ジョーンズ/声:黒部鉄屋良有作))
保安部門を担当。

第2シーズンのみ[編集]

トニー・ベルデッシ(トニー・アンホルト/声:森功至
カノの代わりに保安部門を務める伊達男。
マヤ(カテリーネ・シェル/声:弥永和子
どんな姿にも変身出来るサイコン星の王女だったが、ムーンベース・アルファに乗り込み科学部門に配属される。トニーとは恋仲。
ヤスコ・ヌガミ(長積靖子/声:尾崎桂子
ビル・フレイザー(ジョン・ハッグ/声:安原義人

サブタイトルリスト[編集]

第1シーズン[編集]

日本ではTBSで、1977年4月3日から9月25日まで放映された。初回放映時、主題歌は荒木一郎作詞・作曲の「スペース1999のテーマ」となり、オープニングはインストゥルメンタル、エンディングは上条恒彦の歌唱に置き換えられている。上条恒彦歌唱版が同名のEP盤レコードで発売されたほか、荒木本人の歌唱によるものが「ムーンベースアルファのテーマ」の名でLPアルバム『口紅色の夜想曲(ノクターン)』に所収されている。



英語サブタイトル

日本語サブタイトル
1 BRAKEAWAY 1 人類の危機!宇宙基地大爆発
5 EARTHBOUND 2 もう地球へ帰れない!
17 WAR GAMES 3 宇宙船団大戦争
3 BLACK SUN 4 黒い太陽ブラック・ホール
10 ALPHA CHILD 5 怪奇!宇宙の子供誕生
9 FORCE OF LIFE 6 宇宙冷凍人間の正体
22 MISSION OF THE DARIANS 7 巨大宇宙都市出現!
8 GUARDIAN OF PIRI 8 宇宙天国の誘惑
13 COLLISION COURSE 9 月が巨大惑星と衝突!?
15 THE FULL CIRCLE 10 宇宙洞窟原始人の襲来
21 THE INFERNAL MACHINE 11 宇宙の悪魔・地獄のマシーン
11 THE LAST SUNSET 12 赤い太陽、最後の日没
12 VOYAGER'S RETURN 13 宇宙の破壊者、核爆弾船
2 MATTER OF LIFE AND DEATH 14 宇宙によみがえった死者
4 RING AROUND THE MOON 15 宇宙コンピュータの反逆
18 THE LAST ENEMY 16 宇宙戦艦ミサイル発射!
23 DRAGON'S DOMAIN 17 宇宙墓場の怪獣現わる!
6 ANOTHER TIME,ANOTHER PLACE 18 月が二つに分かれる時
7 MISSING LINK 19 宇宙動物園の人間実験
20 SPACE BRAIN 20 巨大な宇宙脳の攻撃
14 DEATH'S OTHER DOMINION 21 永遠の生命の怪
19 THE TROUBLED SPIRIT 22 宇宙悪霊の呪い
16 END OF ETERNITY 23 宇宙の細胞再生人間
24 THE TESTAMENT OF ARKADIA 24 神よ!宇宙に新しい平和を

第2シーズン[編集]

日本では、TBSでは放映されず、在京キー局よりも地方局の方が先行して放映した。テレビ朝日で第1シーズンを再放送した後、続けて第2シーズンを1981年4月10日から6月19日まで『宇宙大冒険スペース1999』の邦題で新規放映した(毎週月~木16:00~16:54の枠)。なおこうしてシーズン違いの間に放映局が移行した現象は、奇しくも「宇宙大作戦」と同じである。



英語サブタイトル

日本語サブタイトル
1 THE METAMORPH 25 脱出!変身惑星サイコン
2 THE EXILES 26 惑星ゴロスの反逆者
3 ONE MOMENT OF HUMANITY 27 宇宙アンドロイドの誘惑
4 ALL THAT GLISTERS 28 怪奇!宇宙の変色殺人岩
5 JOURNEY TO WHERE 29 タイムトラベル あこがれの地球へ
6 THE TAYBOR 30 超宇宙からの来訪者
7 THE MARK OF ARCHANON 31 惑星アーカノンの掟
8 THE RULES OF LUTON 32 植物惑星ルートンの恐怖
9 BRAIN THE BRAIN 33 殺人コンピュータの陰謀
10 NEW ADAM,NEW EVE 34 偽りのユートピア
11 THE A B CHRYSALIS 36 宇宙の稲妻!衝撃波
12 CATACOMBS OF THE MOON 35 SOS!月は地獄だ!
13 SEED OF DESTRUCTION 37 カルトン惑星破壊の種子
14 THE BETA CLOUD 38 生命維持システムを救え!
15 A MATTER OF BALANCE 40 アンチ・ワールドからの侵略者
16 SPACE WARP 39 四次元空間の恐怖
17 THE BRINGERS OF WONDER PART1 (日本では未放映)
18 THE BRINGERS OF WONDER PART2
19 THE LAMBDA FACTOR 41 ラムダ変形超能力殺人事件
20 THE SEANCE SPECTRE 42 月よ動け!郷愁の惑星トーラ
21 DORZACK 43 招かざる客ドルザック
22 DEVIL'S PLANET 44 植民地衛星エントラの悪夢
23 THE IMMUNITY SYNDROME 45 謎の宇宙知性体
24 THE DORCONS 46 マヤよ!永遠にアルファに…

第17・18話『The Bringers of Wonder』(直訳すれば「驚異を運びくる者たち」)はヨーロッパなどでは編集され劇場公開された。日本でも『スペース2100:DESTINATION MOON BASE ALPHA』のタイトルでビデオテープが販売された。Destination Moon-base ALPHA は「目的地ムーンベース・アルファ」の意味。

映像ソフト[編集]

ビデオソフト・レーザーディスク[編集]

イギリス本国で、各2話を1本の長編に再編集した「スーパー・スペース・シアター版」が3本製作され、日本でもバンダイの「エモーション」レーベルよりビデオソフト及びレーザーディスクが発売された(英語音声の日本語字幕スーパー版のみ)。 これらは再編集の際に“SPACE:1999”の題名は画面からカットされ、例えば第1巻は“ALIEN ATTACK”等、各話に独立した題名が付けられている。テーマ曲もTVシリーズのテーマ曲とは違う新たな音楽に差し替えられ、更に第1巻には、TVシリーズ本編に無かった地球の「ムーン・コミッション」の会議の場面が数箇所、新たに撮影・挿入されている。また、時代設定も1999年から2000年代に変更されている。

DVD[編集]

  • 2001年4月3日パイオニアLDCより第1シーズンの日本盤DVD-BOXが発売された。初回生産限定盤。
  • 2001年5月25日、パイオニアLDCより第2シーズンの日本盤DVD-BOXが発売された。初回生産限定盤。
  • 2006年1月27日東北新社より第1シーズンのデジタル・ニューマスター版の日本盤DVD-BOX「コレクターズボックス」が発売された。

BD[編集]

  • 2010年11月1日、イギリス本国はNetwork DVDより第1シーズンのリマスター版BD-BOXが発売された。

音楽ソフト[編集]

レコード[編集]

シングル盤[編集]

  • 1976年、アメリカのRCAレコーズより、第1シーズンのテーマ曲と劇中曲“Black Sun”を収録したレコードが発売された(品番JB-10627、プロモ盤)。
  • 1977年、日本のディスコメイトより、上條恒彦の歌う日本版エンディング主題歌「スペース1999のテーマ」とそのインストゥルメンタル曲を収録したレコードが発売された。どちらもレコード用の録音で、TV放映時に実際に使用された歌・演奏とは編曲やテンポが若干異なっている(品番DSK-112)。

LP盤[編集]

  • 1976年、アメリカ及びスペインのRCAレコーズより、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤LPレコードが発売された(品番各ABL1-1422)。

カセットテープ[編集]

  • 1976年、アメリカのRCAレコーズより、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラックのカセットテープが発売された(品番ABK1-1422)。

CD[編集]

  • 1998年、イギリスのゾンバ・プロダクション・ミュージックより、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(2枚組3,000セット限定盤、品番FANSF7、ジェリー・アンダーソン公式ファンクラブ「ファンダーソン」会員のみ購入可能商品)。
  • 2000年、イギリスのゾンバ・プロダクション・ミュージックより、第2シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(2枚組3,000セット限定盤、品番FANSF8、ジェリー・アンダーソン公式ファンクラブ「ファンダーソン」会員のみ購入可能商品)。
  • 2000年、イギリスで、第2シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(プロモ盤、品番DWCD1)。
  • 2004年9月、イギリスのシルヴァ・スクリーン・レコーズ(Silva Screen Records)より、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(品番FILMCD 608)。
  • 2004年、アメリカのシルヴァ・スクリーン・ミュージック・アメリカより、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(品番SILCD 1157)。
  • 2004年12月4日、日本のランブリング・レコーズより、第1シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CD(日本盤)が発売された。収録曲はシルヴァ・スクリーン盤と同一で、ブックレットやケース裏側のデザインや解説は異なる(品番RBCS-1085)。
  • 2009年10月5日、イギリスのシルヴァ・スクリーン・レコーズより、第2シーズンのオリジナル・サウンドトラック盤CDが発売された(品番SILCD1223)。

書籍・雑誌[編集]

小説[編集]

三笠書房の新書版「ミカサ・ノベルズ」シリーズより下記3冊の邦訳小説が出版された。

  • 『スペース・1999〈1〉恐怖の惑星脱出!』(1977年5月発刊)
  • 『スペース・1999〈2〉狂った宇宙!』(1977年5月発刊)
  • 『スペース・1999〈3〉死の標的!』(1977年7月発刊)

ムック本[編集]

  • 1981年徳間書店より『SuperVisual Town Mook増刊 スペース1999』が出版された。

模型・玩具[編集]

  • 放映当時、日本では今井科学(株)(イマイ)より、イーグル1のプラモデルが発売されていた。その他アメリカのマテル等、各社からイーグルのプラモデル等が発売されていた。
  • 近年でも、日本の食玩や、アオシマの「新世紀合金」シリーズでイーグル等のリアルな模型が各種販売されている。

食品[編集]

  • イギリスで、放映当時に本作品の題名やイラストをあしらったアイスキャンディーが発売された。アイス自体は日本での発売は無かったが、第1シーズンのデジタル・ニューマスター版DVD-BOXには、当時のイギリスのテレビCMが収録されている。

関連項目[編集]

  • ジーニア・マートン - サンドラ・ベネス役の女優。ファンが製作したショートフィルム Message from Moonbase Alpha についてはこちらを参照されたい。

外部リンク[編集]