電子戦機
電子戦機(でんしせんき)とは、電子機器を主軸とした戦術を実施する航空機のこと。電子偵察機、電子戦支援機、電子妨害機などがある。主用する器材はESM逆探知装置とジャミング電波妨害装置である。電子戦機の開発には高度な電子情報技術の集積が必要なため、先進国の一部しか保有しておらず、その中でもアメリカ合衆国が充実している。その理由は、軍事用電子機器の大半がアメリカ製であるからであり、自国の軍事的政治的優位を維持するためである。
電子偵察機(でんしていさつき)は、空中でシギントを行い敵国の電子情報の収集を行なう。
電子戦支援機(でんしせんしえんき)は、敵レーダーなどに対してジャミング(電波妨害)を行う航空機のこと。広義では敵の無線などを傍受する電子偵察機や敵レーダーなどに直接攻撃を仕掛けたり僚機が発射したミサイルの誘導などを行う航空機早期警戒管制機(そうきけいかいかんせいき)などのことも指す場合もある。
アメリカ軍保有のうち狭義の電子戦機としては海軍機のEA-6A/Bプラウラー (Prowler) 、空軍機のEF-111Aレイヴン (Raven) などがあり、電子偵察機としては空軍機のRC-135Wリベットジョイント (Rivet Joint) などが挙げられる。なお、陸軍も通信傍受機を独自に運用している。
これらの電子戦機は電子技術の発達に追従していくため搭載電子装備を常にアップデートしており、同型機でも配備時期により性能に大きな違いがある。
対潜哨戒機(たいせんしょうかいき)も、電子戦を戦術の主軸として利用している航空機である。対潜哨戒機の発達の歴史は、まさに電子戦の発展の歴史でもある。対潜哨戒機はESM逆探知装置により敵潜水艦や艦船の発射する電波を常時監視している。これにより敵目標の特定と位置測定を行なう。この電波情報の収集を常時行うことで、敵の電波使用を封殺するといった副次的効果もある。また敵からの照準レーダーの警戒も行なっており、敵の対空ミサイルの脅威を察知できる。
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[編集] 電子戦の本格化
航空機の発展は電子技術の発展がその背景にある。これは航空機に限らず、航空機を防御する側でもそうで、電子技術への依存度は大きい。
軍用機による作戦遂行能力は、電子機器の能力のよるところが大きく、一方で敵の航空機搭載用、あるいは地上配備用等の電子機器は、ミッションの遂行に大きな脅威となる。それらの電子機器に対する作戦が電子戦 (EW:Electric Warfare) である。
[編集] 電子戦の分類
電子戦と言ってもその範囲は広く、敵防空網制圧 (SEAD) 、指揮管制通信妨害 (C3CM:Command,Control and Communication Counter Measures) を含めて電子戦闘 (EC:Electric Combat) と定義している。
EWには大きく分けて次の三つの要素がある。
- 電子支援手段 (ESM:Electronic Support Measures)
- 電子対抗手段 (ECM:Electronic Counter Measures)
- 対電子対抗手段 (ECCM:Electronic Counter-Counter Measures)
[編集] 電子支援手段
電子支援手段は友軍の軍事作戦を計画または支援するため、敵の電磁波放射装置を捕捉し、位置を評定するとともに、その装置に関する分析を行うこと。
[編集] 電子対抗手段
電子対抗手段は敵の電磁波放射装置を妨害または欺瞞すること。ECMが目標とするのは、敵の電子機器を利用している指揮、統制、情報収集機能や兵器体システムである。
[編集] 対電子対抗手段
対電子対抗手段は電磁スペクトルの有効的な使用を確実にするため、敵のECMに対抗するもの。ECCMは敵がECM活動を行っているときに、味方の電子制御兵器や電磁波放出装置を機能させるために用いる戦法と機材からなる。
[編集] 主要各国の電子戦機
- アメリカ空軍
- EF-111Aレイヴン(電子妨害機、退役)
- RC-135V/Wリベットジョイント(SIGINT機、C/U型は退役)
- EC-130Hコンパスコール(通信妨害機)
- EC-130E/Jコマンドソロ(電子心理戦機)
- RC-135Sコブラボール(ミサイル監視機)
- F-16CJ(SEAD機)
- F-4G(SEAD機、退役)
- EB-52SOJ(電子妨害機、開発中止)
- アメリカ海軍
- EP-3E Aries II(SIGINT機)
- EA-6A/B(電子妨害・SEAD機)
- EP-3Eアリーズ(電子戦訓練機)
- EA-18Gグロウラー(電子妨害・SEAD機)