航空自衛隊

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日本の旗 日本の行政官庁
航空自衛隊
こうくうじえいたい
Flag of JASDF.png
US and Japanese leaders cut the ribbon during the opening ceremony for the new Japan Air Self-Defense Force Air Defense Command Headquarters.jpg
航空総隊司令部新庁舎(横田基地)
役職
航空幕僚長 齊藤治和
航空幕僚副長 福江広明
組織
上部機関 防衛省
内部組織 航空総隊航空支援集団航空教育集団航空開発実験集団航空自衛隊補給本部
概要
所在地 東京都新宿区市谷本村町5番1号
定員 航空自衛官約4万7,097名
(2011年3月)
年間予算 予算1兆0,602億円
(2011年度)
設置 1954年7月1日
ウェブサイト
防衛省 [JASDF] 航空自衛隊
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航空自衛隊(こうくうじえいたい、英語: Japan Air Self-Defense Force)は、日本官公庁のひとつ。防衛省特別の機関の集合体である。自衛隊のうちの航空部門にあたる。略称は空自JASDF

概要[編集]

航空自衛隊の国籍マーク

航空幕僚監部並びに統合幕僚長および航空幕僚長の監督を受ける部隊および機関からなる。各部隊および各機関は防衛省特別の機関である。主として空において行動し、主権国家たる日本の平和と独立を守り、直接侵略及び間接侵略の脅威から日本を防衛することを主たる任務とする防衛組織である。その最上級者は最上級機関である航空幕僚監部を統括する航空幕僚長。他国からは空軍とみなされている。

主要装備は戦闘機F-15J 201機(F-15運用国ではアメリカに次いで第2位の保有数である)、F-2 97機、F-4約64機、合計360機余。偵察機RF-4偵察機約13機余。早期警戒機E-2 13機、E-767 4機、合計17機余。空中給油機KC-767 4機、KC-130H 1機、合計5機余。電子戦機でEC-1(電子戦訓練機)1機、YS-11EB(電子情報収集機)4機、YS-11EA(電子戦訓練機)2機、合計7機余。輸送機C-1 26機、C-130 16機、合計42機余。ヘリコプターCH-47 15機、UH-60J 45機合計60機余を保有している。7基地12飛行隊を有している。

防空能力は高いが、対地攻撃能力は低い。また、弾道ミサイル攻撃やゲリラコマンドによる攻撃に対しての基地能力の抗堪性の低さも問題視されている。基地の数は約73である。6基地に120基のパトリオットを配備している。

予算は1兆435億円で、人件・糧食費が3,791億円、一般物件費が1,558億円、歳出化経費が5,086億円。新規後年度負担額5,247億円である。人員は、自衛官が4万7,097人、事務官等が3,227人。

キャッチフレーズは『Key to Defense , Ready Anytime』約4万3,195名(年間平均人員)の人員を擁する。

在日米軍の再編に伴い、航空総隊司令部及び作戦情報隊防空指揮群は2012年(平成24年)3月21日付をもって東京都府中市府中基地から横田飛行場に移転を完了した[1]。日米両国間での調整が円滑に進み、防空戦に関する実質的な機能は向上することとなる。

歴史[編集]

航空自衛隊は第二次世界大戦後、日本の軍備が再建される中で、陸上自衛隊海上自衛隊のように事実上の前身組織(陸軍海軍)を持たず、アメリカ軍の協力によって新設された。

空自の設立は陸軍航空関係者(三好康之原田貞憲谷川一男秋山紋次郎田中耕二浦茂ら)の空軍研究から始まる。独立国となる以上軍備が必要であり、軍備の中には独立空軍を入れなければならないというものであった。すでにジェット機の時代でありアメリカ空軍の協力が必要で三好が連絡を取って協力を得た。海軍は新海軍再建に傾倒していたが、1952年7月末から陸海合同研究が始まる。海軍にも新海軍再建における海空一体化論に基づく研究成果を持っていた[2]

防衛庁発足に伴い、旧内務省出身で保安庁官房長だった上村健太郎が防衛庁次長を断って初代航空幕僚長に着任した。主要ポストには陸海軍の長老の売り込みや庁内推薦など交錯し、海軍は戦前の艦隊派条約派の対立を引きずっていた。主要ポストは陸海同数に決まった[3]

発展過程で影響力を及ぼした者として、空自の育ての親と言われる源田実海軍大佐(第3代航空幕僚長)[4]の存在があり、自ら航空機に乗って指導し、また、ブルーインパルスの創設も行っている。その他、牟田弘國元陸軍中佐(第6代空幕長・第4代統幕議長)、大室孟陸軍少佐(第7代空幕長)、石川貫之元陸軍少佐(第10代空幕長)、竹田五郎陸軍大尉(第14代空幕長・第12代統幕議長)、山田良市元海軍大尉(第15代空幕長)など陸海軍から多くの実力者が発展に貢献した。なお、航空幕僚長就任者を旧軍の出身別に分けると、陸軍11名・海軍5名と陸軍出身者が過半数を占め、かつ、空自出身者初の統合幕僚会議議長(第4代)は牟田弘國陸軍中佐(第6代空幕長)であり、また、第16代統合幕僚会議議長の森繁弘(第17代航空幕僚長)は、自衛隊最後の旧軍出身者(士官候補生たる陸軍兵長陸士60期修業)であった。

空自は小隊といったショップの独立性(組織の性格上、個人の能力・判断・権限といったものが大きい)が強く、現場指揮官のカリスマ性で末端の隊員を牽引する部分が大きい。また、組織内の全体的な統一よりも、各基地、各小隊ごとが独自の基準をもって勤務することが多い。文化的には階級章や礼式・号令、徒手体操などは陸自を範としているため似通った点も数多くある。

戦闘機、防空システム、地対空誘導弾パトリオットなど、世界的に見ても最先端兵器を装備することから、陸海空各自衛隊のなかでもっとも政治的制限を加えられてきた経緯がある。そのため戦闘機からは精密爆撃のための装備、空中給油装置をあえて取り外していた時期もあった。しかし、アメリカ空軍との連携能力の整備は発足以来着々と進められており、日米間での共同作戦を可能とする暗号装置、秘話装置戦術データ・リンク敵味方識別装置などの配備、隊員間の語学教育は年々充実の度合いを深めている。また、より緊密な戦術的連携を深めるため、近年では毎年1回グァム島においての日米共同演習「コープノース」が実施されている。

航空救難については、独自に航空救難団を組織しているため、後から出来た海自航空分遣隊とは、担当区域が重複しないように配備され、緊急時には空自中央救難調整所(RCC)を通じて海自は空自府中基地に駐在する救難連絡員が空自救難部隊と活動の調整を行う。

任務[編集]

日本の防空識別圏

平時においては日本領空領空侵犯する、もしくは可能性のある経空脅威の排除が使命である。このため領空の外側に防空識別圏(ADIZ)を設定し、日本各所に28ヶ所のレーダーサイトを設置して、状況に応じて早期警戒機早期警戒管制機による警戒態勢を敷いている。防空識別圏に侵入する国籍不明機に対しては、まず121.5MHz及び243MHzの航空無線機により無線警告を発し、さらに戦闘機によるスクランブル発進を実施する。スクランブル発進については、2006年4月7日のロシア軍機に対する百里基地のF-15J発進によって創設以来20,000回を記録した。スクランブル発進で確認した目標は、統合幕僚監部が毎日公表[1]している。

有事においては、陸上自衛隊海上自衛隊への支援として、対艦攻撃、対地攻撃、航空輸送を実施する。専守防衛の理念から、要撃(防空)戦闘に特化した傾向にある。F-15J早期警戒管制機パトリオットミサイル(自衛隊では原音に近い「ペトリオット」)などを備えている。

また、航空機の稼働率や搭乗員の練度(年間200時間以上と言われている)も高いとされる。日米安全保障条約に基づきアメリカ空軍と強固な協力関係にあり、米空軍と共同使用の横田基地には航空自衛隊航空総隊司令部が、在日米軍司令部や第5空軍司令部、日米共同統合作戦調整センターなどとともに設置され、三沢基地も共同で使用しているほか、毎年日米合同演習を行っている。

装備[編集]

F-15J
F-2A
F-4EJ改

ここでは主要な航空機など一部の装備のみ記載する。

  • 偵察機
    • マクドネル・ダグラスRF-4E
    • マクドネル・ダグラスRF-4EJ(F-4EJに偵察用装備を追加したもので戦闘機能力も持つ)

海上自衛隊ハープーン空対艦ミサイルを搭載できるP-3C対潜哨戒機LC-90連絡輸送機・観測機、US-1飛行艇を運用し、陸上自衛隊LR-2連絡偵察機を運用しているが、海上自衛隊・陸上自衛隊独自の戦闘機は保有していない。

ヘリコプター(回転翼機)では、海上自衛隊が哨戒ヘリコプターSH-60JSH-60K)、掃海・輸送ヘリコプター(MH-53EMCH-101)を、陸上自衛隊が対戦車(戦闘)ヘリコプターAH-1SAH-64D)、観測ヘリコプター(OH-6DOH-1)を保有しているが、航空自衛隊は攻撃用の装備を施した機体を保有していない(陸・海と共通のものを除く)

編制[編集]

職種[編集]

幹部[編集]

  • 飛行 - 戦闘機輸送機偵察機など航空機を運用する業務を行う。
  • 航空管制 - 飛行場に離着陸する航空機の誘導などを行う。
  • 要撃管制 - 領空の警戒監視などの業務を行う。
  • 高射運用 - 地対空誘導弾ペトリオットの運用を行う。
  • 高射整備 - 地対空誘導弾ペトリオットの整備を行う。
  • プログラム - コンピューターのプログラム作成及び管理を行う。
  • 気象 - 気象観測に基づく気象解析や航空気象予報の作成などを行う。
  • 通信電子 - 通信電子機器などの維持及び運用などを行う。
  • 武装 - 戦闘機などの搭載武器に関する業務などを行う。
  • 整備 - 航空機などの整備を行う。
  • 施設 - 基地施設などの建設取得及び維持管理などを行う。
  • 衛生 - 医療業務などを行う。救難員として救難機に搭乗する者もいる。
  • 法務 - 航空自衛隊に関連する損害賠償訴訟などを取り扱う。
  • 総務人事 - 各部隊の司令部等において総務業務、人事業務などを行う。
  • 警備 - 基地の安全管理などを行う。
  • 音楽 - 公式行事などでの演奏を行う。
  • 会計 - 予算、契約行為などに関する業務を行う。
  • 補給 - 航空自衛隊における物品等の管理を行う。
  • 輸送 - 航空自衛隊で必要とする人や物資を輸送する業務を行う。
  • 研究開発 - 航空自衛隊における航空機および地上電子機材等の研究開発を行う。
これらを含めて約30種類の職種がある。

准曹士[編集]

准曹士の職種はアメリカ空軍の制度に倣い幹部よりもさらに細分化されているが、特に平成8年度以降防衛費削減の影響で職種の統廃合が急速に進められ、各隊員の業務量は過大となりつつある。

実務経験と試験などにより30(初級レベル・初級専門員)、50(中級レベル・専門員又は初級技術員)、70(上級レベル・技術員)の特技が付与される。特技付与のうち50(中級レベル)について、旧制自衛隊生徒及び一般曹候補学生は、各術科学校の中級課程修了時に付与される場合と部隊実習と空曹候補者課程を修了し3曹昇任時に付与される場合の2通りがあり職種、ショップによりこれらは異なっていた。一般隊員(一般曹候補生及び任期制隊員)は、実務訓練(OJT)を通常10ヶ月した後に特技試験(APT)が課される。特技拡大(職種替え)を受けた場合以前の職種は順次技術レベルを格下げされていく。

女性自衛官の職種[編集]

  • 自衛隊東京地方協力本部募集課によると2013年9月現在で、女性自衛官は、航空自衛隊は、28職域のうち、戦闘機パイロットを除く全ての職種に勤務できる。

英語教育[編集]

航空交通管制の世界共通語として英語が使用されていることや、アメリカ製の機材を多用していることもあり、隊員に対しては英語教育が重視されており、35歳以下の全隊員に対して、毎年隊内の英語能力試験(空英検)が実施されている。

特に指揮幕僚課程では同検定総合3級以上が受験資格の一つに数えられている。

航空自衛隊協力の映画・アニメなど[編集]

航空自衛隊は怪獣や地球外生物が敵の場合を除き、フィクション内での「墜落」を認めないため、協力した作品に航空自衛隊所属の航空機が墜落するシーンは殆どない。しかし『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』や『BEST GUY』では航空自衛隊のF-15戦闘機が事故により墜落(救難員の活躍が一般に広く知られるきっかけとなった)、『ULTRAMAN』では、ウルトラマンである赤い発光体に衝突しF-15戦闘機が墜落、『ゴジラvsキングギドラ』ではF-15戦闘機がキングギドラとの空中戦で撃墜されるシーンがあるなど作品の内容など場合によっては認められたケースもあり、絶対というわけではない。

亡国のイージス』では、映画化されるにあたり空戦シーンそのものが削除された。一部のアニメやTVゲームでは、ジェット機のエンジン音の録音(エースコンバットシリーズや『戦闘妖精雪風』等)、アクロバットや戦闘時の行動パターンのアンケート(エアロダンシングシリーズ)と言った形で協力している。航空自衛隊が協力しない実写作品は、戦闘機が特撮やCGで描かれることが多いので、容易に判別できる。また、日本や近隣諸国の模型メーカーによる何らかの記念塗装が施された自衛隊機や在日米軍機の模型化の際に、資料の提供や実機取材の便宜を図った事例も存在する。

また、航空自衛隊も1956年7月以降、月刊誌「飛行と安全」を発行している。創刊号(発行部数300冊)から11号までは航空幕僚監部防衛部防衛課が、12号からは航空幕僚監部監察官が、1982年からは航空安全管理隊が編集を担当している。

映画
ドラマ
漫画・アニメーション
エンディングクレジットの「協力」部分に「航空幕僚監部広報室」と記されていたが、途中から表示されなくなった。
コンピューターゲーム
エンディングクレジットの「協力」部分に「航空自衛隊」と記されていたが、『エアロダンシングF 轟つばさの初飛行』から表示されなくなった。
  • ぼくは航空管制官3』(沖縄ブルーコリドー・新千歳スノーイングデイ・東京ドリームゲートウェイ)

画像[編集]

航空自衛官[編集]

装備[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 自衛隊法施行令及び防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令(官報平成24年3月22日、号外第63号第5面)
  2. ^ 増田弘『自衛隊の誕生』中公新書172-176頁
  3. ^ 増田弘『自衛隊の誕生』中公新書230-231頁
  4. ^ 武市照彦『政界風土記』国政出版室

関連項目[編集]

外部リンク[編集]