三沢飛行場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
三沢飛行場
Misawa Airfield
Misawa Airport Misawa Aomori pref Japan02n.jpg
三沢空港 旅客ターミナルビル
IATA: MSJICAO: RJSM
概要
空港種別 軍民共用
所有者 防衛省
運営者 アメリカ空軍
所在地 青森県三沢市
建設 1941年
所在部隊 アメリカ空軍第35戦闘航空団
航空自衛隊第3航空団
標高 119 ft / 36 m
座標 北緯40度42分19秒 東経141度22分19秒 / 北緯40.70528度 東経141.37194度 / 40.70528; 141.37194
ウェブサイト 航空自衛隊 三沢基地
三沢空港ターミナル
地図
MSJ/RJSMの位置(日本内)
MSJ/RJSM
MSJ/RJSM
空港の位置
滑走路
方向 全長 表面
ft m
10/28 10,026 3,050×45 舗装
飛行場地図(米国連邦航空局

三沢飛行場(みさわひこうじょう、: Misawa Airfield)は、青森県三沢市にある飛行場航空自衛隊アメリカ空軍が使用し、同時に民間空港でもある飛行場である。「三沢基地」「ベース」とも呼ばれるが、一般に三沢空港として知られる。

概要[編集]

三沢飛行場(三沢空港)は、青森県の太平洋岸東南部にある三沢市の市街地の外れ、市域のほぼ中央に位置し(三沢市中央部までバスで約15分)、青森県東部の玄関口となる空港である。

飛行場の施設については日本政府(防衛省装備施設本部東北防衛局三沢防衛事務所)が設置し、アメリカ軍日米地位協定第3条に基づき管理している。民間定期便が乗り入れるため使用されているエプロン、航空旅客ターミナル等(民航ターミナル地域)については国土交通省東京航空局および民間事業者が設置および管理を行っている。国土交通省が管轄する総面積約10.7 haの民航ターミナル地域が「三沢空港」である。民間航空機の駐機スポットと滑走路・誘導路との間は電動ゲートで仕切られている[1]

滑走路は10/28方向に3050 mであり、滑走路の両側に2本の平行誘導路を有する。着陸帯の幅は300 mであり、計器進入に対応している。ILSは滑走路10および28に、カテゴリIが設置されている。

2002年12月1日に東北新幹線の盛岡 - 八戸間が開業。新幹線「はやて」が八戸駅 - 東京駅間を最速2時間56分で運行している。運行(運航)便数の差や八戸市内へのアクセスの利便性では東北新幹線に劣るため、東京国際空港線は減便・機材の小型化(A300から新幹線開業当時はMD-81/87/90に変更、現在はボーイング737-800。2014年4月以降はEMBRAER170も)がされ、旅客数も約4割減少している。三沢空港利用促進期成会などが東京便4便体制復活を求める署名を行っていた時期もある(合わせて、札幌便の復活を求める署名も行っていた)[いつ?]

近年の旅客数は東北新幹線の競合とされる影響[2]から減少傾向にある。2013年度は、国内265,399人、国際582人[3]。一方で、2013年には大阪・札幌・函館線が新規(または復活)就航している。

三沢飛行場の空中写真。(1975年撮影の14枚より合成作成)。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

軍民共用空港として[編集]

三沢飛行場管制塔内部(米空軍撮影)
三沢基地所属のF-16部隊
駐機中のF-16部隊

アメリカ空軍の戦闘機部隊が駐留しており、主にロシア北朝鮮への備えを行っている。三沢に駐留するアメリカ空軍を「北の槍」と呼称することもある。

アメリカ本土から極東にアメリカ軍機を移動させる際、通常はアラスカの基地から長駆北太平洋を横断して三沢に着陸するコースを取ることから、移動途中のアメリカ軍機の利用が多い。また、近くに天ヶ森射爆場 (Ripsaw Range) や広大な訓練空域があるため、航空自衛隊や在日米軍の訓練で頻繁に使用される。

もともと軍民共用で使用されていたが1965年(昭和40年)、民間機の利用中止に伴い、民間航路は海上自衛隊航空基地八戸飛行場に移転した(同飛行場は新たに軍民共用となった)。10年後の1975年(昭和50年)、岩国飛行場に駐留していた米海軍の対潜哨戒機P-3Cが三沢に移駐することを三沢市が認める見返りとして、民間航路が八戸から三沢飛行場に再移転され、再び軍民共用として利用されている(八戸飛行場は再び軍用に戻っている)[4]。この後、三沢飛行場には隣接して青森県立三沢航空科学館が整備された。

駐留するアメリカ空軍は、民間航空会社や自衛隊も使用している当空港が「混雑している」として、日本政府に第2滑走路の建設を要求しており、防衛省装備施設本部は、3,000 m滑走路の増設を想定した調査を行っている。なお、アメリカ空軍はしばしば「空港の混雑」「燃料不足」などを理由に、近隣の海上自衛隊八戸航空基地(八戸飛行場)も利用しており、地元ではそのたびに問題になっているほか、津軽海峡周辺の訓練空域で戦闘機にトラブルが発生した場合には函館空港青森空港にも緊急着陸しており、その都度滑走路が閉鎖されるなどの影響を与えている。

なお、軍民共用という特性から、空港施設(ターミナルビル)や敷地境界付近からの飛行機等の撮影には制約が多い[4]

沿革[編集]

  • 1941年昭和16年) - 日本帝国海軍航空基地として開設し、三沢海軍航空隊が置かれる。
  • 1945年(昭和20年) - アメリカ軍による飛行場の拡張が行われる。
  • 1952年(昭和27年) - 民間機の運航を開始する。
  • 1965年(昭和40年) - 民間機の運航を休止し、民間航路を八戸飛行場発着に移転する。
  • 1971年(昭和46年) - アメリカ軍から航空自衛隊に管制権を移管する。
  • 1975年(昭和50年) - 民間機の運航を再開する。
  • 1977年(昭和52年)2月 民間用ターミナルビルを運営する「三沢空港ターミナル」が設立される。同年、民間用ターミナルビルの供用を開始する。
  • 1978年(昭和53年) - 小牧基地から第3航空団が移動される。
  • 1985年(昭和60年) - 再びアメリカ軍に管制権を移管する。民間用ターミナルビルの移転・新築が行われる。
  • 1989年平成元年)10月2日 - 自衛隊三沢病院が開設される。
  • 1993年(平成5年)4月28日 - 大阪国際空港便の運航開始。[5]
  • 2002年(平成14年) - 東京国際空港便が減便される。
  • 2007年(平成19年)10月1日 - 新千歳空港便が休止される。
  • 2007年(平成19年)11月6日 - JTAGSを設置する。
  • 2010年(平成22年)10月31日 - 大阪国際空港便が休止される。
  • 2013年(平成25年)3月31日 - 大阪国際空港便が再開される。
  • 2013年(平成25年)7月1日 - HAC(北海道エアシステム)により札幌(丘珠)便の運航が開始される[6]
  • 2013年(平成25年)8月1日 - HACにより函館便の運航開始される。
  • 2013年(平成25年)11月30日 - HACの函館便が運休。
  • 2014年(平成26年)4月26日 - HACの函館便が運航再開。

航空自衛隊三沢基地[編集]

姉沼通信所(1990年代、米空軍撮影)
三沢暗号作戦センターのレーダードーム(米海軍撮影)

航空自衛隊では三沢基地と呼称し、基地司令は航空自衛隊第3航空団司令が兼務する。北部航空方面隊の司令部が千歳基地ではなく三沢にあるのは、樺太に近い千歳ではロシア空軍戦闘機部隊による司令部への直接攻撃のリスクがより高いとされたためである。

北部航空方面隊隷下

航空総隊直轄

航空支援集団隷下

防衛大臣直轄

自衛隊共同機関

第35戦闘航空団 - 35th Fighter Wing[編集]

象の檻(AN/FLR-9) 1980年

第35運用群 - 35th Operation Group

敵防空網制圧(SEAD)を任務とした第5空軍第35戦闘航空団が駐留。F-16C/Dを使用。対潜哨戒・電子情報偵察などを任務とするアメリカ海軍の飛行隊も駐留している。

近くの姉沼の畔には、姉沼通信所(三沢安全保障作戦センター (MSOC) 、旧三沢暗号作戦センター、通称セキュリティー・ヒル)があり、アメリカ空軍の電子保安中隊が管理し、アメリカ軍アメリカ国家安全保障局 (NSA) が使用している。直径450 m、高さ36 mにも及ぶ世界最大級の外周を持つ「象の檻」(AN/FLR-9, Wullenweberアンテナ)があり、日本の周辺国の通信の傍受を行っていた。また、姉沼通信所、飛行場、天ヶ森射爆場内には多くのレーダードームが点在し[7][8]、米国の軍事衛星との交信や軍事衛星通信の傍受、受動型マイクロ波レーダーにより人工衛星を追跡している。欧州連合や専門家は、これらの一部が、インテルサットなど民間衛星通信の傍受にも用いられ、アングロ・サクソン諸国の世界的通信傍受ネットワーク「エシュロン」に関わっている可能性を指摘している。米国政府は「エシュロン」の存在自体を認めていない[9]

八戸市には、八戸貯油施設があり、タンク8個に、三沢飛行場で使用する航空燃料8万バレルを貯蔵している。航空燃料は、パイプラインを使って八戸貯油施設から三沢飛行場まで直接運ばれる。2006年6月までは本八戸駅から三沢駅まで八戸線東北線を経由し、三沢駅から基地までの専用線を経てのジェット燃料輸送貨物列車(米タン)が不定期ながらも設定されていたが、同月廃止された。

つがる市車力地区の航空自衛隊車力分屯基地内に設置・運用されているアメリカ軍の弾道ミサイル早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」は、2006年6月に三沢基地から搬入された[10]。三沢基地がレーダー運用の後方支援の拠点となる可能性も指摘されている[11]

基地内にAFNMisawa放送局がある。1575 kHz(600 W)で三沢市周辺でもAMラジオ放送の聴取が可能。

アメリカ軍三沢基地報道部によると、F-16戦闘機12機と整備要員100人が2007年1月16日イラク戦争に出動。中東地域の作戦に参加し、同年10月に帰還した。イラク出動中の2007年8月12日に同部隊のF-16戦闘機4機がイラクから直接アフガニスタン東部の反政府武装勢力タリバンの拠点を夜間に精密誘導爆弾で攻撃する作戦を行なったことがわかった。この作戦は13回にわたって空中給油を受け往復約6800 km、6カ国の上空を通過する11時間に及ぶ小型の戦闘機としては異例の長距離飛行で、このことは日本の駐留部隊が米空軍の世界戦略である「グローバル・ストライク・システムズ(全地球規模での長距離先制攻撃)[12]」の役割を担っていることの証明であるとされる[13]

2007年11月6日には、ミサイル防衛システムの地上構成要素である、アメリカ軍の早期警戒衛星からの情報を受信する設備JTAGS(Joint Tactical Ground Station)が設置された。2014年5月30日、三沢基地に配備される米軍グローバルホークの機体が公開された[14]

航空祭(航空ショー)[編集]

毎年初秋の9月頃に航空祭を実施され、三沢基地所属機による展示飛行、「ブルーインパルス」の展示飛行の他に、他基地からの外来機の地上展示、各種イベント等が実施される。

1994年は35年ぶりの来日となる「サンダーバーズ」の『西太平洋ツアー』に合わせ、当初9月15日開催予定を早め、平日水曜日の8月10日に実施、「ブルーインパルス」と「サンダーバーズ」が初共演した。

2004年の『西太平洋ツアー』で来日した「サンダーバーズ」は三沢基地を日本拠点として、百里、浜松へ展開したが、悪天候でフライトディスプレイはキャンセルされ、三沢でも航空祭とは別にフライトディスプレイの予定があったがこちらも悪天候でキャンセルされた。

2009年は10月18日に開催され、アメリカ空軍曲技飛行チーム「サンダーバーズ」が『西太平洋・東アジアツアー』の一環でフライトディスプレイ(展示飛行)を行った。

三沢空港[編集]

三沢空港ターミナル株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
033-0022
青森県三沢市大字三沢字下タ沢83-198
設立 1977年2月8日[15]
業種 不動産業
事業内容 空港ターミナル及びこれに附帯する施設、設備の賃貸業
代表者 代表取締役社長 泉山 元
資本金 380百万円
主要株主 青森県 22.6%
日本政策投資銀行 22.1%
(株)日本エアシステム 17.1%
三八五企業グループ 15.8%
地方自治体 7.9%
地元有力企業 14.5%
(2002年2月時点)[15]
外部リンク http://www.misawa-airport.co.jp/
テンプレートを表示

空港ターミナルビルは、滑走路南東側の民航用エプロンに接して1棟あり、地上3階建て。内部は国内線の設備のみ備えている。ボーディングブリッジは1基を備える。自治体および運航会社と三八五企業グループなどの地元企業が出資する「三沢空港ターミナル株式会社」が運営している。

  • 1階 - 航空会社カウンター、到着ロビー
  • 2階 - 出発ロビー、搭乗待合室
  • 3階 - 送迎デッキ(有料)

駐車場は、有料駐車場が約300台設置されている。

就航路線[編集]

かつての定期就航路線

交通[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 民航地域とアメリカ軍基地の境界上に設置されている電動ゲート(国交省八戸港湾・空港整備事務所)
  2. ^ 青森県史の窓25 飛躍した空の便〜青森空港〜 - 青森県(2014年3月6日閲覧) ※『東京と青森』(東京青森県人会 発行)2007年10月 - 12月号掲載。
  3. ^ “管内空港の利用状況概況集計表(平成25年度速報値)” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省東京航空局, http://www.cab.mlit.go.jp/tcab/img/statistics/pdf/riyou_h25nendo.pdf 
  4. ^ a b 『全国空港ウォッチングガイド』 p.68-p.70 イカロス出版、2013年4月(データは同年3月時点) ISBN 978-4-86320-700-4
  5. ^ 出典:平成5年3月25日東奥日報朝刊1面記事『三沢-大阪線あす(3月26日)認可』から。
  6. ^ 【7/1~】三沢(八戸)線就航決定!! 5/1ご予約開始 - 北海道エアシステム
  7. ^ 増殖するピンポン玉」2000年5月2日 東奥日報
  8. ^ 研ぎ澄まされる耳」2000年5月3日 東奥日報
  9. ^ 終わりなき情報戦争」2001年10月4日〜10日 東奥日報
  10. ^ Web東奥・特集/米軍Xバンドレーダー」東奥日報
  11. ^ 米軍基地抱える三沢/「後方支援の拠点」危惧[リンク切れ]」2006年3月14日 東奥日報
  12. ^ GlobalSecurity.org - Global Strike (GS) / Global Persistent Attack (GPA)
  13. ^ 三沢F16がタリバン爆撃/昨年8月」2008年7月20日 東奥日報
  14. ^ 米軍がグローバルホークを公開
  15. ^ a b 平成13年度青森県公社等経営委員会検討結果報告書
  16. ^ 速報・三沢=大阪伊丹線の運航再開決定!! 平成25年3月31日から - 三沢空港ターミナル
  17. ^ 三沢-大阪線が復活へ/JAL - web東奥
  18. ^ 日本航空 (JAL) の新千歳空港線 撤退以来、6年ぶりの札幌線 再開となった。
  19. ^ 北海道エアシステム、4月26日から三沢/函館線の運航を再開 FlyTeam 2014年4月7日付

関連項目[編集]

外部リンク[編集]