大韓民国海軍

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大韓民国海軍
대한민국 해군 (Daehanminguk Haegun)
Naval Jack of South Korea.svg
大韓民国海軍の海軍用国籍旗
創設 1945年11月11日 - 現在
国籍 大韓民国の旗 大韓民国
兵科 海軍
規模 68,000人
艦船170隻, 航空機50機[1]
上級部隊 大韓民国国防部
基地 鶏龍市
モットー 바다로, 세계로
(海へ、世界へ)
行進曲 해군가 (Haegunga-海軍歌)
マスコット 해돌이 (Haedori)
記念日 11月11日 (海軍創立記念日)
主な戦歴 朝鮮戦争
ベトナム戦争
対テロ戦争
指揮
海軍参謀総長 (CNO) 提督 Kim Sung-chan (28th)
韓国艦隊司令長官 副提督 Hwang Ki-chul (21st)
海兵隊司令官 中将 Yoo Nak-joon (30th)
著名な司令官 副提督 Sohn Won-yil (初代海軍作戦部長)[2]
副提督 Hahm Myungsoo (第7代海軍作戦部長)[2]
使用作戦機
ヘリ リンクス, UH-60, UH-1
哨戒機 P-3

大韓民国海軍(だいかんみんこくかいぐん : Republic of Korea NAVY(ROK NAVY:ROKN) ハングル: 대한민국 해군)は大韓民国海軍組織である。以下本稿では韓国海軍と呼称する。

歴史[編集]

本稿では日本統治時代の朝鮮から大韓民国として独立した後の韓国海軍を記述する。

1945年8月15日の日本敗戦後、元商船船員と、後に初代海軍司令官である孫元一(ソン・ウォンイル)によって、同年11月11日に韓国沿岸警備隊として発足させ、敗戦から3年後の1948年8月15日に、大韓民国独立によって、正式に正規軍(大韓民国海軍)として発足、その後勃発した朝鮮戦争においては、アメリカ合衆国をはじめとした同盟国の支援の下、朝鮮民主主義人民共和国朝鮮人民軍中華人民共和国人民解放軍との戦闘を経験した。保導連盟事件の際には犠牲者の遺骸を海上に運んで遺棄している[3]

アメリカ・ニューヨークで購入し、韓国・鎮海へ帰国途中に寄港したハワイ・ホノルルで、50口径76mm砲を搭載中の、大韓民国海軍初の警備艦、PC-701「白頭山」。元々は1944年に建造された、アメリカ海軍の戦時急造艦艇であるPC-461級駆潜艇の内の1隻のPC-823。(1950年3月17日)

朝鮮戦争以降になると、アメリカ海軍より寄贈された中古軍艦を中心に戦力を構築し、ベトナム戦争においてはベックと呼ばれる輸送部隊と海兵隊をベトナムに派遣した。

1970年代以降は、1949年4月15日に設立された大韓民国海兵隊を合併・吸収し、朴正煕大統領が打ち出した栗谷計画(8年防衛計画)により、国産の蔚山級フリゲート浦項級コルベットをはじめとする艦船の増強が進められるとともに、近代化が進められた。

そして1990年代以降は、軍近代化政策によりP-3哨戒機の整備などが進められた。2001年には当時の金大中前大統領により戦略機動艦隊を構築するための計画が発表された。それに基づいて近年韓国で急速に発達している造船技術を活かし、広開土大王級駆逐艦、韓国初の艦隊防空艦である李舜臣級駆逐艦イージスシステムを搭載した世宗大王級駆逐艦ウェルドック飛行甲板を有する独島級揚陸艦などが建造された。さらに1970年代建造の艦艇を置き換えるためのミサイル艇フリゲイトの整備が進行している。ただし盧武鉉政権下で策定された海軍力整備計画は、李明博政権になってから見直しが行われて規模が縮小している。

組織[編集]

海軍参謀総長の指揮する海軍本部(鶏龍市)に次の組織が所属する。約68,000人(そのうち海兵隊員27,000人)が所属し、約170隻の艦船(総トン数:153,000t)、約60機の航空機が配備されている。

  • 海軍作戦司令部釜山広域市南区
    • 第1艦隊江原道東海市
      • 第11駆逐艦戦隊
      • 第12哨戒艦戦隊
      • 第13高速艇戦隊
      • 第1戦備戦隊
      • 第1基地戦隊
      • 第1軍需戦隊
      • 第108早期警戒戦隊
      • 第118早期警戒戦隊
    • 第2艦隊京畿道平沢市
      • 第21駆逐艦戦隊
      • 第22哨戒艦戦隊
      • 第23高速艇戦隊
      • 第2戦備戦隊
      • 第2基地戦隊
      • 第2軍需戦隊
      • 第218早期警戒戦隊
      • 仁川海域防衛司令部
    • 第3艦隊全羅南道木浦市
      • 第31駆逐艦戦隊
      • 第32哨戒艦戦隊
      • 第33高速艇戦隊
      • 第3戦備戦隊
      • 済州防衛司令部
    • 第5戦団(戦団は小艦隊相当の単位)(慶尚南道昌原市鎮海区
    • 第6戦団(慶尚北道浦項市、航空機部隊)
      • 第61飛行戦隊
      • 第62飛行戦隊
      • 第63上陸機動ヘリコプター戦隊
      • 第609教育訓練戦隊
      • 第6基地戦隊
      • 第6軍需戦隊
    • 第7機動戦団(釜山、機動部隊)
      • 第71機動戦隊(釜山、世宗大王級駆逐艦、李舜臣級駆逐艦等)
      • 第72機動戦隊(鎮海)
    • 第9戦団(昌原市鎮海区、潜水艦部隊)
      • 第91潜水艦戦隊
      • 第92潜水艦戦隊
      • 第93潜水艦戦隊
      • 第95潜水艦戦隊
      • 第99潜水艦戦隊
      • 第909教育訓練戦隊
    • 海軍特殊戦戦団
  • 海兵隊司令部(浦項市)
    • 第1海兵師団(浦項市)
    • 第2海兵師団(京畿道金浦市、陸軍首都軍団所属)
    • 第6海兵旅団(仁川広域市江華郡、西海岸島嶼防衛(軍事境界線付近)、首都防衛司令部所属)
  • 鎮海基地司令部
    • 鎮海基地戦隊
  • 海軍軍需司令部(昌原市鎮海区)
    • 情報通信戦隊
  • 海軍教育司令部(昌原市鎮海区)
    • 海軍大学
    • 情報通信学校
    • 技術行政学校
  • 海軍士官学校(昌原市鎮海区)
    • 将校教育大隊


尚、海軍が海上警察業務を兼ねたり海上警察組織(沿岸警備隊)を傘下に置く国々は少なくない。しかし韓国では海上警察業務は海軍ではなく、日本の海上保安庁にあたり国土海洋部傘下である海洋警察庁が独立して担当している。

装備[編集]

艦艇[編集]

2014年5月現在。『2014-2015 ROK Military Weapon Systems』より。

歴代艦艇については「大韓民国海軍艦艇一覧」を参照。

通常動力型潜水艦
  • 214型×3(1隻艤装中、5隻建造中)
孫元一(SS-072 ソン・ウォンイル Sohn Won-Il) - 2007年
鄭地(SS-073 チョン・ジ Jeong Ji) - 2008年
安重根(SS-075 アン・ジュングン Ahn Jung-Geun) - 2009年
金佐鎮(SS-076 キム・ジャジン Kim Chwa-chin)- 2015年就役予定
SS-077 - 2015年就役予定
SS-078 - 2016年就役予定
SS-079 -
SS-081 -
SS-082 - 2018年就役予定
張保皐(SS-061 チャン・ポゴ Jang Bogo) - 1993年
李阡(SS-062 イー・チョン Lee Chun) - 1994年
崔茂宣(SS-063 チェム・ソン Choimu Son) - 1995年
朴イ(SS-065 パク・イ Park Wi) - 1996年
李従茂(SS-066 リー・ジョンム Lee Jongmu) - 1996年
鄭運(SS-067 ジュン・ウーン Jung Woon) - 1997年
李純信(SS-068 リー・スンシン Lee Sunsin) - 1999年
羅大用(SS-069 ナー・デーヨン Na Daeyong) - 2000年
李億祺(SS-071 リー・オッギ Lee Eokgi) - 2001年
ミゼット・サブ
SSM-053 - 1991年
駆逐艦
世宗大王 (DDG-991 セジョン・デワン Sejong Daewang) - 2008年
栗谷李珥 (DDG-992 ユルゴク・イイ Yulgok Yi I) - 2010年
西厓柳成龍 (DDG-993 クォン・イル Kwon Yul) - 2012年
忠武公李舜臣(DDH-975 チュンムゴン・イスンシンChungmugong Yi Sun-Shin) - 2003年
文武大王(DDH-976 ムーンム・デワン Moonmu Daewang) - 2004年
大祚栄(DDH-977 テー・ジョヨン Dae Joyoung) - 2005年
王建(DDH-978 ワン・ゲオン Wang Geon) - 2006年
姜邯賛(DDH-979 ガン・ガンチャン Gang Gamchan) - 2007年
崔瑩(DDH-980 チェ・ヨン Choi Young) - 2008年
広開土大王(DDH-971 クァンゲト・デワン Kwanggaeto Daewang) - 1998年
乙支文徳(DDH-972 エウルジ・ムンドク Eulji Mundok) - 1999年
楊万春(DDH-973 ヤン・マンチュン Yang Manchun) - 2000年
フリゲート
蔚山(FF-951 ウルサン Ulsan) - 1981年
ソウル(FF-952 ソウル Seoul) - 1985年
忠南(FF-953 チュンナム Chung Nam) - 1986年
馬山(FF-955 マサン Masan) - 1985年
慶北(FF-956 キョンブク Kyong Buk) - 1986年
全南(FF-957 チョンナムChon Nam) - 1989年
済州(FF-958 チェジュ Che Ju) - 1990年
釜山(FF-959 プサン Pusan) - 1993年
全州(FF-961 チョンジュ Chung Ju) - 1993年
仁川(FF-811 インチョン Inchon) - 2013年
京畿(FF-812 キョンギ Kyonggi) - 2014年就役予定
全北(FF-813 チョンブク Jeonbuk) - 2014年就役予定
FF-815 -
FF-816 -
FF-817 -
コルベット
慶州(PCC-758 キョンジュ Kyong Ju) - 1986年
木浦(PCC-759 モッポ Mok Po) - 1986年
金泉(PCC-761 キムチョン Kim Chon) - 1985年
忠州(PCC-762 チュンジュ Chung Ju) - 1985年
晋州(PCC-763 チンジュ Jin Ju) - 1988年
麗水(PCC-765 ヨス Yo Su) - 1988年
鎮海(PCC-766 チンヘ Jin Hae) - 1989年
順天(PCC-767 スンチョン Sun Chon) - 1989年
裡里(PCC-768 イリ Yee Ree) - 1989年
原州(PCC-769 ウォンジュ Won Ju) - 1989年
安東(PCC-771 アンドン An Dong) - 1989年
城南(PCC-773 ソンナム Song Nam) - 1989年
富川(PCC-775 プチョン Bu Chon) - 1989年
堤川(PCC-776 チェチョン Jae Chon) - 1989年
秦川(PCC-777 テチョン Dae Chon) - 1989年
束草(PCC-778 ソクチョ Sok Cho) - 1990年
栄州(PCC-779 ヨンジュ Yong Ju) - 1990年
南原(PCC-781 ナムウォン Nam Won) - 1990年
光明(PCC-782 クヮンミョン Kwan Myong) - 1990年
申城(PCC-783 シンスン Sin Hung) - 1993年
光州(PCC-785 クァンジュ Kong Ju) - 1993年
ミサイル艇
尹永夏(PKG-711 ユ・ヨンハ Yoon Young-Ha) - 2008年
韓相国(PKG-712 ハン・サングク Han Sang Guk) - 2011年
趙天衡(PKG-713 チョ・チョンヒョン Jo Cheon Hyeong) - 2011年
黄道顯(PKG-715 ファン・ドヒョン Hwang Dohyun) - 2011年
徐厚源(PKG-716 ソ・フウォン Suh Hoowon) - 2011年
朴東赫(PKG-717 パク・ドンヒョク Park Donghyuk) - 2011年
玄時學(PKG-718 ヒョン・シハク Hyun Sihak)
鄭兢謨(PKG-719 ジョン・グンモ Jung Geungmo) - 2011年
池德七(PKG-721 ジ・ドクチル Ji Deokchil) - 2011年
林炳来(PKG-722 イム・ビョンレ Lim Byeongrae) - 2013年
洪時旭(PKG-723 ホン・シウク Hong Siuk) - 2013年
洪大善(PKG-725 ホン・デソン Hong Daeseon) - 2013年
韓文植(PKG-726 ハン・ムンシク Han Munsik) - 2014年
金昌学(PKG-727 キム・チャンハク Kim ChangHak) - 2014年
朴東鎭(PKG-728 パク・トンジン Park Dongjin) - 2014年
哨戒艇
PKM-212~PKM-375
ドック型輸送揚陸艦(LPD)
独島(LPH-6111 ドクト Dokdo) - 2007年
戦車揚陸艦(LST)
  • アリゲーター型×4
高峻峰(LST-681 コージュンボン Kojoon Bong) - 1993年
毘盧峯(LST-682 ビロボン Biro Bong) - 1997年
香炉峯(LST-683 ヒャンロボン Hyangro Bong) - 1999年
聖人峯(LST-685 ソンインボン Seongin Bong) - 1999年
  • LST-2型×0(4隻計画中)
中型揚陸艇(LCM)
  • LCM8級×10
エアクッション型揚陸艇
LSF-621 - 2005年
LSF-622 - 2006年
LSF-623 - 2006年
LSF-631 - 2007年
LSF-632 - 2007年
機雷敷設艦
  • 元山(MLS-560 ウォンサン Won San) - 1997年
機雷掃討艇
江景(MHC-561 カンケン Kang Kyeong) - 1986年
康津(MHC-562 カンジン Kang Jin) - 1991年
高霊(MHC-563 コリョン Ko Ryeong) - 1991年
金甫(MHC-565 キンポ Kim Po) - 1993年
高敞(MHC-566 コチャン Ko Chang) - 1993年
錦和(MHC-567 クムワ Kum Wha) - 1994年
掃海艇
襄陽(MSH-571 ヤンヤン Yang Yang) - 1999年
甕津(MSH-572 オンジン Ongjin) - 2004年
海南(MSH-573 ヘナム Hae Ham) - 2005年
海洋観測艦
  • 各型×18
(Pusan 801)、(Pusan 802)、(Pusan 803)、(Pusan 805)、(Pusan 806)、(Pusan 810)、(821 Ch'ungnam)、(831 Kangwon)、201-204、208-209、215-217、220
救難潜水艇
  • DSRV2
潜水艦救難艦
  • 清海鎮(ASR-21 チョンヘジン Cheong Hae Jin) - 1996年
サルベージ船
平澤(ATS-27 ピョンテック Pyong Taek) - 1996年再就役
光陽(ATS-28 クァンヤンKwang Yang) - 1996年再就役
補給艦
天地(AOE-57 チョンジ Chun Jee) - 1990年
大清(AOE-58 テーチョン Dae Chung) - 1997年
華川(AOE-59 ファチョン Hwa Chun) - 1998年
試験艇
  • (AGS-11 Sun Jin) - 1993年
港内曳船
  • 各型×10

東アジアの国では珍しく、艦名に人物の名を用いることが多い。主に海軍で功績を挙げた人物や韓国史の英雄から採用されており、ハングルを制定した世宗大王朝鮮出兵で活躍した李舜臣[4]高句麗の中興に寄与した広開土王が歴代主力艦に命名されている。さらに伊藤博文を暗殺したテロリスト安重根の名を潜水艦に命名している。また、領有権を主張して占拠している竹島の韓国名である独島を強襲揚陸艦に命名した。

航空機[編集]

2014年5月現在。『2014-2015 ROK Military Weapon Systems』より。

固定翼機
回転翼機

課題[編集]

アジア通貨危機以降、韓国軍は全体に予算削減傾向にあるが、特に艦船建造費が嵩む韓国海軍では慢性的な予算不足に陥っている。特に高価なイージスシステムを有する世宗大王級ではこの問題が顕著に現れており、搭載する武器が半分不足する状態になったり[5]、建造費が嵩み内部機器の国産化が遅れている事から、世宗大王級の建造を当初の6隻から3隻へと削減するなど、計画の遅れが顕著となっている。

これに対して韓国政府は、民間資本で建造した艦船を買い取り、資金分配すると言う船舶建造ファンドを推進しているが、2008年の金融危機の折、さらに配備が遅れていると言うのが現状である。一方で、民間企業の受注合戦は熾烈で、李舜臣級駆逐艦の6番艦「崔瑩」は1番艦「忠武公李舜臣」より200億ウォンも安く落札されている。

慢性的な予算不足は航空機の能力不足にも表れており、運用するUH-60 ブラックホークは防錆仕様になっておらず、回転翼の折り畳み機構を有さない[6]という艦載機としては致命的な欠点を有している。

脚注[編集]

  1. ^ “국방백서 2010”. (2010年12月30日). http://www.mnd.go.kr/cms_file/info/mndpaper/2010/2010WhitePaperAll.zip 
  2. ^ a b "[건군 60년] ④ 육·해·공군·해병대 名將". internethankookilbo. Retrieved October 12, 2008.
  3. ^ “New evidence of Korean war killings”. BBC. (2000年4月21日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/721616.stm 2010年12月21日閲覧。 
  4. ^ ただし、ハングル表記が同じ李純信(李舜臣の部下の海将)も艦名に用いられているため、「忠武公李舜臣」として用いられている。
  5. ^ 世宗大王艦の武器庫、半分は空き状態中央日報2009年10月14日付
  6. ^ UH-60P汎用ヘリコプター「ブラックホーク」(韓国) - 日本周辺国の軍事兵器

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 世界の艦船』(海人社)各号
  • 『世界の海軍 2011-2012』(海人社)
  • Jane's Fighting Ships 2011-2012

外部リンク[編集]