消防救助機動部隊

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消防救助機動部隊(しょうぼうきゅうじょきどうぶたい、Fire Rescue Task Forces)とは、阪神・淡路大震災を教訓に大規模災害等に対応するため、特別な技術・能力を有する隊員や装備で編成される東京消防庁特別高度救助隊のこと。通称、ハイパーレスキュー(Hyper Rescue)と呼ばれている。隊記号:HR。ハイパーレスキューと呼ばれることも多い。

目次

[編集] 発足

1995年平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、消防特別救助隊(レスキュー隊)だけでは対応できない状況となった。この教訓を踏まえて1996年(平成8年)12月17日、東京消防庁では、災害時に機動力を発揮する特別な技術と能力を持った部隊「消防救助機動部隊(通称:ハイパーレスキュー)」を発足した。

[編集] 部隊概要

  • 大規模災害のみに出動するわけではなく通常は他の救助隊と同様に一般災害に出動する。
  • 国内で大規模災害が発生した際には緊急消防援助隊、海外で大規模災害が発生した際には国際緊急援助隊国際消防救助隊として派遣する体制を常にとっている。東京消防庁緊急消防援助隊や国際消防救助隊の派遣隊員は同部隊中心の人選になる事が多い。そのために国際消防救助隊は当番の消防本部から派遣されるが同部隊のみは常に派遣する体制である。
  • 震度5.5以上の地震が発生した場合、東京消防庁は非番の隊員も職場に向かうこととなっており、国内で地震災害が発生した場合に震源地や震度で東海地震と判断されれば消防救助機動部隊は千葉県と神奈川県に急行するというように定められたアクションプランに沿って出動する事になっている。アクションプランのない地震災害の場合、消防救助機動部隊は第二、第六、第八方面本部の順に緊急消防援助隊として出動するとなっている。
  • 隊員は特殊な状況下での救出を想定し、技能講習を修了してブルドーザーパワーショベルなどの大型重機や、ダイヤモンドカッター、赤外線スコープ、電磁波人命探査装置「シリウス」、画像探査装置(ボーカメ)など、様々な高度救助資機材を使用する。救助に支障をきたす障害物があればコンクリート破砕器作業主任者の有資格者によるコンクリート破砕器を使った爆破まで行う事も可能。
  • 各隊にJPTECを受講し、特定行為の訓練を受けた救急救命士を配置することで、医療機関に搬送する以前に可能な限り救急処置を行い、傷病者が早期に社会復帰できるよう考慮している。大規模災害時には膨張テントを建てて応急救護所を設置する。[1]
  • 上記のように救助に支障がある障害物に対して重機などによる除去から、応急救護所を設置して負傷者の処置まで一連の流れをすべて行える自己完結型の部隊である
  • 2004年に発生した新潟県中越地震では、緊急消防援助隊として派遣され、崩落現場において埋没車両から地震発生から92時間後に、当時2歳の幼児を救出した。この活躍によりハイパーレスキュー隊は一躍有名になった。
  • 総務省消防庁は、新潟県中越沖地震JR福知山線脱線事故などの教訓や、新潟中越地震での消防救助機動部隊の活躍から、消防救助機動部隊と同種の部隊が全国的に必要と考え、2006年4月1日に全国の中核市消防本部等に「高度救助隊」を、東京都及び政令指定都市消防本部等に「特別高度救助隊」を整備する事を決定した(東京都も設置基準のために消防救助機動部隊は特別高度救助隊の位置付けとなる)。各消防局は消防救助機動部隊を参考としたためにこれらの部隊には「スーパーレスキュー」や、「ハイパーレスキュー隊」などの通称名が付けられている。全国版ハイパーレスキュー隊と言える。
  • 2011年に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では被害が甚大であった宮城県気仙沼市岩手県陸前高田市などで消火・捜索・救助活動を行ったほか、地元消防本部からの要請で千葉県市原市のコンビナート火災、政府からの要請で福島第一原子力発電所事故で冷却機能が失われた使用済み核燃料プールへの放水活動を行った(ともに最終的に緊急消防援助隊として活動)。派遣撤退後も各方面本部から1台ずつ福島原発に屈折放水塔車や特殊災害対応車、スーパーポンパーなどの車両を貸出している。
  • 東京消防庁の特別救助隊(レスキュー隊)はオレンジ色の活動服の左肩と救助車にスイスで救助犬とし活躍したホースと筒先で囲まれたセントバーナード犬が描かれた青色の紋章を付けているのにたいして、消防救助機動部隊はオレンジ色の活動服と救助車にはフック付きワイヤーで囲まれたセントバーナード犬が描かれたゴールドの紋章が付けられている。ただしNBC災害に対応する第3方面消防救助機動部隊の場合はオレンジ色の活動服左肩のセントバーナード犬の紋章は他の消防救助機動部隊と同じであるが車両の紋章は化学防護衣にセントバーナードが描かれた紋章となる。これにより特別救助隊と消防救助機動部隊の見分けがつく。
  • 消防救助機動部隊はべテラン隊員が中心に選抜されているために平均年齢が30代半ばと特別救助隊と比べて高い。

[編集] 部隊配置

東北地方太平洋沖地震の教訓から第九消防方面本部にも消防救助機動部隊を配置予定。

[編集] 実働隊

機動救助隊
救助車(東京消防庁では救助工作車ではなく救助車と呼ぶ)に搭乗する特別救助隊(レスキュー隊)から選抜された隊員で構成されている。機動救助隊は直接救助活動を行う部隊で四輪駆動の救助工作車や電磁波人命探査装置「シリウス」や画像探査機II型(ボーカメ)、画像探査機I型(ファイバースコープ)、音響探査機などの高度救助資機材、ダイヤモンドカッターなどを装備しておりどんな状況でも救助を可能にする。火災や一般災害の救助事案には他の特別救助隊と同様に機動救助隊1隊が出動する事が多い。
機動救急救援隊
JPTECを受講している救急救命士その中でも気管挿管や薬剤(アドレナリン)認定の救急救命士などにより編成される。大規模な災害が起きたとき各救助隊の救助活動の支援や負傷者の救命、後方支援にあたる部隊。特殊救急車、大型水槽車、資材搬送車を装備しており災害時は東京DMATなどの医療チームの支援や資材運搬車や大容量送水車などの特殊車両で後方支援も行う。
機動特科隊
重機の資格を持つ隊員と25トン級の車両や重機の各種の特科車両で編成されている。クレーン車やドラグショベルの重機の他、大型化学車、無人放水砲車、排煙高発泡車など特殊車両を備えており被災地の道路啓開等の従来の消防力では活動困難な場所にも対応する。

各部隊には必ず2名の救急救命士を配置する体制をとっている。 また、三本部はNBC災害に対応する部隊であるため、機動救助隊以外の機動救急救援隊、機動特科隊は救急救命士を除いて化学災害技術の有資格者で占められている。

[編集] 特殊車両

[編集] 国内派遣

緊急消防援助隊としての活動

[編集] 海外派遣

国際消防救助隊としての活動

[編集] 消防救助機動部隊が登場する映画やドラマ、漫画

作品中では、柴咲コウが女性隊員役を演じた。なお、現在のところ消防救助機動部隊に女性隊員は存在しない。
作中、海上保安庁の特殊救難隊に所属する主人公達が、東京消防庁第二方面消防本部の消防救助機動部隊の訓練に参加し、更に船舶火災で一緒に出動するストーリーがある。
主人公が最後にハイパーレスキュー隊に所属する。なお作品中では消防救助機動部隊ではなく消防機動救助隊となっている。

[編集] 脚注

  1. ^ なお、災害時にみられることがあるクラッシュ症候群に対しては、救急救命士の行なえる特定行為のうち、「乳酸リンゲル液の輸液」が有効である。これらの特定行為は、現行法制下においては心臓呼吸機能停止下においてのみ許されるもので、一方、心臓呼吸機能停止状態のクラッシュ症候群患者に対しては、より根本的な治療が必要であるが、医療機関への搬送中に状態を維持するためには有効な処置である。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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