戦闘妖精・雪風

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戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい ゆきかぜ)は、神林長平によるSF小説。これを原作としてラジオドラマOVA漫画化もされた。

  • 本作は『SFマガジン』誌上に1979年から1983年にかけて掲載された連作短編で、1984年に『戦闘妖精・雪風』の題名で文庫にまとめられた。1992年より『SFマガジン』誌上で断続的に第2部となる続編が連載され、1999年にハードカバーの単行本『グッドラック―戦闘妖精・雪風』としてまとめられた。また『グッドラック』に合わせた改訂版として2002年『戦闘妖精・雪風〈改〉』(ハヤカワ文庫)が発表された。第3部は『SFマガジン』2006年4月号から不定期に掲載され、2009年7月『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』として発売された。
  • 『戦闘妖精・雪風』は第16回(1985年)星雲賞、『グッドラック―戦闘妖精・雪風』は第31回(2000年)星雲賞を受賞した。

ストーリー[編集]

南極に出現した超空間通路から侵攻してきた謎の異星体ジャム。人類はその先鋒を撃退し、逆に超空間通路の向こう側に攻め込み、そこに存在した惑星フェアリィに橋頭堡となる基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。設立初期には選び抜かれた精鋭によって構成されていたフェアリィ空軍 (FAF) だったが、長引く消耗戦にエリートの損失を嫌った各国は、やがて犯罪者や精神疾患者といった社会的不適合者の中から才能を持つものに訓練を施し、FAFに送り込むようになる。

そのFAFの主要基地の一つ「フェアリィ」に属する戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊、通称ブーメラン戦隊は、社会不適合者のなかでも他者に関心を持たないという心理傾向がある人間ばかりを集め、高性能な戦術戦闘電子偵察機「スーパーシルフ」を擁する対ジャム戦における戦術電子偵察部隊であり、たとえ目前の味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰る事だけを要求される特殊部隊だった。

極めて高度な中枢制御体を搭載し、完全自律制御による高度な戦術判断や戦闘機動を可能とするスーパーシルフ。その3番機 (B-503)、パーソナルネーム「雪風」のパイロット、深井零は、雪風を自らの半身と偏愛し、雪風以外のあらゆるものを「関係ない」と切り捨てるまでに雪風が全てと信じていた。一方、特殊戦の前線指揮官で零の唯一の友人でもあるジェイムズ・ブッカーは、ジャムの戦術やそれに対する雪風の振る舞いを疑問視し、「この戦いに、人間は必要なのか?」との疑念を抱く。

激化していくジャムとの戦いの中、零は雪風だけを信じフェアリィの空を舞い続ける。しかし、戦いは人類には不可知の存在であるジャムと、人類が生み出した戦闘機械集団との戦争の呈を見せていく。そんな中で零と雪風は、単なるパイロットと愛機という関係を超越した「複合生命体」と呼ぶべき存在へと変化していく。そしていよいよ、FAF基地へのジャムの総攻撃が始まった。

一方、地球の著名なジャーナリストで、零やブッカーとも親交のあるリン・ジャクスンは、ある人物からの手紙を受け取る。その内容は「ジャムの代理人として、人類に宣戦布告する」という衝撃的なものだった。

登場人物[編集]

深井零(ふかい れい)
FAF少尉。後に中尉、大尉に昇進している[1]。日本国出身。特殊戦3番機「雪風」パイロット。乗機である雪風、および友人のブッカー以外の何者も信頼せず心を閉ざしていたが、雪風やジャムとの関わりを通じて変化していく。
主人公格のキャラクターながら謎が多く、排他的人格者になった理由や、最新版文庫本ではFAFに来た理由も明らかになっていない。初出時は「非効率な機械は嫌いだという理由で博物館のSLを爆破した」、改定前文庫本にまとめられた際は「仕事のストレスで職場に放火した」という扱いだった[2]。コミック版では強盗の手伝いをした犯罪歴が描かれており、短編小説では、コンピュータクラッカーであり、独自アーキテクチャのマシンを組み上げ、CPU処理時間の外部開放義務を忌避した罪[3]に問われたことが描写されている。
ジェイムズ・ブッカー
FAF少佐。特殊戦の戦隊指揮官。イギリス出身。零の唯一の友人。日本人である零以上の日本通で、特殊戦三番機への「雪風」の命名と漢字のペイントも彼の手によるもの。元パイロットで電子工学のスペシャリストでもあり、人間とジャム、そして雪風をはじめとするFAFの戦闘機械群との関係に疑念を抱いている。ブーメラン製作が趣味。元はイギリス軍に所属していたが、殺したくなるほど憎みながらも同棲していた女性がブッカーの仕業に見せかけて何者かに殺された際、軍法会議で敢えて一切抗弁せず有罪となり、FAFに送られた。無神論者であり、その様は「哲学を崇拝している」と例えられるが、ジャムの総攻撃の中ではたびたび神や信仰について語っていた。
リディア・クーリィ
FAF准将。アメリカ合衆国出身。FAF入隊は自らの意思によるもの。肩書きは特殊戦副司令だが、事実上の司令官。改訂版以後、特殊戦を軍団レベルの地位と実力に押し上げた人物との描写が増えている。
エディス・フォス
FAF大尉。アメリカ合衆国出身。特殊戦所属の軍医[4]。自らの研究テーマ「実戦下における『排他的傾向者』の精神構造」を追求する為に、志願してフェアリィ星にやってきた。当初は特殊戦のあり方に理解が及ばなかったが、特殊戦やジャムとのかかわりを通じて変化し、ジャムに対するプロファイリングを担当するようになった。クーリィ准将とは遠縁にあたり、OVA版では「エディス」「叔母様」と呼び合っている。
リチャード・バーガディシュ
FAF少尉。戦死したノーマン・ヒューズ少尉の後任として雪風のフライトオフィサに配属された。任務にしか興味のない零以上に冷淡な人物。
リン・ジャクスン
世界的ジャーナリスト。アメリカ合衆国出身。JAMの脅威を記した著書「ジ・インベーダー」で一躍有名になるが、多くの人はその内容をフィクションであるかのように受け止めている。現在もジャムの脅威を世界に訴え続けている。ブッカーや零とも関わりを持つ。
カール・グノー
FAF大佐。システム軍団所属。無人戦闘機「フリップナイト・システム」の開発者。撃墜されれば人的損害が発生し、しかも人間の為に性能を落とさざるを得ない有人機を時代遅れと断じ、「この戦いには人間が必要」と主張するブッカーや、雪風のパイロットであり続けようとする零と対立する。
アンディ・ランダー
アメリカ出身のフリーコラムニスト。軍事評論家、ロビイスト、作家でもあり、右翼的な記事を書くことで知られる。FAFの体制や実態に疑問を持ってフェアリィ基地を取材に訪れた。
トマホーク(トム)・ジョン
FAF大尉。電子工学の専門家でネイティブアメリカン。本来の名前は彼の部族独特の発音でしか呼ぶ事ができない為、英語の発音で最も近い「トマホーク」やトム・ジョンと呼ばれている。先天性の心臓病を克服する為にプルトニウムで駆動する人工心臓を移植されており、そのことで「自分は機械なのではないか」というコンプレックスを持っている。コミック版では心臓のほか、脚を機械化している描写がある。
ヒュー・オドンネル
FAF大尉。新型戦闘機ファーンIIのテストパイロットを務める。元々はアメリカ軍の戦闘機パイロットであり、志願してFAFにやって来た。婚約者のエイヴァ・エメリー中尉を秘書のように伴って行動している。
天田守(あまだ まもる)
FAF少尉。除雪師団所属。将来を悲観し、酒に溺れている。最高位の武勲賞であるマース武勲章を身に覚えの無いまま受章することになり、仲間から孤立、疑心暗鬼に陥っていく中でブッカーと出会う。OVA版には登場しない。
矢頭元(やがしら はじめ)
FAF少尉。死亡した13番機のパイロット、ジョージ・サミア大尉の後任としてTAB-15所属の第505飛行隊より特殊戦に引き抜かれてきた。第505飛行隊の中ではエースとして活躍していたが、対人コミュケーション能力に問題があり、本人も人知れず悩んでいた。OVA版には登場しない。
桂城彰(かつらぎ あきら)
FAF少尉。バーガディシュの後任として情報軍から送り込まれてきた。かつての零と同じ性格傾向を持っていたが、彼もまたジャムとの接触により大きく変わる事になる。OVA版には登場しない。
アンセル・ロンバート
FAF大佐。イギリス出身。FAF情報軍の代表者であり、桂城彰少尉を特殊戦に派遣した人物。生まれたときから脳に微小な傷を持っており、その影響からか思考傾向が常人とかけ離れた方向に偏りがちであり、他人と同じことをするのを嫌う。情報戦の見地から、ジャムに対する独自の戦略を練ろうとしていたが、あるときを境に一人で独自の行動を開始する。
ヒロシ・ヤザワ
前線基地であるTAB-14所属のFAF少佐。ジャムが生み出したコピー人間で、墜落した零とバーガディシュを捕らえ、雪風のセキュリティ解除コードを聞きだそうとする。小説版では、その後、ジャムと雪風との会見の場にてスーパーシルフのコピーに搭乗し、再び零の前に現れる。
マーニィ
TAB-14所属の看護婦で、ヤザワと同じくジャムの作ったコピー人間。
ギャビン・メイル
FAF大尉。前線基地TAB-15所属の第505飛行隊隊長。ジャムの迎撃に出撃した際、乗機のエンジントラブルによって窮地に陥る。この時、雪風から援護を受けているが、直後、TAB-15基地にジャムの存在を感知し機銃掃射を行う雪風を目撃している。後に機体を捨てて脱出し救助されるが、救助される前後の記憶が殆ど無い。帰還後しばらくして再教育部隊への転属を命じられるが、そこでジャムの秘密の一片に触れることになる。
ジョナサン・ランコム
FAF少尉。メイル中尉の部下であったが、TAB-15にジャムが存在すると認識した雪風の攻撃で死亡。後にコピーとしてジャム人間になり蘇っており、再教育部隊に転属したメイル中尉と再会するが、生前と変わらず中尉を慕っている。

ジャム[編集]

南極に生じた「超空間通路」と呼ばれる霧の柱で地球と繋げられた惑星「フェアリィ」から侵攻してきた正体不明の存在。謎の飛行物体を目撃した者の「えらく混乱(ジャム)しちまって」という言葉から、「ジャム」という呼び名が定着した[5]

ジャムと人間とは知覚手段や概念が全くと言っていいほど異なり、人間はジャムを、ジャムは人間を、互いにどのような存在なのか感知することが非常に難しいとされている。

ジャムから零や戦闘知性体に対して会話を試みるシーンは、ジャムの作ったコピー人間を含め何度か描写されるが、ジャム自身と直接対峙してさえ、その形や性質はおろか、生物か無生物かすら判明していない。 しかし、ジャムからは人間の性質は幾分理解されているようで、無線中継で人語による会話を試みる・人間によく似た「ジャミーズ」を作成して情報収集端末とするなど、人間のレベルに合わせた行動が見られる。 また、特定状況下にある人間や極々一部の人間にはジャムの想念を一瞬だけ感じ取れることがあり、作中では零やロンバートが自身の頭の中にだけ聞こえる「声」を感じ取っている。

「グッドラック」で零に対してジャムが会話を試みたシーンでは、零から発せられた「おまえはだれだ」という問いに対し即答できず、若干の間をおいて、人間の概念でジャムと呼ぶものの総体である、と答えている。この時ジャムは、いくつかの可能性を例示された上で何者かと問われたが、それらの概念で自らを説明することはできないとした上で「われは、われである」と答えている。

ジャムの実態として、現時点で第三作まで刊行されている小説中では「ある種の言語コードそのもの」と表現されており、OVAでは惑星フェアリィそのものがジャムであるという可能性が示されている。

登場兵器[編集]

スペックはOVA版、外部リンクはOVA版公式サイトのもの。

フェアリィ空軍[編集]

FA-1 ファーン[1]
フェアリィ空軍の主力戦術戦闘機。綴りには「Fern」と「Fand」の二種類がある。単発単座で、エンジンノズルは三次元スラストベクタリング。下反角が与えられた前進翼を持ち、水平尾翼及び機首下面のカナードと合わせて「3サーフィス」の翼配置を構成している。主翼には下反角が与えられているため、横方向の機動性が高い。また、ジャムの地上補給基地を自動で捕捉して攻撃する対地戦闘攻撃システムを備えている。
ジャム戦争勃発時には地球で実用評価中であり、フェアリィ星への侵攻にあわせて優先的にフェアリィ空軍に配備された。当時の水準では非常に機動性に優れた戦闘機であり、実戦投入直後はジャムに対する優位を誇っていたが、ジャム側の性能向上によって優位を失い、戦闘爆撃機や対地攻撃機として運用されることが増えている。しかし、新たな主力機のFFR-31 シルフィードが高価であることから、前線の部隊によっては未だに制空戦闘機として運用されているケースもある。単座のA/B型と複座の練習機C/D型が存在する他、C型の一部を改修した、FA-1C(SEAD)という対レーダー攻撃/対空火器制圧用の機体が存在する。
スペック
  • 全長:16.45m
  • 全幅:11.56m
  • 全高:4.83m
  • 自重:11,876kg
  • 基準離陸重量:16,662kg
  • 最大離陸重量:24,669kg
  • エンジン:FNX-5010-Kターボファン×1基(最大推力8,221kg(地球大気内・ミリタリー推力)、12,877kg(地球大気内・アフターバーナ使用時))
  • 最大速度:マッハ2.1
  • 巡航速度:マッハ0.8
  • 限界高度:17,700m
  • 武装:
    20mmガトリング砲×1
    翼下ハードポイント×4
    胴体下ハードポイント×3
    AAMASM精密誘導爆弾など最大5,800kgを搭載可能
FA-2 ファーンII(ファーン・ザ・セカンド)
FA-1の後継機として開発された新型戦術戦闘機。単発単座。エンジン出力はシルフィードの60%ほどだが、自重は60%を超えない。また、前進翼などの先進的な空力設計により、スーパーシルフよりも優れた機動性を発揮することができる。自動操縦による無人化も考慮されており、限界性能を発揮した場合、パイロットが耐えられないほどの重力加速度を発生させるため、テストフライトを担当したヒュー・オドンネル大尉は、戦闘に巻き込まれた際に作動した自動操縦による高機動に耐えられずに死亡している。
OVA版では、元は高機動無人戦闘機の概念研究の為の技術実証機だったが、運用柔軟性の不足やソフトウェア開発の難航等の問題が発覚したため、暫定的に操縦システムのみを有人研究機を製作してテストする事としたとされている。機体形状は後退翼と前進翼を組み合わせた一種のW型翼で、エンジン及び操縦席部分が翼面部分の上にアームを介して乗せられた形状になっており、それぞれが独立して動くことで高い機動性を発揮する。なお、劇中では開発当初の想定通り、無人戦闘機として運用されている事も多い(無人化に伴う機体への改修は行われていない)。
スペック
  • 全長:15.16m
  • 全幅:12.60m
  • 全高:4.76m
  • 自重:11,022kg
  • 基準離陸重量:16,112kg
  • 最大離陸重量:不明
  • エンジン:FNX-5010-K フィーニクスMk.XIFターボファン(推力10,220kg(地球大気内。ミリタリーパワー)、14,780kg(アフターバーナ使用時))×2
  • 最大速度:マッハ1.8
  • 巡航速度:マッハ0.9
  • 限界高度:20,880m
  • 武装:
    20mmガトリング砲×1
    主翼~胴体下ハードポイント×5
    AAM、ASM、精密誘導爆弾など最大6,400kgを搭載可能
FFR-31 シルフィード[2]
フェアリィ空軍の主力制空戦闘機で、FAF初の独自開発機。綴りは「Sylphide」。双発機で、小説では複座、OVAでは単座となっている。翼型はクリップトデルタの主翼と上反角のついたカナード、外反角のついた双垂直尾翼と水平尾翼で、エンジンノズルは3枚のベーンによる可変ベクタリング方式を採用している。スーパーシルフとの区別の為、「ノーマルシルフ」と呼ばれる事もある。
それまでの主力機であったFA-1に代わる主力機として設計された。開発当初の設計案は長射程AAMを有する長距離迎撃機であったが、開発中に格闘戦能力を持たせるという要求が高まり、超音速巡航と高機動を両立できる機体として完成した。生産コストが高く、配備数は少ない。OVA版ではステルス性を重視した形状となっていた。大きく分けてブロック0~10とコスト面から部品構成を見直したダウングレード版のブロック20以降に二分されている。性能面での違いは無いとされているが、実際には素材の違いによる機体剛性などからわずかな性能差があるらしく、パイロットの間ではブロック10までが本物だという意味を込めて「オリジナル・シルフィード」と区別される事もある。
また、「アンブロークン・アロー」では、雪風と同じフェニックスMk.XIを搭載したシステム軍団所属のエンジン性能評価用機、TS-1も登場している。
スペック
  • 全長:18.50m
  • 全幅:13.77m
  • 全高:5.01m
  • 自重:不明
  • 基準離陸重量:35,660kg
  • 最大離陸重量:不明
  • エンジン:FNX-5010-H/J フィーニクスMk.Xターボファン(推力9,677kg(地球大気内・ミリタリー推力)、12,664kg(地球大気内・アフターバーナ使用時))×2
  • 最大速度:マッハ2.7
  • 巡航速度:マッハ1.4
  • 限界高度:18,800m
  • 武装:20mmガトリング砲×1
    胴体内ウェポンベイ×7
    左右エンジンポッド外側ハードポイント×2
    AAM、ドロップタンクなどを搭載可能
FFR-31MR(FRX-47) スーパーシルフ[3]
機体強度に優れるオリジナルシルフのうち13機を戦術電子戦闘偵察機としたもの。双発複座。より高度な電子頭脳の搭載や索敵機能の高度化、超音速巡航に適したエンジンの搭載といった改修が行われ、「まったくの別物」と表現されている。OVAでは開発予算獲得の為にシルフィードの派生機として登録されたまったく別種の機体であり、外観も異なる。下記のD型を含めて13機が特殊戦第5飛行隊に配備されている。また、バリエーションとしてD型の他に、長距離迎撃戦闘機型のA型や、アビオニクスを改良したB型、エンジンを更に強化したC型が計画されたが、いずれも計画中止となっている。
FFR-31MR/D スーパーシルフ
FFR-31MRの空力特性や操縦面を改善したもの。D型のほとんどはラムジェット・ブースターを装着した超高速戦略偵察機として防衛偵察航空団に配備されたが、数機がラムジェット・ブースターを装着せずに完成した。「雪風」のパーソナルネームで特殊戦第5飛行隊に3番機 (B-503) として配備されている機体は、ラムジェット・ブースター無しで完成したうちの1機。機体制御は高度に自動化されており、パイロットの安全より任務遂行や機体の保護を優先してパイロットから操縦権限を奪った例もある。
FRX-99 レイフ
FFR-31MRの後継機として開発された、双発の無人戦術偵察機。綴りは「Rafe」。搭乗者への負担を考慮しないことで、従来の機体を大幅に上回る機動性を発揮する。
FRX-00の原型となった機体であり、レイフのみで編成された新特殊戦の設立計画もあった。名前の由来は「知恵の狼」。小説版では一機が特殊戦に13番機として配備されており、OVA版では、この機体に雪風のセントラルコンピュータが自らのプログラムを転送している他、雪風がプログラムを転送した機体以外にも、システム軍団のTS-X1という機体が登場している。
小説版では、ステルス性を意識した形状を持つ。翼型は胴体に滑らかに繋がる、前縁フラットのないシンプルなクリップドデルタで、ストレーキ部分を持つ。尾翼は二組存在し、最適な位置を自動選択する為、垂直、水平双方を兼ね備えていると言える。また、機首に前進角のついたカナードを有する。エアインテークを機体上下左右に計4基持ち、二次元推力偏向ノズルを持つ。
OVA版では、主翼は折り畳み可能な軽い上反角のついた前進翼で、最高速度で飛行する際は裏返って後退翼となり、着陸時には垂直に立ててエアブレーキとして使用する。垂直尾翼は存在せず、機首には後退角のついたカナードを装備。有人機においてコクピットが存在する部位には、セントラルコンピューターユニットのセンサー類が存在する。エアインテークは胴体下部及び上部左右の計3基。エンジンノズルはベクタードノズル。
スペック
  • 全長:18.0m
  • 全幅:14.52m
  • 全高:6.28m
  • ヌード重量:11,1860kg
  • 基準離陸重量:不明
  • 最大離陸重量:34,220kg
  • エンジン:FNX-5011-D-20 フィーニクスMk.XIターボファン(10,220kg(ミリタリー推力時)、14,930kg(アフターバーナー使用時))
  • 最高速度:マッハ3.3
  • 巡航速度:マッハ1.75
  • 限界高度:24,800m
  • 武装:
    20mmガトリング砲×1
    主翼上ハードポイント×2
    主翼下ハードポイント×2
    胴体下ハードポイント×6
    短距離空対空ミサイルAAM-III
    中距離空対空ミサイルAAM-V
    長距離空対空ミサイルAAM-VII
を搭載可能
  • その他、各種可視光・赤外線カメラ、赤外線ラインスキャン、コンフォーマル・マルチバンドESMセンサー等の各種偵察装備を装備可能
FRX-00 (FFR-41/FFR-41MR)メイヴ[4]
FRX-99と同時に試験的に開発された有人戦術偵察機。双発複座。原作とOVAではメイヴの開発経緯が若干異なる。
雪風が本機にプログラムを転送したため以後は特殊戦1番機 (B-501) として運用されることになり、同時にパーソナルネーム「雪風」を引き継いで、パイロットも零が担当している。OVA版では同時開発されず、特殊戦に配備されたレイフを有人化改修した物となっており、1番機ではなく3番機として引き続き運用されている。レイフを原型として開発されたため、無人機並みの優れた機動性を発揮する。後に心理分析用ソフト「MAc Pro II」をインストールされ、その言語エンジンを応用することで、ある程度の人語によるコミュニケーションが可能となり、人語の命令を理解することもあった。OVA版後半では、機体表面にジャム機のような赤い紋様を発生させる視覚的な迷彩「ジャムセンスジャマー」を装備した。
フリップナイト・システム
システム軍団のカール・グノー大佐が提唱した無人戦闘機システム。母機の指令を受けてジャムを迎撃するが、完全な自動行動も可能。無人機特有の高機動と、カートリッジ式で連射可能な光学兵器「レーザー機関砲」を備えた最新兵器。OVA版ではレイフの派生型として開発され[6]、さらに機首部分に核弾頭を装備し、自爆兵器としての運用も視野に入れられている。その機首の形状から「ハンマーヘッド」とも呼ばれ、ジャムの総攻撃に際して3機のフリップナイトがFFR-41に随伴して出撃した。
バンシー級原子力空中空母
フェアリィ星上空を航行し続ける空中航空母艦。2機が存在し、防空圏外環の要となっている。
FEP-1AWACS
早期警戒管制機バート・ルータンの設計した航空機の様な特異な形状の三胴機で、機体下面に大型の回転式レーダードームを持つ。主翼は高アクペスト比のガル翼で、機首に下向きのカナードを有する。原作では同様の役割を持つ機体は登場しているが、具体的な名称などは設定されていない。OVAでは地球環境観測用の大型機を改造したものとなっており、長大な主翼と二重反転プロペラを持つ燃費の良いターボプロップエンジンで長時間の滞空が可能。
FEP-1ACC
空中指揮管制機。AWACSと同系統の機体で、レーダードームの代わりにセンサーポッドを装備しており、通信能力が強化されている。劇中では主にFRX-99の管制を行っている。
C-31F
フェアリィ空軍で使用される大型輸送機。原作では単なる無名の輸送機であり、OVA版で名称などの設定が付与された。胴体部と主翼部分は別々にブロック化されており、仕様変更が容易な設計となっている。輸送機タイプのC-31Fの他、胴体と主翼部に銃座を追加した対地攻撃機AC-31、無人戦闘機フリップナイト・システムを輸送するC-31M、人員輸送を目的とした旅客機型のC-31Pなどのバリエーションが存在する。派生型の種類と運用する部隊によって「フィンバック」、「ゴーレム」、「トロル」、「リングレイス」、「マルコチャン」など、様々な通称で呼ばれる。
無人空中給油機
「アンブロークン・アロー」に登場。給油を必要としている機の通信に応じて自動的に合流し、空中給油を行う。作中では「ミルキー」のコールサインで呼ばれており、「ミルキー3」が登場した。
訓練用標的機
原作にのみ登場。ターボプロップエンジン、可変ピッチプロペラ搭載のラジコン無人機である。劇中ではFAFを訪れた日本空軍の参謀司令に対してFFR-31と偽って紹介しているので、形状はFFR-31に類似していると思われる。
巡航爆撃機
原作にのみ登場。記述のみで具体的な形状、性能は描写されていない。
BAX-4(バックス・フォー)
実験評価中の陸戦兵器。将来的にはこれを用いた陸戦部隊を創設し、海兵隊ならぬ空兵隊としてジャム基地へ侵攻することも視野に入れられていた。システム軍団で試験中の機体が再教育部隊の反乱の際に持ち出され、フェアリィ基地を混乱に陥れる。原作では人が乗って操縦する二足歩行人型兵器で「パワード・アーマー」と表現されているが、他のコンピューターが制御することにより無人戦闘も可能。武装としては腕部に対人機関砲を装備している。型番は制式化された暁には「BAR-1」といった物になるらしい。
OVAでは空挺戦車として登場した。8輪の装輪戦車であり、不整地での機動性を向上させる為か、前部と後部を連結した連接車となっている。車体下部のスラスターと前部と後部にひと組ずつ配置された折り畳み式補助翼を用いて、ある程度の滑空を行う事が可能となっている。武装として前後部にファランクス状のガトリング砲塔を1基ずつ、計2基を装備し、車体前部には兵員乗降用のハッチを2基有している。劇中ではフェアリイ基地の地下都市上部にある、モノレール路線に配備された専用車両に搭載された状態から空挺降下を行った。
モーターグレーダー
原作に登場。基地整備軍団の機械除雪隊が保有する大型除雪車両。重量は16トン、エンジン出力は約300馬力で、燃料は戦闘機と同じジェットフュエルを用いている。有人車両だがビーコン波によって進路を管制されており、乗組員が操縦する必要は無い。
戦闘機械知性体
戦闘機搭載のセントラルコンピュータ、特殊戦の戦術コンピュータ、FAFの中枢コンピュータなど、軍事支援用のコンピュータシステムをブッカーなどがこう表現している。「ジャムに勝て」という根本的な命令や、そのための自己保存に必要ならば、人間の排除すら選択する事もある。
機械知性体内でも考え方には差があり、一部の人間の有用性を理解している特殊戦の戦闘知性体たちは、最終的に、ジャムに対する特殊戦との共闘体制が必要と選択した。この状態をエディスは「新種の複合生命体」という造語で説明している。
人間とは異なる認識手段や思考によって、機械知性体はジャムがどのような存在なのかを個体差こそあれ大まかに理解しているとされ、ブッカー達から問いただされた際には、ジャムから非戦協定を提案されたことを明かしている。また、人間側が感知していない、ジャムからの宣戦布告のようなものもすでに受けていたと考えられている。OVA版には登場しない。

日本海軍[編集]

アドミラル56[5]
日本海軍[7]が有する原子力空母。艦長は南雲中将。原作では詳細な設定は存在しなかったが、OVA化されるにあたって新たに設定が付与された。
各国軍の戦力を統合的に運用する「地球軍構想」の一環として建造された空母群の1隻で、他の同級艦としては、アメリカ海軍の「ヒラリー・クリントン」級やイギリス海軍・オーストラリア海軍共用の「イーグル」、ヨーロッパ各国が共同開発した「グラーフ・ツェッペリン」等が存在する[8]。これらの艦は本来ならば完全な同型艦となる予定だったが、各国の要求性能や建造時期の違いから、それぞれ大きな差を持つ艦として就役した。なお、アドミラル56はこれらの艦の中でも後期に就役した艦であるため、他艦と比べると様々な改良が施されている。
艦型は一般的なアングルドデッキを持つ空母の物であるが、電波妨害等によるアクティブステルス機能を実現するために、甲板脇を始めとする艦のあちこちにアレイ構造物が設置されている為、外見の印象は通常の空母とは大きく異なる。その影響で艦載機の搭載スペースが縮小されてしまったが、艦載機のF/A-27Cが他国の同級機と比べると比較的小型であることと、艦のECM能力の向上によって電子戦機の搭載数を減らすことが出来た為、ある程度の水準は保たれている。また、アイランド(島型艦橋)もステルス性を意識した形状をしている。本来ならば各種アンテナもステルス性を重視して統合・コンフォーマル化される予定だったが、アクティブステルスの投入により見送られた。
機関は米国が原子力空母用の大出力原子炉の技術移転を渋ったため、原潜用の低出力原子炉8基を搭載する事によって代用している。推進システムには電気式を採用。
原作では読み方は示されていない。OVA版劇中のセリフでは「アドミラルゴジュウロク」と表音されており、OVA版公式サイトではアドミラル56(イソロク)と表記されている。なお、艦名の由来は太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官山本五十六から取ったという説、建造が承認された皇紀2656年(西暦1996年)の末尾2ケタから取ったという説などがあるという。
スペック
  • 基準排水量:89,000t
  • 満載排水量:123,000t
  • 全長:390m
  • 最大幅:110m(飛行甲板部分最大幅85m)
  • 高さ:80m
  • 喫水:12m
  • 機関:加圧水型原子炉×8、蒸気タービン発電機×4、モーター8基4軸、計298,000馬力
  • 速力:30ノット+
  • 航空機:約80機
  • 兵装:局点防御用対空ミサイル発射機4基、近接防御システム4基
  • 乗員:3,200名
F/A-27C[6]
日本海軍が独自開発した、双発単座の多用途戦闘機。原作には機体名称や各種設定などは登場せず、OVA版で初めて設定された。高機動性とステルス性を重視した設計を持ち、艦隊防空や対地/対艦攻撃、SEAD(敵対空火器制圧)、偵察など多様な任務に対応可能なマルチロール機であり、大きな兵装搭載能力と航続力を有している。主翼の翼型は変形後退翼で、外半角のついた垂直尾翼とカナードを持った3サーフィス機である。エンジンノズルは可動ベーンが3枚ずつ装備されたスラスト・ベクタリングノズル。ステルス性確保のため兵装や増加燃料タンクは全て機内装備となっており、胴体内のエンジンと空気取り入れダクトの下に大型のウェポンベイを装備している。
国内の技術保持等の名目で、100%日本国内で設計・開発されたが、その代償として開発費と開発期間(特にソフトウェア関連)が大幅に伸び、一機あたりの単価が著しく高騰してしまった。しかし、その性能は他国の同級機と比較しても劣るものではない。艦載型のC型の他に空軍の支援戦闘機型であるA型と、計画中止となった陸軍用STOVL近接支援攻撃機であるB型が存在する。生産数はA型が98機、C型が55機と少ない。
OVAに登場した部隊は「ドラゴン」と「イーグル」のコールサインを使用している。
スペック
  • 全長:16.04m
  • 全幅:11.76m
  • 全高:2.80m
  • 自重:12,040kg
  • 基準離陸重量:18,998kg
  • 最大離陸重量:不明
  • エンジン:MHF-1180-JFターボファン(推力9,778kg(ミリタリーパワー)、11,030kg(アフターバーナ使用時))×2
  • 最大速度:マッハ1.8
  • 巡航速度:マッハ0.88
  • 限界高度:21,200m
  • 武装:20mmガトリング砲×1
    胴体内ウェポン・ベイ
    ミサイル、誘導爆弾など最大6発。または偵察ポッド、ドロップタンクなどを搭載可能
E-2 ホークアイ
アニメ版にのみ登場。現実にも存在し、航空自衛隊アメリカ海軍などでも運用されているターボプロップ双発の早期警戒機。実物は直線翼だが、OVA版に登場した機体には、エンジンからの外翼に後退角がついている。
CH-53E スーパースタリオン
アニメ版にのみ登場。アドミラル56の艦載機として登場するヘリコプター。実在する機体。実機と異なり、機体両脇にUH-60Jの物の様なドロップタンクを装備している。
V-22 オスプレイ
アニメ版にのみ登場。実在する機体。現実では海上自衛隊には2015(平成27)年以降に導入する。アドミラル56艦長の記者会見の後、プレス関係者を乗せて同艦より発艦する。
こんごう型護衛艦
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦
アニメ版にのみ登場。いずれも南極に展開していた国連軍艦隊の所属艦。劇中ではDD-1025、DDG-1114、CG-1020などの艦番号が確認できる。タイコンデロガ級は日本海軍所属でない可能性があるが、一応ここに記載する。

ジャム(兵器)[編集]

ジャムが使う無人の航空兵器。作中では、撃墜しても残骸が短時間で消滅すると設定されており、飛行原理など様々な面で解明が進んでいない。戦闘機型のジャムは、常にFAF側の航空機の性能とほぼ同程度の性能を持つよう異様な迅速さで性能が向上することから、零は状況に対応して進化する飛行機のような形態の生物である可能性に言及していた。

いくつかの形態が確認されており[7]、 小説版では真っ黒で全体像が捕らえづらい平面的で影のような機体と表現されるが、これは何らかの偽装機能によるもので、攻撃などで銀色の機体の様子が暴かれる描写もある。OVA版では機体全体に流れるように変化する縞模様があり、時折赤い模様が現れるなどの変化がある。機首部などに高速回転するコアのようなものが見受けられ、機体全体が常に振動しているようにぶれて見える。「敵は海賊」シリーズとのクロスオーバー作品「被書空間」では一基のミサイルが解析されており、人間の脳に似せたと思しき「有機生命体に似た組織」が構成部品として搭載されていた。 OVAではタイプ1・2・電子戦タイプおよび高速ミサイルが確認され、原作ではTYPE-7までが確認されている。

ジャム タイプ1
三角形を幾つか組み合わせたような形状の主翼、鋭い尾のようなパーツ、胴体下面に吊り下げられた垂直翼から成る。急減速等を行う際は翼面が変形する。
地表に設けられた基地のような構造物から巨大なブースターを装着した状態で発進する場合があり、このブースターは一定高度に達すると本体から分離される。この形態は「ジャム・ブースター」と呼ばれる。
スペック
数値はいずれも推定値
  • 全長:14.5m
  • 全幅:30m(最大時)、12m(最小時)
  • 全高:6.5m
  • 自重:不明
  • 総重量:不明
  • エンジン:不明
  • 最大速度:マッハ2以上
  • 限界高度:高度15,000m以上
  • 武装:AAM数発
ジャム タイプ2
2枚のデルタ翼と、三角形の垂直翼2枚を胴体下面に持つ。高速飛行時には垂直翼が主翼の翼端に移動して無尾翼形態をとる。
タイプ1よりも機動性に優れ、タイプ2の出現がフェアリィ星での膠着状態をもたらしたと言われている。
電子戦タイプ
OVA版にのみ登場。機体上面にレーダードーム状の部分がある以外は上記のタイプ2と同じ形状で、無人機へのハッキング能力を持つ。ジャムの総攻撃の際に出現。フェアリィ空軍の無人機のシステムを乗っ取り、同士討ちを引き起こして多大な損害をもたらした。
極小タイプ(仮称)
原作にのみ登場。細かい金属片状のジャムが寄り集まり、1つの群れとして行動している。機械を外部から操って狂わせる機能を持ち、バンシーⅣに寄生して暴走させたうえ、調査にやってきたトマホーク・ジョンの人工心臓を狂わせて行動不能にした。レーザー光線で直接攻撃する手段も持っており、トマホークは人工心臓を狙い撃たれて死亡した。
ジャム タイプ6
「グッドラック」に登場。一撃離脱戦術をメインにした大型の高速戦闘機で、クッキー基地に対する戦術偵察中の雪風が滑走路に接近した時に出現し、雪風を不可知戦域へと誘い込んだ。この機の離陸後、クッキー基地は自爆している。零からはジャムが雪風との対話のために不可知戦域へと誘導するための「案内役」と言われた。
ジャム タイプ7
「アンブロークン・アロー」に登場。フェアリイ基地に対するジャムの総攻撃の際に出現した新種で、特殊戦はジャムの出方を図るためにこれを捕獲することを決定する。シルエットはメイヴに似ているが、濃淡のない影のような真っ黒い外見である。雪風の通信に応じて基地への着陸態勢をとったかに見えたが、同じく着陸態勢に入っていた雪風に突然体当たりするような行動を取った。
それ以降、零を始めとするフェアリイ基地の人間たちは、時系列や行動の記憶があやふやになるなどの特異な現象を体験することになる。
グレイシルフ
FFR-31MRと全く同じ外見を持つジャム機。コクピット部分にはパイロットがおらず、OVA版では他のジャムに見られる回転体がある。色はグレーを基調とし、独特の模様が描かれている。原作では旧雪風そのままのカラーリングである。
ジャム高速ミサイル
数キロトン規模の核弾頭を搭載しており、その飛翔速度はマッハ5以上と推定される。42ndヴァラック隊を一瞬で壊滅させた後、二発目が雪風にも襲いかかるが、雪風の自律機動により撃墜された。
ジャミーズ
ジャムが人間を感知すべく生み出した人間のコピーの通称。ジャム人間とも呼ばれる。壊滅した前線基地の人員や墜落機のパイロットなどに似せた外観で、FAF内に紛れ込んでいる。外見からは普通の人間と区別できず、元となった人間の記憶をそのまま引き継ぎ、コピーとしての自覚が無いまま本人として振舞っている者も居る。原則的にFAFに対する強烈な憎悪を何らかの形で刷り込まれている。OVA版では体液が黄色いという差異が描かれており、雪風など一部のコンピュータはその存在を感知していた。
人間のように有機的な存在と自称しているが、身体を構成する物質は、地球の生物のようなタンパク質ではない。ジャミーズとの会話の内容から、零はタンパク質の光学異性体であるD型ポリペプチドでできた生物だと推測していた。そのため、普通の人間が食べる物は消化できず、同じようにジャミーズの食べ物を人間が食べることも出来ない。人間と身体組成が違う理由について、コピー人間であるヤザワ自身は「手違い」「ばかばかしいミス」と述べていたが、作中では、自由に食料調達が出来ないようにすることで行動をある程度制限する、ジャムが設定した一種のリミッターではないかとの推測もされている。なお食べ物のほかにOVA版では零ともみ合いになったヤザワの手首に零の親指がありえないほど深く(まるで骨や筋が存在しないかのように)食い込むという描写がある。

その他[編集]

OVA版での33年前のシーンにおいて、侵攻してきたジャム機の攻撃を受けて撃墜される輸送機としてC-141が、Blu-ray Disc BOX及びDVD-BOXに付属する特典映像「YUKIKAZE EXPERIMENTAL MOVIE」には、地球軍の戦闘機としてF-22Su-27MiG-21JAS39F-15DJが登場している。

OVA版[編集]

戦闘妖精雪風』(間の「・」〈ナカグロ〉が無い)のタイトルで、2002年から2005年にかけて全5巻が発売された。GONZO制作。ストーリーは原作のグッドラック編を中心に構成され、結末は独自のものになっている。

作画やコンピューターグラフィックによる空戦シーンが評価されており、2006年3月25日、東京国際アニメフェアにおける第5回東京アニメアワードでオリジナルビデオ部門・優秀作品賞を受賞した。

スピンオフ作品として、劇中の航空機を擬人化した妖精が主人公の『戦闘妖精少女 たすけて! メイヴちゃん』も制作されている。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Engage」
作曲 - Clara / 編曲 - ザ蟹 (三柴理/塩野道玄)
エンディングテーマ「RTB」
作詞 - 多田由美、横山武 / 作曲 - 三柴理、Clara / 編曲 - 高浪敬太郎 / 歌 - ムッシュかまやつ
5話エンディングテーマ「RTB-AGL2」
作曲 - 三柴理、Clara / 編曲 - 高浪敬太郎

各話リスト[編集]

話数 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 発売日
OPERATION 1 山口宏
多田由美
大倉雅彦
大倉雅彦 橋本浩一 2002年8月25日
OPERATION 2 十川誠志 福田道生 高橋幸雄 関野昌弘 2003年2月25日
OPERATION 3 城正克 羽生尚靖 橋本浩一
大塚八愛
2003年8月22日
OPERATION 4 山内重保 高橋幸雄 橋本浩一
大塚八愛
加藤優
阿蒜晃嗣(メカ)
2004年4月23日
OPERATION 5 十川誠志
山下いくと
きお誠児
大倉雅彦
大倉雅彦 羽生尚靖 橋本浩一
大塚八愛
加藤優
2005年8月26日

漫画版[編集]

「雪風 YUKIKAZE I 戦闘妖精」として早川書房から単行本が刊行されている。作者はキャラクター原案の多田由美

原作、およびOVAと違うストーリーラインや設定で描かれたエピソードも多い(零の強盗歴、トム・ジョンの足の機械化など)。

II巻以降の刊行予定についてはアナウンスされていない。

関連商品[編集]

DVD/VHS-Video「戦闘妖精雪風」
  • OPERATION:1 2002年8月22日発売。
  • OPERATION:2 2003年2月25日発売。
  • OPERATION:3 2003年8月22日発売。
  • OPERATION:4 2004年4月23日発売。
  • OPERATION:5 2005年8月26日発売。
DVD/Blu-ray BOX「戦闘妖精雪風」(初回限定生産)
2008年1月25日発売。Blu-ray BOXには「1/200ダイキャストモデル『メイヴ最終出撃形態』」が付属。
DVD「戦闘妖精雪風 FAF航空戦史」
2005年11月25日発売。OVA版の内容を元に、軍事評論家の岡部いさくの兵器解説、航空自衛隊のF-15パイロットとブッカー役の中田譲治による戦闘機発進シークエンスの英語通信音声などを収録、設定資料集を収めた豪華ブックレットが付録する。
ゲーム「戦闘妖精雪風~妖精の舞う空」
  • 株式会社アクアシステム Xbox用フライトシューティングゲーム 2003年08月07日発売
  • システムソフト・アルファー Windows用コンバットフライトシミュレータ 2004年5月28日発売
模型
  • バンダイ「EXモデル(1/100スケール)」シリーズプラモデル
    • スーパーシルフ雪風 2002年8月発売。
    • スーパーシルフ雪風 ver.1.5 2003年3月発売。
    • メイヴ雪風 2003年4月発売。
    • FRX-99 レイフ 2003年9月発売。
    • メイヴ雪風(ジャム・センスジャマー仕様) 2005年9月発売。
    • グレイシルフ 2005年9月発売。
  • アルター「アルメカ」シリーズ(1/100スケール完成済ディスプレイモデル)
    • FFR-31MR-D スーパーシルフ"雪風" 2008年6月発売。
    • FFR-41MR メイヴ"雪風" 2013年2月発売。
    • FRX-99 レイフ"TYPE ハンマーヘッド" 2013年2月発売。
  • プラッツ
    • 戦闘妖精雪風プラスチックモデルキットシリーズ(1/144スケールディスプレイモデル)
      • メイヴ雪風ノーマルジェットVer.   2010年10月発売
      • メイヴ雪風 ラムジェットVer.   2011年2月発売
      • FRX-99 レイフ            2011年7月発売
      • FFR-31 MR/D スーパーシルフ雪風   2011年8月発売
      • FRX-99 レイフ “TYPEハンマーヘッド" 2013年3月発売予定
    • 戦闘妖精雪風マルチマテリアルキットシリーズ(1/72スケールディスプレイモデル)
      • スーパーシルフ
      • スーパーシルフwith AAM-3 2002年9月発売
      • メイヴ FRX-00
      • ファーンII
      • FAF FFR-31 シルフィード 2009年5月発売
      • 日本海軍 F/A-27C         2009年6月発売
    • 戦闘妖精雪風ダイキャストモデルシリーズ(1/200完成済スケールディスプレイモデル)
      • FFR-41MR メイヴ雪風 ノーマルジェットVer. 2008年12月発売
  • ホビーベース戦闘妖精雪風シリーズ(1/144塗装済み完成品)
    • MAVE FRX-00
      • メイヴランディングタイプ ノーマルジェット
      • メイヴフライングタイプ ノーマルジェット
      • メイヴフライングタイプ ダミーミサイル装備型
    • MAVE FRX-00 with FNX-5011-D(VC)
      • メイヴフライングタイプ ラムジェット
      • メイヴランディングタイプ ラムジェット
    • RAFE TS-X1
      • レイフフライングタイプ 配備型TS-X1
      • レイフランディングタイプ 配備型TS-X1
    • RAFE FRX-99
      • レイフフライングタイプ 試作型FRX-99
      • レイフランディングタイプ 試作型FRX-99
    • SUPER SYLPH FFR-31 MR/D
      • スーパーシルフ フライングタイプ
      • スーパーシルフ ランディングタイプ
    • FAND II FA-2
      • ファーン2 グリフォン隊 フライングタイプ
      • ファーン2 グリフォン隊 ランディングタイプ
      • ファーン2 シュリ-カー隊 フライングタイプ
      • ファーン2 シュリ-カー隊 ランディングタイプ
  • Omo Ore Toys
    • バンシーIV 1/4000 レジンキャストキット 2005年11月発売。

脚注[編集]

  1. ^ 身分の略称は海軍式で、Ltと表記されている。
  2. ^ 『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』内のプロフィールでは「ストレスによる放火」を採用している
  3. ^ 作中の日本では独自アーキテクチャのコンピュータは認められておらず、CPU処理時間の一部を常に外部から利用できるようにすることが義務付けられており、それを利用した監視システムを構築していた。
  4. ^ 取得しているのは修士号のみだが、文中では「軍医」と記述されている。
  5. ^ FAF航空戦史 早川書房・バンダイビジュアル
  6. ^ そのため、本機の型式番号も「FRX-99」とされることもある。
  7. ^ フェアリィ戦争勃発に伴い、海上自衛隊が改名した物。
  8. ^ これらの艦は文字設定のみの存在であり、劇中には登場しない。

外部リンク[編集]