戦闘妖精・雪風

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戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい・ゆきかぜ)は、神林長平によるSF小説。これを原作としてラジオドラマOVA漫画化された。

本作は『SFマガジン』誌上に1979年から1983年にかけて掲載された連作短編で、1984年に『戦闘妖精・雪風』の題名で文庫にまとめられた。1992年より『SFマガジン』誌上で断続的に第二部となる続編が連載され、1999年にハードカバーの単行本『グッドラック - 戦闘妖精・雪風』としてまとめられた。また『グッドラック』に合わせた改訂版として2002年『戦闘妖精・雪風<改>』(ハヤカワ文庫)が発表された。第三部は『SFマガジン』2006年4月号から不定期に掲載され、2009年7月『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』として発売された。

『戦闘妖精・雪風』は第16回(1985年)星雲賞、『グッドラック - 戦闘妖精・雪風』は第31回(2000年)星雲賞を受賞した。


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目次

[編集] ストーリー

南極に出現した超空間通路から侵攻してきた謎の異星体ジャム。人類はその先鋒を撃退し、逆に超空間通路の向こう側に攻め込み、そこに存在した惑星フェアリィに橋頭堡となる基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。設立初期には選び抜かれた精鋭によって構成されていたフェアリィ空軍 (FAF) だったが、長引く消耗戦にエリートの損失を嫌った各国は、やがて犯罪者や精神疾患者といった社会的不適合者の中から才能を持つものに訓練を施し、FAFに送り込むようになる。

そのFAFの主要基地の一つ「フェアリィ」に属する戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊、通称ブーメラン戦隊は、社会不適合者のなかでも他者に関心を持たないという心理傾向がある人間ばかりを集め、高性能な戦術戦闘電子偵察機「スーパーシルフ」を擁する対ジャム戦における戦術電子偵察部隊であり、たとえ目前の味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰る事だけを要求される特殊部隊だった。

極めて高度な中枢制御体を搭載し、完全自律制御による高度な戦術判断や戦闘機動を可能とするスーパーシルフ。その3番機 (B-503)、パーソナルネーム「雪風」のパイロット、深井零は、雪風を自らの半身と偏愛し、雪風以外のあらゆるものを「関係ない」と切り捨てるまでに雪風が全てと信じていた。一方、特殊戦の前線指揮官で零の唯一の友人でもあるジェイムズ・ブッカーは、ジャムの戦術やそれに対する雪風の振る舞いを疑問視し、「この戦いに、人間は必要なのか?」との疑念を抱く。

激化していくジャムとの戦いの中、零は雪風だけを信じフェアリィの空を舞い続ける。しかし、戦いは人類には不可知の存在であるジャムと、人類が生み出した戦闘機械集団との戦争の呈を見せていく。そんな中で零と雪風は、単なるパイロットと愛機という関係を超越した「複合生命体」と呼ぶべき存在へと変化していく。そしていよいよ、FAF基地へのジャムの総攻撃が始まった。

一方、地球の著名なジャーナリストで、零やブッカーとも親交のあるリン・ジャクスンは、ある人物からの手紙を受け取る。その内容は「ジャムの代理人として、人類に宣戦布告する」という衝撃的なものだった。

[編集] 登場人物

深井零(ふかい れい)
FAF少尉。後に中尉、大尉に昇進している[1]。日本国出身。特殊戦3番機「雪風」パイロット。乗機である雪風、および友人のブッカー以外の何者も信頼せず心を閉ざしていたが、雪風やジャムとの関わりを通じて変化していく。
主人公格のキャラクターながら謎が多く、排他的人格者になった理由や、最新版文庫本ではFAFに来た理由も明らかになっていない。初出時は「非効率な機械は嫌いだという理由で博物館のSLを爆破した」、改定前文庫本にまとめられた際は「仕事のストレスで職場に放火した」という扱いだった[2]。コミック版では強盗の手伝いをした犯罪歴が描かれており、短編小説では、コンピュータクラッカーであり、独自アーキテクチャのマシンを組み上げ、CPU処理時間の外部開放義務を忌避した罪[3]に問われたことが描写されている。
ジェイムズ・ブッカー
FAF少佐。特殊戦の戦隊指揮官。イギリス出身。零の唯一の友人。日本人である零以上の日本通で、特殊戦三番機への「雪風」の命名と漢字のペイントも彼の手によるもの。元パイロットで電子工学のスペシャリストでもあり、人間とジャム、そして雪風をはじめとするFAFの戦闘機械群との関係に疑念を抱いている。ブーメラン製作が趣味。元はイギリス軍に所属していたが、殺したくなるほど憎みながらも同棲していた女性がブッカーの仕業に見せかけて何者かに殺された際、軍法会議で敢えて一切抗弁せず有罪となり、FAFに送られた。無神論者であり、その様は「哲学を崇拝している」と例えられる。
リディア・クーリィ
FAF准将。アメリカ合衆国出身。FAF入隊は自らの意思によるもの。肩書きは特殊戦副司令だが、事実上の司令官。改訂版以後、特殊戦を軍団レベルの地位と実力に押し上げた人物との描写が増えている。
エディス・フォス
FAF大尉。アメリカ合衆国出身。特殊戦所属の軍医[4]。自らの研究テーマ「実戦下における『排他的傾向者』の精神構造」を追求する為に、志願してフェアリィ星にやってきた。当初は特殊戦のあり方に理解が及ばなかったが、特殊戦やジャムとのかかわりを通じて変化し、ジャムに対するプロファイリングを担当するようになった。クーリィ准将とは遠縁にあたり、OVA版では「エディス」「叔母様」と呼び合っている。
リチャード・バーガディシュ
FAF少尉。戦死したノーマン・ヒューズ少尉の後任として雪風のフライトオフィサに配属された。任務にしか興味のない零以上に冷淡な人物。
リン・ジャクスン
世界的ジャーナリスト。アメリカ合衆国出身。JAMの脅威を記した著書「ジ・インベーダー」で一躍有名になるが、多くの人はその内容をフィクションであるかのように受け止めている。現在もジャムの脅威を世界に訴え続けている。ブッカーや零とも関わりを持つ。
カール・グノー
FAF大佐。システム軍団所属。無人戦闘機「フリップナイト・システム」の開発者。撃墜されれば人的損害が発生し、しかも人間の為に性能を落とさざるを得ない有人機を時代遅れと断じ、「この戦いには人間が必要」と主張するブッカーや、雪風のパイロットであり続けようとする零と対立する。
アンディ・ランダー
アメリカ出身のフリーコラムニスト。軍事評論家、ロビイスト、作家でもあり、右翼的な記事を書くことで知られる。FAFの体制や実態に疑問を持ってフェアリィ基地を取材に訪れた。
トマホーク(トム)・ジョン
FAF大尉。電子工学の専門家でネイティブアメリカン。本来の名前は彼の部族独特の発音でしか呼ぶ事ができない為、英語の発音で最も近い「トマホーク」やトム・ジョンと呼ばれている。先天性の心臓病を克服する為にプルトニウムで駆動する人工心臓を移植されており、そのことで「自分は機械なのではないか」というコンプレックスを持っている。コミック版では心臓のほか、脚を機械化している描写がある。
ヒュー・オドンネル
FAF大尉。新型戦闘機ファーンIIのテストパイロットを務める。元々はアメリカ軍の戦闘機パイロットであり、志願してFAFにやって来た。婚約者のエイヴァ・エメリー中尉を秘書のように伴って行動している。
天田守(あまだ まもる)
FAF少尉。除雪師団所属。将来を悲観し、酒に溺れている。最高位の武勲賞であるマース武勲章を身に覚えの無いまま受章することになり、仲間から孤立、疑心暗鬼に陥っていく中でブッカーと出会う。OVA版には登場しない。
矢頭元(やがしら はじめ)
FAF少尉。死亡した13番機のパイロット、ジョージ・サミア大尉の後任としてTAB-15所属の第505飛行隊より特殊戦に引き抜かれてきた。第505飛行隊の中ではエースとして活躍していたが、対人コミュケーション能力に問題があり、本人も人知れず悩んでいた。OVA版には登場しない。
桂城彰(かつらぎ あきら)
FAF少尉。バーガディシュの後任として情報軍から送り込まれてきた。かつての零と同じ性格傾向を持っていたが、彼もまたジャムとの接触により大きく変わる事になる。OVA版には登場しない。
アンセル・ロンバート
FAF大佐。イギリス出身。FAF情報軍の代表者であり、桂城彰少尉を特殊戦に派遣した人物。生まれたときから脳に微小な傷を持っており、その影響からか、思考傾向が常人とかけ離れた方向に偏りがちな傾向と他人と同じことをするのを嫌う傾向を持つ。情報戦の見地から、ジャムに対する独自の戦略を練ろうとしていたが、あるときを境に一人で独自の行動を開始する。
ヒロシ・ヤザワ
前線基地であるTAB-14所属のFAF少佐。ジャムが生み出したコピー人間で、墜落した零とバーガディシュを捕らえ、雪風のセキュリティ解除コードを聞きだそうとする。小説版では、その後、ジャムと雪風との会見の場にてスーパーシルフのコピーに搭乗し、再び零の前に現れる。
マーニィ
TAB-14所属の看護婦で、ヤザワと同じくジャムの作ったコピー人間。
ギャビン・メイル
FAF大尉。前線基地TAB-15所属の第505飛行隊隊長。ジャムの迎撃に出撃した際、乗機のエンジントラブルによって窮地に陥る。この時、雪風から援護を受けているが、直後、TAB-15基地にジャムの存在を感知し機銃掃射を行う雪風を目撃している。後に機体を捨てて脱出し救助されるが、救助される前後の記憶が殆ど無い。帰還後しばらくして再教育部隊への転属を命じられるが、そこでジャムの秘密の一片に触れることになる。
ジョナサン・ランコム
FAF少尉。メイル中尉の部下であったが、TAB-15にジャムが存在すると認識した雪風の攻撃で死亡。後にコピーとしてジャム人間になり蘇っており、再教育部隊に転属したメイル中尉と再会するが、生前と変わらず中尉を慕っている。

[編集] ジャム

南極に生じた「超空間通路」と呼ばれる霧の柱で地球と繋げられた惑星「フェアリィ」から侵攻してきた正体不明の存在。謎の飛行物体を目撃した者の「えらく混乱(ジャム)しちまって」という言葉から、「ジャム」という呼び名が定着した[5]。通路の先にある惑星「フェアリィ」から地球に侵攻してきた。

ジャムと人間とは知覚手段や概念が全くと言っていいほど異なり、人間はジャムを、ジャムは人間を、互いにどのような存在なのか感知することが非常に難しいとされている。

ジャムから零や戦闘知性体に対して会話を試みるシーンは、ジャムの作ったコピー人間を含め何度か描写されるが、ジャム自身と直接対峙してさえ、その形や性質はおろか、生物か無生物かすら判明していない。

「グッドラック」で零に対してジャムが会話を試みたシーンでは、零から発せられた「おまえはだれだ」という問いに対し即答できず、若干の間をおいて、人間の概念でジャムと呼ぶものの総体である、と答えている。この時ジャムは、いくつかの可能性を例示された上で何者かと問われたが、それらの概念で自らを説明することはできないとした上で「われは、われである」と答えている。

この会話よりジャムは、「個」という概念を持たない(あるいは「個」の境界が非常にあいまいな)存在であること、加えて、人間のそれとは異なるが自意識と呼べるものを確かに持っているであろうこと、の二点が推測されうる。

ジャムの実態として、現時点で第三作まで刊行されている小説中では「ある種の言語コードそのもの」と表現されており、OVAでは惑星フェアリィそのものがジャムであるという可能性が示されている。

[編集] 登場兵器

外部リンクはOVA版公式サイトのもの。

[編集] フェアリィ空軍

FA-1 ファーン
フェアリィ空軍の主力戦術戦闘機。単発単座の前進翼。ジャム戦争勃発時には地球で実用評価中であり、フェアリィ星への侵攻にあわせて優先的にフェアリィ空軍に配備された。実戦投入直後は優位を誇っていたが、ジャム側の性能向上によって優位を失い、戦闘爆撃機や対地攻撃機として運用されることが増えている。新たな主力機のFFR-31 シルフィードが高価であることから、前線の部隊によっては未だに制空戦闘機として運用するケースもある[1]。単座のA/B型と複座の練習機C/D型が存在する。
FA-2 ファーンII(ファーン・ザ・セカンド)
FA-1の後継機として開発された新型戦術戦闘機。単発単座。エンジン出力はシルフィードの60%ほどだが、自重は60%を超えない。また、前進翼などの先進的な空力設計により、スーパーシルフよりも優れた機動性を発揮することができる。自動操縦による無人化も考慮されており、限界性能を発揮した場合、パイロットが耐えられないほどの重力加速度を発生させるため、テストフライトを担当したヒュー・オドンネル大尉は、戦闘に巻き込まれた際に作動した自動操縦による高機動に耐えられずに死亡している。OVA版では、エンジン及び操縦席部分が翼面部分の上にアームを介して乗せられた形状になっており、それぞれが独立して動くことで高い機動性を発揮する。
FFR-31 シルフィード
フェアリィ空軍の主力制空戦闘機で、FAF初の独自開発機。双発単座。それまでの主力機であったFA-1に代わる主力機として設計されたが、生産コストが高く配備数は少ない。OVA版ではステルス性を重視した形状となっていた[2]。大きく分けてブロック0~10(通称「オリジナル・シルフィード」)とダウングレード版であるブロック20以降に二分される。
FFR-31MR(FRX-47) スーパーシルフ
主力制空戦闘機シルフィードの戦術偵察仕様という名目で開発されているが、実際には全く別種の機体。双発複座。開発予算獲得の為にシルフィードの派生機として登録された。下記のD型を含めて13機が特殊戦第5飛行隊に配備されている[3]。また、バリエーションとしてD型の他に、長距離迎撃戦闘機型のA型や、アビオニクスを改良したB型、エンジンを更に強化したC型が計画されたが、いずれも計画中止となっている。
FFR-31MR/D スーパーシルフ
FFR-31MRの空力特性や操縦面を改善したもの。D型のほとんどはラムジェット・ブースターを装着した超高速戦略偵察機として防衛偵察航空団に配備されたが、数機がラムジェット・ブースターを装着せずに完成した。「雪風」のパーソナルネームで特殊戦第5飛行隊に3番機 (B-503) として配備されている機体は、ラムジェット・ブースター無しで完成したうちの1機。機体制御は高度に自動化されており、パイロットの安全より任務遂行や機体の保護を優先してパイロットから操縦権限を奪った例もある。
FRX-99 レイフ
FFR-31MRの後継機として開発された、双発の無人戦術偵察機。搭乗者への負担を考慮しないことで、従来の機体を大幅に上回る機動性を発揮する。FRX-00の原型となった機体であり、レイフのみで編成された新特殊戦の設立計画もあった。名前の由来は「知恵の狼」。OVA版では、この機体に雪風のセントラルコンピュータが自らのプログラムを転送している。
FRX-00 (FFR-41/FFR-41MR)メイヴ
FRX-99と同時に試験的に開発された有人戦術偵察機。双発複座。原作とOVAではメイヴの開発経緯が若干異なる。[4]
雪風が本機にプログラムを転送したため以後は特殊戦1番機 (B-501) として運用されることになり、同時にパーソナルネーム「雪風」を引き継いで、パイロットも零が担当している。OVA版では同時開発されず、特殊戦に配備されたレイフを有人化改修した物となっており、1番機ではなく3番機として引き続き運用されている。レイフを原型として開発されたため、無人機並みの優れた機動性を発揮する。後に心理分析用ソフト「MAc Pro II」をインストールされ、その言語エンジンを応用することで、ある程度の人語によるコミュニケーションが可能となり、人語の命令を理解することもあった。OVA版後半では、機体表面にジャム機のような赤い紋様を発生させる視覚的な迷彩「ジャムセンスジャマー」を装備した。
FEP-1AWACS
早期警戒管制機。機体下面に大型の回転式レーダードームを持つ。OVAでは地球環境観測用の大型機を改造したものとなっており、長大な主翼と燃費の良いターボプロップエンジンで長時間の滞空が可能。
FEP-1ACC
空中指揮管制機。AWACSと同系統の機体でレーダードームは持たず、通信能力が強化されている。
C-31F
フェアリィ空軍で使用される大型輸送機。胴体部と主翼部分は別々にブロック化されており、仕様変更が容易な設計となっている。輸送機タイプのC-31Fの他、胴体と主翼部に銃座を追加した対地攻撃機AC-31、無人戦闘機フリップナイト・システムを輸送するC-31M、人員輸送を目的とした旅客機型のC-31Pなどのバリエーションが存在する。派生型の種類と運用する部隊によって「フィンバック」、「ゴーレム」、「トロル」、「リングレイス」、「マルコチャン」など、様々な通称で呼ばれる。
フリップナイト・システム
システム軍団のカール・グノー大佐が提唱した無人戦闘機システム。母機の指令を受けてジャムを迎撃する。無人機特有の高機動と、カートリッジ式で連射可能な光学兵器「レーザー機関砲」を備えた最新兵器。OVA版ではレイフの派生型として開発され[6]、さらに機首部分に核弾頭を装備し、自爆兵器としての運用も視野に入れられている。その機首の形状から「ハンマーヘッド」とも呼ばれ、ジャムの総攻撃に際して3機のフリップナイトがFFR-41に随伴して出撃した。
バンシー級原子力空中空母
フェアリィ星上空を航行し続ける空中航空母艦。2機が存在し、防空圏外環の要となっている。
訓練用標的機
原作にのみ登場。ターボプロップエンジン、可変ピッチプロペラ搭載のラジコン無人機である。
巡航爆撃機
原作にのみ登場。記述のみで具体的な形状、性能は描写されていない。
BAX-4(バックス・フォー)
実験評価中の陸戦兵器。将来的にはこれを用いた陸戦部隊を創設し、海兵隊ならぬ空兵隊としてジャム基地へ侵攻することも視野に入れられていた。再教育部隊の反乱の際に持ち出され、フェアリィ基地を混乱に陥れる。原作では人が乗って操縦する二足歩行人型兵器で「パワード・アーマー」と表現されているが、他のコンピューターが制御することにより無人戦闘も可能。OVAでは空挺戦車として登場した。
無人空中給油機「ミルキー」
「アンブロークン・アロー」に登場。給油を必要としている機の通信に応じて自動的に合流し、空中給油を行う。作中では「ミルキー3」が登場した。
戦闘機械知性体
戦闘機搭載のセントラルコンピュータ、特殊戦の戦術コンピュータ、FAFの中枢コンピュータなど、軍事支援用のコンピュータシステムをブッカーなどがこう表現している。「ジャムに勝て」という根本的な命令や、そのための自己保存に必要ならば、人間の排除すら選択する事もある。
機械知性体内でも考え方には差があり、一部の人間の有用性を理解している特殊戦の戦闘知性体たちは、最終的に、ジャムに対する特殊戦との共闘体制が必要と選択した。この状態をエディスは「新種の複合生命体」という造語で説明している。
人間とは異なる認識手段や思考によって、機械知性体はジャムがどのような存在なのかを個体差こそあれ大まかに理解しているとされ、ブッカー達から問いただされた際には、ジャムから非戦協定を提案されたことを明かしている。また、人間側が感知していない、ジャムからの宣戦布告のようなものもすでに受けていたと考えられている。OVA版には登場しない。

[編集] 日本海軍

アドミラル56(イソロク)
日本海軍が有する原子力空母[5]。電波妨害等によるアクティブステルス機能を実現するために、艦のあちこちにアレイ構造物が設置されている。その影響で艦載機の搭載スペースが縮小されてしまったが、艦載機のF/A-27Cが比較的小型であることと、艦のECM能力の向上によって電子戦機の搭載数を減らすことが出来た為、ある程度の水準は保たれている。
原作では読み方は示されていない。OVA版劇中のセリフでは「アドミラルゴジュウロク」と表音される。
F/A-27C
日本海軍が独自開発した、双発単座の多用途戦闘機。国内の技術保持等の名目で、100%日本国内で設計・開発された。その代償として開発費と開発期間が大幅に伸び、一機あたりの単価が著しく高騰してしまった[6]。艦載型のC型の他に空軍の支援戦闘機型であるA型と、計画中止となった陸軍用STOVL近接支援攻撃機であるB型が存在する。
OVAに登場した部隊は「ドラゴン」と「イーグル」のコールサインを使用している。
E-2 ホークアイ
現実にも存在し、航空自衛隊アメリカ海軍などでも運用されているターボプロップ双発の早期警戒管制機。実物は直線翼だが、OVA版に登場した機体には、エンジンからの外翼に後退角がついている。
SH-3 シーキング
実在する機体。アドミラル56の艦載機として登場する。
V-22 オスプレイ
実在する機体。アドミラル56艦長の記者会見の後、プレス関係者を乗せて同艦より発艦する。
こんごう型護衛艦
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦
オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート
いずれも南極に展開していた国連軍艦隊の所属艦。タイコンデロガ級とO・H・ペリー級は日本海軍所属でない可能性があるが、一応ここに記載する。

[編集] ジャム

ジャムの侵攻に使われる、無人の航空兵器。作中では、撃墜しても残骸が短時間で消滅すると設定されており、飛行原理など様々な面で解明が進んでいない。戦闘機型のジャムは、常にFAF側の航空機の性能とほぼ同程度の性能を持つよう異様な迅速さで性能が向上することから、零は状況に対応して進化する飛行機のような形態の生物である可能性に言及していた。

いくつかの形態が確認されており[7]、 小説版では真っ黒で全体像が捕らえづらい平面的で影のような機体と表現される。OVA版では機体全体に流れるように変化する縞模様があり、時折赤い模様が現れるなどの変化がある。機首部などに高速回転するコアのようなものが見受けられ、機体全体が常に振動しているようにぶれて見える。「敵は海賊」シリーズとのクロスオーバー作品「被書空間」では一基のミサイルが解析されており、人間の脳に似せたと思しき「有機生命体に似た組織」が構成部品として搭載されていた。 OVAではタイプ1・2・電子戦タイプおよび高速ミサイルが確認され、原作ではTYPE-7までが確認されている。

ジャム タイプ1
三角形を幾つか組み合わせたような形状の主翼、鋭い尾のようなパーツ、胴体下面に吊り下げられた垂直翼から成る。急減速等を行う際は翼面が変形する。
地表に設けられた基地のような構造物から巨大なブースターを装着した状態で発進する場合があり、このブースターは一定高度に達すると本体から分離される。この形態は「ジャム・ブースター」と呼ばれる。
ジャム タイプ2
2枚のデルタ翼と、三角形の垂直翼2枚を胴体下面に持つ。高速飛行時には垂直翼が主翼の翼端に移動して無尾翼形態をとる。
タイプ1よりも機動性に優れ、タイプ2の出現がフェアリィ星での膠着状態をもたらしたと言われている。
電子戦タイプ
OVA版にのみ登場。機体上面にレーダードーム状の部分がある以外は上記のタイプ2と同じ形状で、無人機へのハッキング能力を持つ。ジャムの総攻撃の際に出現。フェアリィ空軍の無人機のシステムを乗っ取り、同士討ちを引き起こして多大な損害をもたらした。
極小タイプ(仮称)
原作にのみ登場。細かい金属片状のジャムが寄り集まり、1つの群れとして行動している。機械を外部から操って狂わせる機能を持ち、バンシーⅣに寄生して暴走させたうえ、調査にやってきたトマホーク・ジョンの人工心臓を狂わせて行動不能にした。レーザー光線で直接攻撃する手段も持っており、トマホークは人工心臓を狙い撃たれて死亡した。
ジャム タイプ6
「グッドラック」に登場。一撃離脱戦術をメインにした大型の高速戦闘機で、クッキー基地に対する戦術偵察中の雪風が滑走路に接近した時に出現し、雪風を不可知戦域へと誘い込んだ。この機の離陸後、クッキー基地は自爆している。零にはジャムが雪風との対話のために不可知戦域へと誘導するための「案内役」と言われた。
ジャム タイプ7
「アンブロークン・アロー」に登場。フェアリイ基地に対するジャムの総攻撃の際に出現した新種で、特殊戦はジャムの出方を図るためにこれを捕獲することを決定する。雪風の通信に応じて基地への着陸態勢をとったかに見えたが、同じく着陸態勢に入っていた雪風に突然体当たりするような行動を取った。
それ以降、零を始めとするフェアリイ基地の人間たちは、時系列や行動の記憶があやふやになるなどの特異な現象を体験することになる。
グレイシルフ
FFR-31MRと全く同じ外見を持つジャム機。コクピット部分にはパイロットがおらず、OVA版では他のジャムに見られる回転体がある。色はグレーを基調とし、独特の模様が描かれている。原作では旧雪風そのままのカラーリングである。
ジャム高速ミサイル
数キロトン規模の核弾頭を搭載しており、その飛翔速度はマッハ5以上と推定される。42ndヴァラック隊を一瞬で壊滅させた後、二発目が雪風にも襲いかかるが、雪風の自律機動により撃墜された。
ジャミーズ
ジャムが人間を感知すべく生み出した人間のコピーの通称。ジャム人間とも呼ばれる。壊滅した前線基地の人員や墜落機のパイロットなどに似せた外観で、FAF内に紛れ込んでいる。外見からは普通の人間と区別できず、元となった人間の記憶をそのまま引き継ぎ、コピーとしての自覚が無いまま本人として振舞っている者も居る。原則的にFAFに対する強烈な憎悪を何らかの形で刷り込まれている。OVA版では体液が黄色いという差異が描かれており、雪風など一部のコンピュータはその存在を感知していた。
人間のように有機的な存在と自称しているが、身体を構成する物質は、地球の生物のようなタンパク質ではない。ジャミーズとの会話の内容から、零はタンパク質の光学異性体であるD型ポリペプチドでできた生物だと推測していた。そのため、普通の人間が食べる物は消化できず、同じようにジャミーズの食べ物を人間が食べることも出来ない。人間と身体組成が違う理由について、コピー人間であるヤザワ自身は「手違い」「ばかばかしいミス」と述べていたが、作中では、自由に食料調達が出来ないようにすることで行動をある程度制限する、ジャムが設定した一種のリミッターではないかとの推測もされている。

この他、33年前のシーンにおいて、侵攻してきたジャム機の攻撃を受けて撃墜される輸送機としてC-141が、Blu-ray Disc BOX及びDVD-BOXに付属する特典映像「YUKIKAZE EXPERIMENTAL MOVIE」にはF-22Su-27MiG-21JAS39F-15DJが地球軍の戦闘機として登場する。



以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] OVA版

正式タイトルは『戦闘妖精雪風』となり、間の「」(ナカグロ)が無い。

[編集] 内容

原作のうちグッドラック編を中心に構成されたOVA作品。GONZO制作。全5巻完結となるため、ストーリーにアレンジが加わり、結末は独自のものになっている。

作画やコンピューターグラフィックによる空戦シーンが評価されており、2006年3月25日、東京国際アニメフェアにおける第5回東京アニメアワードでオリジナルビデオ部門・優秀作品賞を受賞した。

スピンオフ作品として、劇中の航空機を擬人化した妖精が主人公の『戦闘妖精少女 たすけて! メイヴちゃん』も制作されている。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌

エンディングテーマ「RTB」
作詞 - 多田由美、横山武 / 作曲 - 三柴理、Clara / 編曲 - 高浪敬太郎 / 歌 - ムッシュかまやつ
5話エンディングテーマ「RTB-AGL2」
作曲 - 三柴理、Clara / 編曲 - 高浪敬太郎

[編集] 各話リスト

話数 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 発売日
OPERATION 1 山口宏
多田由美
大倉雅彦
大倉雅彦 橋本浩一 2002年8月25日
OPERATION 2 十川誠志 福田道生 高橋幸雄 関野昌弘 2003年2月25日
OPERATION 3 城正克 羽生尚靖 橋本浩一
大塚八愛
2003年8月22日
OPERATION 4 山内重保 高橋幸雄 橋本浩一
大塚八愛
加藤優
阿蒜晃嗣(メカ)
2004年4月23日
OPERATION 5 十川誠志
山下いくと
きお誠児
大倉雅彦
大倉雅彦 羽生尚靖 橋本浩一
大塚八愛
加藤優
2005年8月26日

[編集] 漫画版

「雪風 YUKIKAZE I 戦闘妖精」として早川書房から単行本が刊行されている。作者はキャラクター原案の多田由美

原作、およびOVAと違うストーリーラインや設定で描かれたエピソードも多い。(零の強盗歴、トム・ジョンの足の機械化など)

II巻以降の刊行予定についてはアナウンスされていない。

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 関連商品

DVD/VHS-Video「戦闘妖精雪風」
  • OPERATION:1 2002年8月22日発売。
  • OPERATION:2 2003年2月25日発売。
  • OPERATION:3 2003年8月22日発売。
  • OPERATION:4 2004年4月23日発売。
  • OPERATION:5 2005年8月26日発売。
DVD/Blu-ray BOX「戦闘妖精雪風」(初回限定生産)
  • 2008年1月25日発売。Blu-ray BOXには「1/200ダイキャストモデル『メイヴ最終出撃形態』」が付属。
DVD「戦闘妖精雪風 FAF航空戦史」
  • 2005年11月25日発売。OVA版の内容を元に、軍事評論家の岡部いさくの兵器解説、航空自衛隊のF-15パイロットとブッカー役の中田譲治による戦闘機発進シークエンスの英語通信音声などを収録、設定資料集を収めた豪華ブックレットが付録する。
バンダイ「EXモデル(1/100スケール)」シリーズプラモデル
  • スーパーシルフ雪風 2002年8月発売。
  • スーパーシルフ雪風 ver.1.5 2003年3月発売。
  • メイヴ雪風 2003年4月発売。
  • FRX-99 レイフ 2003年9月発売。
  • メイヴ雪風(ジャム・センス・ジャマー仕様) 2005年9月発売。
  • グレイシルフ 2005年9月発売。
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[編集] 脚注

  1. ^ 身分の略称は海軍式で、Ltと表記されている。
  2. ^ 『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』内のプロフィールでは「ストレスによる放火」を採用している
  3. ^ 作中の日本では独自アーキテクチャのコンピュータは認められておらず、CPU処理時間の一部を常に外部から利用できるようにすることが義務付けられており、それを利用した監視システムを構築していた。
  4. ^ 取得しているのは修士号のみだが、文中では「軍医」と記述されている。
  5. ^ FAF航空戦史 早川書房・バンダイビジュアル
  6. ^ そのため、本機の型式番号も「FRX-99」とされることもある。
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