ゴジラ2000 ミレニアム
| ゴジラ2000 ミレニアム | |
|---|---|
| Godzilla 2000 | |
| 監督 | 大河原孝夫 |
| 脚本 | 柏原寛司 三村渉 |
| 製作 | 富山省吾 |
| 出演者 | 村田雄浩 阿部寛 西田尚美 鈴木麻由 佐野史郎 |
| 音楽 | 服部隆之 |
| 撮影 | 加藤雄大(本編) 江口憲一(特撮) 村川聡(特撮) |
| 編集 | 奥原好幸 |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 108分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 製作費 | 12億円[1]($13,000,000[2]) |
| 興行収入 | |
| 前作 | ゴジラvsデストロイア |
| 次作 | ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 |
『ゴジラ2000 ミレニアム』(ゴジラ2000 ミレニアム)は、1999年(平成11年)12月11日に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第23作。
目次 |
解説 [編集]
第3期ゴジラシリーズの第1作。背びれが大きく鋭く強調され斬新なデザインに一新されたゴジラが登場[1]、さらに宇宙人ミレニアンとそれが怪獣化したオルガが登場する。主要襲撃地点は根室、茨城、東京。
地震や台風のような自然災害的存在であるゴジラに対して人類がいかに対抗するかを描くことに重点が置かれた。内閣官房副長官が率いる危機管理情報局 (CCI) に加え、ゴジラ予知ネットワーク(GPN)という民間団体が登場する。
鈴木麻由演じる篠田イオは、小高恵美の持つゴジラシリーズ史上最年少ヒロイン記録を塗り替えて話題になった他、演技が高評価された[要出典]。脚本を担当した柏原寛司は「もっとイオのことを描きたいとかいろいろあった」と振り返っている[3]。
迫力のある映像構図へのこだわりが見られ、ヘリコプターでの空撮にゴジラを合成するなどCGも効果的に使われた[1]。その一方で、根室上陸シーンでは実物大造形物で破壊描写を表現したり、砂浜のゴジラの足跡はパワーショベルで実物大のものを再現するなど、実写にこだわったシーンもある[1][4]。
VSシリーズではビスタサイズだった画面が、本作からはスーパー35をフルフレーム使用したシネスコサイズとなっている[4]。
製作経緯 [編集]
『平成VSシリーズ』終了後の1998年に公開されたハリウッド版『GODZILLA』は、興行的には成功を収めたものの、従来のゴジラのイメージとは大幅に異なるものであった(GODZILLA#評価参照)。ハリウッド版に対する日本のファンの反応を察知した東宝プロデューサーの富山省吾は、同作の公開直後に日本版ゴジラの再開を企画し本作の製作に至った[4]。
これまでのシリーズとは全く異なる世界観を構築するためには多角的な視点が必要であるとして2人の脚本家が登用されている[4]。製作にあたっては「初代ゴジラの再生」と初期の東宝特撮映画に見られた「謎と脅威」を基本理念としている一方で、新解釈によるゴジラのデザインや海外SF作品のモンスターを彷彿とさせるオルガのデザインなど新な要素も取り入れられている[4]。
シリーズ最終作と銘打たれた前作からわずか4年での復活にはやや批判的な声もあったが、興行収入16億5,000万円。観客動員数は200万人と及第点の成績となった。
アメリカでは『ゴジラ』(1984年)以来15年ぶりに劇場一般公開されたゴジラシリーズ作品となった。北米2,111館で上映されたが、興行的には振るわず、最終的な興行収入は約1,000万ドルとなった[2]。また、劇中のBGMが多数変更されている上、セリフもスラングを多用したり改変が行なわれた結果、ゴジラが人類の救世主のごとき扱いをされているという指摘がある[5]。
ストーリー [編集]
漁船・第三北海丸を破壊したゴジラが北海道根室市に出現した。ゴジラ予知ネット(GPN)を主宰する篠田雄二は、娘のイオ、雑誌『オーパーツ』の記者である一ノ瀬由紀らと共にゴジラと間近で遭遇し、発電所を破壊するゴジラの姿に「ゴジラは人間の作り出すエネルギーを憎んでいるのではないか」と感じる。
時を前後して、鹿島灘沖の日本海溝で強い磁力を帯びた岩塊が発見された。新しいエネルギー資源の可能性を見いだした危機管理情報局(CCI)の宮坂四郎は、局長の片桐光男に引き上げを進言する。しかし岩塊は、引き上げ作業中に自力で浮上してしまった。最深部で6千万から7千万年前のものと推定される岩塊の内部には地球外生命体が存在するものと推測された。
ゴジラは海中を南下し、茨城県東海村の原子力発電所を狙う危険性が高まった。片桐は久慈川河口に自衛隊の部隊を展開させ、新兵器フルメタルミサイルでのゴジラ打倒を図る。上陸したゴジラと自衛隊との戦闘のさなか、岩塊が飛翔し、ゴジラに攻撃を始めた。ゴジラも熱線でこれに応戦、相撃ちとなってゴジラは海へ去り、岩塊は金属質の本体の一部を露出させた状態で北浦に墜落し、その動きを止めた。
東海村でゴジラの表皮を採取した篠田はゴジラの細胞が持つ治癒能力に着目し、宮坂を通してCCIの設備を使用して解析を進めようとするが、片桐は条件として篠田が持つゴジラの情報の開示を要求する。細胞を精査した篠田は、そこから細胞の復元と修復を行う形成体を発見し、オルガナイザーG1と名付ける。
翌朝、北浦の岩塊は日の出とともに動き始めた。外側に張り付いていた岩を振動で完全に払い落とすと、飛行物体は新宿に飛来し、『オーパーツ』編集部の入ったシティタワー屋上に着底した。夜になると飛行物体は肉眼では見えない触手を伸ばし、周辺地域のコンピュータに対してクラッキングを仕掛けてゴジラに関する情報を集めると同時に、大気組成を変え始める。
片桐はこの巨大UFOを危険と見なし、ブラスト・ボムでの破壊を決断した。爆破直前のビルにとどまってエイリアンの狙いを探っていた由紀に代わって、篠田はデータの入ったモバイルパソコンを持って脱出を試みる。制止する宮坂の声を無視して、片桐は爆破を強行した。
かろうじて崩壊するビルからの脱出に成功した篠田は、エイリアンの目的が「自分たちに適した環境に作り替えること」と、「ゴジラが持つオルガナイザーG1から、長い時間で失った肉体を取り戻すこと」であると片桐たちに語る。そんな折、東京湾にゴジラが出現し、UFOがいる新宿を目指す。
登場怪獣 [編集]
ゴジラ [編集]
「ゴジラ (架空の怪獣)#『ゴジラ2000 ミレニアム』」を参照
オルガ [編集]
宇宙人ミレニアンが、ゴジラの細胞の自己再生能力を司る「オルガナイザーG1」を吸収したが、制御できずに怪獣化してしまった姿。形状は左右非対称、いびつな姿をしている。鈍重に見えるが、空中高くジャンプできるなど意外と身軽である。搭乗してきたUFOと同じく、左肩に発射口があり、UFO同様の光線を放つことができる。周囲の物体を宙に浮遊させる超念動や、UFOの遠隔操作も可能。非常に再生能力が高く、左肩部を丸々吹き飛ばされるほどの重傷を負っても見る間に再生してしまう。熱線の直撃を浴びてもすぐに再生していくさまにはゴジラもうろたえた。
ゴジラと肉弾戦を繰り広げるが、その最中、噛みつくことでゴジラのエネルギーを吸収し、うろこのようなものも生え始めた。その意図はゴジラと同等の生命体になることだった。最終的には、大きく裂けた口を開けてゴジラの上半身を飲み込み、ゴジラとの同化を図り背びれまで獲得したが、ゴジラの体内放射により上半身を失い死亡。
- 身長:60メートル
- 全長:75メートル
- 体重:4万トン
ミレニアン [編集]
UFOに乗っていた巨大宇宙人。長い宇宙航行の間に肉体を変化させ、量子流体化している。海底にUFOと共に沈んでいたが、探査船の照明により復活し、地球征服を企んだ。UFOがゴジラからオルガナイザーG1を吸収することで肉体を取り戻したが、ゴジラ以外の生物ではオルガナイザーG1を制御できず、怪獣オルガに変化した。
オルガに変化する直前には、タコのような風貌で半透明な体色をした姿を見せた。
- 身長:40メートル
- 体重:1万トン
UFO [編集]
鹿島灘沖で発見された宇宙船。滅亡した母星に代わる新たな居住地を求めて、6千万年前に地球にやってきたが、海底に沈み、そのまま活動を停止していた。
機体左側に発射口があり、ゴジラをも吹き飛ばす強力な光線を発射する。銀色の装甲は非常に強固。最初は堆積物に包まれた岩塊の姿で発見されたが、探査艇があてたライトの光で起動。海面へと上昇し、日光を吸収してエネルギーを充填した上で飛翔。東海村上空に飛来し、自衛隊と交戦中のゴジラを襲うが相撃ちとなる。墜落したところを自衛隊により拘束されるが、天候の回復とともに再起動。自衛隊による拘束もたやすく振りほどき、機体を覆う堆積物もすべて振り落した。その後、新宿に飛来し、スーパーコンピューターをハッキングして人類側の情報を集めるとともに、大気の改造を行い、地球の乗っ取りを図る。自衛隊のブラスト・ボムのよる爆破も受け付けず、各所のモニターに映像を写し、自らの千年王国を作ると宣言する。上陸したゴジラと再戦し、ワイヤーで捕縛したところを見えない触手でゴジラの体内からオルガナイザーG1を吸収し、そのエネルギーがミレニアンとなった。
ミレニアンがオルガに変異した直後、一時的に動きを止めていたところをゴジラの熱線によって両断されたが、オルガがゴジラと戦いを始めるとミレニアン=オルガの遠隔コントロールを受けてタックルや砲撃を行ったが、最終的には各個撃破された。
登場兵器・メカニック [編集]
- フルメタルミサイルランチャー
- 危機管理情報局(CCI) が自衛隊と共同して開発した対ゴジラ専用の武器。73式装甲車の上部に2連装ミサイルランチャーを装備したもの。ミサイルには爆薬の類は入っておらず、硬度の高い金属を使ったいわゆる運動エネルギーミサイルであり、幾重にも重ねられた厚さ10メートルの鉄筋コンクリートを貫通することが出来る。ゴジラを倒すことは出来なかったが、ダメージは与えていた。その後ゴジラの体内に残されたミサイルがどうなったかは不明。
- 全長:8メートル
- 全幅:3.5メートル
- 全高:4.5メートル
- 重量:4トン
- 最高速度:時速80キロ
- 乗員:3名
- なお、この車両の撮影の際、東宝側が自衛隊側に許可を取らずに73式装甲車(実写)の上部にミサイルをCG合成してしまったため、東宝はその後しばらく自衛隊の協力を得ることが出来なくなってしまった。[要出典]
- ブラスト・ボム
- 単一指向性爆弾。東海村の原子力発電所を狙って上陸してきたゴジラが自衛隊の攻撃に応じずに原子炉を目指した場合の次善策として埋設されたが、このときには使用されなかった。その後、新宿のビルを占拠したミレニアンの円盤に対する攻撃に使用されたが、有効なダメージを与えるには至らなかった。
- しんかい6500・Gセンサー
登場人物 [編集]
- 篠田 雄二
- GPN(ゴジラ予知ネットワーク、Godzilla Prediction Network)の創始者。宮坂とは以前大学で教鞭を取っていた時からの知り合い。ゴジラの研究を独自に進めている。ゴジラを倒そうとするのは人間の思い上りだと考えており、それ故ゴジラ抹殺を目論む片桐に反発する。宮坂とともにゴジラ細胞を調べ、再生能力の根源要素を見つけて「オルガナイザーG1」と命名する。
- 片桐 光男
- 内閣官房副長官でCCI(危機管理情報局、Crisis Control Intelligence Agency)の局長。篠田とは旧知であり能力も認めてはいる。しかし「ゴジラは倒すべき敵である」という信念が篠田の持論とは互いに相容れず、ミレニアンの止まったビルを爆破した際には篠田が調査データが詰まったパソコンを取りに入ったのを承知の上で爆破するなど冷酷な男。東海村に出現したゴジラに対し巧みな指揮で追いつめるが、UFOの乱入により取り逃してしまう。その後ミレニアン撃破の指揮も執るが、切り札ブラストボムは通じずミレニアンの脅威を目の当たりにする。さらに新宿に現れたゴジラとミレニアン=オルガの戦いとオルガの死、そして迫り来るゴジラを見ても、自らの信念に憑かれたように「逃げる」ことをかたくなに拒否し、最期は逃がそうとする篠田を殴り飛ばして、ゴジラと至近距離で睨み合い、ゴジラの名を絶叫して足場を崩され、瓦礫と共に落ち死亡。
- 宮坂 四郎
- 片桐の部下で、篠田とは大学で教鞭を執っていた頃からの友人。優れた科学者であり、篠田とともにゴジラ細胞の解析を行い、オルガナイザーG1の存在を突き止めた。冷徹な研究者としての顔も垣間見せる掴みどころのない男だが、篠田とはこの研究や事件を通して改めて親交を深め、後半では由紀を捜索している篠田のために独断で通行許可を出したり、ミレニアンごと爆破しようとした片桐に対して大声を張り上げて制止しようとした。一方で海底資源の発掘調査も担当していたが、その過程でミレニアンを復活させてしまう。
- 篠田 イオ
- 篠田雄二の娘。小学生だが篠田の助手として、計器の扱いからGPNの契約の担当まで様々な面で活躍している。GPNに都合のいい契約を巧みに結んだり、情報の入ったMOをすり替えて宮坂に渡すなど抜け目のない子供。
- 一ノ瀬 由紀
- 月刊『オーパーツ』の記者。本人はコンピューター部門への配属を望んでいるようだが、ゴジラの取材を命じられ不満な様子。ミレニアンが来たときに逃げるよりもスクープといって屋上に行こうとするなど気が強すぎる面があるが、ついにはビルに潜り込んでミレニアンの狙いを調べ上げた。最初は篠田親子のことを苦手としていたが、信念を持って研究を続ける篠田や父を心配するイオと協力するうちに親交を深めた。
- 高田
- 自衛隊の第1師団長。東海村に出現したゴジラに対し対戦車ヘリや戦車部隊、さらには新兵器フルメタルミサイルによる攻撃を行うが、宇宙船の乱入で失敗してしまう。
スタッフ [編集]
- 製作:富山省吾
- 脚本:柏原寛司、三村渉
- 音楽:服部隆之
- ゴジラテーマ曲:伊福部昭
- 撮影:加藤雄大
- 美術:清水剛
- 録音:斉藤禎一
- 照明:粟木原毅
- キャスティング:田中忠雄
- 編集:奥原好幸
- 助監督:宮村敏正
- 製作担当者:金澤清美
- アソシエイトプロデューサー:鈴木律子
- 音楽プロデューサー:北原京子
- 音響効果:佐々木英世(東洋音響)
- スタントコーディネート:釼持誠
- 監督:大河原孝夫
- 〈特殊技術〉
- 〈特殊視覚効果〉
キャスト [編集]
※映画クレジット順
- 篠田雄二:村田雄浩
- 片桐光男:阿部寛
- 一ノ瀬由紀:西田尚美
- 自衛隊第1師団長・高田:中原丈雄
- 篠田イオ:鈴木麻由
- 防衛官僚・権野:大林丈史
- 科学技術庁・塩崎:並樹史朗
- 警備隊隊長・大川:木村栄
- GPN福島スタッフ・園田:ベンガル
- 篠田酒造番頭:なぎら健壱
- オーパーツ編集長:石井愃一
- 東大教授・稲垣:中村方隆
- 内閣調査室・皆川:篠塚勝
- オーパーツ記者(ケミカル):榊原利彦
- 灯台の職員:近藤芳正
- 東海村原発所長の声:上田耕一
- パーティの客A:二瓶鮫一
- 調査船の作業隊長・後藤:新納敏正
- 京大教授・佐々木:木澤雅博
- CCIスタッフA:大森嘉之
- 下町のオヤジ:中沢青六
- 高田付幹部:大久保運、児玉徹
- GPN松島スタッフ・木村:本田大輔
- 特殊工作班の隊員:桜井勝
- CCIスタッフB:田中優樹
- CCI女性職員:吉川美咲
- Xビルの通信員:岡真志
- 片桐付CCI幹部:酒井健太郎
- 潜水艇のクルーA:井上智之
- パーティの客B:名取幸政
- CCIスタッフC:奈良朝洋
- 潜水艇のクルーB:大文字祐介
- 外国人レポーター:シェリー・スウェニー
- 戦車隊隊長:西村雅彦
- 居酒屋のオカミ:阿知波悟美
- 漁師:でんでん、有薗芳記
- 列車の客:村松利史、温水洋一、安斎肇
- アナウンサー:吉田照美、小俣雅子
- レポーター:笠井信輔、こはたあつこ
- マスコミクルー:松重豊
- 新宿のヤジ馬:デンジャラス
- 宮坂四郎:佐野史郎
スーツアクター [編集]
映像ソフト化 [編集]
- DVDは2000年12月21日発売。
- 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
- トールケース版DVDは2008年6月27日発売。
ノベライズ [編集]
- 柏原寛司、三村渉 『小説 ゴジラ2000(ミレニアム)』 カドカワ・エンタテインメント、1999年。ISBN 4047881414。
脚本を担当した柏原・三村の両名によりノベライズされている。
映画の登場人物を深く掘り下げた内容となっており、またミレニアンが如何にして地球にたどり着いたかが詳しく説明されている。反面、東海村での戦いまでに多くの紙幅が割かれており、それ以降の展開はほとんど描写されない。
参考文献 [編集]
外部リンク [編集]
- ゴジラ 2000 MILLENNIUM - 日本映画データベース
- SF MOVIE DataBank:ゴジラ2000ミレニアム
- ゴジラ2000 ミレニアム - allcinema
- ゴジラ2000 ミレニアム - KINENOTE
- Godzilla 2000 - AllMovie(英語)
- Godzilla 2000 - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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