73式装甲車

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73式装甲車
JGSDF Type73 APC 20120429-01.JPG
基礎データ
全長 5.80 m
全幅 2.90 m
全高 2.21 m
重量 13.3 t
乗員数 4 名 + 兵員 8 名収容
装甲・武装
装甲 アルミ合金
主武装 12.7mm重機関銃M2
副武装 74式車載7.62mm機関銃ブローニングM1919重機関銃(生産当初)
機動力
速度 60 km/h
6km/h (浮航)
エンジン 三菱4ZF
2ストロークV型4気筒空冷ディーゼル
300 hp / 2,200 rpm
行動距離 300 km
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73式装甲車(ななさんしきそうこうしゃ)は、陸上自衛隊で使用されている装甲兵員輸送車である。自衛隊では装甲兵員輸送車という用語を使用せず、装甲車と呼称される(自衛隊用語)。

目次

概要[編集]

73式装甲車は60式装甲車の後継として1973年に制式化された装甲車である。1974年から陸上自衛隊への配備が始まり、合計で338両が生産され、最終的には調達価格ベースで約1億円程度まで単価が減少した。

全体的なデザイン及び車内レイアウトは60式装甲車を踏襲しており、車体前部右側に操縦手席、左側に銃座と前方銃手席がある。車体は60式装甲車より1m延長され、後部兵員室には一個小銃班8名が乗車可能である。兵員室上面に大型の両開き式ハッチを備え、側面にT字型のガン・ポートが6箇所設けられている。車体後部には3連装の発煙弾発射機を装備しており、60式装甲車に比べ装備の充実が図られている。

車体には軽量なアルミニウム合金を採用し、浮上航行能力とNBC防護力を備えている。国内の河川の護岸整備が進み、陸上自衛隊の施設科部隊に81式自走架柱橋などの本格的な架橋装備が行き渡っている現在ではこのような車両独自の浮航装備の必要性は薄いと思われてきた。またたとえ浮航を行うにしてもこの車体においては煩雑な事前作業が必要であり、各部隊で行われた実験は「沈没」という結果を数多く残しており、スペック上浮上航行能力はあるが実際には実用性なしというのが実情のようである。また装甲面では世界的にも高熱や被弾に弱いアルミ製車両は使用されなくなってきておりその点からも時代遅れとの指摘は多い。

現在は、96式装輪装甲車が制式採用され配備が進んでいる。

開発[編集]

60式装甲車の後継機として、当時開発中だった新戦車(後の74式戦車)に随伴する新型装甲車の開発が決定する。

1967年から部分試作が開始され、1968年に部分試作車「SU-T」が完成した。1969年からの試験後、三菱重工業小松製作所に対して試作車4両が発注され、1970年に三菱重工業の試作車「SUB I-1」「SUB I-2」、小松製作所の試作車「SUB II-1」「SUB II-2」がそれぞれ完成し、1970年から71年にかけて技術試験が行われた。1973年に三菱製の車両を「73式装甲車」として制式採用した。

試作時には20mm機関砲を搭載する事も検討され、搭載試験も行われた[1]が、生産型への搭載は見送られた。

小松製試作車「SUB II-1」前部
試作車のため、若干形状や装備が異なる
車体上面のターレットが特徴
小松製試作車「SUB II-1」後部

  

  • 車体関係 
    • アルミニウム合金装甲:神戸製鋼所
    • 装甲鋼板:三菱製鋼
  • 走行装置関係
    • 発動機:三菱重工業
    • 変速機:日立製作所
    • 操向装置:三菱重工業
    • 懸架装置:三菱重工業
    • 履帯:小松製作所
  • 夜間行動/戦闘装備関係
    • 暗視装置:日本電気

三菱製

  • 1号車「SUB I-1」
    • 防弾鋼板製
    • キューポラ外部に12.7mm重機関銃装備
  • 2号車「SUB I-2」
    • アルミ合金防弾板製
    • キューポラ外部に12.7mm重機関銃装備
    • 車高可変装置付き

小松製

  • 1号車「SUB II-1」
    • 防弾鋼板製
    • ターレットに12.7mm重機関銃装備
  • 2号車「SUB II-2」
    • アルミ合金防弾板製
    • ターレットにラインメタル製20mm機関砲装備
    • 車体前面にウインチ装備

武装[編集]

NBC環境下での戦闘を考慮し、車内からの操作が可能なリモコン式の12.7mm重機関銃M2銃塔を採用した。

車体前面には前面機銃として7.62mm機関銃を装備しており、試作型及び生産当初の型ではブローニングM1919重機関銃を装備しているが、陸上自衛隊の装備体系が西側諸国標準の7.62mmX51弾(NATO弾)を使用する64式7.62mm小銃及び62式7.62mm機関銃へと完全に切り替わった事に合わせ、1980年代の中頃より前面機銃は順次74式車載7.62mm機関銃へと更新されている[2]

配備[編集]

本車両は北海道に配備されていた60式装甲車[3]と置き換える形で配備が進み、主に普通科(機械化連隊)や戦車大隊本部・施設や通信部隊等に配備され、北海道への配備が完了後本州の各戦車・施設・通信大隊等への配備が行われた。

第7師団第11普通科連隊の一部中隊以外では師団/旅団の戦車大隊の各戦車中隊本部や方面の施設群(施設大隊等)に配備されている。

派生型[編集]

73式装甲車の派生型として以下の装備が制式化されている。その他、一部の一線を退いた車両に70式地雷原爆破装置を搭載し施設科部隊で使用している。

登場作品[編集]

実写作品
フルメタルミサイル車として登場。実車にスタッフが製作した撮影用プロップ(撮影用の道具)を搭載しての登場。
アニメ作品
アニメ31話で迷子になった子供2人の親を探すために軽装甲機動車96式装輪装甲車と共に登場。
漫画作品
戦国時代にタイムスリップした陸上自衛隊の装備として登場。関ヶ原の戦いに投入。
江原慎吾が雇った傭兵の火力に、警察力のみでの対処が困難となった為、陸上自衛隊に治安出動が発令された際、73式大型トラックと共に登場。
小説
終盤にて横須賀を占拠したレガリスを掃討すべく、60式106mm無反動砲などと共に第13普通科連隊所属車両が登場。

脚注[編集]

  1. ^ 搭載する機関砲には、ラインメタル Rh202が選定されて試験が行われた
  2. ^ 前面機銃を更新した車両は、機関銃マウント部より露出している銃身が異なっていることで識別できる
  3. ^ この時更新された60式装甲車は、本州以南の装甲車を持たない部隊へ回された

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]