施設科

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陸上自衛隊の施設科の職種徽章に類似する、米陸軍工兵科の兵科区分徽章。

施設科(しせつか、英:military engineer, combat engineer, pioneer)は、陸上自衛隊職種の一つ。他国、旧日本軍などでは「工兵」と呼ばれる。作戦の全局面において施設技術能力を駆使し、主として戦闘支援、兵站支援及び情報支援を行って諸部隊を支援することを任務とする。職種標識の色はえび茶

運用[編集]

地雷原や対戦車壕等の障害の構成や処理、道路橋梁等の破壊や構築あるいは修復、各種渡河機材を用いた渡河支援、陣地の構築など、第一線部隊に戦闘力を発揮させるための支援の他、交通路、飛行場、港湾等の建設・維持、不動産業務の技術援助などの兵站を維持するための支援、測量及び地図の作成・航空写真の複製を行う。通常は施設科部隊自らが第一線に立って戦闘することは少ないが、敵陣前における地雷原の強行処理のような極めて危険な任務を遂行することもあり、特に必要な場合、近接戦闘に当たる。しかし施設科部隊の装備は普通科部隊に比して曲射火力を欠くため、その戦闘能力は極めて限定される。

任務の特性上、多くの建設機械を保有しているため災害派遣や国際貢献などでは他の職種よりも施設科が活躍する。自衛隊草創期に多く行われた土木工事等の受託でも施設科部隊が多く運用され、初のPKO活動となった自衛隊カンボジア派遣においては施設大隊、自衛隊東ティモール派遣では施設群が派遣された。2010年(平成22年)には1月に発生したハイチ地震 (2010年)に対する国際貢献(国際連合ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH))の一環として陸上自衛隊の施設科部隊が主力となって復興活動を行っている(詳細は自衛隊ハイチPKO派遣を参照)

2011年7月に北部スーダンから分離独立を果たした南スーダン共和国の施設基盤整備を行うため、2012年から施設科を主力とした500名程度の部隊が派遣されている。

部隊[編集]

施設科部隊として最も規模の大きなものは施設団[1]であり、その隷下に9個の施設がある。また、各師団には施設大隊・各旅団には施設中隊[2]が置かれている。

そのほか、施設隊、施設器材隊(架橋中隊、特殊器材中隊)、水際障害中隊、ダンプ車両中隊、坑道中隊などの部隊が置かれている。坑道中隊は、トンネルを掘る部隊である。職種学校は勝田駐屯地にある陸上自衛隊施設学校、教育支援部隊は同校直轄の施設教導隊である。

他、化学科と装備が共通するも人員除染に関しては施設科も一部担当する[3]

脚注[編集]

  1. ^ 北部方面隊の第3施設団は2008年3月に方面施設隊に縮小
  2. ^ 5旅団及び14旅団は隊編成(14施設中隊は徳島の移駐に伴い、隊編制に拡大し1佐職に格上げ)
  3. ^ 普通科連隊の施設小隊が該当

参考文献[編集]

  • 『セキュリタリアン』(防衛弘済会)各号
  • 『SoYou』(曹友連合会)各号
  • 軍事研究』(ジャパン・ミリタリー・レビュー)各号
  • 木下寛朗 他 『陸上自衛隊パーフェクトガイド. 2008−2009』 学習研究社、2008年4月ISBN 978-4-05-605141-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]