リベット
リベット(英: Rivet)は、複数枚の板状のものを束ねて締結する鋲の一種である。
目次 |
[編集] 概要
一般に鋼・ステンレス鋼・アルミニウム・銅などの金属製の円柱状で、片側にやや直径の大きい頭がついており、対象物の穴に通したあと反対側も同様の形状につぶすことで固定する。同様の目的に用いるボルト・ナットやねじと異なり容易には取り外しができず、半永久的な締結用途に用いられる。用途によりプラスチックのものもある。
[編集] リベット
頭部の形状による分類では、
- 丸頭 - 半球形
- 平頭 - 円盤状
- 皿頭(沈頭鋲)- 表面側が平で根元が円錐形
取り付け方法では、
- 熱間 - 鋼橋・鉄塔・船舶などの鋼板・鉄骨の接合など、大型のリベットに用いられた。リベットを真っ赤に熱して軟らかくしてから、リベットハンマー(空気圧式)などでかしめる(焼き締め)。重量が大きくなることや時間がかかることなどから、溶接やボルト・ナットに移行している。
- 冷間 - 工場などでリベットハンマーや油圧プレス機(古くは水圧プレス機)などでかしめて取り付ける。航空機からナベ、ヤカンの本体と取手まで広く用いられ、少量ならば手ハンマーでも加工できる。
[編集] ブラインドリベット
片側からしか作業ができない場合のために、ブラインドリベット(英: Blind rivet、ポップリベットとも)が考案されて用いられている。
釘の様に見える心棒を空気圧や電動・手動などのリベッターで作業者側へ引っ張ることで、円筒状のリベット内側を変形させ、心棒を引きちぎることによりかしめる。締結圧はその細い心棒の破断耐力によるので、同じ径の通常のリベットに比べて小さくなる。
[編集] 航空機用のリベット
航空機用のリベットはソリッド・シャンク・リベットとブラインド・リベットの2種類が使用されるが航空機設計用の要求に応じる為、形状・材質・サイズで区別され、それはパーツナンバー(部品番号)とリベットのヘッド・マークで識別できる。 規格はソリッド・シャンク・リベットの場合だとMS(Military Standard:米軍規格)が代表的であり。その後には形状・材質・サイズの番号または記号が記載される。
形状は
- 20426(リベット頭部が皿型、皿の角度は100度)
- 20470(リベット頭部が丸型)
の2種類があり。
材質はアルミ合金の場合、強度が低い物から高い物に順に上から下に並べると
- A(1100)
- B(5056)
- AD(2117)
- D(2017)
- DD(2024)
の5種類がある。
またそのほかの材質として
- M(モネル)
- CまたはF(耐食鋼)
- Pまたは-(炭素鋼)
- 無し(耐熱鋼)
の4種類の物がある、またリベットの径と長さは、径は1/32inch単位で長さは1/16inch単位で表される。
実際のパーツナンバーで表すと
MS20470AD 7-7
最初のMSは規格を示し、続く5桁の数字はリベット頭部の形状分類(リベット頭部が丸型)を示し、続くADは材質を示し(2117のアルミ合金)、続く最初の数字はリベットの径(7/32inch)ハイフン後の最後の数字はリベットの長さ(7/16inch)を表す。 また材質のDのリベット径の大きい物(直径3/16inch以上)とDDの物はそのまま打ち込むことは困難なので熱処理(焼き入れ)をするとリベット自体が軟らかい状態になりその状態で打ち込む、その後時間の経過ともに硬化する(時効硬化)。 また熱処理したリベットを低温保存する(アイスボックス等に入れる)ことにより時効硬化を遅らせ軟らかい状態を長く保つことができる。
[編集] その他
- 初期の戦車では装甲板をリベット接合していたが、被弾時に衝撃でリベットが飛び散って乗員や随伴歩兵を殺傷する危険が生じた為、溶接接合に移行している。
- 初期の鉄道車両・バス車体なども丸頭のリベットを使用していた。
- 皿頭(沈頭鋲)はリベットの頭部と接合部材面が同一に仕上がるので、航空機の外板など平滑度を要求される箇所に使用される。
- 接合する対象は必ずしも金属とは限らず、帆布などの厚手の布や、皮革の接合にも用いられる。例としてはジーンズのポケットや鞄などである。衣料用の場合、装飾目的でリベットを打つ場合もある。
[編集] 参考文献
- 大西久治『よくわかる 板金・製カン作業法』図書出版 理工学社、1987年、ISBN 9784844525141
- 『航空機の基本技術』 日本航空技術協会 1989年 ISBN 4930858364