怪獣島の決戦 ゴジラの息子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
怪獣島の決戦 ゴジラの息子
Son of Godzilla
監督 福田純(本編)
有川貞昌(特撮)
脚本 関沢新一
斯波一絵
製作 田中友幸
出演者 高島忠夫
久保明
前田美波里
平田昭彦
土屋嘉男
佐原健二
黒部進
丸山謙一郎
久野征四郎
西條康彦
鈴木和夫
大前亘
当銀長太郎
音楽 佐藤勝
撮影 山田一夫(本編)
富岡素敬(特撮)
真野田陽一(特撮)
編集 藤井良平
配給 東宝
公開 日本の旗 1967年12月16日
上映時間 86分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 2億6千万円
前作 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
次作 怪獣総進撃
テンプレートを表示

怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(かいじゅうとうのけっせん ゴジラのむすこ)は1967年(昭和42年)12月16日に公開された日本映画ゴジラシリーズの第8作。

製作、配給は東宝カラー東宝スコープ。上映時間は86分。観客動員数は309万人。併映は『君に幸福を センチメンタル・ボーイ』(監督:丸山誠治、主演:舟木一夫東京映画作品)。登場怪獣はゴジラミニラカマキラスクモンガ

概要[編集]

前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に続き、南海の島が舞台となっている。本編は福田純監督、特撮は有川貞昌監督と、前作に続き若手起用がなされ、本編ではグアム島ロケが敢行されて話題となった。

本作で初めてゴジラの子供ミニラが登場するため、ゴジラはオスなのかメスなのか話題となった。当時の宣材では、「パパゴジラ」と表記されている。また、福田純監督は「この作品のゴジラはオスです」とコメントしている。ミニラの登場についてプロデューサーの田中友幸は「苦し紛れに考えだした」と述べている[1]。有川貞昌は「あとで聞いた話」として、「私が二代目の特技監督に決まって、それでゴジラにも息子を、というアイディアが出た」と述べている[2]。また、クランク・アップ後にミニラ役の小人のマーチャンから記念に電気カミソリを贈られ、「今でも使っていて、使うたびに良き時代が思い出されます」と語っている[2]

バヤリース」と「パンアメリカン航空」がタイアップしている。

本作はゴジラ映画初の海外ロケが行われ、主要なキャストもロケ地のグアムに渡って撮影が行われた。ただし楠見博士役の高島忠夫のみグアムには行かず、代わりに現地で雇った高島に似た中国とフィリピンのハーフの人物を代役として撮影している。 後年、高島は自身が飛行機が苦手であったため海外ロケを断ったと明かしている。高島の妻の分のチケットも用意するという田中プロデューサーの説得にも「女房が乗ろうが僕は飛行機には乗らない」と頑なに拒絶し、田中プロデューサーや共演者からも批判されたという[3]

あらすじ[編集]

太平洋上。嵐の中を飛ぶ観測機が、海上を進むゴジラを発見する。進行方向にはゾルゲル島という孤島があるのみだった。

そのゾルゲル島では将来の食糧難対策として、楠見恒蔵博士を中心としたチームにより、合成放射能ゾンデを利用した国際連合主体の気象コントロール実験「シャーベット計画」が進められていた。ジャーナリストの真城伍郎はこれを嗅ぎつけ、実験チームの押しかけスタッフとなる。

いよいよ開始される気象コントロール実験。しかし謎の妨害電波により、放射能ゾンデ打ち上げは失敗、島は異常高温に見舞われ、生息していた大カマキリが怪獣カマキラスへと変貌した。そんななか、真城は海岸で不思議な美少女と出会う。

カマキラスは巨大なを発見し、その卵の中からミニラが孵化する。カマキラスがミニラを攻撃しはじめたとき、そこへミニラの親であるゴジラが現れた。実験を失敗させた妨害電波は、親を呼ぶミニラのテレパシーだったのだ。

実験所は壊滅し、洞窟に避難する楠見博士たち。真城は海岸で出会った美少女サエコが日本人学者の忘れ形見であることを知る。サエコはすっかりミニラと仲良くなっていた。やがて実験チームを襲う熱病に、サエコは「クモンガの谷」の向こうにある「赤い沼」の水が特効薬であると教える。サエコの案内で水を汲みに向かう真城が見たものは、ミニラの腕白ぶりに手を余すパパゴジラの姿だった。

赤い沼の水で回復した楠見博士たちは、再び実験を開始することを決意する。だが、その一方でミニラを餌食にしようとするカマキラスと、ゴジラ親子の対決が激化。さらにクモンガがついに目を覚まし、これに加わった。そのクモンガが洞窟を襲い、一行は危機に直面する。最後の望みは、気象コントロールで島を凍結させ、怪獣たちが冬眠した隙に脱出することだった。

再度打ち上げられる冷凍ゾンデ。ついに実験は成功し、みるみる島を包んでいく大吹雪。島から離れ、歓声を上げる楠見達の目に、強敵クモンガを倒し、抱き合って雪の中で眠りにつくゴジラ親子の姿があった。

『ゴジラの息子』の特撮[編集]

ゾルゲル島に降る雪には発泡スチロールが使われているが、本作で特技監督を務めた有川貞昌は「体表で溶けていく」という表現にこだわり、一部パラフィンを使っている[4]。材料費が高いためアップカットのみの使用となったが、このパラフィンによってゴジラ親子の顔の上でゆっくりと解ける雪のカットを撮ることができた。撮影後は機材の手入れが大変だったという。

本作のゴジラを演じるのは、前作までゴジラを演じ続けてきた中島春雄ではなく俳優の大仲清治である。これは本作のゴジラスーツがミニラとの対比上、大き目に製作されており中島よりも大柄な大仲がスーツアクターに選ばれた。そのため本作で中島はプール撮影でのみゴジラを演じている。しかし、大仲が野球の試合中に指をケガしたため途中降板。その後の撮影では代役として関田裕がゴジラのスーツに入って演じている。[5]

スタッフ[編集]

本編[編集]

特殊技術[編集]

特殊視覚効果[編集]

協力[編集]

キャスト[編集]

※ 映画クレジット順

※ 以下ノンクレジット出演者

再上映[編集]

映像ソフト化[編集]

  • 8mmフィルム
    大沢商会から、1972年頃に特撮部分を編集した8mmフィルムとソノシート、絵本をセットにした『怪獣No.1ゴジラ』が発売された。
  • ビデオ
    VHSベータマックス併せて1980年代初頭に上下トリミングサイズで発売。のちにシネマスコープサイズで再発売。
  • レーザーディスク
    1994年に発売。
  • DVD
    • 2003年7月25日にジュエルケース版が発売。
    • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」にも収録されている。
    • 2008年2月22日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションII」にも収録されており、単品版も同時発売。
    • 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念版」として、期間限定の廉価版が発売。
      いずれのソフトにも、上記の8mm三点セット「怪獣No.1ゴジラ」が特典として収録されている。
  • Blu-ray Disc
    2014年7月16日に発売。

脚注[編集]

  1. ^ 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス2012年、118 - 121頁。ISBN 9784864910132 
  2. ^ a b 『てれびくんデラックス愛蔵版 ゴジラ1954-1999超全集』 小学館2000年、132頁。ISBN 4091014704 
  3. ^ 『テレビマガジン特別編集誕生40周年記念 ゴジラ大全集』 講談社1994年、206頁。ISBN 406178417 
  4. ^ 池田憲章 『怪獣博士の白熱講座 ゴジラ99の真実』 徳間書店2014年、190頁。ISBN 978-4-19-863838-2
  5. ^ 中島春雄 『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』 洋泉社2010年、163頁。ISBN 78-4-86248-589-2。

参考文献[編集]

  • 『東宝特撮映画全史』(東宝)
  • 『大ゴジラ図鑑1・2』(ホビージャパン)
  • 『大怪獣ゴジラ99の謎』(二見文庫)
  • 『特撮魂 東宝特撮奮戦記』(洋泉社)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]