モスラ2 海底の大決戦

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モスラ2 海底の大決戦
Rebirth of Mothra II
監督 三好邦夫(本編)
川北紘一(特撮)
脚本 末谷真澄
原案 田中友幸
製作 富山省吾
北山裕章
出演者 小林恵
山口紗弥加
羽野晶紀
満島ひかり
島田正直
大竹雅樹
奥野敦士
おかやまはじめ
紺野美沙子
細川ふみえ
佐藤正宏
野波麻帆
音楽 渡辺俊幸
主題歌 NOW AND FOREVER/Folder
撮影 関口芳則(本編)
江口憲一(特撮)
大根田俊光(特撮)
編集 米田美保
配給 東宝
公開 1997年12月13日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 10億5000万円(配給収入[1]
(1998年度邦画7位)
前作 モスラ
次作 モスラ3 キングギドラ来襲
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モスラ2 海底の大決戦』(モスラ2 かいていのだいけっせん)は1997年12月13日に公開された日本映画平成モスラシリーズの第2弾。製作は東宝映画。配給は東宝。上映時間は100分。配給収入は10.5億円を記録。

概要[編集]

1996年公開の『モスラ』の続編で、平成モスラシリーズの第2作。本作ではダガーラに苦戦するモスラがレインボーモスラ、アクアモスラへと変身する。

前作で助監督を務めた三好邦夫の初監督作品であり[2]満島ひかりの初主演作となる。

前作同様環境問題をテーマとしつつ、子供たちの冒険譚としての側面も強調されている[2]。脚本の末谷真澄は水辺を舞台とする作品を多く手がけており[4]、本作も海が物語の中心となっている[3]

主要舞台となるピラミッドは、東宝スタジオの大プールに12メートル四方のミニチュアが作られ、内部も第8ステージ全域に組まれるなど大規模な造形物が用意された[2]。ミニチュアは上下に分割可能で、浮上シーンなどは小プールで上部のみを使用して撮影している[5]。海底のセットでは、実際の沖縄の海を意識して背景や照明は緑色となっている[5]

1954年公開の『ゴジラ』以来、東宝特撮映画に携わってきた田中友幸が本作公開の同年に死去し、この作品が遺作となった。

ストーリー[編集]

前作から1年後。沖縄の海に奇怪な生物が現れた。オニヒトデを思わせる「それ」は毒液で漁師を負傷させ、瞬く間に日本全域に広がった。それは伝説のニライカナイの古代文明が環境汚染の解決の為の生体浄化システムとして生み出したが、暴走したために結果としてニライカナイの滅亡の一因となった怪獣ダガーラの復活の前兆であった。

エリアス姉妹は地球の危機を察知して石垣島へ飛ぶと、そこにはニライカナイから来た小生物ゴーゴが出現し、その尾の装飾リングから宝がある事を悟った本土からの密猟者と、ゴーゴを保護した地元の少女たちがいた。エリアス姉妹は「ニライカナイの遺跡にはダガーラを倒す秘宝がある」という伝説を知っていた。少女たちとエリアス姉妹、そして姉妹と対立する黒い妖精ベルベラと密猟者はそれぞれ組んで海へ出る。

ゴーゴの手引きでニライカナイの遺跡であるピラミッドが海から出現した。だが、宝捜しをしている頃、石垣島にダガーラが上陸し暴れ出したため、エリアス姉妹はモスラを召喚して戦いを挑む。ダガーラとモスラは石垣島から西表島まで空中戦を繰り広げ、遺跡のピラミッド付近で海中戦となり、モスラは海での戦いを得意とするダガーラに海に引きずり込まれた。そしてダガーラは「それ」 = 無数のベーレムをモスラに取り付かせ、モスラは戦闘不能に陥った。エリアスは必死にモスラに取り付いたベーレムを剥がそうと試みるが、あまりにも沢山付いているため、全くきりがない。絶体絶命のピンチに陥ったモスラ、宝の発見は急務となった。

遺跡の中のトラップをくぐり抜けた少女たちと密猟者は、辿りついたホールでニライカナイの王女の立体映像から「ゴーゴが宝の主として少女 = 汐里を選んだ」事を告げられる。だが、ダガーラはピラミッドを襲撃してきた! 崩壊するピラミッドの最中、モスラはゴーゴの「命の水」の力により、取り付いたベーレムは取り払われ、さらにレインボーモスラとなってパワーアップし、再びダガーラと再戦する。さっきまでの状況とは一変し、今度はモスラが優位に立った。ダガーラが再び海中に潜った時、モスラはアクアモスラに変身し、戦いの舞台は、海底に移った。ダガーラの攻撃をバリアーでガードし、ダガーラに強力な攻撃を与えるモスラ。さらに分身モードとなり、ダガーラの体内から、ベーレムを倒しながら攻撃し、遂にダガーラは倒れ、その後、ピラミッドと共に消滅。モスラも海から出てきた後、元の姿のレインボーモスラに戻り、インファント島に帰って行き、危機は去ったのであった。

キャスト[編集]

3部作を通しての主人公。エリアス3姉妹の次女。美しい容姿を持つが内面には勇気と決断力を併せ持つ。人間の年齢で18歳。衣装は前作とは異なり緑を基調としたものになっている。ロラと共同でベーレムを取り除くための攻撃呪文を使用できる。
エリアス姉妹の三女。モルより精神的に幼く、甘えん坊な部分がある。衣装は橙色を基調としたものになっている。ベルベラとの対立はもう嫌だと語っている。人間の年齢で16歳。
エリアス3姉妹の長女。小谷と長瀬を脅迫し、二ライカナイの秘宝を手に入れようとする。衣装は前作より派手になっている。人間の年齢で21歳。
もう一人の主人公。沖縄に住む少女。ゴーゴの最初の発見者。
沖縄に住む少年。汐里をいじめていたが、ひょんなことから汐里と行動を共にする。
沖縄に住む少年。洋二と共に汐里をいじめていたが、ひょんなことから汐里と行動を共にする。
沖縄に住む漁師。ベルベラに脅迫されるが、根は悪人ではない。
沖縄に住む漁師。小谷と共にベルベラに脅迫されるが、根は悪人ではない。
汐里の母親。美人で近所の漁師にも好かれている。
ニライカナイの王女。

登場怪獣[編集]

ゴーゴ[編集]

体長:20センチ

1万5千年前に太平洋に沈んだ伝説の国ニライ・カナイの秘宝のありかを知る生き物。外観はハンドボール大の毛玉風の小動物で尾に黄金のリングをはめている。治癒効果のある水(ホープフル・ウォーター[6])を体から出す能力がある。浦内汐里を秘宝を託す者として選び、共に行動した。

その正体はニライカナイの技術で創造された水の精であり、聖水は地球に生命をもたらした「奇跡の水」であった(つまり、ゴーゴ自身がその秘宝だった)。ゴーゴは自らを奇跡の水に変え、汚染された海水を浄化し、モスラを「レインボーモスラ」へ変化し、モスラと一体となった。

ベーレム[編集]

ニライカナイ文明で生み出された怪獣ダガーラが体内で生み出した生物。オニヒトデに酷似し、ダガーラが体内に取りこんで濃縮した毒を吐き出して、漁師の顔面を負傷させたりした。数千万体の群れで赤潮の様に拡散して、石垣島から下田付近まで海洋汚染を広げた。

  • 大プールでは発泡スチロール製のミニチュアが用いられたが掃除が大変であり、撮影後半では使用されなくなった[5]

ガルガルII[編集]

前作で大破した残骸をベルベラが修復した。以前と比べるとメカの露出が多い。光線名はメガバンビーム[2][7]

スタッフ[編集]

本編[編集]

特殊技術[編集]

特殊視覚効果[編集]

協力[編集]

主題歌[編集]

エンディングテーマ
挿入歌

その他[編集]

  • この映画は元のプロットが通らなかったために、変更したという富山プロデューサーの証言が存在する。[要出典]元のプロットについて明かされていないが、前作『モスラ』の終わりに公開された予告編では、水に満たされた小惑星が地球へ接近する映像が確認できる。
  • 野波麻帆、満島ひかりにとっての俳優デビュー作であり、俳優を志すきっかけになった作品だった。2010年、ドラマ『モテキ』にて野波と満島は再共演し、ブレイクを果たした。野波、満島はこれが10数年ぶりの再共演となったが、これについて二人が語ったことはない。
  • 満島はクランクアップ後、髪をばっさりと切った。
  • 予告編の終わりでたまごっちの一種「モスラっち」のプレゼント告知を飛田展男が『ちびまる子ちゃん』の丸尾末男口調で担当した。
  • 平成東宝映画で数少ない完全オリジナル怪獣のダガーラはアッシリア神話のダゴンから命名された。
  • ニライカナイのピラミッドがダガーラとともに消滅(映像ではピラミッドの爆発の火柱が変形し、水の回廊へ変化し、モスラがそれを崩して消滅する)するシーンで、脚本および本編では「ニライカナイへ!」のユナ王女の言葉とともにその意思で消滅したと思われるが、小学館超全集ではモスラの技で水に替えられて消滅した事になっている。
  • クライマックスのミクロ化したモスラがダガーラの体内に入る展開は脚本にはなく、特技監督の川北紘一が前作との差別化のために撮影中に発案した[2]。この描写は『ゴジラvsキングギドラ』の次作として企画されていた『ミクロスーパーバトル ゴジラvsギガモス』や『マイクロユニバース イン ゴジラ』および『ゴジラvsメカゴジラ』の準備案『ゴジラvsメカゴジラ メタリック・バトル』などで検討されていた怪獣の体内での戦いを実現させたものである[8]

映像ソフト化[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 過去興行収入上位作品 一般社団法人日本映画製作者連盟”. 2014年6月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e 東宝特撮映画大全集 2012, pp. 256 - 259
  3. ^ a b 宇宙船YB 1998, p. 75
  4. ^ 水の旅人 侍KIDS』、『河童』、『ACRI』など[3]
  5. ^ a b c 宇宙船YB 1998, pp. 6-7, 撮影・飯塚康行「モスラ2 海底の大決戦 特撮川北組写真館」
  6. ^ a b 宇宙船YB 1998, p. 5
  7. ^ 「宇宙船 YEAR BOOK 1998」では、名称を「ドガバンビーム」と記載している[6]
  8. ^ 平成ゴジラパーフェクション 2012, pp. 131 - 135 「幻の平成ゴジラストーリー」。
  9. ^ 『宇宙船YEAR BOOK 1999』 朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、1999年5月1日、63頁。雑誌コード:01844-05。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]