マタンゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『マタンゴ』は、1963年公開の東宝制作の特撮ホラー映画。変身人間シリーズの番外編的扱いを受けている作品。同時上映作品は「ハワイの若大将」である。英題は、MATANGO の他、The Fungus of Terror、Curse of the Mushroom People など複数あり。
英国の作家・ウィリアム・H・ホジスン の傑作海洋綺譚『夜の声』を原作とし、翻案・脚本化された。
目次 |
[編集] あらすじ
豪華ヨット「あほうどり号」で海に繰り出した7人の若い男女が遭難し、無人島に漂着した。そこはカビと不気味なキノコに覆われた孤島で、キノコ以外に食料はほとんどなかった。やがて彼らは食料と女性を奪いあい、対立しあう。そんな飢餓と不和の極限状態の中、不気味な怪物が出没しはじめる。やがてまた一人、また一人と禁断のキノコに手を出していく。
[編集] 第三の生物 マタンゴ
- 体長:10cm~2.5m
- 体重:50g~300kg
- 設定では吸血怪人ということだがそのような描写はなく、薬品や火、光に弱い。
- 複数出現した中には、シメジに似た形態の個体もいた(元デザインに基づいた造形の着ぐるみであるが一体しか製作されていないらしく、出番は少ない)。
- 変身途上の人型のマタンゴをマタンゴ怪人と記述する書籍もある(演、天本英世)。
[編集] スタッフ
- 製作:田中友幸
- 監督:本多猪四郎
- 原作:ウィリアム・H・ホジスン 『夜の声』(en:The Voice in the Night)
- 原案:星新一、福島正実
- 脚本:馬淵薫
- 特技監督:円谷英二
- 音楽:別宮貞雄
[編集] キャスト
- 村井研二:久保明(城東大学心理学研究室の助教授)
- 関口麻美:水野久美(歌手。笠井の愛人)
- 作田直之:小泉博(笠井産業の社員)
- 吉田悦郎:太刀川寛(新進の推理作家)
- 小山仙造:佐原健二(臨時雇いの漁師)
- 笠井雅文:土屋嘉男(青年実業家。笠井産業の社長)
- 相馬明子:八代美紀(村井の教え子で婚約者)
[編集] その他
- 「マタンゴ」の名は、きのこの一種ママタンゴから採られた[1]。
- マタンゴの声はケムール人とバルタン星人、悪魔っ子の声に流用された。
- ロケーションは伊豆大島と八丈島で行われた。いたるところに蝮が出てくる上、森のシーンでは百足や害虫が多く、スタッフ・俳優を悩ませた。土屋嘉男によると、霧の演出のためにスモークを焚いたところ、樹上からいろいろな虫が落ちてきて、大騒ぎになったそうである。
- キノコのミニチュアには、開発されたばかりでまだ使用目的の無かった発泡ウレタンが使われた。キノコがみるみるうちに発育していくシーンは、実際に発泡ウレタンが反応して膨れ上がる様子をそのまま使っている。
- 出演者達が食べる劇中のキノコは、米粉を練った和菓子素材で作られていて、食紅などで色がつけられていた。そのままでは味気なかったため、土屋嘉男の提案で砂糖を加えて食べやすくしたところ大変好評で、スタッフたちも撮影の合間につまみ食いをしていたそうである。
- 役にはそれぞれ元となったモデルが存在し、ヨットのオーナーである金持ちのバカ息子はコクドの堤義明、小心者の推理作家は大藪春彦、仲間を見捨ててヨットで逃げ出す船長は堀江謙一と、当時六本木で騒いでいた連中を酷い目に遭わせてやれと思いながら脚本担当の木村は本作を書き上げた。
- 子供の頃この映画を見たスティーヴン・ソダーバーグは酷いショックを受け、キノコが食べられなくなった。
- 公開当時の併映は、ヨットレースに興じる若者の青春を明るく描いた『ハワイの若大将』(主演:加山雄三)であった。
[編集] 参考文献
- 『怪獣総進撃(怪獣小説全集 1)』(福島正実の小説版を収録)ISBN 4882930714
- 『怪獣文学大全』(小説版の他、関連作品数篇を収録)ISBN 4309405452
- 石ノ森章太郎『歯車 - 石ノ森章太郎プレミアムコレクション』(『少年』1963年9月号初出の漫画版を収録)ISBN 4043610025
[編集] 関連作品
- 怪奇漫画「侵略円盤キノコンガ」
- 小説『マタンゴ 最後の逆襲』(吉村達也)ISBN 4041789877
- 東宝の許諾を得た続編。映画と作品世界がリンクしている。
- 怪奇漫画『化烏』(水木しげる)
- 映画と同時期の貸本作品。登場人物が無人島でキノコを食べ、キノコ化していく。
- ドラゴンクエストシリーズの登場モンスター
- 「マタンゴ」「マージマタンゴ」…どちらも毒々しいキノコ型のモンスター。
[編集] 脚注
- ^ DVD特典映像「製作ノート(劇場公開時パンフレットより)」
[編集] 関連項目
|
|||||||||||||||||

