妖星ゴラス

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妖星ゴラス
GORATH
監督 本多猪四郎(本編)
円谷英二(特技監督)
脚本 馬淵薫
製作 田中友幸
製作総指揮 清水雅
出演者 池部良
久保明
白川由美
水野久美
坂下文夫
太刀川寛
二瓶正也
佐藤功一
西条康彦
岡部正
古田俊彦
緒方燐作
鈴木孝次
今井和雄
大前亘
荒木保夫
山田彰
鈴木友輔
野村浩三
三島耕
ロス・ベネット
ジョージ・A・ファーネス
堺左千夫
三井紳平
天本英世
沢村いき雄
佐原健二
平田昭彦
桐野洋雄
田崎潤
佐多契子
西村晃
小沢栄太郎
河津清三郎
佐々木孝丸
上原謙
志村喬
音楽 石井歓
編集 兼子玲子
配給 東宝
公開 日本の旗1962年3月21日
上映時間 88分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語英語
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妖星ゴラス』(ようせいゴラス)は1962年3月21日に公開された日本特撮映画。製作、配給は東宝カラー東宝スコープ多元磁気立体音響。上映時間は88分。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] 解説

謎の燃える怪星ゴラスと地球との衝突を回避するため、地球の公転軌道を変えようと奮闘する人々を描く。

本多猪四郎監督は撮影に入る前に、梶田興治助監督とともに1週間余り東京大学理学部天文学科に通い、畑中武夫率いる畑中教室の堀教授に、「地球移動」という荒唐無稽な設定の科学的考証を依頼した(こんにちで言う「SF考証」ないし「SF設定」)。大きいとはいえ有限の質量を持つ物体であることに変わりはなく、非常に大きな力が必要ではあれど十分な力を加えればニュートンの運動方程式に従って軌道は変わり、地球の質量の概算値を元に、必要な力・運動量エネルギーは算出できる。堀は完全に実行可能と仮定してそれらを算出したが、劇中の「月がゴラスに吸い込まれる」という描写について「月が吸い込まれた時点で地球も吸い込まれているはず」として、映画的なフィクションであることを理解したうえで、「興行でこの話題が出る際には必ずこの部分は“嘘”である、との注釈を入れて欲しい」と条件を付けた。

劇中で黒板に示される、地球移動にかかるエネルギーなどの計算式は、上記の依頼にもとづいた検証の際に使用したもので、堀教授自らが書いたものである。

[編集] あらすじ

1979年9月29日午後8時、土星探査の任務を負った日本の宇宙船 JX-1 隼号が、富士山麓宇宙港から打ち上げられた。しばらくして、パロマー天文台が質量が地球の6,000倍あるという黒色矮星「ゴラス」を発見したと発表。隼号の園田艇長は、急遽ゴラス探査に向かった。しかし、質量こそ膨大だが大きさは地球の4分の3というゴラスの引力圏内に捉えられ、観測データの送信後ゴラスに飲み込まれる。そして隼号が遭難直前に送ったデータから導き出された結論は「ゴラスが今の進路を保つと地球に衝突する」という恐るべきものだった。

事態を危惧する日本宇宙物理学会の田沢博士と河野博士だが、政府も対策に本腰を入れようとせず、またこれを自分の問題として捉える人々も少なかった。再度のゴラス観測も思うに任せぬ中、田沢と河野は、園田博士の孫・速男の「ゴラスを爆破するか地球が逃げるか、その2つしかない」という言葉に活路を見出す。

田沢と河野は国連科学会議で、“南極に建設した巨大ロケット推進装置によって、100日間で地球を40万キロ移動させ、その軌道を変える”という「地球移動計画」を提案。当初はその実現性を疑問視されるが、アメリカソ連も似たような研究を行っていたことから計画は一気に進み、各国一丸となって建設に取り掛かることが決定。かくして世界中の技術が南極に結集し、巨大ジェットパイプが次々と建造されていく。しかし、工事現場で落盤が発生するなどの事故で、タイムロスも生じ始めた。

その頃、国連の要請を受けて日本が打ち上げた JX-2 鳳号がゴラスに接近。カプセル1号でゴラスに肉薄した金井の活躍で、ゴラスの質量は地球の6,200倍へと増加しており、もはや爆破は不可能という結論が出される。地球を救う術は「南極計画」のみとなる一方で、金井は接近時のショックで記憶喪失となってしまう。

完成したジェットパイプ基地のジェット噴射は、地球を計算通りの速度で動かし始めた。世界が歓喜する中、田沢は「ゴラスの質量増加が続けば現在の施設だけでは追いつかなくなる」との不安を抱え、国連への追加投資を巡って河野と対立する。その間も、ゴラスは彗星や土星の輪を飲み込みながら地球に接近しつつある。さらに、南極に眠っていた巨大生物・マグマが突如目覚め、施設の一部に損傷を与えた。田沢らによりマグマは葬り去られるが、復旧作業も含めて72時間というタイムロスが生じる。

そして1982年2月、ついにゴラスと地球が最接近する日を迎えた。人々の尽力によりタイムロスは減ったが、それでも36時間分の移動距離が足りない。地球上ではゴラスの引力により、各地で天変地異が発生し、富士山麓宇宙港の宇宙船も次々と地中に飲み込まれていく。ジェットパイプも水没する中、運命の時が刻々と迫る。

[編集] 登場メカ・キャラクター

[編集] ジェットパイプ基地

円谷英二監督から「とにかく大きな南極のセットを組んでくれ」と言われた特撮班の美術スタッフは、勢い余って500坪ある東宝第8スタジオいっぱいに南極の大地のセットを建造。その広さは照明スタッフから「どこに機材を置くんだよ」とボヤキが出るほどだった。そして円谷は、セットの端の方からミニチュアを少しずつ組みながら撮影を進行させ、南極のセットがミニチュアでぎっしり埋まったところで全体のロングショットを撮影した。特撮班のチーフ助監督だった中野昭慶の話によると、南極のシーンだけで撮影に2、3週間を要したという。また、ジェットパイプ噴射にはプロパンガスによる火炎が用いられ、風の影響を考えて屋内セットで撮影された。このためスタジオはものすごい熱さだったという。

プロパンガスの使用は井上泰幸の発案。高熱で対流が生じて炎がすべて中心よりに傾いてしまい、井上は現場で感じるほどの迫力は画面で描けなかったのではないかと語っている。

樋口真嗣によると、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のヤシマ作戦の絵コンテを描く際には、このジェットパイプ基地建設シーンも参考にしたという。

[編集] 日本国宇宙省所属JX型ロケット一番機『隼号』・二番機『鳳号』

デザイン・造形は渡辺明井上泰幸。木、ブリキなどを素材に、1尺と3尺ほどの大きさのミニチュアが作られた。3尺のミニチュアは尾部からプロパンガスによる炎を吹き出すことができ、打ち上げシーンなどで用いられている。発射台のミニチュアはハンダ接合による。

これらのミニチュアは劇中小道具として、『怪獣大戦争』の鳥井哲夫の部屋や、『日本一のゴリガン男』の国防隊基地内に飾られている。

[編集] VTOL機(ビートル機)

郡司模型製作所に外注され、ブリキの叩き出し方式で製作された。後にTV番組『ウルトラマン』に登場するジェットビートルは同じ木型使用によって製作されたもので、このミニチュアを流用したわけではない。

[編集] 宇宙ステーション群

隼号遭難後に、ゴラス観測のために打ち上げられた宇宙ステーション群。劇中には、ドーナツ型の宇宙ステーションが2基、正方形の宇宙ステーションが1基登場し、それぞれフランスポルトガルチェコの所属。地球が軌道変更を始めたことにより、鳳号と共に所属宇宙港へ退避した(ただし、ドーナツ型の内の1基は日本人クルーによって運用され、退避時には富士山麓宇宙港に着陸した)。いずれも、姿勢制御用のロケット・モーターを装備する。

ミニチュアは外形をパルサやブリキで、鉄骨部分はハンダづけで作られている。正方形の宇宙ステーションは、後に『怪獣大戦争』に再登場している。

[編集] 妖星 ゴラス

ミニチュアはアクリル製で、電飾によって発光が可能だが、彗星や土星の輪、月を吸収するシーンは全て光学合成で描かれている。ミニチュアは1990年代まで特殊美術倉庫に保管されていた。

ゴジラ FINAL WARS』にて、X星人が地球人と偽りの友好関係を結ぶための嘘として、名前のみ登場する。同映画のDVDメニューによれば、モンスターXが乗ってきた隕石も妖星ゴラスという名前になっている。

[編集] 南極怪獣 マグマ

  • 体長:50メートル
  • 体重:2万5,000トン

外見はセイウチに似ているが爬虫類という設定。脚本では鱗に覆われた「恐龍と表記されている。南極の地底に眠っていたが、妖星ゴラス回避のため建設された原子力ジェットパイプの熱で目覚め、基地の装置の一部を破壊。その後調査に来た国連のVTOL機のレーザー攻撃によって倒される。

頭部造形は利光貞三、胴体は八木寛寿八木康栄による。スーツアクターは中島春雄。体色は褐色系、目は電飾で青色に発光する。2尺サイズのギニョールモデルも用意され、細かい動きはこちらでこなしている。ギニョール操作者は造形スタッフの開米栄三

特殊美術スタッフだった村瀬継蔵は、このマグマの牙の素材に、本邦で初めて「ポリ樹脂」を使用し、それまで表現できなかった鋭さを実現している。円谷監督は「どこでそんな象牙見つけてきたんだ?」と驚き、新素材によるものであることを説明され、大喜びしたそうである。

「マグマ」の名称は一般公募による。怪獣マグマの唐突な登場は、クランク・アップ前になって東宝上層部から出された「せっかくの円谷特撮だから怪獣を出してほしい」との要求によるもの。本多監督は抵抗したが、登場が決定となった後は、デザインなど怪獣のコンセプトについて積極的に関わっている。このマグマの登場シーンは当時の映画評などでも蛇足として不評であり、海外での公開ではカットされている。ちなみに、本作から特撮現場に参加した川北紘一によると、このマグマと志村らが絡む一連のシーンは、本多監督ではなく、円谷監督が演出を行ったそうである。

着ぐるみは後に『ウルトラQ』のトドラへ改造されているほか、鳴き声はウルトラシリーズの怪獣の鳴き声に度々流用されている。また、『怪獣総進撃』の検討用脚本の段階で登場が予定されていた。


以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] スタッフ

[編集] 本編

[編集] 特殊技術

※映画クレジット順

[編集] 出演者

※映画クレジット順

※以下クレジット表記無し

[編集] その他

  • 南極砕氷船が進むシーンでの氷原は、当時最新の素材だった発泡スチロールで作られている。また、ラストの水没した東京のシーンは、ビル群のセットを利根川に持ち込んで撮影されている。ビル等の構造物のほとんどが木製で水に浮きやすかったため、撮影中によく流されたという。
  • 出演者の佐原健二は撮影時、足を骨折していた。
  • SF作家山本弘2009年に発表したSF小説『地球移動作戦』は、この作品へのオマージュとして書かれた小説である(同書まえがきの献辞による)。

[編集] 同時上映

紅の空

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