ガンヘッド

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ガンヘッド
GUNHED
監督 原田眞人
脚本 原田眞人
ジェームス・バノン
製作 田中友幸
山浦栄二
出演者 高嶋政宏
ブレンダ・バーキ
円城寺あや
水島かおり
原田遊人
斉藤洋介
川平慈英
ミッキー・カーチス
音楽 本多俊之
主題歌 永井真理子
『TIME〜Song for GUNHED〜』
撮影 藤澤順一
編集 黒岩義民
製作会社 東宝
サンライズ
バンダイ
角川書店
IMAGICA
東宝映画
配給 東宝
公開 日本の旗 1989年7月22日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ガンヘッド』(GUNHED)は、1989年7月22日に公開された日本映画。配給は東宝

概要[編集]

本作は、『機動戦士ガンダム』などアニメによる巨大ロボットものを得意としたサンライズと、実写特撮ものにかけては長い歴史と経験を持つ東宝映画がタッグを組んだSF映画である。また、出資者によりメディアミックス展開が図られた。

実写で巨大ロボットの活躍を描いた映画であり、「巨大ロボットによる屋内劇」という他に類を見ない特撮映画作品である。公開当時は「史上初の実写巨大ロボットムービー」を宣伝文句にしていた[注 1]

1987年頃より『ガンヘッド』のロボットのキャラクターをサンライズ側が打ち出して、東宝に持ち込む形で企画された[1]。当初の監督候補は長谷川和彦だった[2]が企画段階で降板し、アメリカで映画を学び『スター・ウォーズ』の日本語版演出でSFの経験がある原田眞人を起用された。特技監督は、1984年にSF映画『さよならジュピター』を手がけ、後に『ゴジラ』シリーズの特撮を長く任されることになる川北紘一である。

主役ロボットのガンヘッドはアニメ畑の河森正治がデザインした。企画当初は大河原邦男によるデザインが進行しており、大河原稿と初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』や『モビルファイター・ゼロ(戦闘機兵0)』のストーリーを元に吉田徹がイメージボードを数点描き起こしている。この後同じ吉田の手で、サンライズの山田哲久プロデューサーやブレーンスタッフのアイデアを河森の準備稿デザインで描いたイメージボードも制作された。河森のデザイン決定稿を元にしたイメージボードは、幡池裕行の手で映画本編のシナリオを元に描かれた。

ガンヘッドは高さ6メートルの実物大全身プロップも製作されたことでも話題になった。実物大プロップは、宣伝と人物との絡みシーン撮影に使用されている[3]プロップ製作は『さよならジュピター』に続いて小川正晴率いるオガワモデリングが担当した。実物大モデルをはじめ各種サイズで製作された。撮影には主に1/8スケールモデルが使用され、戦車形態、直立形態、変形用モデルがシーンにより使い分けられている。1/3相当スケールのガンヘッドの上半身のみの着ぐるみはクライマックスのエアロボットとの格闘戦シーンで使用されており、DVD収録のメイキングで確認できる。

エアロボットは、河森稿で提示されたコンセプトを一部継承して美術デザイン担当の大澤哲三がデザインし、最終デザイン・プロップ製作共に東宝美術部が担当した。冒頭、過去の場面での銃器類は『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に登場する悪の組織「赤イ竹」用のプロップが使用されている。

ロボットアニメの実写版を期待したサンライズ、SF映画を意図した原田眞人、特撮ものならではのロボットものにしたかった川北紘一とそれぞれの狙いが異なったが、結局、東宝のプロデューサーもサンライズのプロデューサーも川北の方向性で撮影中もシナリオを直していった[4]。しかし、完成した作品には「分かりづらい」「印象が薄い」「画面が暗くて何をやっているか分からない」と不評の声も聞かれた。一方、特撮を評価する声もあった[5]

劇場公開版では、外国人俳優が多数出演し、劇中では登場人物がそれぞれ日本語と英語とで会話、字幕スーパーがついていた。TBSでの地上波オンエア版ではナレーションも含めて全て日本語に吹き替えられており、ニムは戸田恵子が演じた。また日本人キャストの声も全て再録されており、主役の高嶋の演技力が向上している事、一部のセリフが変更されて明解になっている事、加えて放映時の画質が良好だった事から、このテレビバージョンを支持する声もある[6]

興行は芳しくなく、映画雑誌『キネマ旬報』では「惨敗」「企画の失敗」とまで言われた[7]。一方、本多俊之による音楽は、公開後20年近く経過した現在もなおニュースワイドショーや、ドキュメンタリー番組といった報道番組全般で使われ続けている。

本作の公開のころには、すでに1984年版『ゴジラ』に続くゴジラ映画の新作が製作中で、公募されたストーリーの候補の一つとして、ゴジラと巨大コンピューターと戦い、コンピュータが戦車もどきのメカになるという案があった。しかし、『ガンヘッド』が興行面で失敗したことで却下となり、最終的にはもう一つの案である新しい怪獣を登場させることで落ち着き、後の『ゴジラvsビオランテ』となった[8]。同作には、川北紘一をはじめとする『ガンヘッド』の特撮スタッフの多くがそのまま参加した[9]

タイトル[編集]

『ガンヘッド』の綴りは「GUNHED」であり、「GUN unit of Heavy Eliminate Device」の略称という設定になっている。また、「ガンヘッド」という名称はメカニカル・デザインを担当した河森正治がデザイン画に書き込んでいた仮称が、そのまま採用されたものである。ただし、綴りは「GUN-HEAD」であり、そのままだと直訳で「銃頭」と受け取られてしまうため、海外展開を考慮して「GUNHED」が代用されるようになった。こういった経緯から映画公開以前は「GUNHEAD」、映画公開以降は「GUNHED」となっている。

河森は「GUN-HEAD」を名称未定メカの仮称として度々使用しており、OVA『破邪大星ダンガイオー』の主役ロボットであるダンガイオーのデザイン画にも「GUN-HEAD」と書き込んでいた[10]

映像ソフト化[編集]

DVDが2007年2月23日に東宝より発売された。標準価格6,300円で、品番はTDV-17037D。片面2層の本編ディスクに映像がビスタサイズで収められ、映像特典として予告編やメイキング、静止画資料集も収録される。音声は劇場公開版のみ、字幕も公開時の手書きの物で、テレビ吹替版は収録されていない。封入特典はサウンドトラックCDの復刻版。解説書も付属する[11]。このDVD発売を記念してDVDの発売日に新宿ロフトプラスワンで、川北特技監督らが出演のイベントが開催された[12]

1990年代にアメリカでもVHSが発売になっているが、アメリカ人のテイストに合わないと大幅に再編集された。これに憤慨した原田は監督のクレジットから名前を削除し、DGA(全米映画TV監督組合)が定める偽名クレジット「アラン・スミシー」とした。なお、原田は日本映画監督協会員だがDGAとは全く関係ない。2004年にアメリカのADV FilmsからDVDが発売。DVD版の本篇はタイトル・スタッフクレジットの違いと日本語字幕が無い事以外は日本版と変わっていない。

ストーリー[編集]

2025年、無人島8JOに建設された全自動のロボット工場を司る巨大コンピューター「カイロン5」が人類に宣戦布告。人類は鎮圧のため自動戦闘ロボット「ガンヘッド」の部隊を送り込むが守護神「エアロボット」の前に全滅、島は封鎖された。

13年後、カイロンのCPUを盗むべく島に侵入したトレジャーハンター「Bバンガー」の面々は、連邦政府の研究所から超電導物質テキスメキシウムを奪って逃亡していた生体ロボット「バイオドロイド」の襲撃をうける。生き残ったのはメカニックに強い青年ブルックリンと、バイオドロイドを追ってきた女性レンジャー・ニムの2人のみ。島に生き残っていた子供セヴンとイレヴンに助けられる2人。やがてカイロン5の恐るべき陰謀を知ったブルックリンは、残骸の中に生き残っていたガンヘッド507号機を有人型に修復、カイロンとエアロボットに戦いを挑む。

登場人物[編集]

ブルックリン
荒廃した世界の中、人類が居住していたエリアを巡りコンピュータチップや、石油資源が枯渇したこの時代ではレアメタルや貴金属、シリコンチップと同等かそれ以上の価値を持つプラスチック等を回収する、「自称」トレジャーハンター集団・Bバンガーの最年少メンバー。メカに強くBバンガーではメカニックとして活躍していた。日系人。あだ名は「ブルックリン・ドジャース」のロゴ入りシャツを愛用している事に由来する。
普通の家庭に育っていたが、連邦政府とその政策に反対する勢力の抗争で両親を失う。その後連邦政府軍に入隊して有人型ガンヘッドのパイロットとなるが、北海道攻防戦の際行動不能となった自機のコクピットに1週間閉じ込められた事でコクピット恐怖症(=閉所恐怖症)となり不名誉除隊。その後バンチョーに拾われてBバンガーに入った。手持ち無沙汰になったり切羽詰ったりすると銃を弄ぶ癖があり、バンチョーに「ツキが落ちるからやめろ」と窘められている。
元兵士だけあって逞しい肉体をしており、銃器の扱いにも長けている。基本的に陽気でタフな性格だが、追い込まれるとやや意固地になるところがある。好物は生の人参。当初はキュウリの予定だったが、高島政宏が苦手としていたため変更された。スティック状にカットした人参を、バンチョーが愛飲している葉巻ブランドのシガレットケースに入れて持ち歩いている。また嫌煙家ではあるものの、他人が吸う事については特に何ともない様子。実際バンチョーの煙草に火をつける事も多かった様で、ライターを持ち歩いていた。
コミックス版では、少年時に父親と潜水艇で潜水中に事故に遭い座礁。救援艇が来るまで残存酸素が2人分には到底足りなかったため、父がブルックリンだけでも生き残らせようと、本人が寝ている間に拳銃自殺。その後父の友人のバンチョーに引き取られたという描写がある。
愛銃はカスタムバレルをつけたS&W M586、コミック版では父親の形見でもあるS&W M645
ニム
テキサス・エア・レンジャーズ(TAR。劇中の字幕では「テキサス空域警備隊」と記述)所属の女レンジャー。階級は軍曹だが実質的には伍長。
連邦政府の首都ダラスにある研究所から超電導物質テキスメキシウムを奪って「故郷」へと戻ったバイオドロイドを追って、8JOへとやってきた。この際、乗っていたヘリを撃墜されて相棒のメイを失っている。
上流階級の出で、Bバンガーの様なアウトローを侮蔑的な意味で「バンディッツ」(無法者)呼ばわりするなど、やや頭の固いところがあるが、ラストシーンでは「我らバンディッツが勝った」とつぶやいている。行動力に富み、目の前の困難は自力で打破する力強さを持つ。またコクピット恐怖症だからとガンヘッドに乗る事を拒むブルックリンを「アマエンジャナイヨ! (甘えんじゃないよ! )」と叱咤激励するという心優しい一面も見せる。偶然にもバンチョーと同じ銘柄の細巻きタイプの葉巻(シガリロ)を愛飲する。
愛銃はステアーAUGとダットサイトつきのH&KVP70。前者は登場時からはしごから転落して気を失うまで携行している。後者は、オリジナルはダットサイトが取り付けられないので劇中のタイプはアルミあたりの金属板を加工したマウントを自作しビス止めなどで無理矢理取り付けている。
セヴン
無人のはずだった 8JO の生存者で、天真爛漫な少年。8JO にいた人間はカイロン5の保守整備を担当する企業・サイボテック社のスタッフとその家族であり、ロボット戦争勃発直前に全員処刑されていたが、彼とイレブンだけはカイロンのある思惑によって生かされていた。カイロンの防衛システムに引っかかって負傷した左足がやや不自由。
愛銃はM3サブマシンガン、通称グリースガン
イレヴン
セヴンとともに 8JO で生き延びていた少女。セヴンよりも年上だが、やや引っ込み思案な性格。言葉を失っているが、その理由はバイオドロイドに狙われる事と関係がある。また彼女だけはカイロンの防衛システムに探知されない。
愛銃はVz61スコーピオン。お守り代わりに持っているだけという設定なので発砲シーンもないが、プレスシートなどのキャラクター紹介写真ではしっかり所持している。
二人の名前はコンビニセブン-イレブン」の看板からセヴンが付けたらしい。
バンチョー
Bバンガーのリーダー。伸ばした顎鬚と飛行帽がトレードマークの、根っからの自由人。彼が愛飲する葉巻に火をつけるのはブルックリンの役割だった。
元々Bバンガーは軍用機を改装した愛機メリーアンで世界中を巡るエアレーサーの集団だったが、チームの面々が政府の方針に従い火星へ移住する中リーダーのバンチョーだけは地球に残り、以後トレジャーハンターとしてのBバンガーを結成して地球上を駆け巡っていた。軍を辞めた後行き場を無くして彷徨っていたブルックリンを拾い上げ、コクピット恐怖症を無理やりにではあるが直そうとするなど、面倒見の良いところがある。
愛銃は折りたたみストックタイプのレミントンM31ショットガン
ベベ
元傭兵の女傑。この時代、おおよその外傷は痕を残さずに治療する事が可能だが、戦闘時に負傷した目を治さず、顔の半分を覆うほど大振りのマスク状のメカを装着している。メンバーの中ではブルックリンに対し好意的で、良く面倒を見ていた。
愛銃は弾倉をL字型にセットしたワルサーMPLを2丁所持。1丁は背中に背負っている。
ボンベイ
ブルックリンが来るまではBバンガーの最年少だった青年。そのためか、普段はやたらと兄貴風を吹かせてブルックリンにつっかかる。口では大きな事をいうが実は小心者。普段は英語で話すが、慌てたりすると日本語が混じる。元連邦政府海兵隊の兵士だったが、不名誉除隊となっている。ベレー帽と丸眼鏡がトレードマーク。ロレックスをコレクションしており、愛用のコートの中にずらりとぶら下げている。
愛銃はM203 グレネードランチャー付きM16で、チューリップ型フラッシュハイダーにA2タイプのハンドガードを取り付けた日本映画にはよく登場するプロップ銃である。
バラバ
バンチョーがトレジャーハンターとして活動を始めて間もない頃、メリーアンで不時着したのを助けてメンバー入りした黒人の巨漢。正規の軍歴はないが、あらゆる武器を使いこなす。カイロン侵入時には自作の大型マシンガンを所持。カイロンドーム着陸後に真っ先に降り立ち周辺警戒に当たった際にはショートバレルモデルのM60E3を使用、その後は自作マシンガンに持ち替えて弾帯と共に背中に背負っていた。
ボクサー
元傭兵で、ベベとは幾多の戦場でパートナーとして一緒に戦ってきた。その縁でBバンガーに参加。外見の特徴としては、サングラスとオールバックにした髪が挙げられる。クールで好戦的な性格で、コクピット恐怖症のブルックリンには良い感情を持っていない。だが胸に「No Smoking」と書かれたバッジをつける程の嫌煙家で、その部分は唯一の共通点でもある。
愛銃はL字型にセットした弾倉にサプレッサー装備のイングラムM10(通称マック10)。
ブーメラン
元連邦政府のコンピュータ技師。住んでいた居住区が連邦政府によって閉鎖され、職にあぶれてBバンガーに参加。長い黒髪と褐色の肌が印象的で、その整った顔立ちからは知性とクールさ、そして女らしさが感じられる。男勝りで粗野な面も見えるベベとは対照的な存在といえるだろう。
愛銃はS&W M36チーフススペシャルのステンレスモデル・M60。
小説版ではBバンガーのセックスシンボルで、ボンベイやボクサーの性欲の捌け口にもなっていた様である。また足が不自由という描写もあり、これは小説版に登場しないセヴンのディテールが組み込まれたものと推測される。

登場メカ[編集]

ガンヘッド507
ガンヘッド(制式名MBR-5RA2C)は、世界連邦政府軍がロボット戦争に投入した可変装甲戦闘車両。射撃戦・防御力に長けたタンクモードと、格闘戦・汎用性に優れたスタンディングモード(立ち型)の2タイプへの変形機能を持つ。
ユニットナンバー507は、主に強行偵察などを主任務とするサージェント[注 2]タイプの無人型ガンヘッド。その頭脳は時々の状況を分析の上一番確率の高い、すなわち一番有利な解答をアウトプットとして採用する推論型コンピュータである。細部まで含め機体そのものは標準型ガンヘッドと全く同じであり、武装はもとよりパーツまでが転用可能。この時代、ロボットの生産はバイオドロイドのような有機アンドロイドを含めてその殆どがカイロン5に委ねられていたが、唯一の例外がガンヘッドに代表されるUHED系列の戦闘ロボットだった。
サージェントタイプにはメインとサブの2つのコンピュータが搭載され、メインコンピュータが主な機体制御と判断を、サブコンピュータが状況分析などを行っている。さらに、ユニットナンバー500〜506のみメインコンピュータは常温超伝導素材で作られたが、資材の不足から507〜509はサブコンピュータのみに常温超伝導素材が使用されたとされ、500〜506は世界連邦政府のメインコンピュータ「タイタン」とセンサーヘッドを介し常時リンクする事でサブコンピュータの性能を補っていたとされている。だが、507〜509はサブコンピュータの性能が高かったため、そうした措置を取らず結果として独立戦闘&判断能力に長けた機体になったとされている。
ロボット戦争の際は標準型ガンヘッド508、509の2機、そして若干名のサイボーグ手術を施された兵士を従えた小隊指揮官として活動した。この戦闘ではカイロンの電波妨害によって大多数のガンヘッドが本部との交信を絶たれてしまい何もできないまま破壊されたが、サージェント・ガンヘッドは推論型コンピュータによって独自の判断を行えたため、小隊を指揮して戦闘を継続。その中で唯一カイロンドーム目前までたどり着いたのが507の指揮する小隊だった。しかしエアロボットとの戦闘で508と509は破壊され、507もメインコンピュータを破壊された事で自立的な行動が行えなくなり活動を停止。以後タワー下層のロボット墓場へと追いやられ、ブルックリンたちと遭遇するまでスクラップに埋もれて永い眠りに就いていた。
エアロボットを破壊してカイロンタワーから脱出するにはガンヘッドが必要だと考えたブルックリンは、ロボット墓場を探索して、主動力源であるハイパーリキッドジェネレーターが無事だった507を発見する。セヴンと共に山とあったガンヘッド・タイプのスクラップを利用して機体を再生させ、さらにはコクピットを新造して無事だったサブコンピュータを利用する形で有人型として作り変えた。復活を遂げた507はブルックリンの軽口に応じるなどコンピュータらしからぬフランクさを見せ、良きパートナーとして活躍。時には度重なる困難にくじけそうになるブルックリンを叱咤激励したりもする。ブルックリンがいよいよ困難窮まってガンヘッドでの戦闘継続を諦めかけた時などは、自らは確率を重視するコンピュータであるにもかかわらず「“確率なんてクソ喰らえ”でしょう」と諭すというコンピューターらしからぬアツい面も見せたりもする。設計者の趣味だったのか、人類が地球で自由を謳歌していた古き良き時代のベースボールを愛し、何かにつけて野球に絡めた物言いをし、特にブルックリン・ドジャースのファンとしてそのスコアを全て記憶している。カセットブック2巻でも13年前の大敗の理由を話した後に、ブルックリンとのチームワークが非常によかったと、チームワークを重んずる傾向をうかがわせた。
有人型への改装作業中にバイオロイドの襲撃を受けハイパーリキッドジェネレーターを破壊されてしまうが、アルコール類を代謝できるリアクターを装備していたので代わりの燃料として室温調整用の空調機に取り付けられていた燃料タンクを脚部に括り付け、タワー内の各所に残っている同じようなタンクを補給しながらの作戦を敢行した。やがてカイロンドーム手前でその燃料も尽きかけた時に2001年産のビンテージウイスキー(ロボットが飲むと踊りだす代物というバラバの台詞が物語初頭にある)の樽を発見し補給作業後、最後の決戦に挑んだ。ガンヘッド自身、ウイスキーを補給後に「死ぬ時は直立モード(スタンディングモード)で」とか酔っているかのような少々饒舌になっていた節がある。これはインカ帝国の格言「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方がいい」にちなむらしい。カイロンの自爆寸前に、“ガンヘッド大隊はミッション完了せり”のメッセージを送る。
タンクモード全長8.7m、全幅5.4m、全高2.5m(2.47m)、全備重量43.7t(標準装備)、最高速度180km/h、行動距離760km。
スタンディングモード全長6.1m(6.12m)、全幅5.8m(5.76m)、全高5.3m(5.28m)、最高速度130km/h、行動距離647km。
武装は頭部20mmチェーンガン、5.56mmマシンガン、75mm(ソフトリコイル)キャノン、6連装地対地ミサイル。一部ムックではこの他、チェーンガンのレーザーセンサーを利用したスポットライフル、火炎放射器、120mm8連装無反動砲を装備しているとされている。小説版での頭部装備は自由電子レーザーキャノン。作中時代において最強のレーザー兵器とされている。
ガンヘッド508
ロボット戦争の際ガンヘッド507の小隊に所属していた標準型ガンヘッド。エアロボットとの対戦で破壊されたが破壊される間際にエアロボットに向けて射出したがアームによって弾かれたノーズセンサーだけが天井部に食い込んで生き残っており、ブルックリンによる改造後のガンヘッド507がエアロボットを奇襲攻撃するのに利用された。
メリーアン
Bバンガーの移動基地でもある航空機。2020年代から退役の始まった軍用機「ボーイングVC-24A」垂直離着陸輸送機の払い下げ品で、外観は第二次世界大戦のアメリカの爆撃機ボーイングB-17に似ているが、これはクラシックに装う後付けキットを装着しているため。全長20.7m、全幅33.8m、重量32.5t、最高速度912km/h。
冒頭の雲海上空の飛行シーンやカイロンタワーへの着陸シーンに使用されたミニチュアの他、実物大の機首部分も作られた。これは冒頭の雲海を飛ぶメリーアンの機首部分アップや、Bバンガーの面々がタワーへ侵入するシーンで使用されている。
ヘリコプター(機種不明)
テキサスエアレンジャーズの移動手段。Bバンガーがカイロンタワーに到着した時に、タワーの近くで墜落し燃えていた。ミニチュアは『キングコングの逆襲』や『怪獣総進撃』に登場したジェットヘリの流用で、燃えカスが1990年代半ばまで東宝の特殊美術倉庫に保管されていた[13]
ロボコーラ(ペプシタイプ)
2023年アイランド8JO製、移動式自動販売機。ブルックリンがボンベイをからかうのに使った。
知性地雷 Type9 R2
2010年製造。音声に反応して爆発する浮遊地雷(機雷?)。ブルックリンに不良品呼ばわりされるが、捨てた直後に爆発した。
バイオドロイド
アイランド8JO製。超原子核研究所の所員。バイオドロイド暴動の際、テキスメキシウム鉱石を盗みアイランド8JOに逃亡。追跡してきたテキサスエアレンジャーズのヘリコプターを撃墜した。武器はハッキングや光魚雷。
人間の細胞を利用して蘇生する事が可能で、カイロンドームで倒された後ベベの体を使って蘇生した。
カイロン5
巨大コンピュータ。アイランド8JOでロボット製造を行っていたコンピュータ。モニターにCYBO TECH CORPORATIONとの表示がある。自我があり世界を破滅させるために人類を刺激しテキスメキシウム鉱石を作らせたと推測される。ガンヘッド507による1937通りの推測のうち、オススメの1つ。
エアロボット
アイランド8JO製。カイロンドームの警備用ロボットで、別名「カイロンの守護神」。対ガンヘッド兵器でもある。巨大なパワーアームと赤く光る3連センサーアイが特徴。ロボット戦争(ロボット大戦)の際はガンヘッド507率いる最後のガンヘッド小隊を全滅へと追いやった。カイロンタワー内での行動のみが想定されているため、移動は金属製の床を利用した磁気フローティング方式。ガンヘッドよりはるかに大きい巨体のパワーと強固な電磁装甲でガンヘッド&ブルックリンを苦しめた。
主な武装は、放電ブレードや火炎放射器を備えた大小2本のパワーアーム、体当たりに用いられる本体下部のパワーブレード、センサーアイから発射する荷電粒子砲、本体側面のレールガン。小説版では重力波放射能力を持ち、攻防共にガンヘッド&ブルックリンを苦しめた。
唯一にして最大の弱点は、本体前部に配された3連センサーアイ。これを破壊されると視界を失うと共に、3つ全てを破壊されるとエアロボットが爆発したため、ガンヘッドの手に装備されたカメラ(通称:ゴルフボール)と同様に動力源へ直結した構造と推測される。
メディアによってデザインが異なる。最初に設定された電磁アーム3本のデザインは立体化不可能と判断され没になり、映画版では大小2本アームとなった。コミック版はさらに1本アームを増やし4本アームを持つ。4本を正面に並べると巨大な盾のようになり、体当たりや防御に利用された。
小説版では2体存在し、エアロボット2はガンヘッド同様スタンディングモードへの変形機能を有している。
全長16.3m、全高8.6m(アーム含まず)、重量189.7t、最高速度67km/h。
トラック
詳細不明。セブンとイレブンがいた場所からタワーを登れる場所まで移動するのに使った。ブルックリンは修理の際、狭い運転席を忌避して車体後部に自分が座るためのオープンシートを増設した。

キャスト[編集]

※映画クレジット順

スタッフ[編集]

本編[編集]

  • 「ガンヘッド」製作委員会
  • 製作 - 田中友幸山浦栄二
  • プロデューサー - 島谷能成、山田哲久
  • 脚本 - 原田眞人、ジェームズ・バノン
    • 脚本協力 - 柏原寛司 ※クレジット表記なし
  • 撮影 - 藤沢順一
  • 美術 - 小川富美夫
  • 録音 - 斉藤禎一
  • 照明 - 粟木原毅
  • 編集 - 黒岩義民
  • 助監督 - 井上英之
  • 製作担当者 - 森知貴秀
  • 音楽 - 本多俊之
  • シンセサイザー - 鳥山敬治
  • 主題歌 - 永井真理子「Time 〜Song for GUNHED〜」(作詞:亜伊林、作曲:馬場孝幸、編曲:根岸貴幸
    • サントラ盤 - 「ファンハウス」(BMG JAPAN
  • 音楽プロデューサー - 梶原浩史、岩瀬政雄、大場龍男
  • 監督助手 - 久保裕
    • 監督助手 - 深見和彦 ※クレジット表記なし
  • 撮影助手 - 脇屋隆司
    • 撮影助手 - 宝田武久、安田圭、山口李幸 ※クレジット表記なし
  • 照明助手 - 渡辺保雄
    • 照明助手 - 清野俊博、大坂章夫、三上鴻平、雨平巧、坂本和広、二見弘行 ※クレジット表記なし
  • 照明機材 - 大出忠昭
  • 録音助手 - 宮内一男
    • 録音助手 - 渡辺宸彬、清水和法 ※クレジット表記なし
  • 特殊機械 - 宮川光男
    • 特殊機械 - 鹿山和男 ※クレジット表記なし
  • 美術助手 - 頓所修身
    • 美術助手 - 渡辺正昭、石森達也、大橋実 ※クレジット表記なし
  • 装置 - 鈴木和夫、加藤慶一
  • 組付 - 笠原良樹
  • 装飾 - 田代昭男
    • 装飾 - 河原正高、雨沢修、遠藤雄一郎 ※クレジット表記なし
  • 電飾 - 稲垣秀男
  • U・S・Aキャスティング - アルビン・キャッセル
  • スチール - 石月美徳、中尾孝
  • 編集助手 - 糸賀美保、東島左枝
    • 編集助手 - 井上秀明 ※クレジット表記なし
  • ネガ編集 - 青木千恵
    • ネガ編集 - 内田純子 ※クレジット表記なし
  • 効果 - 倉橋静男
  • 記録 - 原田良子
  • 衣裳 - 千代田圭介
  • ヘアーメイク - 小沼みどり
    • ヘアーメイク - 横瀬由美 ※クレジット表記なし
  • 俳優係 - 田中忠雄
    • 俳優係 - 桜井恵子 ※クレジット表記なし
  • 製作係 - 小川祥、瀬田一彦
    • 製作係 - 小林康夫、渋谷善勝 ※クレジット表記なし
  • 企画 - サンライズ
  • 協力 - ハドソン
  • メカニカル・デザイン - 河森正治
  • ノベライズ - 会川昇
  • コミック - 麻宮騎亜
  • 設定協力 - 寺島優、今西隆志、会川昇、熊谷淳
  • 銃火器指導 - 柘植久慶
  • 銃器デザイン協力 - 鈴木雅久
  • 兵器アドバイザー - 泉博道
  • 衣裳デザイン - 吉田十紀人、田中直弘
  • バイオドロイドデザイン - 三上晴子、飴屋法水
  • モデリング - 小川正晴、上松盛明
  • S.Sスーパーバイザー - 瀬川徹夫
  • 協力 - 東宝映像美術

特殊技術[編集]

  • 撮影 - 江口憲一
  • 特美 - 大澤哲三、好村直行
  • 照明 - 斉藤薫
  • 操演 - 松本光司
  • 特殊効果 - 渡辺忠昭
  • 監督助手 - 松本清孝
    • 監督助手 - 千葉英樹、神谷誠、寺内正樹 ※クレジット表記なし
  • 制作担当 - 膳師豊
  • 協力撮影 - 大根田俊光
  • 撮影助手 - 大川藤雄
    • 撮影助手 - 佐々木雅史、平康真二、岩崎登 ※クレジット表記なし
  • 照明助手 - 川越和見
    • 照明助手 - 小沢文明、伊藤保、井上英一、関根高弘 ※クレジット表記なし
  • 照明機材 - 棚網恒夫
  • 特美助手 - 寺井雄二
    • 特美助手 - 清水剛、高橋勲、三池敏夫、都筑雄二、稲村正人 ※クレジット表記なし
  • 装置 - 野村安雄
  • 組付 - 鴨志田平造
  • 操演助手 - 香取康修
    • 操演助手 - 鈴木豊、白石雅彦 ※クレジット表記なし
  • 特効助手 - 岩田安司
    • 特効助手 - 久米攻、渡辺俊隆 ※クレジット表記なし
  • 記録 - 加藤八千代
  • 制作係 - 鈴木勇

特殊視覚効果[編集]

  • IMAGICAグループ
    • CROWD
    • 3D
    • SpFX STUDIO
    • Qプロダクション
    • ツドー工房
  • オプチカルエフェクト - 中村正視、関口正晴、平岡正明
  • スペシャルエフェクト - 渡辺登、高須一輔
  • モーションコントロール - 稲葉貞則、灰原光晴
  • ビデオエフェクト - 相沢眞人、石田延哉
  • レーザーシネマ - 福原康平
  • タイミング - 大見正晴
  • エフェクトアニメーション - 雨宮慶太、橋本満明
  • アニメーション - 升沢達也、津田輝王
  • コンピュータグラフィックス - 土屋裕、大塚竹男
  • マットペインティング - 古賀信明、金子雪生、各務修司
  • マットペインター - 開田裕治、松島洋
  • コーディネート - 山口博司、伏木秀明
  • プロデュース - 西康夫、市橋耕治
  • 協力
  • DOLBY STEREO
    • 技術協力 - 極東コンチネンタル株式会社、森幹生
  • PANAVISION
  • 特技監督 - 川北紘一
  • 監督 - 原田眞人

※映画クレジット順

メディアミックス[編集]

ゲームソフト[編集]

ファミリーコンピュータ『ガンヘッド 新たなる戦い』(バリエ)
映画での戦いで活動を停止したはずのカイロン5が復活した 8JO で、映画に登場した強行偵察型サージェント・ガンヘッドや汎用型ガンヘッドの他、河森正治によって設定・デザインされた偵察型サーチヘッドや重装型キャノンヘッドといったガンヘッド・バリエーションを駆使してカイロン撃破および超伝導物質テキスメキシウムの奪取を目指す戦術シミュレーション。ボスキャラとして登場するエアロボットとの戦いはシューティングとなる。
PCエンジンGUNHED』(発売:ハドソン、制作:コンパイル
映画より未来の世界の物語で、自機ガンヘッドは宇宙用に改造された機体と設定されている。実際には本作とは全く繋がりがなく、海外で発売された際に『Blazing Lazers』と改題されている。ゲームシステムはコンパイル製作の高速縦スクロールシューティングゲーム『ZANAC』や『アレスタ』の流れを汲んでいる。

漫画[編集]

麻宮騎亜『GUNHED』(角川書店月刊ニュータイプ連載、ニュータイプ100%コミックス
キャラクターデザインは菊池通隆(麻宮の別名義だが、当時は未公表)。ブルックリンがハイティーンと思しき少年だったり、彼のコクピット恐怖症が幼い頃の父親の死に起因するものとなっている他、物語に若干のアレンジが施されている。その他、登場人物の外見的特徴も映画を踏襲していない。また、河森正治が映画本編用に描いたが登場しなかったデザインをいくつか採用している。無人機時のガンヘッド507に増設された映画では未使用のセンサーユニットや、構造の複雑さから操演に向かないと判断されて没となった敵メカ・エアロボットのデザインが該当する。主力兵装の20ミリチェーンガンが電磁レールガンになっているなど映画版のガンヘッドと比べて微妙にデザインを変えてある。
「ニュータイプ」誌ではコミックの連載他、麻宮(菊池名義含む)の描き下ろしセルイラストや映画本編のスチル等を交えた関連記事を展開した。イラストについては後述のムックにも掲載されている。

小説[編集]

  • 会川昇『ガンヘッド1 銀光の狂獣』(角川文庫)
  • 会川昇『ガンヘッド2 朱き荒野の狩人』(角川文庫)
  • 会川昇『ガンヘッド正伝 蘇る機神』(角川文庫)

主人公を初め時代設定など、映画とは大きく異なっており、『正伝』が映画のノベライズに相当。『1』と『2』はその前史に当たる。

ちなみに、『正伝』の後に『完結編』が発売される予定だったが、映画の興行成績の不振を受けてか見送られた。會川の弁によると『完結編』は、2巻と『正伝』の間に来るエピソードでガンヘッド大隊がカイロン5と戦う、映画における「ロボット大戦」に相当する物語だったという。

ガンヘッド1 銀光の狂獣/ガンヘッド2 朱き荒野の狩人[編集]

『1』『2』はそれぞれ前編・後編の続きもの。映画版・『正伝』と異なり、ガンヘッドの活躍シーンは少なく、本作はアウトローのライナー・真島を主役とするハードボイルド作品である。

舞台は、人類が移住した惑星の一つ「出雲」。この時代、人類は「ステーション」と呼ばれるコンピュータネットワークによって事実上の統治・管理が行われている。人種や思想の違いを人類の争いの根源のひとつと判断したステーションは人種隔離政策を進めており、「出雲」には日系人が多く住む。

主人公「ライナー・真島」は、揉め事等の処理を生業とする私設警察官である。謎の美女「ユウ・砂時」の依頼を受け、出雲正規軍の開発した新兵器「ゼロタイプ」奪取に関わった真島は、出雲を巡る陰謀に巻き込まれていく。

ガンヘッドのプロトタイプ・ゼロタイプは戦闘力に優れるばかりかあらゆる攻撃の威力を軽減する装甲を持つ等、超兵器的な存在として描かれている。また、ステーションに依存しない(映画版ではカイロン5にもタイタンにも影響されない意味での)独立戦闘兵器としてのガンヘッドが、独自の側面から描かれている。

本作のガンヘッドは味方ロボットではなく、一貫して敵側の機体である。映画版よりも過去の時代であるが、武装はレーザー等のSF兵器を多く搭載する。

ガンヘッド正伝 蘇る機神[編集]

『正伝』は映画版のノベライズに当たるが、背景設定やキャラクター描写が一部異なる。

人類が出雲他の惑星へ大挙して移住したことにより、結果的に荒廃した地球が舞台。地球も移民星同様ステーションの管理下にあり、カイロン5もステーションを構成するスーパーコンピュータの一つだったという設定である。

「ステーション」の存在意義は「地球にとってもっとも良い環境保護を実施する」ことであり、そのために人間は本質的には地球にとって有害性を持つ存在でしかなく、ステーションは人類は食糧供給から思想統制に及ぶ幅広い分野で管理しなければならない種との結論から、人類を抑圧している。人類の暴力性を危険視しているものの、基本的には「人類の敵」ではなく「地球の味方」でしかない。

人類はステーションの目を逃れて隠れ住み、一部はレンジャーズ等のレジスタンスとしてステーション端末へのゲリラ戦を続けている。基本的にはレンジャーズの人類解放戦は限定的に成功しているが、ステーションからの食糧供給能力なども破壊してしまうことで、慢性的な食糧不足といった問題も噴出しているため、人類の中でもレンジャーズの活動の功罪については微妙な位置付けとなっている。

小説版の世界ではあらゆるコンピューター装置がステーションの管理下に置かれているため、人間が使用できる戦闘兵器は大幅に制限されているが、ガンヘッドシリーズは偶然このコントロールから外れる存在として製造されたため、レンジャーズ達はステーションとの抗戦に利用していた。なぜ、そのような個体が存在するかについては説明されていないが、『2』の終盤でその謎の一部について明かされる描写がある。

レンジャーズ等の攻撃で幾つものエネルギー源を失ったカイロン5はスタンバイ状態で眠っていたが、Bバンガーのメンバーがテキスメキシウムを奪取したため、異常を察知したカイロン5は目覚める。エネルギー低下により他ステーション端末との通信が失われたカイロン5は、他のステーション端末は人類によってすべて破壊されて残ったのは自分だけだと誤認し、人類が管理不可能な存在であると判断すると、人類壊滅プログラムの起動を決定。ブルックリンたちは生き残るため、ガンヘッドと共にカイロン5と戦いを繰り広げる。

ブルックリンは幼い頃に遭遇したある出来事による銃器恐怖症というトラウマを持ち、カイロン5や8JOとは非常に強い関わりがある。ニムは反ステーション組織レンジャーズに所属するビジョネイル(キーボード等のデバイスを介さずにコンピュータとリンクし、対話できる能力の持ち主)。

Bバンガーの面々は映画の俳優陣に準じた外見で、挿絵に描かれている。ただし、ベベの外見だけはやや漫画版寄りとなっているほか、ボクサーが臆病な面を覗かせたりボンベイが非常に凶暴な性格で描かれる等、作中ではその役割や性格描写に若干の差異がある。

セブンとイレブンは登場せず、代わりに2人の特徴を併せ持った「キーワード」と呼ばれる子供が登場するが、彼女にはブルックリンの妹と解釈できるような描写や、カイロンタワーのメンテナンス技術者の娘との描写がある。「キーワード」の意味は作中で重要な意味を持っているが、カイロン5から基本的に手厚く保護養育されていることとも関係がある。

エアロボットは映画版や漫画版での機体に相当する1号機だけでなく、さらに凶悪な外見と機能に加えてスタンディングモードへの変形機構すら備えた2号機も登場する。

カセット文庫[編集]

  • ガンヘッド Part1、2(角川書店)

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 脚色 - 遠藤明範
  • 演出 - 鈴木久尋
  • 音楽 - 本多俊之(劇場版のサウンドトラックが使用されている)
  • 音響制作 - 青二企画

ゲームブック[編集]

ガンヘッド コンピュータ・クライシス(バンダイ)
制作はスタジオハード、挿絵は加藤礼次郎が担当。映画に準じた物語となっているがボクサーがブルックリンに対して非常に好意的な良き兄貴分的に描かれている事やボンベイが博識なインテリ風キャラになっている事、そしてブルックリンに何かとつっかかる役どころがバラバとなっている事や、ロボット墓場のガンヘッドが装備や装甲、状態の差異で3種類あってそこから1機を選ばなくてはならない等、細部における違いが非常に多い。ガンヘッドの選択はガジェットを一種のアイテムとして考えるファミコンアドベンチャーゲーム的発想で、スタジオハードが数多く手がけていたキャラクター系ゲームブックのお約束ともいえる。前述の通りブルックリンがガンヘッドを再生させる形ではないため、映画やコミック、小説の様な二人(一人と一人?)のやりとりは見られない。
またカイロン5のバイオドロイドが人間の死体を原料に作られていてその工場にバラバの死体が運ばれているシーンがあったり、ニムのフルネームがブレンダ・ニムとなっているなど、映画のキャスティングをもじった設定が散見される。
全体としてはロボットが活躍する物語の中にハードSF的な要素を盛り込もうとしたフシがうかがえる。クライマックスは映画と異なる様相を見せ、エピローグも洋画の様な展開である。

その他[編集]

角川書店からは映画を中心に小説やコミックの紹介も含めたムック(ニュータイプ100%)、ホビージャパンからは映画の紹介に加え独自のメカニック解析・解説を主体としたムック、ケイブンシャからはガンヘッド・バリエーションの解説等の記事も多数掲載した子供向け書籍シリーズ「ケイブンシャの大百科」、バンダイからは映画のストーリーや各種設定等の紹介書籍と特撮に関して解説した書籍が発売された。

公開当時、バンダイからガンヘッドのプラモデルの発売がアナウンスされていたが実現せず、23年を経た2012年10月にようやくコトブキヤから1/35スケールのプラモデルが発売された。全関節可動でG1/G2モードの変形も再現され、ブルックリンのフィギュア2体が付属する。

備考[編集]

本作の準備中の初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』は、アメリカ映画『ロボコップ』や日本のアニメ『機動警察パトレイバー』と設定が競合するために没となった[14]

『ガンヘッド』と同時期公開になったアニメ映画『機動警察パトレイバー the Movie』の劇中の方舟のシーンが『ガンヘッド』の閉鎖空間の敵中突破という設定と類似していることを『機動警察パトレイバー』側のスタッフの出渕裕は心配した。出渕は映画館で本作を鑑賞した結果、『ガンヘッド』の出来に「これなら大丈夫」と安堵したという逸話がある[15]

撮影中、主演の高島がガンヘッドコックピット内の操作アームを壊してしまう(壊してしまったシーンがそのまま収録されている)。修復も試みられたが、完全な修復が困難だったためコックピットでの操縦シーンが大幅にカット。その後のカットでは、高島のアップシーンでコックピット部分の撮影を続行している。

原田監督は、主人公の属するトレジャーハンター集団の名称を映画『ワイルドバンチ』のタイトルにもなった無法者一味をイメージして《Bバンチ(B-Bunch)》にしようと考えていたが、諸事情からその名称は使われなかった。結果的にはバンチョー役のミッキー・カーチスが歌手として活動していた時期にリーダーとして率いたバンド「バンガーズ」にちなんで《Bバンガー(B-Banger)》となっている。

1992年11月25日にTBSの水曜ロードショーでテレビ初放送された。内容はテレビ放送用に改変され放送時間は92分になっている。英語の台詞はすべて日本語に置き換えられた。吹き替えはニム=戸田恵子、ガンヘッド・ナレーション=郷里大輔。ラストのメリー・アンが上昇するカットが挿入されたがこのカットは冒頭のメリー・アンが着地するシーンを逆再生したものである。

脚注[編集]

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脚注[編集]

  1. ^ テレビでは既に着ぐるみによる『ジャイアントロボ』『大鉄人17』があり、プロップや原寸大モデルを用いた映画としては、翌年アメリカで公開された『ロボ・ジョックス』の制作発表が僅かに先行していた。
  2. ^ 正しくは軍曹だが、一部子ども向けムックでは指揮官という訳が充てられている。

出典[編集]

  1. ^ 『動画王Vol.10』キネマ旬報社、2000年、p22
  2. ^ 白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p98
    冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p185
  3. ^ 『サンライズ全作品集成1 サンライズクロニクル 1977〜1994』サンライズ、2007年、p.221。
  4. ^ 冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、po.186-187。
  5. ^ 田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年、p300。
    冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p185。
    岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181。
    山根貞男『日本映画時評1986-1989』筑摩書房、1990年、pp.258-259。
  6. ^ 岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181
  7. ^ 『キネマ旬報』1989年9月下旬号の「興行価値」及び「トピック・ジャーナル」より。
  8. ^ 冠木新市『ゴジラ・デイズ』集英社文庫、1998年、p371。
  9. ^ 白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p.101。
  10. ^ 會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、p.303。
  11. ^ “東宝×サンライズ”のSFロボット・アクション映画『ガンヘッド』がDVD化! CD Journal.com 2006年12月19日。
  12. ^ EVENT川北紘一の、ガンヘッドの秘部全部魅せます! 東宝映像事業部オフィシャルサイト 2007年3月5日
  13. ^ 川北紘一 監修・モデルグラフィックス 編『東宝特撮超兵器画報』大日本絵画 1993年 ISBN 9784499205986
  14. ^ 會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、pp.302-303。
  15. ^ 『BSアニメ夜話Vol.03 機動警察パトレイバー』キネマ旬報社、2006年、p.51。座談会の出渕裕の発言による。オンエア版ではカットされた発言がこの書籍で復元されている。

参考文献[編集]

  • 冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p188
  • 田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年、p298-p300

関連項目[編集]

外部リンク[編集]