弾帯

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身にまとった弾薬帯

弾帯(だんたい)は、横一列に並べた銃弾を、布や金属製のベルトでつなげたものである。弾薬帯(だんやくたい)、保弾帯(ほだんたい)、挿弾帯(そうだんたい)とも。 銃弾をベルト状とし、携帯運搬する場合にも使われた。

つなげて一方向へ送り込む(連続装弾)ようにしたものは、主に連射速度の高い機関銃自動擲弾発射機の給弾機構に採用される。

また、榴弾などの砲弾の側面を1周する帯状部分も弾帯(導環)と呼ばれる。

概要[編集]

弾帯で繋がれた12.7x99mm NATO弾

弾倉式に比べると装弾数が大幅に増やせるが、一列に長く延びるので携帯性に劣る傾向がある。このため機関銃の中でも重機関銃汎用機関銃のようなあまり移動が行われない銃器で使用される。また、弾帯をそのまま地面などに置いて付けて銃を撃つと弾帯が何かに引っ掛かったり泥や異物がこびりつく可能性があるため、大抵は銃の横ないしは下に弾帯ごと弾丸を収納する金属製の箱かドラム式マガジンを取り付けて運用する。

弾帯の種類[編集]

非分離式弾帯では、使用済みのリンクが反対側に長く垂れ下がる(PKM
分離式弾帯では、射撃時にはリンクが分離する(ミニミ軽機関銃
布製(Fabric belt)
機関銃開発の初期から第二次世界大戦頃まで多用されたもの。2枚の細長いキャンバス地の布を縫い合わせ、その間に銃弾が差し込まれている。第一次世界大戦では航空機用機銃にも使われたが、撃ち終わった分が風にたなびいて危険なため、その巻き取り装置も必要となった。地上用としても同じく邪魔となり、汚れると給弾不良の原因となった。
金属製非分離式(Metallic belt)
非分離式弾帯は個々のリンクがワイヤーなどで繋ぎ合わされており、弾丸が抜き取られても分離はしない。ただし、非分離式弾帯でも個々の弾帯の両端部分は分離式弾帯と同じ構造になっており、弾帯同士を弾丸で繋ぎ合わせることが可能になっている。
再装填には弾帯に弾丸を装着するだけで良いので、弾帯の再利用が容易である。ただし、撃ち終わった弾帯が給弾口と反対側から垂れ下がるので、携帯性にやや劣る。
金属製分離式(Metallic link belt)
分離式弾帯は弾丸とリンクが自転車のチェーンのようにつなぎあわされていて、弾帯から弾丸が抜き取られるごとにリンクが外れて分離する。
銃の給弾口と反対部分から使用済み弾帯がはみ出ないため、弾帯が何かに引っ掛かる可能性が下がり携帯性は改善される。リンクを並べて弾丸を装着するのに手間がかかるうえ、戦闘で散らばったリンクを回収するのは実質的に不可能なため、使い捨てとなる。リンクと弾丸のつなぎ合わせは弾丸工場で行われ、リンク装着済みの状態で前線に供給される。

第二次大戦中には、アメリカイギリスソ連の地上用重機関銃で布製弾帯、ドイツで非分離式金属製弾帯が、戦後の地上戦用の機関銃では、アメリカを中心とする西側陣営では分離式弾帯、ソ連・ロシアを中心とする東側陣営では非分離式弾帯がそれぞれ主流となっている。

砲弾の側面部[編集]

砲弾の側面にある帯状部分も弾帯と呼ばれる。銅製などの柔らかな金属で作られた帯状部分が砲身内面のライフリング(施条)の一部に食い込み、弾が砲身内を前進することよって弾体に飛翔軸を中心とする回転を与える。砲弾の飛翔経路に強く影響する砲弾の空中での姿勢は、この飛翔軸周りの回転によるジャイロ効果である程度保たれ、さらに空中の弾体は特定方向に横転することなく歳差運動を起こすことで空気から受ける抵抗が360度全方向で平準化される効果も得られる。これらの効果によって命中精度が向上する。

榴弾のような多くの砲弾が硬度の高い鋼鉄製の弾殻からできているため、弾帯はそういった弾と砲身との隙間を塞いで発射ガスが前方に漏れるのを防ぎながら、出来るだけ砲身の磨耗や摩擦抵抗を少なくする機能も果たしている。ただし、それほど完全に砲身に密着する訳ではなく多少の漏れは許容され、隙間を元々持つライフリングではそれが顕著である。また、ライフリングを持たない滑腔砲用の高速運動エネルギー砲弾でも、サボと呼ばれる分割式装弾筒の固縛を兼ねた樹脂製のリングによって、発射ガスの漏洩を防ぐ弾帯としての機能を果たしている。APFSDSを参照。

弾帯はおおむね砲弾の後半部、または後端部に付いている。

装備品としての弾帯[編集]

自衛隊においては各種個人装備(弾嚢や水筒・エンピと呼ばれる小型シャベルなど)を身体に固定する際に使用するベルトのことを弾帯と呼称している。 現在陸上自衛隊で使用している弾帯は「戦闘弾帯3型」や「弾帯3型」である。アメリカ陸軍では「ピストルベルト」と称する。

関連項目[編集]