エイリアン (映画)
| エイリアン | |
|---|---|
| Alien | |
| 監督 | リドリー・スコット |
| 脚本 | ダン・オバノン |
| 製作 | ゴードン・キャロル デイヴィッド・ガイラー ウォルター・ヒル |
| 製作総指揮 | ロナルド・シャセット |
| 出演者 | トム・スケリット ハリー・ディーン・スタントン ジョン・ハート ヤフェット・コットー イアン・ホルム シガニー・ウィーバー ヴェロニカ・カートライト |
| 音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
| 撮影 | デレク・ヴァンリント |
| 編集 | テリー・ローリングス ピーター・ウェザリー デビッド・クロウザー(ディレクターズ・カット版) |
| 配給 | 20世紀フォックス |
| 公開 | |
| 上映時間 | 118分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $11,000,000 |
| 興行収入 | $104,931,801 |
| 次作 | エイリアン2 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『エイリアン』(Alien)は、1979年のアメリカ映画。作品中に登場する異星生物の通称でもある。
目次 |
[編集] 概要
航行中の大型宇宙船という閉鎖空間の中で異星生物(エイリアン)に襲われる乗組員の恐怖と葛藤を描く。エイリアンのデザインは、現代シュールリアリズムの鬼才H.R.ギーガーが担当した。リドリー・スコットやシガニー・ウィーバーの出世作であると共にSFホラーの古典として知られ、続編やスピンオフが製作されている。
1980年の第52回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞。同年第11回星雲賞映画演劇部門賞受賞。
公開時のキャッチコピーは「In Space, No One Can Hear You Scream.(宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)」。
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
宇宙貨物船ノストロモ号は、他恒星系から地球へ帰還する途中、未知の異星文明の物と思われる電波信号を受信した。人類初となる異星人との遭遇のために惑星LV-426に降り立った乗組員たちは、宇宙船と化石化した宇宙人(スペースジョッキー)を発見し、調査を進めるうちに巨大な卵のような物体が無数に乱立する空間へ辿り着く。航海士のケインがこの物体に近づくと、中から蜘蛛に似た生物が飛び出して彼のヘルメットのゴーグルを突き破って顔に張り付いた。一行は急いでノストロモ号へ帰還するが、電波信号は解析の結果、宇宙人が発した何らかの警告であることが判明した。
ケインの顔面に張り付いた生物は引き剥がす事が不可能だったが、やがてはがれ落ちて死んだ。その後のケインに異常は見られず回復したかに思われたが、乗組員たちとの食事中に突然苦しみ出し、胸部を食い破って男性器を連想させる形の頭部を持つ蛇のような奇怪な生物が出現し逃走する。彼は口から体内にエイリアンの幼体を産み付けられていたのである。
姿をくらましたエイリアンに対してノストロモ号の乗組員たちは船内を捜索するがエイリアンはその間に脱皮し、より大型の姿へと変貌していた。捜索中に今度はブレッドが殺害され、エイリアンは通気口へと姿を消す。乗組員たちは科学担当のアッシュのアドバイスに従い、火炎放射器を使ってエイリアンをエアロックに追い詰め、宇宙へ放出する事に決定する。しかし、急成長を遂げたエイリアンの能力は彼らの想像を遥かに上回り、単身潜入した船長のダラスは返り討ちとなる。
残ったリプリー、パーカー、ランバート、アッシュは善後策を協議するが、リプリーは有効な対策を提示できないアッシュに不満を抱き、直接ノストロモ号のマザー・コンピューターに解決策を問いかけるが、彼女はコンピューターは乗組員たちがエイリアンに勝てないと見ていること、さらに、雇用主である企業は「エイリアンを生きたまま捕獲すること」を最優先事項としていることを知る。真相を知ったリプリーにアッシュが襲い掛かり、彼女を殺害しようとするがリプリーは駆けつけたランバートらに救出され、アッシュは「破壊」された。彼の正体は企業が乗組員たちを監視するために送り込んだアンドロイドだった。
リプリー達は本船を爆破し、脱出用シャトルで地球圏へ脱出する計画を立てるが、ランバートとパーカーがエイリアンに殺害され、残るはリプリーただ一人になった。彼女はノストロモ号の自爆装置を起動し、自分以外の唯一の生き残りとなった猫のジョーンズをつれてシャトルに逃げる途中、通路にいるエイリアンを発見する。リプリーは脱出を中断し、自爆装置の解除操作を行うが間に合わず、カウントダウンは止まらない。仕方なく通路に戻ったリプリーは、エイリアンがさきほどの場所にいないことを確認し、ジョーンズと共にシャトルへ乗船、ただちに発進させる。直後、ノストロモ号は自爆、全ては終わったかに見えたが…。
[編集] スタッフ
- 製作総指揮 - ロナルド・シャセット
- 製作 - ゴードン・キャロル、デイヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
- 監督 - リドリー・スコット
- 原案 - ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
- 脚本 - ダン・オバノン
- 撮影 - デレク・ヴァンリント
- 美術 - マイケル・シーモア、(ロジャー・クリスチャン ※アンクレジット)
- クリーチャーデザイン - H.R.ギーガー
- クリーチャー造形 - H.R.ギーガー、ロジャー・ディッケン
- クリーチャー効果 - カルロ・ランバルディ
- 音楽 - ジェリー・ゴールドスミス
- 提供 - 20世紀フォックス、ブランディワインプロダクションズリミテッド
[編集] キャスト
- エレン・リプリー - シガニー・ウィーバー
- 航海士。ノストロモ号の乗組員の中で唯一生き残る。シリーズを通じての主人公であるが、今作の序盤では存在が控えめに描かれている。
- ダラス - トム・スケリット
- ノストロモ号船長。ケイン・ブレッドの死亡後、エイリアンを退治する為に自らダクトに潜入するが、エイリアンに襲われ行方不明となる。[1]
- ディレクターズ・カット版では自爆時にはまだ生きており、地下でブレットと共に繭にされていた。リプリーに火炎放射器で焼かれ死亡。なお、スピンオフであるAVPシリーズの2作目には同名の人物が登場する。
- アッシュ - イアン・ホルム
- 科学・医療担当者。エイリアンの分析を行い、クルー達にアドバイスを行うが対応は常に後手に回りケイン・ブレッド・ダラスを失う結果となる。その正体はウェイランド社の密命を受けたアンドロイドで、リプリーがエイリアンを持ち帰るという本当の目的を知った為、彼女に襲いかかるがパーカーに破壊され、火炎放射器で焼却された。
- ランバード - ヴェロニカ・カートライト
- 航海士。女性。地球へ脱出する為に、パーカーと一緒に脱出用シャトルの酸素供給機用冷却材の準備中にエイリアンに遭遇。恐怖から一歩も動く事が出来ず、パーカーがエイリアンを攻撃する機会を奪ってしまいパーカーと共に殺された。
- パーカー - ヤフェット・コットー
- 機関員。黒人。自分とブレッドの給料が少ないことに不満に思っていた。ケインの顔に張り付いたフェイスハガーを見て「冷凍しろ」と主張していた。ランバートと共に冷却材の準備中にエイリアンに遭遇。火炎放射器を使おうとしたがエイリアンがランバートに重なる形となった為に、やむなくエイリアンに飛び掛ったが敵わず殺された。
- ブレッド - ハリー・ディーン・スタントン
- 機関員。パーカーの相棒で口調は「そのとおり」。猫のジョーンズを捜している最中にエイリアンに背後から襲われ死亡。ディレクターズ・カット版ではダラスと同様に繭にされていた。ダラスより先に襲われ、かつ脳を破壊されたため、繭に変態するのが早く原型をとどめていなかった。最後は、ダラスと共に火炎放射器で焼かれた。
- ケイン - ジョン・ハート
- 航海士。惑星LV-426に降り立ち、謎の物体エッグチェンバーに近づくが、中から出たフェイスハガーが顔に張り付き寄生される。一旦は回復したかに思えたが、乗組員達との食事中に苦しみ出し、胸部からチェストバスターが出現したと同時に死亡。遺体は宇宙葬にされた。
[編集] 吹き替え
| 役名 | VHS・DVD | DVD(DC)・BD | ゴールデン洋画劇場 | 日曜洋画劇場 | LD |
|---|---|---|---|---|---|
| ダラス | 富山敬 | 郷田ほづみ | 前田昌明 | 大塚明夫 | 西沢利明 |
| リプリー | 幸田直子 | 野際陽子 | 戸田恵子 | 田島令子 | |
| ランバート | 榊原良子 | 鈴木ほのか | 鈴木弘子 | 安永沙都子 | 鈴木弘子 |
| ブレット | 穂積隆信 | 樋浦勉 | 青野武 | 千田光男 | 北村弘一 |
| パーカー | 郷里大輔 | 大川透 | 飯塚昭三 | 麦人 | 渡部猛 |
| ケイン | 納谷六朗 | 森田順平 | 仲村秀生 | 牛山茂 | 櫻田達雄 |
| アッシュ | 田中信夫 | 岩崎ひろし | 富田耕生 | 羽佐間道夫 | 田中信夫 |
| マザー | 小宮和枝 | 久保田民絵 | 佐々木優子 | ||
| リリース、初放送年日 | 2003年 | 1980年 | 1992年 | 1981年 | |
[編集] フェミニズムとの関連
内田樹の考察によると、本作における「宇宙船のクルーがエイリアンの幼体からその子孫を体内にうえつけられ、それが体を破って外に出てくる」という流れは、ヨーロッパ全域で流布している「体内の蛇」と呼ばれる民間説話をなぞったものであるとし、それをフェミニズムに結びつけたことにオリジナリティがあるという。本作でのエイリアンは女性を妊娠させようとする男性の性欲の象徴であり、主人公のエレン・リプリーはそれに対抗するフェミニズム志向の女性の役割を果たしている。そして、映画公開当時、男性に依存しない勇敢な女性が自力で(男性性の象徴である)エイリアンを退治するというこの映画を、女性たちはフェミニズムの勝利の物語として賞賛したのだ、と評価されることが多い。しかし、内田樹は、本作は女性からだけでなく保守的な(反フェミニスト的な)男性からも支持されていることを指摘し、「戦闘的フェミニストの勝利」という劇的な結末を演出するために結末以前の部分では「ヒロインがエイリアンから徹底的に陵辱される」という描写で埋め尽くされていると述べている。[2]
[編集] 書籍
[編集] ノベライズ
- 『エイリアン』 アラン・ディーン・フォスター著、深町眞理子翻訳、角川文庫(1979年5月31日発売) ISBN 978-4042724018
[編集] ドキュメンタリーブック
- 『ギーガーズ・エイリアン』H・R・ギーガー著、トレヴィル(1986年11月) ISBN 978-4845702459
- 『ギーガーズ・エイリアン(復刊)』H・R・ギーガー著、河出書房新社(2004年8月20日) ISBN 978-4309905945
[編集] 備考
- ウィーバーによると、脱出用シャトル内で冷凍冬眠を行うために服を脱ぐシーンは、下着姿ではなく全裸で撮影する予定だったとのこと(アクターズスタジオインタビューより)。
- エンディングシーンは当初3種類あり、「エイリアンの存在にリプリーは気付かず一緒に地球に帰還する」、「エイリアンとともに宇宙の藻屑となる」そして採用案である「エイリアンを倒し無事地球に帰還する」のそれぞれが用意されていた。アメリカでは第1案の結末で劇場公開された映画館もある。
- 船の離着陸のシーンでは、予算の関係から俳優が自ら椅子を揺らしている。
- スペースジョッキーの登場シーンでは、プロップを大きく見せるために、宇宙服姿のノストロモ乗員は子供が演じている。
- エッグチェンバーの中で蠢くフェイスハガーのシルエットは、スコット監督自身の手のシルエットである。
- ケインの胸からチェストバスターが飛び出すシーンでは、俳優達に何が起こるか意図的に詳細を伝えておらず、彼らの驚きは本物であったとDVDコメンタリーで述べられている。また成体エイリアンの姿もセットで遭遇するまで伏せられていた。
- アッシュがリプリーを殺そうと丸めた雑誌を彼女の口に押し込もうとするシーンがあるが、その雑誌は「平凡パンチ」で、表紙の写真は山口百恵である。宇宙船ノストロモ号が日系企業の所有ものだからだという事が後に監督によって語られている。ちなみに、その会社の名前はウェイランド・ユタニである。
- またアッシュ達人造人間の分類呼称は映画作品シリーズ内では「アンドロイド」のみだが派生作品のゲームなどでは「syntetic(シンセティック・合成人間)」と呼ばれているケースが有る。
- 時限自爆装置が稼動するとコンピュータ「マザー」が「この船はTマイナスX分以内に破壊される」と自爆までの時間を読み上げるが、これは間違いである。「T」は通常、ロケットの打ち上げに代表されるようなイベントの時刻を表し、それ以前の時刻を「TマイナスX分(秒)」で表すので、「TマイナスX分以内に破壊される」では意味を成さない。なお、第二作では「X分以内に」となっている。
- ゴールデン洋画劇場の初回テレビ放映ではマザーコンピュータのことを「マザー」ではなく、「お袋さん」と呼んでいた。
- 脱出用シャトルは、発進後に前進ではなくブレーキをかけることでノストロモ号から離脱した。遠ざかるノストロモ号がシャトルの前方窓から見えるのはこのため。
- 同じリドリー・スコット監督による本作の前日談となる3D映画『プロメテウス』が2012年に公開予定。
[編集] 脚注
- ^ ダラスがエイリアンに襲われた場所には火炎放射器だけが落ちていて、不思議な事に血痕がなかった。
- ^ 難波江和英・内田樹 『現代思想のパフォーマンス』 光文社、2004年、137-142頁。ISBN 978-4334032777。
[編集] 外部リンク
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