A.I.
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| A.I. A.I. Artificial Intelligence |
|
| 監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
|---|---|
| 製作総指揮 | ヤン・ハーラン ウォルター・パークス |
| 製作 | スティーヴン・スピルバーグ キャスリーン・ケネディ ボニー・カーティス |
| 脚本 | イアン・ワトソン スティーヴン・スピルバーグ |
| 出演者 | ハーレイ・ジョエル・オスメント ジュード・ロウ フランセス・オコナー |
| 音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
| 配給 | ワーナー・ブラザーズ |
| 公開 | 2001年 |
| 上映時間 | 146分 |
| 製作国 | アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| 制作費 | $90,000,000 |
| 興行収入 | $78,616,689 \9,630,000,000 $230,000,000(全世界) |
| allcinema | |
| Variety Japan | |
| allmovie | |
| IMDb | |
「A.I.」(A.I. Artificial Intelligence)は2001年のアメリカの未来版ピノキオ物語のSF映画。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] あらすじ
未来。 あるロボット会社が「愛情」を持つロボットの開発に成功する。少年型をしたそのロボットはデイビッドと名づけられ、試験的に同社の社員であるヘンリーの元に送られる。ヘンリーとその妻モニカの幼い息子が難病で死に瀕していたため、デイビッドは息子の身代わりとしてモニカに起動される。モニカへの絶対的な愛情を刷り込まれるデイビッド。しかし息子マーティンが奇跡的に病気から回復すると、デイビッドはマーティンからいじめられ始める。
そんな小競り合いの中で、マーティンの生命に関わる事件が起こり、デイビッドは森に捨てられてしまう。それでも「もう一度ママに会いたい」の一心でデイビッドは熊型ロボットのテディとさまよい歩く。そして、自分たちと同じように捨てられたロボットの一団とともにロボット狩りのグループに捕らえられ、ロボット破壊ショーのステージに引き出される。恐怖に怯えるデイビッド。あまりに人間に似たその姿にショーの観客たちが困惑するなか、デイビッドとテディは辛くも逃げ出す。
その後、街にたどり着いたデイビッドは陽気で親切なロボット、ジゴロ・ジョーと出会う。ジョーは寂しい女性の慰み者として春をひさいでいたが、殺人事件に巻き込まれたため街を逃げ出したいと考え、デイビッドに協力を約束する。こうしてデイビッドはテディ、ジョーと共にモニカの元へ戻るための旅を続けるのだが…。
[編集] 解説
スティーブンスピルバーグ監督は、大衆に受ける作品を作る傾向がある事で知られているが、本作は大衆受けは狙っていない内容になっている。本作品はCGの技術の高さを示すために作られたのではなく、非常に哲学的な内容になっているからである。高度に哲学的な内容になっているのは、やはりキューブリック原案といえよう。
[編集] スタッフ
- 製作:スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、ボニー・カーティス
- 監督・脚本:スティーヴン・スピルバーグ
- プロダクション:アンブリン、スタンリー・キューブリック
- 原作:ブライアン・オールディス「スーパートイズ」(1969年発表)
- 視覚効果:インダストリアル・ライト&マジック
- VFXスーパーバイザー:デニス・ミューレン
- クリーチャー・スーパーバイザー:スタン・ウィンストン
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
[編集] キャスト
- デイビッド:ハーレイ・ジョエル・オスメント(DVD吹き替え:常盤祐貴)
- ジゴロ・ジョー:ジュード・ロウ(DVD吹き替え:大川透)
- モニカ・スウィントン:フランセス・オコナー(DVD吹き替え:紗ゆり)
- ヘンリー・スウィントン:サム・ロバーズ
- マーティン・スウィントン:ジェイク・トーマス
- テディの声:ジャック・エンジェル
- ”Dr.ノウ”の声:ロビン・ウィリアムズ
- ”スペシャリスト”の声:ベン・キングスレー
- ”ブルー・メカ(青い髪の妖精)”の声:メリル・ストリープ
- ”コメディアン”の声:クリス・ロック
[編集] メモ
- 元々は、スタンリー・キューブリック監督の企画であったが、キューブリックが死去したため、スティーヴン・スピルバーグによって監督された。
- ただクリスティアーヌ・キューブリックによると、キューブリックは元々監督をスピルバーグに任せ、自身は制作に回る予定だったらしい。
- キューブリックは1970年代より、原作となる「スーパートイズ」の映画化の計画を持っていたといわれ、1983年に正式に原作者から映画化に関する権利を取得した。
- 1990年代初頭には、後に『ジュラシック・パーク』で少年ティムを演じたジョセフ・マゼロを起用してキューブリック自らテスト撮影を行ったが(これは関係者が認めている)、本撮影に入る前に話が消滅。この時点で既にキューブリックとスピルバーグはこの映画の制作に関する話し合いを複数回持っていたとされる。
- キューブリックの死後、一度は企画が白紙になりかけるが、キューブリックの遺族の強い希望でスピルバーグが製作を引き継ぎ、監督だけでなく自ら脚本を執筆する事となった。この脚本はスピルバーグがキューブリックの遺したトリートメントを基に書いたもので、キューブリック・ファンからの批判も少なくない。
- 最終盤に登場する半透明・人型のキャラクターを宇宙人と誤解している評論も見かけるが、メイキングによると、あのキャラクターは絶滅した人類の遺物のロボット、すなわちデイビッドよりはるかに高度に進歩したA.I.という説明がなされている。スピルバーグ曰く「アナログはいつか滅び、デジタルが生き残る。なぜならデジタルは劣化しないからだ」
- 本国のアメリカでは興行的に失敗に終わったが、日本では興行収入96.3億円と大ヒットを飛ばして製作費を楽々と回収した。この結果を受け、スピルバーグは日本のマーケット的価値をより重視するようになる(スピルバーグ製作の「硫黄島」2部作もその流れの中にあると言える)。また、日本においてジュード・ロウの人気が一気に上がった作品でもある。
- 「モニカのテーマ」と題されたエンディング曲でソプラノの歌声が聴ける。ヴォカリーズ(歌詞が無い)という形態はハリウッド映画の音楽では珍しいものであろう。ソロを担当したのはアメリカのソプラノ歌手バーバラ・ボニーである。ボニーが得意としていた役の一つに『ばらの騎士』(R.シュトラウス)のゾフィー役があるが、『ばらの騎士』のワルツ音楽も『A.I.』劇中で使用されている(下記)。R.シュトラウスは『2001年宇宙の旅』で知名度を上げた交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』の作曲者でもある。
- 『ばらの騎士』の音楽を使う事はキューブリックの遺志だったが、どの場面で使うべきまでは伝わっておらず、最終的には音楽担当のジョン・ウィリアムズの独断でルージュ・シティに主人公達が入っていく場面で30秒間だけ使われた。結果的にはデカダンスな映像の雰囲気とマッチし、絶大な効果を挙げている。
|
|||||||||||||||||

