恐竜

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恐竜
生息年代: 231.4–0 Ma
(非鳥類型恐竜は66.0Maまで)
Various dinosaurs2.png
地質時代
約2,314万- 現代
中生代三畳紀後期-現代)
{非鳥類型恐竜は約6,600万年前(白亜紀末)まで}
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
階級なし : (未整理[1]四肢動物上綱 Tetrapoda [2]
(未整理)爬形類 Reptiliomorpha
(未整理)有羊膜類 Amniota
(未整理)竜弓類 Sauropsida
: 爬虫綱 Reptilia
階級なし : (未整理)真正爬虫類 Eureptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
階級なし : (未整理)主竜類 Archosaurs
(未整理)鳥頸類 Ornithodira
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
Owen1842

詳細は本文参照

恐竜(きょうりゅう)は、脊椎動物分類群の一つである。中生代三畳紀に現れ、中生代を通じて繁栄した。多様な形態と習性のものに適応放散し、陸上動物としては非常に大きくなったものもあったが、約6,600万年前の白亜紀新生代との境に多くが絶滅した(アラモサウルスなどの一部の属については、この後もしばらく生き延びていた可能性を主張する研究者もいる[3])。

古典的分類では爬虫綱 - 双弓亜綱 - 主竜形下綱に属し、分類階級上目とされてきた。なお、系統樹に基づく分岐学的観点から、単に「恐竜」と呼んだ場合、学術的には「鳥類」を含めることが多くなっている(後述)。このため、上記の分類群(恐竜から鳥類を除いたグループ)を指す上では、より厳密な「非鳥類型恐竜(non-avian dinosaur)」の使用が、学術論文を中心に見られる。 [4] [5] ただし一般に「恐竜」と言えば鳥類を除いたものを指すケースが多く、依然分類群としても簡便で有用である[5]。よって本項では特に言及のない限り、「恐竜」と言えば「非鳥類型恐竜」を指すものとする。

名称[編集]

Richard Owen(リチャード・オーウェン)とワニの骨格。1856年。

英語: dinosaurギリシャ語: δεινός, deinos 「恐ろしい」 + σαῦρος, saurosとかげ[6]の合成であり、1842年、それまでに発見されていた3種の化石爬虫類(イグアノドンメガロサウルスヒラエオサウルス)の新しい分類名として、リチャード・オーウェンによって命名されたものである [7] (ただし、オーウェンはδεινός の語を英語fearfully great [8][9] (「恐ろしいほど大きな[10]」)という意味で用いたという)。語根 -saur- には「竜」をあてるのが通例である。「○○サウルス」といえば「恐竜の名前」として認識されがちだが、実際にはトカゲ型の動物や爬虫類には、現生のものであっても「-saurus」と学名の付いたものが少なくない(例えばエリマキトカゲの学名はChlamydosaurus kingiiであり、カタカナに直せば"クラミドサウルス・キンギイ"となる)。

定義[編集]

通俗的には、「恐竜」という言葉は往々にして「大昔の爬虫類」という程度の把握しやすいイメージで認識されており、同じ地質時代に生息していた翼竜魚竜首長竜のほかに、古生代に生息していた一部の非哺乳類型の単弓類(いわゆる哺乳類型爬虫類)なども含めた概念として呼ばれる場合ことが少なくない。“恐竜展”や子ども向けの“恐竜図鑑”などではこれらの各種爬虫類や、さらには恐竜絶滅後の生物(マンモスなど)まで含めて展示/掲載するものがよく見られる。 しかし正確には「恐竜」は、系統的に異なる翼竜、魚竜、首長竜などは一切含まない独立した分類群である。この分類群、即ち恐竜類はそのもっとも際立った特徴をして「直立歩行に適した骨格をもった爬虫類」と呼ぶことができ、ほぼすべて地上棲である。

分岐学的定義[編集]

分岐学の観点から、「現生鳥類とトリケラトプス(Triceratops)を含むグループの最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」が定義として頻繁に用いられる。 [11] [4] この意味は実際に系統樹を見ると分かりやすい。

Nesbitt (2011)に基づく主竜類の系統樹の例:

主竜類 

ワニ類


鳥頸類 

翼竜類(プテラノドンなど)


 恐竜様類(Dinosauromorpha

ラゲルペティダエ(Lagerpetidae)


 恐竜形類(Dinosauriformes

マラスクス(Marasuchus)




シレサウルス類Silesauridae


 恐竜 

鳥盤類イグアノドントリケラトプスステゴサウルスなど)


 竜盤類 

獣脚類メガロサウルスティラノサウルス、鳥など)



竜脚形類ブラキオサウルスサルタサウルスなど)









現生のイエスズメPasser domesticus)。獣脚類の系統に含まれる。

上の系統図で、現生鳥類は竜盤類の獣脚類に含まれ、トリケラトプスは鳥盤類の一属である。要するに、前述の定義の意図するところは概して「竜盤類鳥盤類、それぞれの動物の共通祖先から分岐したすべてのもの」[5]であり、「現生鳥類」「トリケラトプス」は、それぞれ竜盤類、鳥盤類における代表例として任意に挙げられたにすぎない。 [12] よって同様のグループを、例えば"恐竜(dinosauria)"の命名のきっかけとなった2属を挙げ、「メガロサウルス(Megarosaurus)とイグアノドン(Iguanodon)を含むグループの、最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」 [13]と表すこともできる。 また、より厳密に3つの系統を用いて「トリケラトプス(Triceratops horridus)、サルタサウルス(Saltasaurus loricatus)、イエスズメ(Passer domesticus)の、最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」(つまり、恐竜=鳥盤類+獣脚類+竜脚形類) [14]とする意見もある。

これらの定義では必然的に、獣脚類の一群である鳥類を恐竜(より詳細には、竜盤類の中の獣脚類、コエルロサウリアに属すマニラプトラに含まれる)に含めることになる。このため、鳥を除いた恐竜を表すために、「非鳥類型恐竜(non-avian dinosaur)」の用語が使用される。また特に、鳥を除いた獣脚類を表す語として、「非鳥類型獣脚類(non-avian theropod)」も頻繁に用いられる。

特徴的な派生形質[編集]

陸上四足動物の後ろ足の付き方(概略図)。左:トカゲやワニなど一般的な現生の爬虫類。中央:恐竜、哺乳類。右:ラウイスクス類(絶滅したワニに近縁な動物)

恐竜は単系統群と考えられており[4][5]、その系統を特徴づける派生形質は非常に多い。以下に主要なものを列挙する。[5]

(主竜類、さらに鳥頸類や恐竜形類の形質をもった上で)

  • 後前頭骨(postfrontal)を二次的に失う。
  • 上腕骨の三角筋稜(delto-pectoral crest)が発達する。
  • 腸骨恥骨坐骨で構成された骨盤に、大腿骨がはまり込む場所である寛骨臼(かんこつきゅう)が貫通している。
  • 仙椎を構成する骨が3個以上(ワニやトカゲなど、多くの爬虫類ではより少ないことが多い)。
  • 脛骨前面に距骨突起が成立する。

など。

これらのいくつかは、特に二足歩行に適応した結果として生じた形質と考えられ、恐竜が、一般的に想像されるトカゲのような"爬虫類"とは異なる運動機能を持っていたことを示している。

進化史[編集]

恐竜の登場と初期進化[編集]

恐竜は、祖先的な双弓類から進化した群で、直接的祖先は初期主竜類(かつては槽歯目としてまとめられていた)中の一群、鳥頸類の一群とされる[15]。このグループには恐竜の他には翼竜などが含まれている。このグループは、初期段階から二足歩行へと移行しつつある形態を持っており、最初期の恐竜は既に二足歩行を獲得していた。

絶滅[編集]

非鳥類型恐竜は白亜紀末期に絶滅した。恐竜はよく関心を持たれる動物群であり、ことさらその絶滅の原因に関する仮説は多い。しかし、ある系統の「絶滅」とは、生物の進化において普遍的なプロセスであり、中生代を通じていくつもの恐竜の系統が絶滅してきたことにも留意する必要がある[16]

K-Pg境界(以前はK-T境界と呼ばれた)の大量絶滅は、恐竜のみならず数多くの動植物を巻きこんだという意味で大規模な絶滅であり、事実、K-Pg境界における恐竜の絶滅に関する科学的な研究は長い間なされてこなかった。[5]

絶滅の主要因に関する仮説には以下などのものがある。

  • 短時間で滅んだとする激変説(隕石衝突説・すい星遭遇説など)
  • 長時間かかったとする漸減説(温度低下説・海退説・火山活動説など)

そのうち、確定的とされているのは巨大隕石の衝突である。1980年、地質学者のウォルター・アルバレスとその父で物理学者のルイス・アルバレスは、世界的に分布が見られる中生界白亜系と新生界古第三系を境する粘土層(通称K-T境界層)に含まれるイリジウムの濃度が他の地層の数十倍であり、かつ、イリジウムは地殻にはほとんど存在しないことから、これが隕石の衝突によってもたらされたものであると考え、大量絶滅の原因を隕石の衝突に求めた[17]。その後、1991年メキシコユカタン半島に、直径180キロの巨大クレーター(チチュルブ・クレーター)が再発見され、このクレーターを形成した隕石の衝突が恐竜絶滅の原因だとする説が提唱された[18]この説では、地球規模の大火災で生態系が破壊され、衝突後に生じた塵埃が大気中に舞い、日光を遮断することで起きた急速な寒冷化が絶滅の原因であると主張された(ただし異論を唱える学者もいる[19])。

しかし一方で、衝突で大気中に浮遊した微小粉塵量を過大評価しているとし、寒冷化よりもむしろ衝突で大気中に浮遊した粉塵・衝突による巨大な森林火災の煤煙などが地表への太陽光をさえぎった結果、地上や海中の生態系が破壊され、食物連鎖の底辺の光合成を行う生物の様相が大きく変わり、隕石衝突の直接の影響を生き抜いた恐竜たちも餌の不足により絶滅したとする説明が提示されている。

隕石説と反対に、イリジウムの起源を地球内部に求め、当時活動していたデカントラップなどの火山活動が大量絶滅の原因であるとする「火山説」も複数の研究者により唱えられたが、2010年、Peter Schulte他40名の研究者により、チチュルブ・クレーターを形成した衝突が大量絶滅を引き起こしたと結論づけられた[20]

また、過去には伝染病説、裸子植物から被子植物への植物相の変化(草食恐竜の食物が無くなった)、原始的な哺乳類による恐竜の卵乱獲説など諸説もあったが、現在ではかえりみられない。これら諸説は、恐竜のみの絶滅の原因を考察したものであり、白亜紀末期の恐竜を含めた数多くの動植物の絶滅の原因の説明になっていないからである。

当初の衝突による「衝突の冬」(寒冷化)が原因では、なぜ同時期に存在した両生類爬虫類などが絶滅を免れたかという疑問が残ったが、現在でも二酸化炭素による濃度上昇に伴う気温上昇、塵による太陽光の遮断、硫酸エアロゾルによる太陽光遮断と酸性雨などについては確証がなくよくわからないのが現状であるとする意見も強い。

一方で、鳥類が恐竜から進化した事実から、「恐竜は絶滅を逃れた」「絶滅を逃れて進化した恐竜が鳥類である」という観点も存在する。そのような観点からは、むしろ「何故恐竜(鳥類)は、白亜紀末の大絶滅を免れ、生き延びたのか?」という疑問が成立すると言える。

生物学的特徴[編集]

ギラファティタンとヒトとの大きさ比較

現代に生きる鳥の系統を除いても、恐竜は長期間にわたって陸上で繁栄した一群であり、その形態は多様であった。

エオラプトルとヒトとの大きさ比較

その身体のサイズも、ニワトリほど大きさのものから、陸上においては最大級のものまで様々であった。最大のものは竜脚類で、その中でも判明している範囲ではスーパーサウルスが最も大きい。これら竜脚類は、クジラ類を除けば地球の歴史上最も大きな動物である[21]。さらに、アンフィコエリアスはクジラより大きかったとされる。ただし、こちらは実在が疑問視されている。[要出典]

体重についてはブラキオサウルス科のギラファティタンなどが80トン以上だったとする説もある。ただし、この数値はやや過大であるという見方も存在する[22]

恐竜の祖先である初期主竜類は肉食性であり、エオラプトルコエロフィシスなど最初期の恐竜も肉食の捕食者であった[23]。しかし、原竜脚下目など比較的初期段階から草食へと移行しつつあるグループも出現している[24]

姿勢・歩行[編集]

恐竜はそれ以外の多くの爬虫類とは異なり、胴体の直下に四肢を持つ。この特徴は、側方型の四肢に比べて体重を支えるのに都合がよく、大型化したグループが出現する素地となったとする考えがある。また、歩行の際に身体を捻る必要がないため、軽快な移動を可能にしている。

この特徴はやや遅れて哺乳類も獲得しているが、異なる点としては、恐竜は二足歩行の種が多い点である。これは、二足歩行が初期主竜類から受け継いだ、祖先的な形態だからである。初期主竜類の中でもユーパルケリアなどは身体の作りが軽快であり、常時二足歩行を可能としていた。竜脚類や鳥盤類の一部の様な四足歩行の恐竜は、体重の増加等の理由で二次的に四足歩行に復帰したものである。この為か、四足歩行の恐竜でも体重の大半は後足が支える形となっている。[要出典]

恐竜の二足歩行はヒトとは異なり、後足を中心に長い尾によって上半身と下半身のバランスをシーソーのようにとっていたと考えられている。恐竜の巨大な尾はバランスを取るための必然であり、ティラノサウルスおよび近縁の属に見られる縮小した前肢は、巨大化した頭部と釣り合いを取るためだとされる。[要出典]

かつてのように、尾を引きずりながら歩く復元では巨大な尾は邪魔者にしかならないため、現在では間違いとされる。

一方、胴体の横から足が生えている側方型の爬虫類、例えばトカゲは胴体をくねらせて歩行する、いわば爬行を行っている。この方法では四肢を側方に突き出した姿勢で身体を持ち上げているため、エネルギー効率が悪い。また肺を圧迫するために呼吸が阻害され、長時間の走行を困難にしている[25]

カメは四肢が側方に生えておりながらも胴体が甲羅に覆われて可動性を持たないため、爬行を行えない。そのため四肢により胴体を持ち上げて歩行を行っているが、歩行能力は一般に優れているとは言えず、歩行速度の遅い動物の代表格扱いされている。またワニは、トカゲに比べて胴体の可動性がやや乏しいために[26]、胴体をくねらさない。また、短距離ではあるとはいえ、ギャロップで走行することが可能なものも存在する[27]。ただし、ワニは恐竜に近縁なグループであり、祖先は胴体直下に直立した四肢を持っていた。そのため、かれらの四肢を突き出した姿勢は半水生の生態に適応した二次的なものである。またカメもワニなどに近縁な主竜形類であるため、祖先は胴体直下に四肢を持っていたが、甲羅の発達にともない二次的に四肢が側方へと突き出す形となったとする仮説もある[28]

恐竜の二足歩行形態は、現在では子孫の鳥類へと受け継がれている。しかし、祖先と異なる点としては、尾が短縮したことで重心が前方へと移ったため、大腿骨がほぼ身体に対して水平に保持されていることである[29]。そのため、歩行は膝関節を中心としたものとなっている[30]

恐竜の色[編集]

恐竜がどのような色をしていたのかは明らかではない。 図鑑などに載っている恐竜の色は現世動物をもとに推測したものであり、以前は爬虫類と同様の茶色やくすんだ緑色など地味なものが多かった。 その後、鳥類との関係が認知され、羽毛をもつ恐竜が発見されるに従い、カラフルな恐竜の復元画も登場してきている。

2008年、ヤコブ・バンターらは恐竜の羽の化石中に含まれるメラニン色素を解析することにより、オリジナルの色がどのようなものであったか判別することに成功した[31]。 今後、羽に覆われた保存状態のよい皮膚組織の化石が発見されれば、恐竜がどのような色をしていたのか解明することが可能と主張している。

羽毛[編集]

そして1990年代以降、中国の白亜紀の地層で羽毛をもった、現在の鳥類と羽毛のない恐竜の間を埋める、羽毛のある恐竜の化石が相次いで発見され、系統関係が明らかになってきた。羽毛をもった恐竜には、シノサウロプテリクスプロターケオプテリクスカウディプテリクスミクロラプトルディロングなどがある。[要出典]

羽毛をもった恐竜のグループの存在から、空を飛ぶ鳥類と恐竜の進化の関係が明確になった。このように現在では、「鳥類の先祖は恐竜の獣脚類の一種である」という説がほぼ定説となった。

気嚢式呼吸[編集]

非鳥類型獣脚類(マジュンガサウルス)と現生鳥類の気嚢

古生代ペルム紀末(P-T境界)の大量絶滅により、陸上で多様化や大型化を遂げていた単弓類の一群など、数多くのグループが絶滅した。こうして空白地帯となった陸上の生態系に、様々なグループが競って進出し、ニッチを埋めていったと思われる。その中の一つが恐竜の祖先であった。他の競合者となったのが、鳥頸類の姉妹群でワニの祖先を含むクルロタルシ類及び、前時代からの残存勢力で哺乳類の祖先を含む単弓類であった。出現当初の恐竜は比較的小型であり、ほぼ同時期に現れた哺乳類共々、陸上の脊椎動物相においてそれほどの割合を占めていなかったとされる。しかし、三畳紀末期には、恐竜の多様性が増大する。この理由のひとつとして呼吸器系の進化が提唱されている。すなわち進行する乾燥と低酸素化の環境の中、哺乳類は横隔膜を使った肺呼吸をより発達させて効率的な酸素交換を実現し、一方の恐竜は、それより更に高効率の呼吸システムを獲得していく。それが、鳥類にも見られる気嚢である。この気嚢を獲得した事で、恐竜は高い運動能力を獲得する事になる。また、この気嚢が骨の中に入り込む事で中空の含気骨となり、骨格自体の軽量化にも貢献することとなった。

恒温性[編集]

初めて恐竜が見つかった時には、爬虫類であるとして変温動物と考えられていた。それに異を唱え、「恐竜は恒温動物である」とした研究者にはジョン・オストロムや彼の弟子のロバート・T・バッカーなどがいる。彼らを含む研究者の一部は、恐竜を含む主竜類、特に小型の獣脚類は温血動物であったと主張している。[要出典]

しかしながら脳の発達の程度、骨に年輪が見られることなどから恒温性を否定する説も存在した。しかし、骨の年輪は草食哺乳類にも存在する事が判明しており、この点からも恒温性を否定する根拠とはなり得ない[32][33]

またエドウィン・ハリス・コルバートらがアメリカアリゲーター総排泄口に温度計を差し込み、体温を計測する実験を行った結果、大型の個体程体温の変化が緩やかであるという結論が得られた[34]。故に、「大型の竜脚類などでは容積が大きいので結果的に体温を体内に保つことが出来る「慣性恒温性」で体温を保っていた」とする主張もあり、研究が続けられている。

生態・社会性[編集]

マイアサウラの巣に入った幼体と親。"子育てをしたと思われる恐竜"として有名。

恐竜は絶滅しており、行動を直接見ることは出来ないため、その生態は謎に満ちている。数少ない物証としては、ヴェロキラプトルプロトケラトプスが戦っている状態で見つかった化石や、鳥類のように丸まって眠っている姿勢で発見されたメイ・ロンの化石、同種の歯型が多数残り共食いをしていたことが推定されるマジュンガサウルスの化石がある。[要出典]

恐竜の行動の多くは足跡や巣の状態から類推することができ、化石のみで情報が乏しいながらも、骨格から推測される筋肉、足跡の計測などから、おおよその歩行速度を求める試みも一部ではある。[要出典]

また、子供を育てる、群れを作って共同で生活をするなど、現在見られる哺乳類動物と類似する社会性をもった恐竜もいたと考えられている。社会性をもつと、捕食動物にもよるが、捕食者が近づいて来た場合の警告がしやすい。しかし、これらはまだ研究者の間で議論中の論点であり、異論も少なくない。

研究史[編集]

恐竜の発見[編集]

プロットによるNatural History of Oxfordshire(1677年)の表紙と、メガロサウルスと思われる大腿骨の一部。この標本はまた「Scrotum humanum ("人の陰嚢"の意味)」の名称で知られる。

学術的な記録としては1677年イギリスオックスフォード大学アシュモリアン博物館にてロバート・プロットRobert Plot)による大腿骨の膝関節部分の記載が最初と思われる。これはオックスフォード州中期ジュラ紀の地層より発掘されたもので、おそらくメガロサウルスのものと推測される(詳細なスケッチを残し、標本は現存していない)が、この時代に恐竜は知られておらず、プロット自身はゾウのような大型の動物の骨と考えていた。[35][36]

バックランドによる論文"Notice on the Megalosaurus or great Fossil Lizard of Stonesfield"(1824年)で記載されたメガロサウルスの下顎

1815年頃にはウィリアム・バックランドが新たな化石を入手している。バックランドはこの化石がどのような動物に属するのか判断がつかなかったようだが、1818年にはジョルジュ・キュヴィエがオックスフォードを訪れ、この化石が大型の爬虫類のものであることを指摘している。これに基づきバックランドは1824年にはTransactions of the Geological Society誌上にて論文を発表し、断片的な下顎、いくつかの脊椎骨や腸骨、後肢の一部の化石を記載。Megalosaurus(メガロサウルス)と命名した。[37]

1822年にはロンドン地質協会でギデオン・マンテルが、ある"植物食性と思われる動物の歯の化石"について発表を行った。これは当初、同協会に所属していたバックランドや、既に比較解剖学の大家として知られていたキュヴィエらから、サイの歯かあるいは魚のものであるとの評価を得た。しかし後年の精査により、彼らもこれが大型の爬虫類のものであると認め、1825年、マンテルはこの歯の化石をもとにIguanodonイグアノドン)を記載した。[38]

1842年には、リチャード・オーウェンにより、メガロサウルス、イグアノドン、ヒラエオサウルスを内包するグループとして"Dinosauria"(恐竜)の名称が初めて用いられた。[7]

化石戦争[編集]

鳥との関係[編集]

始祖鳥(アルカエオプテリクス)の有名な"ベルリン標本"。1863年記載。

1861年ドイツゾルンホーフェンにおける後期ジュラ紀の地層より発掘された化石に基づき、Archaeopteryx始祖鳥)が初めて報告された。[39]始祖鳥は、それまで鳥に特有とされていた羽毛を持ちながら、発達した歯や手指、長い尾を持つなど、爬虫類のような特徴を多く保持していた。1868年には、トマス・ハクスリーがこの化石に基づき、鳥の祖先が恐竜であったと述べている。[40]しかし論争は続き、20世紀にはゲルハルト・ハイルマンGerhard Heilmann)により、鳥はより恐竜ではなく、より祖先的な主竜類より分岐したと述べられた。[41]この説は一時、よく受け入れられたが、1969年ジョン・オストロムらがデイノニクスを記載し(次項で詳述)、ふたたび鳥の祖先として恐竜が挙げられるようになった。[42]その後もジャック・ゴーティエによる分岐学的手法の発達[43][44]や、新たな祖先的鳥類やマニラプトラ類をはじめとする化石の発見が相次ぎ、現在では(本記事で幾度も述べられた通り)恐竜と鳥との関係はほとんど疑いのないものとなっている。

恐竜ルネッサンス[編集]

1969年に記載された小型の獣脚類であるDeinonychus(デイノニクス)に基づく一連の研究は、それまでの「大型でのろまな変温動物」という恐竜のイメージを、恒温性で活動的な動物へと大きく覆した。1970年代に続いたオストロムやその学生であるロバート・バッカーらの主導による一連のパラダイムシフトdinosaur renaissance恐竜ルネッサンス)と呼ばれた。これ以降、恐竜の行動や生態、進化や系統に関する多種多様な研究が増えていった。

2000年代以降の主な報告[編集]

指の謎[編集]

恐竜と鳥との関係は確実視されてはいたが、両者の間では前肢の指に齟齬があった。恐竜では鳥の系統に近づくにつれ、五本指のうち第5,4指が退縮する(つまり第1,2,3指が残る)傾向があるのに対し、現在の鳥の指は位置関係上、第2,3,4指であることが発生学的に観察されるからである。[45]この問題についてギュンター・ワグナーGünter Wagner)らは、非鳥類型恐竜から鳥への進化上の段階で、前肢の指の位置関係のシフトが起こったと説明した。[46][47]また田村らはニワトリの胚を用い、発生の過程で指の原基となる細胞が、位置関係のシフトを起こすことを示した。[48] これに対して2009年には第1指、第5指の退化的な(つまり2,3,4指の発達した)リムサウルスLimusaurus)が報告される.[49]など、いまだ指には謎がある。

軟組織の発見[編集]

2000年2003年アメリカモンタナ州の約6800万年前の地層で見つかった恐竜化石から、ティラノサウルス・レックスの化石化していない軟組織が発見された。ただし2009年頃には、それが現代のバクテリアの粘液に由来するものではないかという疑惑が浮上している。[要出典]

他にもカモノハシ竜のミイラ化石とされる「ダコタ」など、軟組織が含まれているのではないかと考えられる化石は存在する。

別種か、それとも?[編集]

トリケラトプストロサウルス[50][51]パキケファロサウルススティギモロクドラコレックスのように、これまで別属と考えられていた恐竜が、成長段階や雌雄の差なのではないかとする研究がある。いずれも反論があり、共通見解は得られていない。

復元[編集]

恐竜の習性は化石では直接確認できないことが多いが、足あとの化石や生息地が習性を予想する手がかりになる。マイアサウラのように子育てを継続的に行っていた証拠が確認された例などもあるが、恐竜の行動にはなお不明な点が多く、現在恐竜展などで展示されている恐竜の姿や行動は、鳥類の習性からの予想や似た生態的地位にある現生大型動物からの類推による部分も大きい。

かつて恐竜は、ワニのような皮膚をもっていたと考えられており、実際に鱗が保存された化石も発見されている。その後鳥類との類縁関係が注目されるようになり、一部の種においては羽毛をもった化石も発見されたところから、中にはある種の鳥類のような色鮮やかな羽毛をもつものがいた可能性も考えられている。ただし、図鑑等で見られる恐竜の皮膚や羽毛の色模様等は全て現生爬虫類または鳥類から想像されたもので、実際の皮膚がどんな色だったかは、ほとんど不明である。皮膚自体が残った、ミイラ状態の化石は発掘されているが、質感はともかく色や模様は化石として残らないからである。

下位分類[編集]

恐竜の定義としては、寛骨(いわゆる骨盤)に大腿骨がはまり込む場所である寛骨臼(かんこつきゅう)が貫通している事、仙椎を構成する骨が3個以上である、などである。下位の分類としては、骨盤の形状により、竜盤類 Saurischiaと鳥盤類 Ornithischiaに大別される[52]。竜盤類は恥骨が前方へと伸びる、トカゲなど他の爬虫類に似た骨盤を持っていた。対して鳥盤類は鳥類に似た、恥骨が腸骨にそってが後方へと伸びた形状であった。

恐竜の分類はジャック・ゴーティエ1986年分岐分析法により作成した系統樹により大きく変貌している。鳥類が恐竜(獣脚類)から分岐したこともこの時に示されている。

分類学的には竜盤類鳥盤類を恐竜とする。翼竜魚竜首長竜など恐竜と同時代にはさまざまな大型爬虫類が出現したが、現在では分類上、これらを恐竜には含めない。この3グループの系統上の位置は爬虫類を参照。現生の動物では鳥類が最も近い生物であり、ワニ類がそれに次ぐ。カメ類はこれより遠く、ヘビトカゲ類(有鱗目)とはさらに遠い系統関係になる。

なお、新種の恐竜の化石が発見される、同種だと思われていた恐竜が別種だった、逆に別種だと思われていたが同種だった、骨格から体の特徴が改められるなどの新発見が相次いでおり、毎年のように最も有力な学説は変化している。即ち恐竜研究は現在も速い速度で進展しつづけているのであり、現在最も有力な知見が将来も有力であり続ける保証は存在しない。たとえばブロントサウルスは、1980年代頃までは必ず恐竜図鑑に登場する、代表的な恐竜とされていたが、これは学名のBrontosaurusをカタカナ表記したものであり、現在はApatosaurusと学名が変更され、アパトサウルスとカタカナ表記される。

上位分類[編集]

[53][54]

竜盤類 Saurischia[編集]

[要出典]

獣脚亜目 Theropoda

竜脚形亜目 Sauropodomorpha

鳥盤類 Ornithischia[編集]

ファブロサウルス科 Fabrosauridae - ファブロサウルスレソトサウルステクノサウルス

ゲナサウリス類 Genasauria - エキノドン

日本で発掘された主な恐竜の化石[編集]

  1. 樺太庁川上村ニッポノサウルス・サハリネンシス(ハドロサウルス類)
  2. 北海道中川町…テリズィノサウルス類
  3. 北海道小平町…ハドロサウルス類
  4. 北海道夕張市…ノドサウルス類
  5. 岩手県岩泉町…竜脚類(通称モシリュウ
  6. 福島県南相馬市…足跡(ジュラ紀)
  7. 福島県広野町…鳥脚類(通称ヒロノリュウ)、ティラノサウルス類(通称フタバリュウ
  8. 福島県いわき市…竜脚類(通称ヒサノハマリュウ)、鳥脚類
  9. 群馬県神流町(旧中里村)…スピノサウルス類、オルニトムス類(通称サンチュウリュウ)、獣脚類、足跡
  10. 長野県小谷村…足跡(ジュラ紀)
  11. 富山県富山市(旧:大山町)…イグアノドン類の歯、獣脚類、足跡
  12. 岐阜県白川町…竜脚類、足跡
  13. 岐阜県高山市(旧:荘川村)…イグアノドン類、鳥脚類、獣脚類
  14. 石川県白山市(旧:白峰村)…竜脚類(通称ハクサンリュウ)、獣脚類(通称オピラプトロサウルス類)、イグアノドン類(通称シマリュウ)、アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム(角脚類)、足跡
  15. 福井県勝山市フクイサウルス・テトリエンシス(イグアノドン類)、フクイラプトル・キタダニエンシス(カルノサウルス類)、獣脚類、フクイティタン・ニッポネンシス(竜脚類)、鳥脚類、足跡
  16. 福井県大野市(旧:和泉村)…獣脚類の歯、足跡
  17. 三重県鳥羽市…ティタノサウルス類(通称トバリュウ)、足跡
  18. 兵庫県丹波市…竜脚類(通称丹波竜
  19. 兵庫県洲本市…ランベオサウルス類
  20. 徳島県勝浦町…イグアノドン類の歯
  21. 山口県下関市吉母…足跡
  22. 福岡県北九州市…獣脚類
  23. 福岡県宮若市(旧:宮田町)…獣脚類(ワキノサウルス・サトウイ
  24. 長崎県長崎市…獣脚類[55]
  25. 熊本県御船町…ティラノサウルス類、オルニトミムス類、テリジノサウルス類、ドロマエオサウルス類、アンキロサウルス類、ハドロサウルス類、足跡
  26. 熊本県天草市…獣脚類、イグアノドン類、鳥脚類、竜脚類、足跡

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 分類学上、現在のところ未整理の階級。階級未定の分類群。以下同様。
  2. ^ 顎口上綱の下位で相克関係にある。
  3. ^ 読売新聞、2011年2月5日22時8分配信。
  4. ^ a b c Weishampel DB, Dodson P, Osmólska H, (2004)『The Dinosauria second edition』University of California Press, ISBN 978-0520242098
  5. ^ a b c d e f Fastovsky DE, Weishampel DB:著, 真鍋真:訳,(2006)『恐竜学 進化と絶滅の謎』丸善, ISBN 978-4-621-07734-4
  6. ^ 生物学的な分類群としてのトカゲ類ではなく、爬虫類やトカゲのような形状の動物全般を指す。
  7. ^ a b Owen, R. (1842). "Report on British Fossil Reptiles." Part II." Report of the Eleventh Meeting of the British Association for the Advancement of Science; Held at Plymouth in July 1841.London: John Murray. pp.: 60-204
  8. ^ ASIN 0253333490, The Complete Dinosaur ISBN 978-0253333490
  9. ^ 恐竜は「恐ろしい竜」ではない
  10. ^ 悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳
  11. ^ Benton MJ: Origin and relationships of Dinosauria. In: David B. Weishampel, Peter Dodson, Halszka Osmólska (Hrsg.): The Dinosauria. Zweite Auflage. University of California Press, Berkeley 2004, S. 7-19, ISBN 0-520-24209-2.
  12. ^ もっとも、両者ともそれぞれの系統の代表格であるとともに、保存や研究の状態が良好(現生鳥類は当然だが)であるため、互いの系統関係が揺らぐ可能性が小さい。この点で定義づけを行うには有効な選択と言える。既知の化石試料が断片的だったり、系統関係に不明な点が多い場合、定義自体が破綻してしまう。
  13. ^ Olshevsky, G. (2000). "An annotated checklist of dinosaur species by continent". Mesozoic Meanderings 3: 1–157.
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]