ブルーサンダー (映画)

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ブルーサンダー
Blue Thunder
監督 ジョン・バダム
脚本 ダン・オバノン
ドン・ジャコビー
ディーン・リーズナー(表記なし)
製作 ゴードン・キャロル
製作総指揮 フィル・フェルドマン
アンドリュー・フォーゲルスン
出演者 ロイ・シャイダー
マルコム・マクダウェル
ウォーレン・オーツ
音楽 アーサー・B・ルービンスタイン
撮影 ジョン・A・アロンゾ
編集 エドワード・M・エイブロムズ
フランク・モリス
配給 コロンビア映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1983年3月13日
日本の旗 1983年10月1日
上映時間 109分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 約4230万ドル[1] アメリカ合衆国の旗 カナダの旗
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ブルーサンダー』(Blue Thunder)は、1983年に製作されたアメリカ映画。監督は『サタデー・ナイト・フィーバー』などで知られるジョン・バダム。タイトルは、登場するヘリコプターの名前から。

映画版[編集]

ストーリー[編集]

来るロサンゼルスオリンピックに向けてのテロ対策と警備強化を名目に、カリフォルニア州当局は陸軍と合同で秘密裏に攻撃ヘリコプター「ザ・スペシャル」ことブルーサンダーを開発し、ロサンゼルス市警察に配備した。

州当局の意向で運用試験のパイロットに選ばれたベトナム帰りの警察航空隊員フランク・マーフィーは、コンビを組む航空観測員・ライマングッドを伴ったブルーサンダーのテスト飛行中に、連邦地方庁舎の一室で行なわれていた州政府関係者の密議を盗聴、録画してしまう。それは、ブルーサンダーの能力をアピールするためのヒスパニック地区での暴動煽動、また反対派を暗殺する「ソア(THOR= Tactical Helicopter Offensive Response 戦術ヘリ攻撃対応)計画:騒乱鎮圧への軍用ヘリ活用」に関するものだった。しかも、ベトナム時代の上官でブルーサンダーの開発にも携わる陸軍大佐・コクランが陰謀に一枚噛んでおり、直前に起きていた市議会委員長殺害事件に絡む謎の言葉“THOR”はこの陰謀の事だった。

コクランらは証拠隠滅のためにライマングッドを殺害、マーフィーにその容疑がかけられる。マーフィーはブルーサンダーを強奪して逃走すると、別居中の妻ケイトにライマングッドが死の直前に隠した密議の録画ビデオをテレビ局の報道キャスター・ヒューイットに渡すよう託し、自らはロサンゼルス上空で権力と、そしてコクランの乗る軍用ヘリとの孤独な闘いを繰り広げる。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 フジテレビ版 テレビ朝日版
“フランク”フランシス・マクネイル・マーフィ ロイ・シャイダー 原康義 羽佐間道夫
“ケイト”キャサリン・マーフィー キャンディ・クラーク 湯屋敦子 土井美加 鵜飼るみ子
F・E・コクラン大佐 マルコム・マクダウェル 飯島肇 小川真司 堀勝之祐
ジャック・ブラドック警部 ウォーレン・オーツ 斎藤志郎 小林清志 坂口芳貞
リチャード・ライマングッド巡査 ダニエル・スターン 岸本周也 堀内賢雄 大塚芳忠
アイスラン ポール・ローブリング 宮田光 池田勝
フレッチャー デヴィッド・シェイナー 秋元羊介 大木民夫 嶋俊介
モンタナ ジョー・サントス 安田隆
ロサンゼルス市長 ジェイソン・バーナード 村松康雄
アルフ・ヒューイット ジェームズ・マータフ 仲木隆司
その他  銀河万丈
麦人
翻訳:宇津木道子、演出:水本完、制作:ザック・プロモーション

※コクラン大佐は吹き替え版では「コクレーン」と発音する場合もある。

機体としてのブルーサンダー[編集]

設定[編集]

サーチライト拡声器のほか、赤外線暗視装置や、室内の人物をカーテン越しに撮影可能なサーモグラフカメラ、高感度マイクロフォン、飛行時のローター音を消せる。

カメラとマイクで捉えた内容は、機体後部に搭載されたUマチックビデオデッキで記録できる。ビデオカセットは特殊なジャケットに収納されており、司令部からコマンドを送信することで内容の遠隔消去が可能である。

武装は、機首下部の6銃身ガトリング砲1門(ストーリー中では「エレクトリック・キャノン」と表現されている)。照準はAH-64 アパッチに搭載されているような、パイロットの視線に連動して砲塔が追尾するディレクターサイト方式となっている。機体は防弾仕様。チャフフレアなどは搭載されていない。

操縦席には4台の小型モニタと、政府機関のコンピュータとリンクしている情報端末などを搭載。このコンソールのため、オペレータの座席は斜め前向きに設置されており、操縦席は広く見えるが実際は2人乗りである。

これらの機能は荒唐無稽なものではなく、1990年代に実現されているであろうレベルを意識しており、そのほとんどは現在までに軍用ヘリなどで実用化されている。最後まで実現されていなかった、ローター音の消音はユーロコプターから「ブルーエッジ」という騒音低減技術が発表されたため[2]、現在ではほぼ同性能の機体が製造可能となっている。

母体[編集]

ディズニー・ハリウッド・スタジオにある実機

母体となった機体はアエロスパシアル(現・ユーロコプター)製SA341である。風防部分はベース機を直接採寸の上で美術スタッフの手で設計された。監督であるバダムが戦闘ヘリらしい印象を求めたのに加え、美術スタッフが撮影時の光の反射を考慮した事で直線的なデザインが採用され、ダイヤモンドカットの様な多面形の風防となっている。[3]

2機が製作され、実際に飛行可能だったが、前部が重く、操縦は難しかったという。1機は現在フロリダ州ディズニー・ハリウッド・スタジオに、前半分のみ、機首ガトリング砲が取り除かれた状態で保存されている。

模型[編集]

備考[編集]

  • ロス上空でのヘリ・チェイスの撮影は、実際のロスで行われた。警察立会いの下で毎週日曜日を使用し、約2か月間かけて(8日間にわたって)撮影された。
  • F-16戦闘機はハセガワの市販プラモデルをベースにしたミニチュアで撮影された。
  • ブルーサンダーが高層ビルの反射光を利用してミサイルを避けるシーンは、ミニチュアのビル(と言っても高さ20m以上)とラジコンヘリを使って撮影された。見事撮影に成功したことに気を取られていたスタッフ達がふと気付くと、ラジコンヘリはコントロールを失ったまま行方不明になっていた。大慌てで探したところ、付近の駐車場で高級車のすぐ手前に墜落しているのが見つかり、スタッフ陣は肝を冷やしたという(DVDアルティメット版の特典ディスクより)。
  • 実機とラジコンではメインローターのブレード数が異なり、それぞれ3枚と2枚である。
  • ブルーサンダーがリトル東京のレストランの煙突を利用してミサイルを避けるシーンで、爆発後に空から降り注ぐチキンには、本物のチキンが使用された。DVD収録のスタッフ・コメンタリーによると、本物のチキンは一つ2ドル50セントで用意できるが、ゴム製のダミーを用意すると一つにつき20ドル必要だったとの事である。
  • 物語の前半、自宅でヨガをする女性を警察ヘリから覗き見するシーンがあるが、この女性は劇場版オリジナル映像では全裸である。しかしテレビ放映向けに、レオタード着用ヴァージョンの映像が別に撮影された。DVD収録の映像は前者で、また2007年のテレビ放映時(深夜、字幕スーパー放映)の際にも前者の映像が使用された。DVDアルティメット版の特典ディスクには、この辺の説明も収録されている。
  • ラストの劇中のテレビニュース内で、一連の顛末を伝えた後の次のニュースとして、東北新幹線(「日本の弾丸列車(japanese bullet train)」=新幹線の事を外国では弾丸列車(bullet train)とも呼ぶ)が取り上げられている(DVDの吹替音声ではリニアモーターカーになっている)。
  • ブラドック警部の名前はブルドッグをもじって付けられた。同警部を演じたウォーレン・オーツは本作の公開を待たずに亡くなり、遺作となった本作にはオーツへの献辞テロップが加えられてから劇場公開された。
  • 警察官達が身に着けている警察バッジは、「シリーズ5」と呼ばれる一つ前の世代の形式であり(現行制式は「6」)、制作された当時が窺える。
  • この機体はテレビシリーズの後、「冒険野郎マクガイバー」でも使用された。

テレビドラマ版[編集]

1984年にテレビシリーズ化された。

内容[編集]

映画版とストーリーの繋がりはない。テレビ版では出演者名が若干変更され、ブルーサンダーも、連邦法執行機関(APEXと称している)のロス市警内出張所に所属、さまざまな事件を解決すべく出動する設定になっている。

ブルーサンダーに燃料や武器弾薬の補給等を行える車両・ローリングサンダーを運用する地上のサポート班がおり、ブルーサンダーと緊密に連絡をとって犯人を逮捕する。

アクション面[編集]

敵は麻薬密売組織などの犯罪組織か単独の刑法犯がほとんどである。警察なので犯人に武器を捨てるように警告をする。犯人がそれに応じない時は犯人を傷つけないよう威嚇射撃をする。たいていの犯人はこれで投降するが、たまにそれにも応じない者もいるが精密な射撃で武器を破壊され逮捕される。 支援車両ローリングサンダーの荷台に搭載されているピックアップトラックには天井部分にM60機関銃が搭載されていておおよそ警察組織とは思えない強力な武装を施している。

映画同様アクションドラマということだがリアリティーを追求し、派手なアクションシーンは少ない。毎回見所はブルーサンダーが飛び回るシーンであるが、映画から転用されたものが多い。尚テレビ版においては最新鋭戦闘ヘリ対レシプロ戦闘機と言う現実ではあまり見かけない緊迫シーンも撮影されているために、日本のバラエティ番組の再現VTRシーンで一部のみ抜き出して使用される事も見受けられた。

評価[編集]

視聴率低迷のため、第1シーズンで打ち切りになっている。日本でも放送後にビデオソフト化されたが、DVD化はされていない(ただしDVD「ブルーサンダー アルティメット・コレクション」の特典ディスクに第1話と第2話がテレビ放送版の日本語吹替え音声も含めて収録されている)。

キャスト[編集]

  • フランク・チェイニー:ジェームズ・ファレンティノ(声:小川真司
  • クリントン・ワンダーラブ:ダナ・カービィ(声:水島裕
  • ブラドック警部:サンディ・マクピーク(声:宮内幸平
  • スキー・ポトフスキー:ディック・バッカス(声:石田太郎
  • ババ・ケルシー:ババ・スミス(声:筈見純

脚注[編集]

  1. ^ Blue Thunder (1983)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月19日閲覧。
  2. ^ ヘリコプターの難敵「騒音」にチャレンジする新型ローターブレード
  3. ^ DVDアルティメット・エディションの特典ディスク収録のメイキングより。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]