グリセリン

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グリセリン
グリセリン
IUPAC名 1,2,3-プロパントリオール、1,2,3-トリヒドロキシプロパン
別名 グリセロール、グリシルアルコール、グリセリトール
分子式 C3H8O3
分子量 92.09 g/mol
CAS登録番号 [56-81-5]
形状 無色透明の糖蜜状液体
密度 1.26201 g/cm3, 液体、25 ℃[1]
融点 17.8 °C [1]
沸点 290 °C [1]
SMILES OCC(O)CO

グリセリン (glycerine, glycerin) は、示性式 C3H5(OH)3 で表される3価のアルコール。IUPAC名は、1,2,3-プロパントリオール、別名、グリセロールなど。

1779年スウェーデンカール・ヴィルヘルム・シェーレオリーブ油加水分解物の中から発見し、甘味を持つことからギリシャ語のγλυκυς(glykys、甘い)にちなんで名づけられた。

石鹸の廃液を精製するか、プロピレンから合成して作られる。引火点177℃・発火点370℃の可燃性であることから、取り扱いや保管には注意する必要がある。なお、消防法により危険物第4類(引火性液体)の第3石油類に指定されている。

無色透明の糖蜜液体アルコールに可溶、エーテルに難溶。に非常に溶けやすい(=吸湿性が強い)。その保水性を生かして、化粧品、水彩絵具によく使われる。毒性がほとんど無いことから、医療分野では利尿薬、脳圧降下薬、浣腸液、目薬など様々に用いられる。エチレングリコール同様に不凍液としても使用されている。また、ニトログリセリンの原料としても重要である。

3つのヒドロキシル基すべてを脂肪酸エステル化したものは中性脂肪と呼ばれる。

目次

[編集] 反応

硫酸水素カリウムなどを作用させながら熱すると、脱水が起こりアクロレインに変わる[2]

[編集] 結晶化に纏わる伝説

ライアル・ワトソン「生命潮流」に書かれた"間違った逸話"が、様々な引用を経て、シンクロニシティの代表的伝説となっている。

間違った逸話は以下のとおり。

  • 世界中の科学者がどのようにしてもグリセリンは結晶化しなかった。
  • 1920年代のある日、イギリス貨物船のある樽のグリセリンが一樽、偶然に結晶化した。
  • 世界中の研究所から、種結晶を求める申し出が殺到した
  • 熱力学に詳しいある二人の科学者が、入手した種結晶を使って結晶化に成功すると、実験室の全グリセリンが密閉容器内のものを含めて自然に結晶化した。
  • この日を境に、世界中のグリセリンが17.8℃で結晶化するようになった。

しかし「生命潮流」が参考文献とした、カリフォルニア大のギブソンとジオークが書いた論文(1923年)には、グリセリン結晶を作る際のコツが記述されているのみである。

  • グリセリンは世界中の科学者がどのようにしても結晶化しなかった。
  • ギブソンとジオークも、イギリスの偶然結晶化したグリセリンを入手した。
  • グリセリン結晶が到着した後であったが、ギブソンとジオークは温度管理をすることで種結晶なしでも結晶を作ることができるということを発見した。
  • グリセリンを-193℃に冷却後、一日以上の時間をかけてゆっくりと温度を上げ、17.8℃にすることで結晶化する。

無論、現代のグリセリンも種結晶なしで、単純に17.8℃にするだけでは結晶化しない。なお、ニトログリセリンと混同している場合もある。

[編集] 脚注

  1. ^ a b c Merck Index 14th ed., 4484.
  2. ^ Adkins, H.; Hartung, W. H. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p.15 (1941); Vol. 6, p.1 (1926). オンライン版

[編集] 関連項目