アーミーナイフ
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アーミーナイフ(Army Knife )とは、軍隊が制式採用している、戦闘以外の日用的な用途に使用するための多機能な折り畳みナイフを指す俗称である。
一般ユーザーにも短期間の野外生活等のアウトドアにおいて必要となる器具をまとめたコンパクトなフォールディングナイフとして広く使用されている。キャンピングナイフ、十徳ナイフ(じっとくないふ)または、機能数に応じて○徳ナイフと呼ばれることもある。
直訳すると『陸軍ナイフ』になることからファイティングナイフ等と混同されることがあるが、ファイティングナイフは戦闘用、アーミーナイフは日用であり別物である。
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概要
19世紀末、国民皆兵制をとるスイスで、今日のビクトリノックスやウェンガーがスイス軍の装備として製造を開始したのが発祥である。今日でも圧倒的なシェア・高品質を誇る両社の製品が世界的によく知られており、「スイス・アーミーナイフ」と呼ばれている。
軍隊向けの製品では、糧食を食べるためのナイフ・缶切り・栓抜き、小銃の分解整備など装備のメンテナンスに使用するドライバーやリーマーなどの機能がついたものが一般的であり、軍隊生活において必要となる工具を可能な限りコンパクトに持ち運べるようになっている。
故障の原因となりやすく製造コストを押し上げるため、ナイフのロック機構はついてない物が多いが、近年各国軍で安全性のためロック機構を導入する動きもある。
ブレードは耐久性に優れたステンレス鋼製で高い強度を持ち、光をよく反射する[1]ため鏡面仕上げとなっている場合が多い。
これらを採用している各国軍では、緊急時には簡易的な手術器具として、または食糧や水を得るための道具を製作するための工具としての利用法が兵士の教育カリキュラムに組み込まれている。戦史関連の書籍では「人を殺す以外には何にでも使える」とする記述も見られ、アメリカ陸軍の歩兵に提供されるマニュアルブックには、このナイフの使い方[2]は勿論、手入れの仕方に関する記述も見られる。
同種ナイフの歴史は1890年代にまでさかのぼり、第一次・第二次大戦を通じて大量に製造、軍隊に納められ、実用に供されている。現在では、大抵の軍隊において標準装備として様々なメーカーの製品が採用されているが、その基本構造にはあまり大きな違いは見られない。
一般向け製品
またこれらから派生した一般ユーザー向けの多機能な折り畳みナイフもよく知られている。一般向けには、軍隊で必要な機能のみならず、釣り用の針外しや鱗落とし、やすり・鋏・虫眼鏡・鋸・ペンチ・筆記用具・方位磁針・ポケットライトなど、様々な道具が組み込まれている製品も多岐に渡って販売されている。
本来はあくまでも実用本位のものであるが、派生製品の中には数十もの機能を搭載し、時計やUSBメモリー、果ては気圧計などの電子機器まで搭載した、職人芸的ではあるが実用性には大いに疑問の残る、満艦飾的な製品も存在する。
世界市場においてはスイスのビクトリノックスによるものが有名で、この他にも米国のバックやカミラス、日本の関市にある大小のナイフメーカーでも同種の製品が数多く生産されている。これらはアウトドアや旅行の場面で実用品として用いられる他、お土産やお守り(極めて汎用性が高いことによる利便性)などとしても一定の存在感を持っている。中には数百円程度と非常に安価な製品で製造元不詳のコピー商品も見られる。
汎用性に関しては、航空機墜落・船舶沈没または漂流などで遭難した人が、これらナイフに頼った事例は数知れないとされている[3]。中には、航空機内で食べ物を喉に詰まらせた老人を救うために医師がこのナイフで気道確保の手術を行った事例すら報告されている[4]。
ただ日常的に持ち歩くことは、日本国内では違法とされる可能性が高い[5]。また警察による任意同行を求められる可能性の他、別件逮捕の口実として利用される場合もある。中でも「護身用」という使用目的は、刃物を人に向けることを予定したものであり、正当でない目的の最たるものである。また、アーミーナイフは護身用に作られたものでもない。(ナイフの項を参照されたし)
なおウェンガーは2005年にビクトリノックス傘下となった。
関連項目
外部リンク
脚注
- ^ 鏡の代用としたり光反射信号を送るために利用される
- ^ 多くは「日常的な道具」としての用法であるが、緊急時における活用法に関しても述べられている
- ^ 現在では、航空機・船舶への持ち込みは厳しく規制されている場合が多い。
- ^ 輪状甲状靭帯切開術という。高等専門教育を受けた医師だからこそできえた行為で、一般にこのような用途に用いてはならない。
- ^ アーミーナイフの刃渡りは概ね5~6cm程度もしくはそれ以下なので日本でも銃砲刀剣類所持等取締法第2条2項「刃渡り6cm以上を有するナイフなどを正当な理由なく持ち歩いてはならない」に関しては問題ないが、「携帯すべき正当な理由がない」と判断された場合軽犯罪法第一条第一項「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処する」に抵触する。また工具の付属した物では特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に抵触する可能性もある。

