スター・ウォーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


スター・ウォーズ』 (Star Wars) シリーズは、ジョージ・ルーカスが温めていた構想を元に映画化された、スペースオペラの代表作である。

目次

[編集] ストーリー

遠い昔、遥か彼方の銀河系において、銀河共和国という巨大な共同国家体が存在した。しかし、時が経つにつれ、政治の腐敗が生じ、統治秩序は崩壊、共和国は分裂の危機を迎えた。こうした中、古より銀河共和国を陰で支えてきたジェダイと呼ばれる騎士団が、共和国の秩序を回復させるために奮闘する。だが、彼らの前に、数千年も前に滅びたといわれる悪の力を信奉するシスが現れる。彼らの理想はジェダイの排除と強力な秩序による銀河の統一。そんな中、ある辺境の惑星で一人の少年がジェダイとして導かれ、銀河共和国・ジェダイ・シスの運命に関わっていく事となる。この少年と後のその子供達、ジェダイとシスの攻防、そして、銀河共和国から銀河帝国へ、そして、帝国の圧制に対する反乱により復活した「新共和国」への変遷を描いた壮大な物語である。

[編集] シリーズ構成

本シリーズは、6部構成からなるサーガの形式をとっている。製作順第一作にあたるエピソード4が成功したのち、9部作として発表されたが、現在の公式見解では、6部作ということになっている。エピソード1以前や7以降、各作品の間を埋める物語はルーカスフィルム公認の数々のスピンオフ作品として小説やコミック、アニメ、ゲーム等で発表されている。しかしルーカス本人はそういった他人が作った「外伝」については全く関心が無く、ほとんどの作品を読んですらいない(スピンオフ作品は多数発表されているが、新三部作が公開される以前に書かれた作品も多くあり、設定などで矛盾している作品もある)。

ただ、エピソード2と3の間に起きたクローン大戦を描いたアニメ作品「スター・ウォーズ クローン大戦」はルーカスの要望によって作られ、同時に本人の公認も受けている為、スピンオフ作品でありながらシリーズを補填する正統の作品であるとも言える。

  1. スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
  2. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
  3. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
  4. スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
  5. スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
  6. スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(*ジェダイの復讐)

[編集] 映画スター・ウォーズシリーズ

  • 1977年公開: 『スター・ウォーズ』(エピソードIV)
    後に「新たなる希望」という副題がつけられる
  • 1980年公開: 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(エピソードV)
  • 1983年公開: 『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(エピソードVI)
    後にジェダイの「帰還」に変更される
  • 1997年公開: 『スター・ウォーズ 特別篇』(エピソード4)
  • 1997年公開: 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲 特別篇』(エピソード5)
  • 1997年公開: 『スター・ウォーズ ジェダイの復讐 特別篇』(エピソード6)
    当初原題でも「ジェダイの復讐 (Revenge of the Jedi)」だったが、「ジェダイは復讐しない」との理由から「Return of the Jedi」に変更。しかし、日本はすでにメディア露出していたためタイトルを変更せずに公開した。そして、2004年DVD化に際し正式な原題訳通りの『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』に邦題を改題。しかし、エピソード3公開直前の地上波放送時にはTBS系から改題前の「ジェダイの復讐」の副題で放映され、批判された。
  • 1999年公開: 『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』
    ファントム・メナスとは「見えざる脅威」を意味する。
  • 2002年公開: 『スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃』
  • 2005年公開: 『スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐』

1977年から1983年にかけてエピソード4・5・6が発表された。その後ルーカスは当時のSFX技術が自分の想像する世界を表現できないとして制作を中断。

しかし1993年スティーヴン・スピルバーグの映画『ジュラシック・パーク』におけるCGの技術革新を見て、まず、エピソード4・5・6をCG技術を用いて化粧直しとシーンの追加を行い、1997年に特別篇として再発表した。その時に培われた技術を応用、発展させてエピソード1・2・3の制作を開始した。

また、『スローン3部作』(ティモシー・ザーン著)を始めとする小説・コミック・アニメ・ゲーム等、「スピンオフ」・「拡張世界」とも呼ばれる物語が多く創られていて、現在も進行中である。これらのスピンオフ作品の中には映画本編に全く、もしくは少ししか登場していないキャラクターが主人公として描かれた作品や、映画本編の登場人物が少ししか登場しない作品が存在する。また各エピソードを小説に直した小説版の映画スター・ウォーズも販売されている。

エピソード4・5・6は先に作られたので「旧三部作」(クラシック・トリロジーもしくはオリジナル・トリロジー)、エピソード1・2・3はその後に作成されたので「新三部作」(プリークェル・トリロジーもしくはプリークェル)と呼ばれる。『エピソード3 シスの復讐』で、映画としての本シリーズは完結となった。

2004年、「旧三部作」の制作過程を追ったドキュメント「夢の帝国 スター・ウォーズ トリロジーの歴史」(Empire of Dreams: The Story of the Star Wars Trilogy)が制作され、日本でもWOWOW等で放映された。旧三部作のDVDボックス版に収録されている。

将来、全6作の3D版の公開と、新たなテレビシリーズ、アニメシリーズの公開が予定されている。

[編集] 特徴

「スター・ウォーズ」第一作目が制作された'70年代中盤のアメリカ映画は、ベトナム戦争終結等の社会風潮を受け、内省的なアメリカン・ニューシネマが代表であった。そうしたニューシネマの1本である「アメリカン・グラフィティ」で一定の成功をおさめたジョージ・ルーカスは、古き良き時代のアメリカ娯楽映画復権を意図し、古典コミック「フラッシュ・ゴードン」の映画化を企画する。しかし、様々な問題が絡みこの企画の実現が不可能となり、その設定を取り入れて自ら「スター・ウォーズ」の脚本を執筆した。 その流れが結果として、原作を持たないオリジナル企画作品として、「スター・ウォーズ」を画期的なシリーズとした。 それまで普通であった、文芸作品等からの「映画化」という流れを逆転させ、オリジナルである映画から他のメディアへ展開し、商業的に世界的規模で大成功した最初の映画となったのである。

さらに、ルーカスは、配給会社である20世紀FOXとの交渉において、監督としての報酬を抑えるかわりに、作品に関わるすべての権利(商品化権等)を確保。これによって、登場するキャラクター・メカなどの関連グッズを製造・発売した初めての映画となり、ルーカスに莫大な利益と、映画作家としての自由を与えることとなった。特に新3部作では制作費を自ら出資、製作において絶対的な権限を握った事から「世界で最も贅沢なインディーズ映画」と言われている。これは、メディアミックスによって権利ビジネスが確立した現代では、とうてい実現不可能な出来事であり、ジョージ・ルーカスを「究極の自主映画作家」と見る向きもある。

日本の文化や侍をリスペクトし本シリーズに登場する機械や建物は歴史感および生活感のある「汚れ(ウェザリング)」がほどこされており、黒澤明は「この映画は汚れがいいね」と評価したほどである。このように徹底してリアリティーを追求しており、その手法はCGが多く使われた新三部作でも見ることができる。

本シリーズを語る上で欠かせないのがSFX(特殊効果)である。ルーカスは自分のイメージを映像化するには従来の撮影技術では不足と感じ、自ら新たな特殊撮影専門の会社を設立したが、それこそ後にハリウッドSFXの代名詞的存在となったインダストリアル・ライト&マジック(ILM)である。精密無比なプロップモーション・コントロール・カメラを多用した宇宙船の描写、ストップモーションによるAT-ATの重量感ある動き、特殊メイクによる様々なエイリアン(異星人)の表現など、従来のチープなSF映画の常識を打ち破る斬新な映像は多くの観客を熱狂させた。しかしルーカス自身は決して満足しておらず、旧3部作完結後は映像技術的限界を理由に長い空白が生じた。しかし『ターミネーター2』『ジュラシック・パーク』などの作品で培われたILMのCG技術によりその限界が払拭され、旧3部作特別編におけるトライアルを経て、全編に当たり前のようにCGキャラクターが跋扈する新3部作が製作される事となった。

自分の名前をダース・ヴェイダーに改名したり、車を反乱同盟軍の戦闘機風に改造する[1]等の多くのコアなファンがいる事でも有名である。映画に登場するものの設定が非常に細かい(普通なら兵士A、兵士Bで済まされるキャラにもちゃんと名前と簡単な経歴がある)事もコアなファンが多い一因となっている。映画専門の音楽関係者の「最も良い映画音楽」では1位を、「科学者がみせたいSF映画」でも3位をとった。

[編集] 反響

1977年に公開された初回作『エピソードIV』は、当時1978年公開の映画『未知との遭遇』や、日本で放送されていたTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』等とともに、世界的なSFブームを巻き起こし、これまでB級映画としてしか認識されていなかったSF作品への評価を完全に変えた。さらに、シリーズ全体で得られた興行収入の記録はいまだ破られていない。又、今日に至るまで多くの映画、SF作品に影響を与え続けており、現在でも機動戦士ガンダムなど本シリーズに登場する宇宙船や武器、さらにセリフを模倣したものが多く見られる。作中で用いた音楽はジョン・ウィリアムズによるもので、これは当時の映画のBGMで廃れつつあった管弦楽の復活にも作用した(ちなみに当初のルーカスの構想では、『2001年宇宙の旅』のように既存のクラシック音楽を用いる事になっていた)。これらの印象的なBGMは今日でも様々なTV番組で流れているのを耳にする。

『エピソードIV』公開当初は、評論家から「スター・ウォーズは子供騙しの映画」と酷評される事が多かったが、近年は「親子の絆を描いた叙事詩」「現代の神話」と高い評価を受けるようになった。又、『エピソードI』『II』公開時ファンや各メディアの反応はあまり良くなかったが、『エピソードIII』が公開されると、逆に『エピソードI』『II』のまとまり具合が評価されるようになり、新三部作全体の評価も見直されてきている。

また『エピソードIV』をはじめとした旧3部作がSFであるかどうかについて、当時の日本のSF関係者の間で大論争があった。とりあえずの結論は出ているが、この結論が普遍的かつ客観的なものかという疑問も未だに提示されている。また。その一方で「様々な要素を取り入れ、固有の世界観を確立するに至ったスター・ウォーズを、狭義の一ジャンルに定義しようとする事自体が間違いであり不遜な振る舞いである」という意見もある。

新三部作の各エピソードで流れるそれぞれのテーマ音楽は新鮮味に溢れているが、その他のBGMに関しては過去の作品で使用された音楽の使いまわしも多く、それに対しての不満も出ている。ただ、この傾向は旧三部作にも見られる事でもあり(『エピソードV』で使用された「帝国のマーチ」がアレンジされて後の『エピソードVI』でも多用されている、等)、これはリヒャルト・ワーグナーが用いたライトモティーフ(示導動機)という手法を利用している為である。つまり人物や場面毎にテーマが与えられており、その人物が登場するとその動機の音楽が流れるようになっている。2人登場すれば各人の動機が交錯したり、場面によってオーケストレーションを変更したりするなど、使いまわしのように思われるが、音楽にも物語を表現する意味が含まれている。

他には主なスピンオフ(映画を中心に考えた場合の、その他の物語)として『エピソードII』と『III』の間を描いたカートゥーン ネットワーク共同制作のアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』がある。独特の画風ではあるが大量の動画枚数による絵の滑らかさとテンポの良いストーリーは一定の評価を受けている。さらにこの続編の製作も決まっていて、3Dアニメとして製作が進んでいる。 また、『エピソードIII』と『IV』の間を描いた1時間×100話の連続ドラマを作る事を公言している。2年ぶりの続報(放映権で予定が延びていた様である)

2006年に北米地域を初めとした世界各地域で旧三部作の映画公開時バージョンのDVD化が決定。日本でも同年9月に特別篇とのカップリングで限定発売された。この限定版では、日本での劇場初公開時の字幕も収録されている。

[編集] 日本におけるテレビ放映

本シリーズの日本においてのテレビ初放映作品はもちろん初回作である『エピソードIV』。1983年10月5日に日本テレビ系映画番組「水曜ロードショー」(現「金曜ロードショー」)でお目見えになった。

この日の日テレはお祭り騒ぎで、朝から生番組にC-3POとR2-D2を出演させて宣伝していたり、夜7時からの一時間枠は「ウルトラ宇宙クイズ・秋のSF大決戦 スターウォーズまで後60分!!全国子供博士大集合」という特番を放映したほか、「水曜ロードショー」も通常夜9時からの放映枠を1時間前倒して8時からの3時間の特別編成を敷いた。「水曜ロードショー」中に日テレ局舎内で行われたタモリ研ナオコとC-3PO・R2-D2や愛川欽也による解説が共演し、スターウォーズの放送開始スイッチを押すまでの劇を数分おこなった。この時、スターウォーズ風(恐らく帝国軍格納庫)の部屋でオーケストラを用いたテーマ演奏が行われた。この数分の劇は、C-3POとR2-D2が日本テレビにやってくる場面から始まり、案内係の研ナオコに道を聞くが早口で無駄の多い(パーラーでお茶を飲んで右へ曲がって・・・)を通過し、途中行われていたオーケストラ(SWテーマ)の演奏に浸っていたC-3POがタモリ扮する警備員と揉め事を起こし無視をしたC-3PO・R2-D2に驚くという物で、最後はスタジオに着き時計の時間がすでに8時を過ぎている事に驚きあわててスイッチを押し、本編に移行する。こういった「焦らし」演出への批判は多かったが、それ以上にファンの不評をかったのが吹き替えキャストだ。主役級の吹き替えに芸能人を起用するという話題作りは当時珍しいことではなかったが、ルーク: 渡辺徹、レイア: 大場久美子、ソロ: 松崎しげるという実力の全く伴わないキャスティングは作品への冒涜だと多くのファンが激怒。この怒りは吹き替え監修としてクレジットされた野田昌宏への批判につながり、「スターログ」誌上での論争へと発展した。この「日テレSW吹き替え事件」は今だSWファン、吹き替え洋画ファンの間で「史上最悪の吹き替え放送」として語り継がれている。本編が終了するとタモリと研ナオコに優しく手を振られながら去っていくC-3POとR2-D2の姿が映し出されSW風のクレジットが入り番組が終了する。

二度目のテレビ放映は、日テレの「金曜ロードショー」枠(水曜から放送曜日移動)で『エピソードIV』。新しい吹き替えバージョンとして番組内で水野晴郎にも紹介された。ルーク: 水島裕、レイア: 島本須美、ソロ: 村井国夫という、その後のシリーズ作でも続けた声優陣の組み合わせでなされた。ただし、2005年6月~同年7月に行われた日テレ(NTV)TBSテレ朝(EX)のエピソード3公開を控えた5作一斉放送では一部の声優が変わってしまった。(ちなみに、リレー形式での放送なので順番もめちゃくちゃになってしまった。1(NTV)-4(EX)-2(NTV)-5(EX)-6(TBS)の順)

エピソードIV公開30周年に当たる2007年には、WOWOWで旧3部作特別編と新3部作がハイビジョン5.1chで放送されている。

[編集] 関連文献

  • 武田英明「日本一詳しい『スター・ウォーズ』EPISODE全部/吹替の逆襲」『別冊映画秘宝 吹替洋画劇場』洋泉社、2003年。

[編集] 関連項目

スター・ウォーズ世界の一覧記事
その他の関連記事

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

以下のホームページ内の文章には作品の内容に関する記述が含まれるので注意してください。