ピクサー・アニメーション・スタジオ

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ピクサー・アニメーション・スタジオ
Pixar Animation Studios
Pixar logo.svg
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州エメリービル
設立 1986年2月3日
事業内容 CGIアニメーション製作
主要株主 ウォルト・ディズニー・カンパニー
関係する人物 エド・キャットムル
ジョン・ラセター
スティーブ・ジョブズ
外部リンク

http://pixar.com/

      http://web.archive.org/web/20120614012114/http://www.pixar.com/jp/
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ピクサー・アニメーション・スタジオPixar Animation Studios)は、アメリカの映像制作会社。コンピュータグラフィックスを用いたアニメーションを得意とする。 また、ピクサーはレンダリング用のソフト、RenderMan®の開発者でもある。 1986年2月3日創立。CGIアニメーションを産業とする。本社は、カリフォルニア州エメリービル、2010年4月に第2スタジオがカナダバンクーバーに作られた[1]2006年5月5日より、ウォルト・ディズニー・カンパニーの完全子会社である。

歴史[編集]

1979年ルーカスフィルム社がニューヨーク工科大学からエド・キャットムル(現ピクサー社長)を雇用し創立したコンピュータ・アニメーション部門が、ピクサー・アニメーション・スタジオの前身団体である。その前身団体は『スタートレックII カーンの逆襲』や『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』を手がけている。その後、1986年、当時アップルコンピュータを退社したスティーブ・ジョブズらが1000万ドルで買収(内訳はジョージ・ルーカス自身に500万ドル、ルーカスフィルムに500万ドル)、「ピクサー」と名付けて独立会社とした。買収の背景として、ルーカスフィルムが7年間に及ぶCG作成ツールの研究に拠る現金流出を止めたかったことと、ルーカスフィルムの視点がCG作成ツールよりむしろ映画制作に移っていたことがあった。 ジョブズは買収資金として退社したアップルコンピュータの株を売り払った資金の一部を流用している. 独立当時の経営陣は、エド・キャットムル(社長兼CEO)、アルヴィ・レイ・スミス(エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼制作監督)、スティーブ・ジョブズ(会長)であった。

当初ピクサーは、政府機関や医療機関等を顧客とするピクサー・イメージ・コンピュータというコンピュータグラフィックス製作用の専用コンピュータを中核とした、高級ハードウェアの製造会社であった。またその顧客のひとつにディズニーがあった。その当時、ディズニーは従来行っていた手間のかかるインクによるアニメーションの作画手法を、コンピュータとソフトを使った能率的で効率的な手法に切り替えるというCAPS(Computer Animated Production System)プロジェクトに取り組んでいたためである。 ピクサー・イメージ・コンピュータの売り上げは芳しくなかった。そのような状況でコンピュータの売り上げに貢献しようと、コンピュータ性能の実演の為デモンストレーション短編CGアニメを制作していたピクサーの社員ジョン・ラセター(現クリエイティブ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント)は、SIGGRAPH86で短編CG『Luxo Jr.』の公開及びレンダリングプロトコル RenderManの提案をした。 ピクサー・イメージ・コンピュータとソフトウェアを分離してソフトウェア部分を改良し、PhotoRealistic RenderManとして販売を開始する。

エメリービルにあるピクサースタジオのゲート。

コンピュータおよびソフトウェアの売り上げは少なく,会社の業績が悪化したため、ラセターのアニメ開発部門は、外部企業のためのCGアニメのコマーシャル制作を始めた。その間ピクサーは、ウォルト・ディズニー・フューチャー・アニメーションとの関係を継続し、ディズニーのCAPS(コンピュータによるアニメの開発支援ポストプロダクションソフトウェア)の重要な技術参加企業になった。 ピクサー・イメージ・コンピュータ部門は1990年 Vicom Systems 社に200万ドルで売却される.その後、ピクサーとディズニーはCG長編アニメーション映画の制作のため、2600万ドルの契約を行った。

1988年に発表した短編CGアニメ『ティン・トイ』はアカデミー賞で短編アニメ賞を受賞。1995年にはディズニーとの共同製作で世界初のフル3DCGによる長編アニメーション映画『トイ・ストーリー』を発表する。1999年には『トイ・ストーリー2』でゴールデングローブ賞最優秀作品賞を受賞。2003年には『ファインディング・ニモ』でアカデミー長編アニメ賞を受賞した。 2009年『カールじいさんの空飛ぶ家』で第66回ヴェネツィア国際映画祭名誉金獅子賞をチーム受賞し、カナダに新しくスタジオを開設した。

ディズニーとピクサーの関係[編集]

ピクサーのすべての主要作品は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズと共同制作している。開発やアニメ制作、ポストプロダクションなどの制作面はピクサーによって行われ、配給や販売促進はディズニーによって行われ、またそのコストを負担している。ピクサーの最初の長編フィルム『トイ・ストーリー』の公開後の1997年、2社は今後10年間5作品の映画で制作費と興行収入を均等に2分配する契約を行った。また契約の際、映画およびキャラクターの著作権はディズニーが有し、分配後の10~15パーセントの興行収入をディズニーに支払うことも契約内容に含まれた。

両社にとって、この契約は非常に有益であり、ピクサーの契約後主要5作品は合計で25億ドル以上の利益を上げている。これは1作品あたりの興行でもっとも高い平均総収入に相当する。またディズニー本体の映画制作が振るわなかった事もあり、ディズニーの総売上の半分近くをピクサー関連が占めるまでになった。

ディズニーとの不調和は『トイ・ストーリー2』(1999年公開)の制作時から始まった。この作品はもともとビデオ作品として作られていたが(そのため、当初契約にふくまれる5作品とは考えられていなかった)、制作中に劇場用作品に昇格された。ピクサーはこの作品を5作品のうちのひとつと数えるよう要求したが、ディズニーはこれを拒否した。

2004年の早い時期に、2社は新たな契約合意に向けて協議を始めた。ピクサーは制作した作品の著作権管理を目指していたが、協議は配給に関する事のみであった。ディズニーとの配給交渉の局面で、ピクサーは『Mr.インクレディブル』や『カーズ』を含め、過去に制作した作品の著作権を引き渡すよう要求した。さらにピクサーは経済的自立を望んでおり、自社が制作した作品に対する融資と、興行収入のうちディズニーに対する配給料15パーセントを除く全てをピクサーの収入とすることを要求した。ディズニー、特に当時のCEOであったマイケル・D・アイズナーはこれを受け入れなかったが、ピクサーも譲歩しなかった。

これで両者の関係は終焉するかと思われたが、既に稼ぎ頭となっていたピクサーを手放す事にディズニーの株主達が反発、2004年9月にアイズナーが2006年9月の任期切れを以てディズニーのCEOを退任することを表明した。実際にはアイズナーの退任は2005年9月末に前倒しされ、2006年1月24日に後任のロバート・アイガーとジョブズがディズニーが2006年夏までにピクサーを買収する事で同意したと発表した。同年5月5日付で(買収金額は74億ドル)ピクサーはディズニーの完全子会社となり、「経済的自立」という自社の思惑とは裏腹にディズニーの傘下に入った。結果ジョブズはディズニーの筆頭株主となり、同時に役員に就任した。またキャットムルはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ社長、ラセターは同社チーフ・クリエイティブ・オフィサーを兼務する事となり、ディズニーのクリエイティブ面での実権を握る事となった。これに伴いディズニーが独自に企画していた『トイ・ストーリー3』もピクサーにより製作された。一方、『カーズ』のスピン・オフ作品である『プレーンズ』はディズニートゥーン・スタジオズによって製作された。

作品[編集]

ピクサーは脚本を12人で分業している。 「笑い担当は○○」のように、シーン毎に担当者を ディレクターのような人が割り当てて行っている。 それに加えて、脚本を練りこむのに時間をかける事で有名。 平均で一本2、3年かかるそうである。 又、ピザプラネットの車やA113以外にも、作品間でセットやキャラクターを共通化させることもある。(例としては「モンスターズ・インク」でランドールが追放された人間界は、「バグズ・ライフ」での虫の町があるトレーラハウスと同じ位置)

長編[編集]

# 日本語題 / 原題 公開日 製作費 興行収入 RT MC アカデミー受賞
1 トイ・ストーリー
Toy Story
1995年11月22日 $30,000,000 $361,958,736 100% 92 第68回特別業績賞(ジョン・ラセター)
2 バグズ・ライフ
A Bug's Life
1998年11月25日 $120,000,000 $363,398,565 92% 77
3 トイ・ストーリー2
Toy Story 2
1999年11月24日 $90,000,000 $485,015,179 100% 88
4 モンスターズ・インク
Monsters, Inc.
2001年11月2日 $115,000,000 $562,816,256 96% 78 第75回主題歌賞
5 ファインディング・ニモ
Finding Nemo
2003年5月30日 $94,000,000 $936,743,261 99% 90 第76回長編アニメ賞
6 Mr.インクレディブル
The Incredibles
2004年11月5日 $92,000,000 $631,442,092 97% 90 第77回長編アニメ賞、音響編集賞
7 カーズ
Cars
2006年6月9日 $120,000,000 $461,983,149 74% 73
8 レミーのおいしいレストラン
Ratatouille
2007年6月29日 $150,000,000 $623,722,818 96% 96 第80回長編アニメ賞
9 WALL・E/ウォーリー
WALL-E
2008年6月27日 $180,000,000 $521,311,860 96% 94 第81回長編アニメ賞
10 カールじいさんの空飛ぶ家
Up
2009年5月29日 $175,000,000 $731,342,744 98% 88 第82回長編アニメ賞、作曲賞
11 トイ・ストーリー3
Toy Story 3
2010年6月18日 $200,000,000 $1,063,171,911 99% 92 第83回長編アニメ賞、主題歌賞
12 カーズ2
Cars 2
2011年6月24日 $200,000,000 $559,852,396 39% 57
13 メリダとおそろしの森
Brave
2012年6月22日 $185,000,000 $538,983,207 78% 69 第85回長編アニメ賞
14 モンスターズ・ユニバーシティ
Monsters University
2013年6月21日 $200,000,000 $743,559,607 79% 65

公開前の作品

短編[編集]

※『アンドレとウォーリーB.の冒険』は正確にはルーカスフィルムで制作されている。ただし実際の制作にかかわったスタッフの多くは、後にピクサーへ移っている。さらに、2008年11月7日にディズニーからDVD・ブルーレイで発売された、「ピクサー・ショート・フィルム & ピクサー・ストーリー 完全保存版」に、『アンドレとウォーリーB.の冒険』から『リフテッド』までの短編作品が収録されている。

脚注[編集]

  1. ^ ピクサーがバンクーバーにスタジオ新設 (カナダ)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]