グリーヴァス将軍

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グリーヴァス将軍(グリーヴァスしょうぐん、General Grievous)は、SF映画スター・ウォーズ・シリーズ』新3部作に登場する架空の人物で、反共和国派の分離主義者(独立星系連合)を率いた将軍である。本名はカイメイン・ジャイ・シーラルQymaen jai Sheelal[1]

概要[編集]

クローン大戦において冷酷無比なサイボーグ将軍と言われ、分離主義勢力独立星系連合のドロイド軍指揮官として活躍した。
骸骨を思わせる白いデュラルスチール製の体を持ち[2]、髑髏のようなヘルメットが特徴的。

略歴[編集]

出自[編集]

元々は惑星カリーを故郷にする爬虫類種族カリーシュの将軍であり[3]、クローン大戦が勃発するまではサイボーグではなく、妻子や友人もいた。平和な日常に適応することが難しいほど好戦的な性格だったといわれ、戦いに対して美学を持つ、誇り高い武人気質の持ち主でもあった。
分離主義勢力の勧誘を受けたグリーヴァスは、故郷カリーが戦争によって被った莫大な負債を帳消しにすることと引き換えに加入した。
しかし、分離主義の黒幕であるダース・シディアスはグリーヴァスをより扱いやすくすることを考え、分離主義者に命じて彼の乗る宇宙艇を意図的に爆発事故に巻き込み、重傷を負ったグリーヴァスはジオノージアンによって有無を言わさずサイボーグにされてしまった。一命を取りとめたグリーヴァスだったが、脳の改造で記憶や精神にまで操作を加えられた事により、サイボーグとなった後はドゥークー伯爵、そしてダースシディアスの忠実な手先として行動するようになる。
サイボーグ手術後、兄弟弟子にあたるアサージ・ヴェントレスや賞金稼ぎのダージなどと共に、ドロイド軍の司令官候補の一人として選ばれたグリーヴァスはバトルロワイアルの末に勝利、その実力を認められて将軍の座を与えられた。

劇中での活躍[編集]

主な活躍は、スター・ウォーズ クローン大戦スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ (テレビアニメ)スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐などで描かれた。クローン大戦の最前線でドロイド達を指揮し、グリーヴァス自身も多くのジェダイと交戦している。
設定上ではエピソード2『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でのジオノーシスの戦いにも参戦していたが、目撃したジェダイは皆殺しの憂き目にあった為共和国軍やジェダイ達に存在を認知される事はなかったという。
グリーヴァスの存在が知られるようになったのは工業惑星ハイポリでの戦いであり、この戦いでグリーヴァスはドロイドの大軍を率い、ジェダイマスターを含むジェダイ達を続々と抹殺するという戦果を挙げ、以降も共和国中心部の星系インナーリムを次々と侵攻し恐れられた。
共和国を攻撃し勝利し続ける中、グリーヴァス将軍は共和国の首都コルサントへの奇襲・銀河元老院最高議長パルパティーンの誘拐を実行に移した。コルサントの奇襲は結果的に失敗に終わったが、議長の誘拐には成功し、2人のジェダイを殺害しジェダイ・マスター、シャク・ティを戦闘不能に陥れた(アニメ版クローン大戦シリーズ)。
しかし、この誘拐作戦は二人のジェダイ、アナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービの活躍によって阻止されたため、自身の旗艦「インヴィジブル・ハンド」もろともジェダイ達と最高議長を葬ろうとするが、この試みもアナキンの発揮した驚異的な操縦技術によって潰えてしまう。墜落寸前の艦より一足先に脱出したグリーヴァスは占領した惑星ウータパウに大量のドロイドを隠し、ダース・シディアスに連絡、次なる行動の指示を受けた。
しかし共和国はグリーヴァスの潜むウータパウをつきとめ、すぐさまジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービ将軍率いる大規模な機動部隊が派遣される。オビ=ワンに戦いを挑まれたグリーヴァスはこれに応じるが、やがて自身の不利を悟り撤退を図る。しかしオビ=ワンの激しい追撃により追い詰められていき、最終的に装甲を引き剥がされて露出した内臓をブラスターで焼き尽くされて絶命した[4]。その後、グリーヴァスが脱出に使用しようとしていた宇宙戦闘機ソウルレス・ワンは、パルパティーンのジェダイ抹殺指令オーダー66から逃れたオビ=ワンがウータパウから脱出する際に使用された(『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』)。

人物[編集]

性格[編集]

サイボーグへの改造手術によりいくつかの感情を失ったグリーヴァスだったが、以前のカリーシュの将軍であった記憶から次第に大きな虚栄心を抱くようになり、改造当初はありきたりなドロイドのプレートで覆われていた顔に金属の歯をつけ、ドロイドの顔面をカリーシュの戦士が身に付ける猛獣の骨で出来た仮面に似せたものに換装すると、大柄ながら貧弱にすら見える機械の身体にケープを羽織るようになった。自身の側近ドロイドであるマグナガードにもカリーシュ伝統のケープを羽織らせると、度重なる戦闘で汚れ、傷だらけになった姿を敢えて直さず、誇りとしていた(この為、劇中のグリーヴァスのボディには無数の傷が残っている)。
非常に残酷な性格として恐れられ、民間人や難民、女子供であろうと躊躇なく無差別に攻撃する。これはサイボーグ化の際に脳を操作された為であり、グリーヴァスの残酷さは殆どがこの改造に由来していると言われる。軽口を叩いたドロイドに八つ当たりをするなど、部下への扱いはぞんざいである。
かつて誇り高き戦士であった頃の名残なのか、敵であったとしても賞賛に値する者に対しては敬意を払う傾向がある。ウータパウに1人で現れたオビ=ワン・ケノービに対して最初は部下をけしかけたものの、その後は部下に手を出させず、オビ=ワンとの一騎打ちに臨んでいる。またアソーカ・タノに対しても、初戦では女子供と侮ってライトセーバー1本で闘おうとしたものの挑発に応じて二刀流に切り替え、のちに再戦した際は得意の四刀流で応じている。
ただし、総指揮官として討ち取られるわけにはいかないという自覚からか、形勢不利と見るとドゥークー伯爵の教えに従い、部下を押しのけてでも一人だけ逃げ出すことが多い。
「ゴア」と名付けた巨大なモンスターをペットにしており、惑星ヴァセックにあるアジトへの侵入者を餌として与えていた。キット・フィストーによって殺害された際激昂しており、グリーヴァスなりに愛着があったようである。
シスの復讐に収録のオーディオコメンタリーによれば、スタッフがイメージしていたグリーヴァスは「いざとなれば部下を差し向けてあっさり逃げ出す狡賢い小悪党」であり「どちらかといえば策を弄する皇帝に近いタイプ」であった。

人間関係[編集]

独立星系連合における軍事面の顔役であり、分離主義勢力の指導者であるドゥークー伯爵に対しては(命の恩人と思い込まされている事もあって)ある程度忠実であるが、「ドゥークーはジェダイ・マスターを倒すことを望むにも関わらずドロイドしか渡してくれない」と愚痴をこぼしたり、ドゥークーがグリーヴァスにジェダイを倒させるためにわざと彼のアジトにジェダイをおびき寄せたためにグリーヴァスが激怒するなど、対立する場面も見られる。通商連合ヌート・ガンレイとは初対面時にドロイドと間違えられた事から不仲であるとされ、ウータパウからムスタファーへの撤退の際もガンレイから異議を唱えられている。全ての黒幕であるダース・シディアスには絶対に逆らえない。
オビ=ワン・ケノービとは幾度も剣閃を交えた宿敵であるが、その弟子であるアナキン・スカイウォーカーとは『シスの復讐』で対峙するまで面識がなく、グリーヴァスはアナキンについて「もっと年配かと思っていた」との事[5]

能力[編集]

両腕は左右に分割する事で四本腕に変形可能である。この四本腕の制御の為、本来の脳に補助用の電子脳が追加されており、近接戦時は4本のライトセーバーを駆使して複数のジェダイと同時に渡り合う事が可能となっている。そのため片腕に指が6本あり、分割時は三本ずつになる[6]。その他ワイヤーアンカーを射出するグラップリングフックやブラスター等、様々な隠し武器・機能を内蔵している。
身体能力は極めて高く、壁面や天井をのようによじ登ったり、イソーリアンのジェダイマスターロロン・コロブの音波攻撃にも耐えきっている。
高い実力を持つ一方で、フォース攻撃には耐性がなく、コルサントの戦いにてメイス・ウィンドウのフォース攻撃を受けて呼吸器を損傷し、その直近の出来事である『シスの復讐』劇中ではしばしば咳き込んでいる。フォースを使えないため、ジェダイやシスのように銃のレーザーを反射して打ち返すこともできない。また、ジェダイ以外の戦士を舐めきっている傾向があり、クローン・ウォーズでは数人のグンガンに敗北している。通常のドロイド同様にグンガンの使うエネルギーボールは弱点で、手投げ用の小さいものを受けても動けなくなる。
四刀流
通常はライトセーバーを2本だけ使うが、迫り合いの際や本気を出した時には四刀流で襲い掛かる。電子脳の補助によりあらゆる角度から攻撃を仕掛けることができる他、脚を用いた三刀流も得意とする。シャク・ティキ=アディ=ムンディアイラ・セキュラなどジェダイマスターを含む五人のジェダイと同時に切り結ぶほどの実力者。
ライトセーバー技能についてはドゥークー伯爵に師事しており、ドゥークー伯爵のライトセーバーを手元で回転させる技をグリーヴァスは手首ごと回転する事で再現し劇中でも多用している。
ジェダイが使うフォームを補助脳へインプットしそのまま打ち返す能力を持つ[7]。このような性質からか相手からの攻撃には強いが、オビ=ワンが得意とするソーレスのような防御に特化した型とは相性が悪いとされ、上述の体調不良もあって『シスの復讐』における敗北へと繋がっている。
他にもブラスターやマグナガードの武器であるエレクトロスタッフの扱いにも長けており、ライトセーバーと併用する場面も見られる。
ジェダイ・キラー
ドロイド将軍となってからのグリーヴァスはジェダイ狩りに強いこだわりを見せ、ジェダイ・キラーの異名で恐れられていた。大戦中も殺したジェダイのライトセーバーやパダワンの頭髪[8]戦利品として収集する事を楽しみとしていた。
グリーヴァスはサイボーグになる以前からジェダイに対して憎しみを持っており、これは近隣の惑星に住む種族ヤムリとの戦争がジェダイの仲介によって終結した結果、共和国が惑星カリーに経済制裁を加えた為である。
戦闘時に使用するライトセーバーはこうしたコレクションの一部であり、ケーブや腰につけて複数本携行している。そのうちの1本は、ジェダイ・マスター・サイフォ=ディアスのライトセーバーであり、これは、グリーヴァスが重傷を負いサイボーグ化した時、見舞いに来たドゥークー伯爵から快復祝いのプレゼントとして渡されたもので、特にグリーヴァスはこのサイフォ=ディアスのライトセーバーがお気に入りであった。
現在判明している犠牲者は以下(スピンオフ含む。括弧内は戦場となった惑星)。
  • ダクマン・バレック(ハイポリ
  • シャア・ギ(ハイポリ)
  • ター・セイア(ハイポリ)
  • ナダー・ヴェブ(ヴァセック)
  • アディ・ガリア(ボズ・ピティ)
  • パブロ=ジル(コルサント
  • ロース=デル・マソナ(コルサント)
  • ファル・ムダーマ(コルサント)
  • ロロン・コロブ(コルサント)
  • ポム・ガス・マローム(コルサント)
  • ジュマー

キャスト・出演情報[編集]

  • 演じたのは製作スタッフのサウンド・エディターであるマシュー・ウッド。咳は当時気管支炎を患っていたジョージ・ルーカスの咳を録音した物を加工して使われている。日本語版は後藤哲夫
  • 当初グリーヴァスを演じる声優として複数のサンプルが用意されていたが、その中にアラン・スミシー名義で録音したマシュー・ウッドのサンプルがあり、その演技力の高さから採用されたという逸話がある。
  • 他、グリーヴァスの声優として、当初はゲイリー・オールドマンが予定されていたが、ゲイリーの契約上の問題(SWは俳優組合外の作品)で没になった。
  • テレビアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』での声優はシーズン2ではジョン・ディマジオ、シーズン3ではリチャード・マッゴーネイグルが演じている。日本語版は菅生隆之
  • CG版の『クローン・ウォーズ』では映画と同じくマシュー・ウッドが演じている。日本語版も同じく後藤哲夫。
  • ビデオゲームスター・ウォーズ リパブリック・コマンドでは映画の公開に先駆けて登場した。

脚注[編集]

  1. ^ グリーヴァスの名はカリーシュの将軍であった時、戦友であったRonderu lij Kummarという女性の死を受けて、自らつけたものである。
  2. ^ デュラスチールはのちにサイボーグとなったダース・ベイダーの鎧の装甲などにも使われているとされる。
  3. ^ カリーシュは多神教種族であり、反乱同盟軍の後身である新銀河共和国の時代には、グリーヴァス将軍はカリーシュの神々の1柱へ加えられている。
  4. ^ オビ=ワンはこのブラスターによって命拾いしたにも関わらず、グリーヴァスの死に様を見て「なんて野蛮なんだ」という台詞と共にブラスターを投棄しており、エピソード4でルークにライトセーバーを手渡した時のセリフに繋がっている。
  5. ^ 対するアナキンも「思っていたよりもチビだ」とやり返している。
  6. ^ ただしこれは映画での描写であり、グリーヴァスのデザインはメディアによって描写が異なっていたり同じメディアでも指の本数が変わっていることがある。クローン・ウォーズにおいてグリーヴァスのアジトが登場した際は、備え付けの手術用ドロイドや大量のスペアパーツで大破したボディをその場で修復する様子が描かれた
  7. ^ ブリッジノベル「悪の迷宮」では、メイス・ウィンドゥとグリーヴァス将軍が戦った際、彼が使う「ヴァーパッド」をそのまま返していた。
  8. ^ 旧共和国時代のジェダイ騎士団では頭髪のある種族の場合パダワンの段階にある間は髪を紐状に結い、ジェダイ・ナイトへと昇格する際にそれを切り落とす儀式を行う習わしがある。