クローン・トルーパー

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クローン・トルーパーClone troopers)は、アメリカSF映画スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空のクローン兵士である。銀河共和国軍の兵士で、後の銀河帝国軍のストーム・トルーパーの前身でもある。実写版では声及び素顔の場面をテムエラ・モリソンが演じた。『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』及びその続編にあたる『テレビシリーズ』ではディー・ブラッドリー・ベイカーが声を担当している。

銀河共和国から最新鋭の兵器・戦闘機・装備を与えられ、超人的な能力を持つジェダイの指揮官が率いるクローン・トルーパーはクローン大戦中、銀河系の各地で行われた多くの戦いで煩雑な指令系統を持つ共和国軍を勝利に導き、銀河史上屈指の軍隊だと広く認識された。しかしそれと同時に、銀河史上稀に見る戦いの傷跡を銀河系の各地に残した。

概要[編集]

誕生[編集]

シスの復活が示唆されたナブーの戦いの後にジェダイ・マスターサイフォ=ディアスは、見えざる脅威から銀河共和国を守るため惑星カミーノに住む銀河一のクローン製造者のカミーノ人にクローンの軍団を密かに発注した。当時ジェダイ・オーダーと一定の距離を取っていたサイフォ=ディアスは極秘に計画を進めることを決意し、銀河元老院最高議長のパルパティーンにのみ真実を打ち明けたが、その後何者かによって殺害されてしまう。しかし、計画は続行しティラナスなる人物の斡旋で銀河最強の賞金稼ぎと言われたジャンゴ・フェットから遺伝子提供を受け、それを元にクローンは製造されたのである。

パドメ・アミダラ議員暗殺未遂事件の首謀者を追跡していたオビ=ワン・ケノービは事件究明のために訪れたカミーノで偶然にもクローン軍団の存在を発見し、報告を受けた銀河共和国とジェダイ・オーダーには衝撃が走った。折りしも軍隊創設案が提言されている中で独立星系連合の武力行使の可能性が急速に高まったため、共和国はクローン軍団をもって共和国軍を編制して惑星ジオノーシスに派兵。以後3年間続いた銀河規模の戦闘は「クローン大戦」と呼ばれる事となる。

特徴[編集]

成長したクローンは遺伝子のホストであるジャンゴ・フェットとまったく同じ顔・体型を持ち子供の頃から成人するまでの間様々な軍事訓練を施されている。しかし、遺伝子に若干手が加えられており、通常の人間の半分の年月、約10年で成人し、自我が弱められどんな命令にも疑うことなく従う。このため、ドロイドとは比べ物にならないほど創造的思考と独立心を持っている。これらの設定から、クローン・トルーパーは皆、全くの無個性であると考えられがちだが、後述されている通り、従順性に捉われない柔軟な思考を旨とし、それぞれ用途に応じ特別な訓練を受けた兵員も少数ながら生産された。この一部の指揮官クラスの兵士らは、より自我の操作が緩やかに設定されているため、個別の訓練や戦闘経験を通して生じたであろう、能力や思考における明らかな個体差が見て取れる。また、其々愛称で呼ばれ、個体の識別を目的とはしながらも、独自に髪型を変えている者も存在する。一般のクローン・トルーパーでも、ときにはジョークを飛ばし、ときはに互いに庇い合うことさえある。更に戦争が長期化した結果、各地の戦場を渡り歩き様々な経験を積んだクローンが出現することとなり、中には手柄を立てて昇進した者(CT-65/91-6210、通称デヴィス)や失態を演じて降格された者(CT-55/11-9009、通称ジャイガラー)、戦闘ストレス反応PTSD、重度の外傷等が原因で非戦闘部門に配属替えになった個体も存在する。さらに『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』では敵に内通して情報を流したり、兵士としての責務に疑問を感じ軍を脱走した個体が存在する。

そして、全てのクローンには共和国と銀河元老院最高議長パルパティーンに対する絶対の忠誠心と、ジェダイの抹殺命令であるオーダー66が胎児の時から記憶されている[1]

装備・編成[編集]

彼等は認識番号によって互いを認識しており、下級の兵士は銃身の長いDC-15ブラスターライフルブラスターピストルで武装し、通信機や呼吸補助装置が内蔵された白いヘルメットをかぶり、温度調整ボディ・ローブの上に、体にぴったりとあう20ピースの白い装甲服を着ている。ペインティングによって階級が表されており下から順に、緑が軍曹(サージェント、分隊指揮官)、青が中尉(ルテナント、小隊指揮官)、赤が大尉(キャプテン、中隊指揮官)、黄が指揮官(コマンダー、大隊指揮官)である。

クローン・トルーパーは通常軍と特別軍に分けられており、それぞれ別の戦闘序列で編成されている。通常軍の編成はクローン大戦を通じてほとんどが変化しておらず、後の銀河帝国へそのまま引き継がれている。通常軍の編成は3,000,000ユニットのクローン・トルーパーで構成され、銀河元老院最高議長が司令官を務める共和国軍を最上とし、10の星系軍からなっている。星系軍はジェダイの最高将軍1名が指揮する2個のセクター軍(方面軍)からなっており、総兵力は294,912人である。セクター軍はジェダイの高位将軍1名が指揮し、4個のコープスによって構成されている(総勢147,456人)。コープス(日本語のカタカナ表記としてはコーア、あるいはコー。軍)はクローン・マーシャル・コマンダー(クローンコマンダーの上位階級)及びジェダイの将軍各1名が率いる4個師団からなっている(総勢36,864人)。ブリゲード(師団)はシニア・クローン・コマンダー及びジェダイの将軍各1名が指揮する4個レジメントからなっている(総勢9,216人)。レジメント(連隊)はクローン・コマンダー、クローン・レジメンタル・コマンダー、パダワンの各々1名が指揮する4個バタリオンからなる(総勢2,304人)。バタリオン(大隊)はクローン・トルーパー・メージャー1名が率いる4個カンパニーからなる(総勢576人)。カンパニー(中隊)は大尉(キャプテン)1名が指揮する4個小隊からなる(総勢144人)。プラトーン(小隊) は中尉(ルテナント)1名が指揮する4個分隊からなる(総勢36人)。分隊は軍曹(サージェント)1名が率いる9人のクローン・トルーパーからなる。

特別軍はARCトルーパー等独立心の強いクローン・トルーパー達で構成されており、彼らはジェダイ抜きの特別な作戦に投入されていた。編成は特別作戦ブリゲード(SO BDE)を最上とし、ジオノーシスの戦いの1年後までに10個のバタリオンで創設され、ジェダイの高位将軍アーリガン・ゼイが指揮する20の部隊(総勢10,000名)で構成されている。コマンドー・グループはジェダイの将軍バーダン・ジャシク、後にジェダイの将軍エテイン・ター=マカン(ジェダイ・ナイト)が指揮を執っており、5個カンパニーからなる(総勢500名)。カンパニーは5個トループ(総勢100名)からなり、トループは5個分隊(総勢20名)からなり、分隊は4名の兵士からなる。

やがてクローン大戦が長期化すると、装甲服に施されたペインティングは階級ではなく所属部隊を表すようになり装甲服などの標準装備も改良され様々なクローン・トルーパーの特別部隊が創設された。代表的な特別部隊としては、惑星マイギートーでジェダイ・マスター・キ=アディ=ムンディ将軍を殺害した、クローン・コマンダー・バカラが指揮する多目的部隊「ギャラクティック・マリーン」、オーダー66を受けてダース・ベイダーと共にジェダイ聖堂を襲撃したクローンコマンダー・アポーが指揮する装甲服の随所に青い装飾の施された「第501大隊」[2][3][4]、首都惑星コルサントの防衛・治安維持を主任務とし時にはパルパティーンの護衛を行う紅いペインティングが施された、クローン・コマンダーサイアの指揮する「ショック・トルーパー」等がある。

クローン兵の指揮官であるクローン・コマンダーは育成過程で才能を見出され、特別な訓練プログラムを受け創造性と独立心を高めたクローン(戦争の長期化に伴って戦場で手柄を立てたクローンがコマンダーに出世することもあるが)がなり、クローン大戦の後半にはレックスブライコーディダヴィジャンジャイガラーグリー、アポー、ネイオ、サイア、バカラなど自分の名前を名乗る事を公認された者もいる。ちなみに上記のクローンコマンダーは全員ARCトルーパーの隊長の1人「アルファ」から直接指導を受けている。

なお後にストーム・トルーパーに取って代わられるが、どのような経緯でクローン・トルーパーから変更されたかは今のところ不明。しかしエピソード3でマンダロリアンの装甲服の面影を残していたヘルメットの形状がストーム・トルーパーの物に近づいた事から、クローン・トルーパーとストーム・トルーパーは装備と名前が変わっただけの同一の物との見解が濃厚である(日本での映画パンフレットにはこの趣旨の記述が存在する)。

尚、ゲームスター・ウォーズ バトルフロントIIでのゲーム中の説明で共和国軍から皇帝の帝国軍に変わったと言う台詞があり、その時にストーム・トルーパーの純白の装甲服と装備(E-11ブラスターライフル等)に変わった。しかし、旧来の装甲服(エピソード2又はエピソード3時の装甲服)を好む部隊も存在している。

備考[編集]

  • クローン・トルーパーは全てCGで作られたため、彼等の着ている等身大の装甲服や銃などの装備は1つも製作されていない。
  • ジョージ・ルーカス監督は『エピソード2』でのクローン・トルーパーの戦闘時の動きに不満をもっており、『エピソード3』ではNavy SEALsの元隊員の動きをベースにしてCGで劇中のクローン・トルーパーの動作を作成した。その結果、作中でのクローン・トルーパー達の動作は非常に軍人らしいものになり、実在の兵士の動きと大差ないものになった。
  • クローントルーパーの行動として「頭をよくぶつける」というのが有名である。これは先に撮影された『エピソード4』のシーンだがクローントルーパーの元になったジャンゴも『エピソード2』で同じことをするため「遺伝子コピーの際に一緒にコピーされた不具合」というのが定説である。

脚注[編集]

  1. ^ しかし、スピンオフ小説『暗黒卿ダース・ヴェイダー』では経験を積んだ一部のクローンがオーダー66を一時的に拒否しジェダイを逃がすシーンが描かれている
  2. ^ 英語では501st Legionと表記される。大隊を意味する英単語はBattalionである。
  3. ^ 帝国の時代にはベイダー指揮下の精鋭部隊として恐れられベイダーズ・フィスト('Vader's Fist ヴェイダーの鉄槌)の二つ名で広く知られるようになる
  4. ^ なおエピソード3公開以前から501st Legionというスター・ウォーズのコスチュームプレイを楽しむ国際ファン団体が存在し、部隊名はこの団体名が元になっている

関連項目[編集]

外部リンク[編集]