ウォルト・ディズニー・カンパニー

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ウォルト・ディズニー・カンパニー
The Walt Disney Company
The Walt Disney Company.png
種類 公開会社
市場情報
NYSE DIS
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州バーバンク市 サウス・ブエナ・ビスタ・ストリート 500
北緯34度9分31秒 西経118度19分33秒 / 北緯34.15861度 西経118.32583度 / 34.15861; -118.32583
設立 1995年7月28日
(DCホールドコ・インク)
業種 サービス業
事業内容 メディア・ネットワーク
パーク アンド リゾート
スタジオ・エンターテイメント
コンシューマ・プロダクツ
インタラクティブ・メディア
代表者 ロバート・A・アイガー
会長、最高業務執行役員兼取締役)
資本金 302億9600万ドル
(2011年10月1日時点)[1]
発行済株式総数 27億4644万2718株
(2011年10月1日時点)[1]
営業利益 連結: 88億2500万ドル
(2011年10月1日終了期)[1]
純利益 連結: 52億5800万ドル
(2011年10月1日終了期)[1]
純資産 連結: 394億5300万ドル
(2011年10月1日時点)[1]
総資産 連結: 721億2400万ドル
(2011年10月1日時点)[1]
従業員数 連結: 約15万6000人
(2011年10月1日時点)[1]
決算期 9月30日に最も近い土曜日
主要株主 スティーブン・P・ジョブズ・トラスト 7.66%
FMR LLC 4.04%
(2012年1月31日時点)
主要子会社 ABCファミリー・ワールドワイド・インク 100%
ABCホールディング・カンパニー・インク 100%
ディズニー・エンタプライゼズ・インク 100%
ユーロ・ディズニーS.C.A. 40%
ホンコン・インターナショナル・テーマ・パークス・リミテッド 47%
(2011年10月1日時点、間接所有を含む)
関係する人物 ウォルト・ディズニー
外部リンク http://www.disney.com/
特記事項:デラウェア州法人として設立。1996年2月9日に「DCホールドコ・インク」から現商号へ商号変更。
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ウォルト・ディズニー・カンパニー英語:The Walt Disney Company)は、アメリカ合衆国のエンターテインメント会社である。

概要[編集]

本業の映画の製作やテーマパークの経営を中心に、三大ネットワークのひとつである放送局ABCやスポーツ専門放送局ESPN、インターネット・ポータル「go.com(Walt Disney Internet Group・旧infoseek)」などを傘下に納めるメディア系総合企業である。

ABCやESPNなどの放送局を傘下に納め、世界有数のメディア・エンターテインメント系総合企業体となっている。

会長最高業務執行役員はロバート・アイガー、上級業務執行副社長兼最高財務役員はジェームス・ラスロ、筆頭株主スティーブン・P・ジョブズ・トラストである[1]

本社はカリフォルニア州バーバンク[1]ニューヨーク証券取引所に上場し[1]ダウ平均株価の銘柄にも選ばれている。略称は DIS[2]

同社のキャッチフレーズは、「我々が最上に掲げる目標は、株主価値の創造です」である[3]

2008年2月まで続いた次世代DVD戦争では、容量の大きさやプロテクトの強さから終始Blu-ray Discのみを支持していた。製品化に関してはBlu-ray Disc陣営でも最も、高画質化に力を入れている。

沿革[編集]

映画製作[編集]

ウォルト・ディズニー社は創業以来、多くの傑作アニメーション映画を生み出してきた。世界初のトーキーアニメ、長編アニメ、カラーアニメなど歴史に残る業績を残したが、ウォルトの死後(1966年)低迷し、1990年代に再び黄金期を迎えた。復活の立役者は当時映画部門の責任者だったジェフリー・カッツェンバーグである。彼は伝統的なディズニー・アニメを再建する一方で、CGアニメ時代の到来を受けて、ピクサー社との提携を実現した。しかし1994年にカッツェンバーグはディズニーを辞職しドリームワークスの設立に関わることになり、ピクサーとも製作方針の食い違いなどから不仲になっていった(関係の悪化は当時のディズニーCEOであったマイケル・アイズナーが原因であるとの見方が強い)。ピクサーもディズニーとは『カーズ』を最後に契約を終了する予定だったが、2005年にアイズナーがCEOを退任したことにより、関係を再び修復。そして2006年5月5日、ディズニーはピクサーをM&Aにより買収し完全子会社とした。なお、アップルコンピュータとピクサーのCEOだったスティーブ・ジョブズは、株式交換によってディズニーの筆頭株主になると共に役員に就任した。 現在ウォルト・ディズニー・カンパニーは、長編アニメーション映画シリーズを製作するウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ、続編やスピンオフ作品を制作するディズニートゥーン・スタジオズ、CGアニメーション映画を製作するピクサー・アニメーション・スタジオの3つのアニメーション・スタジオを保有している。

実写映画製作は、ウォルト・ディズニースタジオ・モーション・ピクチャーズ・グループによって行われている。同グループにメジャーレーベルとしてはウォルト・ディズニー・ピクチャーズタッチストーン・ピクチャーズの2つ、インディペンデントとしてミラマックスハリウッド・ピクチャーズ(ミラマックスは配給も含む)の4つの製作部門があり、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが主にアニメーション映画やファミリー向け(主にMPAAレイティングG相当)映画を、タッチストーン・ピクチャーズやミラマックス・ハリウッド・ピクチャーズが主にその他の実写映画を担当している。

2006年7月、ディズニーは、実写映画製作本数を年間20本ペースから12 - 13本まで落とすと発表した。2010年1月を以ってミラマックスも閉鎖となったが、2009年にドリームワークスとの提携を発表し、2011年から同社制作の実写作品をタッチストーンが配給することになった。

なお『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006年)から新しいウォルト・ディズニー・ピクチャーズのロゴムービー(3DCG)を見ることができる。

ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ[編集]

※表中の年はアメリカの公開年

アニメーション映画[編集]

ウォルト・ディズニー・スタジオ製作 実写映画[編集]

ウォルト・ディズニー・スタジオはウォルト・ディズニーの実写映画を担当するスタジオであり、2012年6月4日に会長兼最高責任者(CEO)だったリッチ・ロスの後を継ぎアラン・F・ホルンがCEOに就任した。

タッチストーン・ピクチャーズ[編集]

ハリウッド・ピクチャーズ[編集]

ミラマックス[編集]

スタジオジブリ[編集]

1996年に日本のスタジオジブリと戦略的提携を結び、『もののけ姫』以降の長編アニメーション映画作品への出資と、アジアを除く全世界での映画配給権、日本を含む全世界でのビデオソフト販売権をWDCとウォルト・ディズニー・ジャパン(WDJ)が有している。海外配給はミラマックスまたはウォルトディズニー・ピクチャーズが行っているが、作品が再構成されるような編集は行われていない。

日本においてはほとんどのジブリ作品をビデオソフト化した「ジブリがいっぱいCOLLECTION」シリーズを、1998年よりWDJが「ブエナビスタ ホーム エンタテインメント」名義で発売しているが、1980年代以降のディズニースタジオ作品のビデオソフトで使われるDisney・シンデレラ城ミッキーマウスシンボルマークを用いたタイトル映像は挿入されず、ジブリが製作した短編タイトル映像が使われている。2009年発売の『崖の上のポニョ』からは「ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメント」名義となった。

テーマパーク・リゾート関連事業[編集]

ディズニーは、ウォルト・ディズニー・カンパニーにある4つの主要事業部門の1つである「ウォルト・ディズニー・パークス・アンド・リゾーツ」を通じて数々の映画を題材にして世界中でディズニーパークや、ディズニーパークのコンセプトをクルーズ船に応用した”テーマクルーズ”「ディズニー・クルーズ・ライン」や、本格的な会員制リゾートクラブ「ディズニー・バケーション・クラブ」、世界各地への体験型学習を含んだ旅行プログラムを提供する「アドベンチャーズ・バイ・ディズニー」などのリゾート施設・旅行代業を運営している。

※「東京ディズニーリゾート」(およびTDR関連の催事)はライセンス契約により、オリエンタルランドが経営・運営、それ以外は全てディズニー・パークス&リゾーツの子会社・関連会社が運営している。

ウォルト・ディズニー・パークス・アンド・リゾーツ[編集]

テーマリゾート[編集]

テーマクルーズ[編集]

会員制リゾートクラブ[編集]

  • ディズニー・バケーション・クラブ
    • Disney's Saratoga Springs Resort & Spa
    • Disney's Beach Club Villas
    • The Villas at Disney's Wilderness Lodge
    • Disney's BoardWalk Villas
    • Disney's Old Key West Resort
    • Disney's Vero Beach Resort
    • Disney's Hilton Head Island Resort

旅行代理業[編集]

  • アドベンチャーズ・バイ・ディズニー

関係会社(主なもの)[編集]

スタジオ・エンタテインメント[編集]

パーク&リゾート[編集]

メディア・ネットワーク[編集]

放送[編集]

  • Disney-ABC Television Group(グループのテレビ放送事業統括)
    • ABC Television Network
      • ABC,inc.(全国ネット系放送局)
        • ABC News(ABCの報道部門)
        • ESPN on ABC(ABCのスポーツ部門はESPNが担当している)
        • ABC Family(ABCのファミリー向けチャンネル)
    • Disney Channel Worldwide(ディズニー・エンタテインメント総合チャンネル)
      • Toon Disney(Disney Channel配下のディズニー・アニメーション専門チャンネル)
    • SOAPnet
    • ABC Studios(ABC番組の製作)
    • Walt Disney Television Animation(ディズニーのテレビ用アニメーション製作配給)
    • Disney-ABC Worldwide Television(グループ製作テレビ番組の米国外での製作・配給)
    • Disney-ABC Domestic Television(グループ製作テレビ番組の米国内での製作・配給)
    • Walt Disney Television International(ディズニーブランドテレビ番組の米国外での製作・配給)
  • The Radio Disney Network (ディズニーのラジオ放送部門)
  • ESPN(スポーツ専門チャンネル)
  • Lifetime Entertainment Services
  • A&E Television Network(芸術系専門チャンネル)

プロスポーツチーム[編集]

幼児教材[編集]

1998年にジュリー・エイグナー・クラーク(Julie Aigner-Clark)が起業し、2000年に正式にディズニー傘下の子会社となった。「3歳までの幼児の情操教育」を題目に、ビデオや玩具、絵本など多岐にわたりディズニーブランドで商品展開している。

2005年10月、『リトル・アインシュタイン』共同製作。(2006年10月にテレビ東京で放送された)

2006年5月、この「ベイビー・アインシュタイン」の掲げる「教育効果」が何ら根拠のないものであるとする「米国小児科学会」の報告をもとに、人権団体「Campaign for a Commercial-Free Childhood(CCFC)」が「連邦公正取引委員会(FTC)」に対して販売差し止めを求めて提訴。2009年秋に、ディズニー社に対する、2004年6月から2009年9月まで販売された「ベイビー・アインシュタイン」ビデオの代金払い戻し命令を勝ち取った。

これに対し、ディズニー社はこの判決の後、報復として「CCFC」のメンバーをハーバード大学系の「子供精神衛生センター」から追い出すよう圧力をかけたことが報じられている[5]

その他[編集]

  • ディズニー・コンシュマー・プロダクツ・グループ
  • ウォルト・ディズニー・インターネット・グループ

など、事業は広範囲に渡っている

ウォルト・ディズニー社と著作権[編集]

ディズニー社と著作権問題[編集]

ウォルト・ディズニー社は、自社作品の著作権とその維持・擁護に非常に執着しており、過剰さがしばしば批判されている[6]

これはウォルト・ディズニーの、かつてミッキーマウス以前の看板キャラクターだったウサギのキャラクター「オズワルド」の版権がすべて配給側のユニバーサル映画のものになったという過去の苦い経験からきたものである。そのため、ウォルトは著作権に非常に敏感になり、彼の死後も会社の方針として残り続けている。

アメリカの「著作権延長法」は、ミッキーを始めとする主要なキャラクターの著作権が切れる直前に、保護期間を延長する旨定める改訂を繰り返している。一私企業の都合で法律が改変され(ロビイストが議会へロビー活動を行なっているであろうことは論を俟たない)、あくまで既得権の維持に執着する強引さに対する皮肉の意味を込めて「ミッキーマウス保護法」とも呼ばれている[7]。なお、日本法人ウォルト・ディズニー・ジャパンでは外部の使用は一切認めない方針[8][9]

同人誌ファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物の執筆・発行は強く忌避され、成人向けのみならず一般向けまでも厳に規制されている。これにより、日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットですらディズニー作品の頒布全面禁止措置を執っているほどである。さらに、ディズニーのキャラやアニメについて述べる際、検索エンジンに引っかかりにくくするよう「某D社」「Dランド=ディズニーランド」「なんとかランド」「あのネズミ(=ミッキーマウス)」「ネズミーランド」など、意図的にボカシた表現をする場合も少なくない。

ディズニー社のキャラクターの多くは、「すでに著作権を失効した古典」から拝借したキャラクターであり、『ディズニー社は「著作権の消滅したキャラクターを元に、自社で新たに著作権を発生させて儲けている」にもかかわらず、自分たちの著作権が失効することは許さない』とは、ディズニー社が永年浴び続けている批判である。そもそもパブリック・ドメインの思想を無視し、人類の文化遺産を私企業が私物化するディズニー社の姿勢自体が、文化の発展を阻害する反社会的行為であるとの批判も強い[10]

著作権侵害に関する批判[編集]

中には「明確な著作権のある近代作品」をモデルにしたアニメーションもあり、こちらは抗議だけでなく実際の裁判問題が発生している。

  • 原作者A・A・ミルンからキャラクター使用などの契約をしたイギリス童話「クマのプーさん」は、元絵の主人公やキャラクターをアメリカテイストに変更したり、勝手にストーリーを作り続けるなどして原作者とイギリス本国から裁判を起こされている。
  • 2003年には、『ファインディング・ニモ』が、「自書の『Pierrot Le Poisson-Clown』の盗作である」として、フランス人作家Franck Le Calvezから提訴され、翌年にわたっての係争となっている。

日本作品では、盗作騒動として以下のような指摘がされ、内外で問題に挙げられている。

2006年3月10日には、映画企画の題名が、ロサンゼルスの暴走族集団ヘルズ・エンジェルスから「我々のグループ名『Wild Hogs』の商標ロゴとマークを盗用している」として著作権侵害訴訟を起こされている[12]

「明確な原作がない独自のストーリー」としては、映画会社ピクサー・アニメーション・スタジオとの協同作品があるが、これについてはディズニー作品というよりも、最先端のCG技術を持ったピクサーによる別会社作品として、ディズニー作品としての類似点は見られない(役割分担として配給や販売促進を担当)。しかし、同会社をディズニーが買収したことにより、「原作使用を訴えられるので今度は映画会社そのものを取り込んだ」というような内容で批判されている。

日本法人[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー有価証券報告書(2012年3月29日関東財務局提出)
  2. ^ The Walt Disney Company - ニューヨーク証券取引所
  3. ^ クラウス・ベルナー&ハンス・バイス著『世界ブランド企業黒書 人と地球を食い物にする多国籍企業』2005年、明石書店、ISBN 9784750321400
  4. ^ 1966年にウォルトが亡くなり、高齢のため引退を考えたロイはウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート計画を実現するために会社に残って社員たちを指揮。
  5. ^ 『ディズニーに勝利した後、グループは借家を失う(After Victory Over Disney, Group Loses Its Lease)』(ニューヨーク・タイムズ紙、2010年3月9日付記事)
  6. ^ ジョセフ・メン(Joseph Menn)『結局そのネズミは誰のものなんですか?』 ロサンゼルス・タイムズ2008年8月22日付
  7. ^ 著作権を保持できれば、キャラクターやグッズの売上に対するライセンス料やロイヤリティなどの名目で多額の金銭を徴収できるが、これらのキャラクターや作品の著作権が消滅すると、ライセンスによる金銭の徴収ができなくなるため、多大な経済的損失を伴うことになる。一方、仮に著作権が消滅しても、商標権(作品名・キャラクター名・ブランド名など)その他の知的財産権で保護することは可能であるため、完全に全ての権利が消滅するわけではない。
  8. ^ ウォルト・ディズニー・ジャパンのウェブサイト内にある著作権・商標において、各々の作品における著作権や他社の商標について記載されているが、自社の著作権・商標権については明確な記載がない。
  9. ^ 鹿児島県阿久根市では当時の市長・竹原信一の方針により、「クマのプーさん」「リトル・マーメイド」「ミッキーマウス」が取り入れられた壁画が官公署の壁に描かれたが、これに関しては“あるという話は聞いている。許諾はしていないし申し込まれても認めない”。『ミッキー、ピカチュウ…著作権侵害?アート事業も修正へ阿久根市』 西日本新聞2011年1月19日
  10. ^ NHKスペシャル 変革の世紀(3)「知」は誰のものか 〜インターネット時代の大論争〜』(2002年7月14日放映)
  11. ^ ロサンゼルス・タイムズ紙』1994年7月13日付記事
  12. ^ 『ディズニーの映画企画がヘルズ・エンジェルズから訴えられる』(『ニューヨーク・タイムズ紙』2006年3月11日付記事)

外部リンク[編集]