J-31 (航空機)
J-31は中国瀋陽飛機工業集団が開発中の、第5世代双発ステルス戦闘機である。
中国語では殲-31(歼-31、ピンイン:Jiān-31)または殲撃31型。コードネームは「鶻鷹」(シロハヤブサ)。欧米メディアではShenyang J-31と表記されることが多い。名称は公式に確認されたものではなく、F-60またはJ-60(殲-60)とする説、J-21(殲-21)とする説もあるが、このプロジェクトの名前が「310工程」であるとされること[2]、試作1号機とされる機体の機首に31001と記入されていることから、J-31とする説が有力である[3]。
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概要 [編集]
J-31はJ-XX計画で開発されたステルス機のひとつで、同じJ-XX計画機で2011年1月に初飛行を行ったJ-20とほぼ同時期に並行開発されていたと考えられる。J-20が全長20mを超える大型機であるのに対し、本機は全長17m程度の中型の双発戦闘機である。
2012年夏頃より試作機の画像がネットに流出(公開[要出典])し始めた。2012年9月には瀋陽飛機工業集団の飛行場で駐機中の本機の流出画像がネットで確認された。機首両側面に「31001」という数字が、双垂直尾翼には「鶻鷹」のエンブレムが描かれている[4]。
中国のメディアは、「2012年10月31日午前10時32分頃(中国時間)、J-11BS付き添いの下、J-31が初飛行に成功した」と報じた[5]。
中国網2013年1月17日付けは、J-31の写真が再び流出(実際は公開[要出典])したと報じた[6]。
設計 [編集]
J-31は同じ中国のJ-20やアメリカのF-22、F-35およびロシアのPAK FA (T-50)などと同様、ステルス性を強く意識した設計の機体で、RCS(レーダー反射断面積)を低減するため胴体側面を傾斜させ、主翼と尾翼の前・後縁の角度や、機体側面と垂直尾翼の傾斜を極力統一している。J-20がステルス性に疑問の残る先尾翼形式であるのに対し、本機は通常の水平尾翼を持っている。平面形状は単発と双発の差はあるもののF-35に類似しているが、側面形状は垂直尾翼も含めてF-22に似ている。空気取り入れ口にはF-35やJ-20と同じくDSI(ダイバーターレス・スーパーソニック・インレット)を採用している。J-11BSと並んで飛行する画像[7]から、長さはJ-11BSの75-80%程度と推測され、F-35(全長15.7m)よりやや大きい全長17m前後の機体と考えられる。
J-20と並行して本機が開発された理由については、いくつかの説がある。一つ目はアメリカのF-22とF-35のように、大型のJ-20とハイ・ローミックスの補完関係にあるとするもの。二つ目は輸出用のステルス戦闘機として開発されたとするもの。実際、2012年11月に珠海で行われた中国国際航空宇宙博覧会には、本機の模型が海外市場向けのステルス戦闘機のコンセプトモデルとして展示された[8]。アルゼンチンが興味を示しているとする報道もある[2]。三つ目は開発中の航空母艦用の艦上戦闘機として、将来的にJ-15を置き換える[2]、あるいはJ-15とハイ・ローミックスの運用を行う[7]とするもの。このクラスの機体としては珍しく、前脚にダブルタイヤを採用していることもJ-31が艦載を想定しているとする根拠の一つとされる。ただしグリペンやJ-10などアメリカとロシア以外では小型、中型の空軍用機でも前脚がダブルタイヤなのは珍しくない事である。
中国網2012年11月1日付けでは、J-31について「飛行性能はF-35以上、ミサイルの搭載量と航続距離はF-35よりやや劣る」としている。同じく中国網11月22日付けでは、「全長16.9m、高さ4.8m、翼幅11.5m、最大速度M1.8、離陸重量17,500kg、離陸距離400m、着陸距離600m、作戦行動半径1,250km(本体内燃料のみの場合)、作戦行動半径2,000km(増加燃料タンク搭載時、もしくは空中給油機使用の場合)」と、より具体的な数値を示している[9]。アメリカのF-35戦闘機の最大速度をM1.6-M2.0、空中給油を行わない場合の作戦行動半径を1,110kmとし、J-31がF-35に最大速度で匹敵、作戦行動半径では上回ると主張している。またこれらの情報が事実ならば、かなり優れた短距離離着陸性能を持っていることになる。
試作機の写真ではウェポンベイは確認できないが、高いステルス性能を得るためにはウェポンベイは必須であり、ネット上の想像図にも胴体下面にウェポンベイが描かれている。しかし、J-31の胴体はF-35より細いため、ウェポンベイへの兵装の搭載量はF-35に劣ると考えられている[7]。ステルス性を犠牲にすれば、翼下にもミサイル、爆弾や増加燃料タンクを懸吊可能であろう。
エンジンはJF-17用にロシアより輸入したクリモフ RD-93と考えられ[2]、これを横に並べて双発としている。双発なのは、推力の問題の他に、艦載を考慮しているからとも考えられる(エンジンの信頼性が低い場合、海上で運用される艦載機は双発が好ましい)。RD-93は試験飛行のためのつなぎに使い、将来は中国国産のWS-13(推力9,500kg)を搭載する予定と思われる[7]。試作機の画像では機体とエンジンノズルの間に隙間が見られるが、これは単にRD-93とWS-13の直径の差に由来するものとする考え[2]と、推力偏向ノズルのためのクリアランスだとする考えがある。ただし、実際に試作機が推力偏向機能を有するかどうかは確認されていない。また、試作機のノズル形状はごく一般的なものであり、後方からのRCSの低減や、排気の赤外線対策も行われていないと見られるが、将来的には国産エンジンへの換装とともに推力偏向ノズルと赤外線対策を採用する可能性はある。
脚注 [編集]
- ^ “China unveils new fifth-generation stealth fighter”
- ^ a b c d e 田辺義明. “最新・中国航空・軍事トピック - ステルス機がまた出現”. 航空ファン 2012年 12月号 (文林堂): 136-137.
- ^ J-31とする説の最大の根拠は、J-20(これも名称が確定しているわけではない)の試作1号機の機首に書かれた「2001」との相似性であるが、「2001」が(J-)20の01号機を表すのであれば、「31001」は(J-)31ではなく、310の01号機を表すと解釈する方がむしろ自然であり、単に「310工程」の1号機を表しているとも考えられる。また、2012年11月に行われた中国国際航空宇宙博覧会に展示されたJ-31と見られる機体の模型の説明には、名称は記載されていなかった。
- ^ “Chinese F-60/J-21/J31 Fifth Generation Stealth Fighter Jet Unveiled”. Chinese Military Review (2012年9月16日). 2012年11月16日閲覧。
- ^ 中国第二款隐形战机成功首飞
- ^ “J31ステルス戦闘機の写真が再び流出”. 中国網. (2013年1月17日) 2013年1月18日閲覧。
- ^ a b c d 竹内修. “中国の第五世代戦闘機J-31の実力を探る”. エアワールド 2013年 2月号 (エアワールド): 9-11.
- ^ “Avic Promotes J-31 As An Export Fighter”. AVIATION WEEK (2012年11月19日). 2013年1月15日閲覧。
- ^ “英誌:J-31戦闘機 作戦半径がF-35を上回る”. チャイナネット (2012年11月22日). 2013年1月15日閲覧。
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
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