X-45 (航空機)

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X-45

X-45A

X-45A

X-45ボーイングファントムワークスアメリカ空軍向けに開発していた無人戦闘攻撃機(UCAV)の概念実証用航空機。中止された国防高等研究計画局(DARPA)による統合無人戦闘航空システム計画(J-CUAS)の一部でもあった。

開発[編集]

X-45は、マクドネル・ダグラスの実験機X-36からの発展として開発された。X-45は、機首先端近くの背側に配置された小さな空気取り入れ口によって特徴付けられている。六角形の薄い胴体から滑らかにつながる短冊形の翼と、小さな排気口を持つ。垂直翼面は持たず、翼端近くのエルロンが非対称に作動することで方向舵として働くだけでなく、エアブレーキとしても作動する。

パイロットがいないこと、およびその付随装備が必要なくなることは航空機のコストを劇的に低下させる。運用者はX-45を遠隔操作するが、基本的には自律飛行する。

バージョン[編集]

X-45A[編集]

下部のウェポンベイを開いた状態

1996年の国防高等研究計画局(DARPA)とアメリカ空軍による無人戦闘攻撃機開発計画「UCAV-AF」が元となり、1999年3月にボーイング社との間で2機の製造・開発契約が結ばれた。

X-45Aは概念実証用にスケールダウンしたものが2機製造された。1号機は2000年9月に完成した。X-45A開発の目標は、敵防空施設を無人攻撃機によって制圧できることを実証することにあった。第一世代UCAVは、最初は遠隔操縦による空対地任務(防空施設の制圧)のために開発された。

X-45Aの初飛行は2002年5月22日に行われ、2号機はその年の11月に初飛行した。2004年4月18日に、エドワーズ空軍基地で最初の爆撃テストが行われ、成功を収めた。250ポンド誘導爆弾は目標をヒットした。2004年8月1日には、2機のX-45Aを1つのコントローラーによって同時にコントロールすることにも成功した。

2005年2月4日の50回目のフライトにおいて、2機のX-45Aは上空待機のために離陸し、目標の出現に備えた。X-45Aは最適な位置、武器、燃料の状態を自律的に決定した。その決定に基づいて1機のX-45Aは飛行コースを変更し、オペレーターは擬似防空施設への攻撃を許可した。最初の攻撃が成功した後、続いて出現した別の脅威に対して2機目のX-45Aが攻撃を行い、これを破壊した。これにより、未発見の敵に対する複数の機体による自律的な攻撃が可能であることを示した。

テストの完了に伴いX-45Aは国立航空宇宙博物館と、ライト・パターソン空軍基地内の国立アメリカ空軍博物館に送られ、展示された。

X-45B/C[編集]

X-45C
X-45C

X-45Bは燃料を増やすためにより大きくデザインされ、さらに攻撃範囲を3倍に拡大するためにX-45Cがデザインされた。機首から翼端までが直線的な新しいデザインによって翼面積が増大し、ステルス爆撃機B-2スピリットに似たデザインとなった。3機の開発が予定されたX-45Cの1号機は2006年に完成の予定、2007年初めに飛行デモンストレーションを行う予定であった。2010年までに、ボーイング社はKC-135による自律的な空中給油を完成させることを希望しており、さまざまなエアショーでX-45Cのモックアップを披露していた。

X-45C計画は、2004年9月、DARPAから3機の開発とテストのために7億6700万ドルを受け取った。また2005年7月には自律的空中給油技術のために1億7500万ドルを受け取った。

2006年3月2日、アメリカ空軍はX-45計画の中止を決定した。引き続きボーイング社はアメリカ海軍無人戦闘攻撃機開発計画の実証機に当機を提案していたが、これはノースロップ・グラマンX-47の前に敗れることとなった。

仕様(X-45A)[編集]

  • 全長: 8.08メートル
  • 翼幅: 10.3メートル
  • 全高: 2.14メートル
  • 空虚重量: 3630キロ
  • 動力: ハネウェルF124-GA-100 ターボファン
  • 最大速度: マッハ 0.75
  • 航続距離: 1,300 NMI(2405キロ)
  • 戦闘行動半径: 375マイル(600キロ)
  • 実用上昇限度: 4万フィート(13200メートル)
  • 武装
    • ハードポイント: 8 -2つのウェポンベイにそれぞれ4つのハードポイント。
      • JDAM、SDBなどを搭載。

参考文献[編集]

ステルス戦闘機と軍用UAV 坪田敦史 イカロス出版 ISBN 4871498441

関連項目[編集]

外部リンク[編集]