プロペラ機

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日本産旅客機YS-11のプロペラ
アントノフ An-22のプロペラ
高出力を得るため二重反転プロペラを採用している

プロペラ機(プロペラき)は、発動機から動力を伝達されたプロペラにより推進力を得る飛行機である。

概要[編集]

プロペラを推進力として利用する固定翼機を指し、それ以外の回転翼機軽航空機などはプロペラを持っていても特にプロペラ機とは呼ばないのが普通である。

内燃式レシプロエンジンが主力であった第二次世界大戦末期までの航空機は、飛行船を含めてプロペラ推進がほとんど唯一の方法だった。その後ジェット機の出現、およびその発達により、プロペラ機はそれほど高速度を要求されない機体、もしくはジェットエンジンの搭載が困難である機体に使用されるようになっている。

飛行船、オートジャイロは、現在までの所はプロペラを持たない実用機が皆無だが、プロペラ機と特に呼ぶことはない。ヘリコプターは専用の(推進用の)プロペラを持たない代わりに同じ原理のローターを持つが、同様にプロペラ機とは呼ばない。

発動機[編集]

種類[編集]

黎明期の飛行船の原動機には、蒸気機関レシプロエンジン、続いて電動機が用いられた。しかしながら20世紀に入る頃には、ほぼ内燃式レシプロエンジンに移行した。飛行船につづく動力式の航空機である飛行機においては、当初から内燃式レシプロエンジンが採用された(蒸気機関における飛行機の試みは、ことごとく失敗に終わっている)。蒸気機関に比べて小型軽量で高出力の内燃機関の実用化によって、飛行機もまた実用化したと言える。内燃機関と同時期には、蒸気タービンエンジンも実用化しているが、重量などで飛行機に向いているとは言えず、採用例は無い。

1940年代にはジェットエンジンが実用化され、その一種であるターボプロップエンジンがプロペラ機の発動機として用いられるようになった。レシプロエンジンよりも出力が大きく、非プロペラのジェット機に比べて低速での効率に優れる。1960年代には非レシプロエンジンの一つであるヴァンケルエンジン(自動車で言うところのロータリーエンジン)が実用化するも、現在のところ飛行機での採用例は無い(航空分野でのロータリーエンジンは、エンジン本体がプロペラと一緒に回転する星型レシプロエンジンを指す。ロータリーエンジン (初期航空機)参照のこと)。

現在は小型・低廉の飛行機はレシプロエンジン、それ以外のプロペラ機はターボプロップエンジンが主流である。模型飛行機を含めた無人飛行機の場合は、電動機を用いる例、さらに太陽電池を用いる例もある。人間の脚力を動力源とする人力飛行機も存在する。

配置[編集]

発動機はプロペラと近接して設置され、プロペラの数と発動機の数は一致する場合がほとんどである。

ただし例外もあり、最初に動力飛行に成功した飛行機であるライトフライヤー号は、ひとつの発動機でふたつのプロペラを駆動する。またふたつの発動機でひとつのプロペラを駆動する例もあるが、これは言わば適切な発動機が無かった場合の出力向上法であり、既存の発動機を2基連結して、2倍の出力をもつ発動機を確保したものである。

一般に、以下のように発動機を設けることが多い。

  • 小型機では - 機首に一基(単発機)か、左右の主翼に一基ずつ(双発機)
  • 三発機では - 機首と左右の主翼に1基ずつ [1]
  • 大型機では - 左右の主翼に1/2/3基ずつ(多発機)
注)小型機と大型機の境目は、最大離陸重量5700 kg(1万2500lb)が目安。

他に特殊な配置として以下のようなものもある。

限界速度[編集]

プロペラ機は原理的にジェット機よりも遥かに低い速度で限界に達する。機体が音速に達するより先に、プロペラの回転速度が音速に達し、衝撃波が発生し、抵抗が増し、推進効率が著しく減少する。

プロペラ機の最高速度記録は、レシプロ機ではF8F改造のレーサー『Rare Bear』の850km/h。ターボプロップ機ではTu-95の950km/hである。

現代のプロペラ機の例[編集]

単発機
セスナ 175C
双発機
ビーチクラフト スーパーキングエア B200

小型機[編集]

単発機[編集]

双発機[編集]

大型機[編集]

旅客機[編集]

輸送機[編集]

対潜哨戒機[編集]

早期警戒機[編集]

爆撃機[編集]

脚注[編集]

  1. ^ フォッカー F.VIIb/3mフォード トライモータJu 52/3mなど。

関連項目[編集]