無人機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

無人機(むじんき)とは、人が搭乗していない乗り物のこと。無人航空機 (UAV) や無人の宇宙探査機、無人地上車両 (UGV) 、 無人水上艦・水上艇 (USV) 、 無人潜水艦潜水艇 (UUV) などがある。操縦も機械が自律的に行う場合と、人間が遠隔操作で行う場合とがある。とくに前者はロボットの一種と見ることもある。

無人航空機[編集]

人の乗っていない、あるいは乗ることができない航空機を無人航空機という。広義にはラジコン飛行機、ラジコンヘリコプターも無人機といえないこともないが、通常はさらに大きく、実用目的のものを指すのが一般的。

使用目的はいろいろあるが、最も利用されているのは軍事用で、アメリカ軍などで偵察によく使われる。パイロット搭乗しないことで、敵に撃墜されたときのリスクを下げている。米軍の無人機によるパキスタン爆撃は、米国ネヴァダ州のクリーチ基地でCIAが制御している[1]

人間が搭乗しないため、生命維持に必要な装備が不要であり、製造、運用コストは有人航空機に比較してはるかに低額である。しかし、なかには有人戦闘機以上に高価な機体もある。

操縦は無線により遠隔操縦か、あらかじめプログラムされた経路を飛行する自動操縦。軍用に用いられる無人機の操縦はプログラムによる自動操縦のほかに、地上に設置される有人機のコクピットのような操縦設備がある。数面のモニターと計器類、操縦桿やペダル、火器管制装置などあたかも有人機であるかのような操縦設備により操縦されることもある。

なお、飛行制御方法により、次の2種類に分類できる

  1. 自律型
  2. 遠隔手動操縦長距離飛行型(リアルネットゲームデバイスの応用)

無人宇宙探査機[編集]

宇宙探査機の場合、有人による技術が確立されていない分野も多く、惑星探査機の全て、アポロ計画を除く全探査、人工衛星の多くが無人によるものである。未来の宇宙探査機ではダイダロス計画のようなものも考えられている。

詳細は各リンク先の項目を参照のこと。

無人潜水艇[編集]

無人潜水艦の開発は、民間面と軍事面で、その開発の性質が大きく異なる。遠隔操作を伴う場合は電波が届かず、超音波では伝送容量の制約を受ける為、有線式が多い。 徐々に自立型が増えつつある。遠隔操作する形式はROV(Remotely operated underwater vehicles)と呼ばれる。

民間の無人潜水艇[編集]

民間の無人潜水艦は、主に沈没船や海底資源深海の海洋生物などの探査に使われる。操作は自動で行うことはほとんどなく、もっぱら人が遠隔操作する。

深海においては、水温が数℃と極低温であり途轍もない水圧もかかるために人間が行くのはかなりのリスクを生じることもあり、しばしば「宇宙よりも悪条件」と揶揄される事もある。 何日間も加圧/減圧室で身体を慣らしてから行き返りする必要があり、潜水服も高価で技術も要する。また減圧症(高圧によって体内に入り込んだ窒素が、十分な時間をかけずに減圧することで気泡となって現れ、重症な場合は生命の危険を伴う場合がある)や窒素酔い体内に溶けた窒素が、深度下でよっぱらい<多幸感等>に似た症状を引き起こし、二次的に判断力低下から呼吸維持装置を取り去る危険もある)といった潜水関連傷害の危険性もある。

そのために無人潜水艦にカメラを取り付けて沈没船や海底を調査させたり、海底生物や堆積土のサンプルを持ち帰ったりするのに使われる。あるいは有人の海底探査を行う際の事前調査にも使われる。

現在、多くの国の研究機関がこういった無人潜水艇を所有している。海底ケーブルの点検にも用いられるよう、開発が進みつつある。

また、海洋の無人巡回探査などを目的として海洋研究開発機構が完全自立巡航を行う無人潜水艦うらしまの研究開発を行っている。長時間の活動を支える為に閉サイクルディーゼルエンジンや燃料電池が用いられる。

軍用の無人潜水艦[編集]

軍用の無人潜水艦は、主に敵対水域における工作活動に使われる。

有人の潜水艦では、特に原子力潜水艦においては技術的には半永久的に潜行することも可能であるが、実際には乗員の食料や精神面の負担から、三ヶ月程度が限度である。また艦が大型化することで敵に探知されやすくなるし、取り回しも難しい。

例えば無人の小型潜水艦を作り、あらかじめ敵海域の船舶が航行しそうな場所に何ヶ月も潜ませておく。そして上を航行する船舶があった場合、そのスクリュー音などを探知して魚雷を発射するなど、数ヶ月や数年単位といった長期間にわたる作戦行動に使われることが検討されている。

しかしこれはハードウェア(艦そのものの設計)やソフトウェア(自立行動させるためのプログラムや、民間船舶と軍用船舶を見分けさせる方法など)などの開発の難しさがあり、まだ研究段階に留まっている。しかし航空機では無人化が限定的ではあるが実用化されていることなどから見ると、将来的に実用化される可能性は十分にある。

軍用の水中無人機[編集]

軍用の「水中無人機」または「無人水中機」は普通「UUV」(Unmanned Undersea Vehicle)か「AUV」(Autonomous Underwater Vehicle)という略称で呼ばれる特定の機能を持った水中ロボットである。あらかじめ定められたコースや範囲を人の手から離れて独自にバッテリーか燃料電池のエネルギーによって水中を動き回り、必要な作業をおこなう機械である。外見は多くが魚雷型をしている。UUVの開発は早く1970年代には既に始まっていた。水中グライダーもこれに含まれる。[2]

戦争時や戦争終了後に海面上を行く民間船や軍用艦船、水中の潜水艦の航行にとって機雷は大きな脅威となる。従来、機雷の除去は海軍等の掃海部隊が人手をかけて行なってきた。近年のコンピュータの小型化技術や電子部品の小型化・高性能化が進んだため、無人兵器であるUUVによって機雷除去作業の自動化が検討されている。たとえば軍事行動として戦闘艦艇が海を進む時に、あらかじめ1つか複数のUUVが自動で掃海作業を行うということが考えられる。すでに掃海部隊でのUUVの運用は始まっている。水中の潜水艦から発進したのち回収される実験も行なわれ成功している。[3]

無人重機[編集]

建設機械農業機械にも遠隔操作や自律式で走行する無人機がある。自律式にはGPSを用いて自動走行するタイプもある[2]。建設、農業の分野で用いられている他、自然災害や原発災害などにも投入されており、スウェーデンの「ブロック」や、テムザックの「T-52 援竜(えんりゅう)のようなレスキューロボットもある。2011年3月東京電力福島第一原子力発電所事故では、コマツや日立建機などの多くの無人重機が投入された。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ディプロ2009-12「遠隔操作される死の飛行機
  2. ^ w:en:Autonomous Underwater Vehicle 09:28, 25 September 2007版
  3. ^ [1]

外部リンク[編集]